火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
来年もこんな感じでいきたいです、皆様今年はありがとございました。
“個性”火の鳥。
AFOの攻撃から我が子をかばった際に火埜夫妻の其々の“個性”とAFOの中で抗い続けた複数の“個性”が“個性”を奪われ空っぽになった火埜翔織の中で混ざり合い適合した結果生まれた“個性”。
その特性は3つに分けられる。
①様々な属性(効果)を持った焔状のオーラを自在に操る
②肉体をオーラに転化することで物理干渉を受け付けなくなる
③肉体を完全にオーラに転化させることで火の鳥を彷彿とさせるオーラ生命体になれる
雄英に入学し火埜の“個性”が知れ渡るなかで世間ではデメリットがない①の特性に目が行きがちであったが、この“個性”の真髄は②と③にあると担任の相澤は考えていた。
②関しては霧の焔の特性である「構築」その力を利用し幻でありながら物質に干渉できる「有幻覚」により此方が一方的に干渉できる。
③に関して言えば必ず劣化する“肉体”という器をオーラに転化させることで劣化しない不老の身体を手に入れるのだから。
AFO から分離したオーラAFO はこれらの特性から自身の優位性を信じて疑わなかった。
さらに、自分と相対するのは“無個性”に戻った元の持ち主と必ず触れる必要がある弱小“個性”を与えた自分のスペア。
その認識の筈だった。
「ははは、逃げるなよぉ“先生”」
ただのスペア、オールマイトへの嫌がらせのためだけの存在、死柄木弔だった存在、志村転弧が深紅の焔を纏った拳で触れられない筈の自分を“殴り付ける”。
「転弧、ナイス。射線通った!!」
転弧から逃れたその先には自分を削りきる熱量の焔を照射する火埜がいた。
目覚めたての力と思っていたが既にある程度の調整が出きるようになっており最初に比べて照射範囲を限定できるようになっていた。
「ふざけるな、僕のおもちゃだった奴らがなんなんだよ」
火埜と転弧は今、AFOの最大の強みを理解した。
それは無限とも言えるストックされた“個性”を自在に扱い時には組み合わせ新しい“個性”を作り上げることで可能とする「瞬間状況対応力」にあった。
しかし、自分達が目の前にしているオーラAFOは違う。
「“個性”火の鳥」となったオーラAFOには火埜が扱ってきた「“個性”火の鳥」しかない。
本来であればオーラという非物質化による一方的な攻撃が可能となる“個性”だったがそこには落とし穴があった。
火埜自身が明言しているが“個性”火の鳥は「オーラ系統を使用する“個性”使用者は触れる」というものだ。
今、2人はこの星に新たに生まれた「覚悟の焔」の力を手探りながら十全に使い始めていた。
互いに“個性”にた特性を持った焔は使いなれた“個性”と同じ要領で使えた。
馴れるまでそう時間を必要としなかったのともう一つ、火埜しか知らされていなかった「“個性”火の鳥」が持っていたデメリットがオーラAFOを知らず知らず追い詰めていた。
「おいおい、“先生”の焔の威力上がってるけど“先生”もなんか縮んでねぇか」
数分経った時、その変化は明らかだった。
全長5mはあったであろう巨大な火の鳥はその黒く淀んだ焔の輝きが増していくのに反してその姿は大型の猛禽類と同等までに縮んでしまっていた。
「「“個性”火の鳥」そのオーラの元は何か、オーラを得るための代償は何か考えたことあるか」
人型に戻ったオーラAFOに語りかける火埜。
その目には目の前の怨敵に対して哀れみの色しか写してなかった。
「“個性”因子だよ」
それは、戦闘の僅かな隙間。
完全な無音状態の空間に良く響いた。
「キャマバッカ事務所専属で診てくれてる綱手先生がオレだけに教えてくれた。火の鳥、もっと言えば天候の焔は“個性”因子が燃えた時に放たれるオーラを使用しているって。使っていけばいくほど純度が高い因子が残っていくから減れば減るだけオーラの威力も純度も上がっていくんだって」
オーラが晴れた先には火埜と転弧と同じくらいであろう少年が呆然とした表情で立っていた。
「つまり、僕は」
「肉体という器が無いあんたは後数分も経てば勝手に燃え尽きるだけだ」
自由を得た、しかしその仮初めの自由は泡沫の夢のごとく儚いもなだった。
「肉体を得ようにも“個性”が本体のあんたを受け入れる器は限られてくる。それを見つけるまでの猶予があると思ってる?」
火埜の問いかけに青ざめた顔を上げたオーラAFO。
茫然自失という言葉を体現したような彼はあくまで“個性”がAFOとしての自我が偶発的にコピーされ産まれた偶然の産物にすぎなかった。
だからこそ、ALL FOR ONEとしての行動の核となるものが存在しない。
ただ、なぞるだけの模倣しか出来ない。
だからこそ、これから先の計画が破綻していることに気が付けない。
「オレらがそれを許すと思ったんなら認識が甘いな」
そこには先ほどまでのニヤケ顔が消え去り冷徹に、冷酷に、冷淡にオーラAFOを見つめる転弧がペンダントトップを握りしめ立っていた。
「お前のために人生を壊され、歪められ、汚され、凡そ人間性をかなぐり捨てた様な有り様に成り果てた奴らがそんな甘えを許すと本気で思ってんのか?」
転弧が握りしめるペンダントトップからそれまで以上に紅い焔が立ち上がる。
深く深く純粋なまでの破壊を象徴するようなその赤は転弧の心象に呼応するように紅く煌めいていく。
「奴“ら”、てオレも含めないでくれる?オレ人間性までは捨てた覚えないけど」
右手を中心に火埜の周辺の景色が歪んでいく。
蜃気楼のように歪んでいく景色、目を凝らすとわずかに陽炎のように揺れ動く焔の輪郭のようなものが見受けられた。
「ニックス」
『ピキュァァァァァァァァァ!!』
火埜の着けた指輪から真っ白な羽毛を持つ不死鳥のような猛禽類のような鳥が現れる。
「モンブラン!!」
『グルァァァァァァァァァァァ!!』
転弧のペンダントトップからは胴長で短足、骨太、非常に短い尻尾とピンと立っている耳が特徴的なウェルシュ・コーギーが現れた。
通常のコーギーとは違いピンと立った耳には赤い焔が灯っている。
その姿は嘗て彼が飼っていた愛犬モンちゃんことモンブランに酷似していた。
『行こうか翔織君』
「はは、付き合いが良いね“透吏”さん」
人の声が聞こえてきた鳥、その声に思わず涙を流しながらも嬉しそうにする火埜。
『キュゥン、クゥン』
「モンちゃん、久し振り!!」
短い尻尾をピコピコ振り嬉しそうに転弧を舐め回すコーギー。
「「さてと」」
それは偶然、ニックスの喉元を撫でる火埜とモンブランを撫で回し腹天してるモンブランの腹を堪能した転弧が同時にオーラAFOへと視線を移す。
「なぁ、火埜君。“あれ”は存在したらいかん奴ですよな」
それはいつも通りの口調で、いつも通りの子供のような声色で、いつも通り玩具を見るような視線でオーラAFOを見る転弧から紡がれた言葉。
「自滅確定だけど、それを待つ理由なんて無いしな。それに、オレらには“あれ”に対して復讐する権利ぐらいはあってしかるべきだと思う」
興味なさげでありながら、ダーツで投げつける的のように狙いを定めるように注視する火埜の視線。
「なら、やることは1つだけだよな」
「だな、試運転ってことでいくか」
2匹の動物を伴い自然とオーラAFOに歩み寄る火埜と転弧。
「ニックス」
「モンブラン」
主の呼びかけに答えるように少し前に主を護るような位置に着くニックスとモンブラン。
名を呼ばれた2匹のパートナーは全身から焔を発する。
モンブランはより鮮やかな赤を纏い。
ニックスは周囲数mが歪むほどの熱量を放ち始める。
「「
『キュルルルルル』
『グルルアアアア』
白金に輝き閃光となり火埜へと飛び立つニックス、それと同時にどこからか閃光とと共に何かが飛んできた。
真紅の燃えさかる閃光となり転弧へかけよるモンブラン。
眩い閃光と共に衣服が変化した火埜と転弧が立っていた。
それは火埜のヒーローコスチュームのマフィアを思わせる黒いスーツだった。
目元にはオレンジレンズのサングラスと耳元には鳥を彷彿とさせるイヤーカフス。
腰回りには『火乃鳥ヒーロー・セブンス』の象徴とも言える『SISTEMA C.A.I.』を構成する匣が腰回りで浮かんでいる。
しかし、見慣れない装備があった。
まるでマフィアのボスのように威圧感を与えるマントのように新たに加わった漆黒のコートとそれを止める8個の宝石が着いたチェーン。
その瞳灯るのは確かな覚悟の焔。
「
それはあたかも軍服を彷彿とさせる漆黒の衣装であった。
左胸に十字架とコーギーのトライバルを模した紋章が入ったコート。
その下はワイドパンツにゴテゴテのパンクブーツ。
軍帽からピコピコ生える漆黒のコーギーの尻尾に愛嬌を覚える。
「
「逝ね、害鳥」
「果てろ、害悪」
2人の黒衣の使者が戦場に降り立つ。
転弧のボックスアニマルのコーギー「モンブラン」は原作に出てきた「モンちゃん」です。
あの子も被害者だしご主人と現世を謳歌して欲しかったので