火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
もう、5ヶ月経ちますが既にいらっしゃらないという事実にはくるものがあります。
鳥山先生、長い間ありがとうございました。
『おい、再三言うけど今回限りだからな』
『はいはい、先生ここでいいんだよな?』
スクリーンに映し出されたのはアンティークの木の椅子に足を開いて黒いヘッドホンをつけた相澤。
見慣れたヒーローコスチュームでなく黒いワイシャツにタイトな黒いパンツと首にはワンポイントになるようなシルバーのネックレスがされている。
そんな相澤を窘めるようにフェードインしてきた上鳴は後ろ向きに誰かに確認をとる。
その出で立ちは白いワイシャツにジーパンでワイシャツの下も白のTシャツと最近彼女の好みに合わせたような服装で向かい合わせになるように置かれた丸椅子に腰掛けると傍に置かれていたギターを手に取る。
『おい、上鳴。チューニングさっさとしろ』
映像がブレた、そのことからカメラが動いたことが伝わる。
ブレた映像が戻るとドラムセットに座り上鳴と同じような服装をした爆豪がワイシャツの腕をまくり上げ肩を回しながら上鳴に注意していた。
『うん?もしやもう撮しているのか?』
ギターのチューニングを終えダークシャドーと戯れていた常闇がカメラの存在に気がつく。
『当たり前じゃん、時間は有限。それじゃ、準備良いか?』
画面が分割され映し出された火埜、どうやら学校の屋上にいるらしい。
それだけでなく、同じ画面には不機嫌そうな相澤。
雄英の芝生エリアにて緊張した面持ちで自分の頬を少し強めに叩く耳郞。
音楽室で朗らかに笑いながら楽しそうにしている麗日。
4人の姿が映し出された。
『それじゃ、上鳴宜しく』
火埜の言葉を合図に真剣なそれでいて楽しそうな面持ちになる画面に映る4人。
映像は又切り替わり上鳴・常闇・爆豪が映し出された。
『いくぜ、オラ!!』
そして、上鳴のギターが音を響かせる。
DAN DAN 心惹かれてく、その眩しい笑顔に
果てない
Hold my hand
中央を縦断するように上鳴が画面に現れるとそれを囲うように相澤・火埜・耳郎・麗日が映し出された。
両端にはドラムを叩く爆豪とベースを奏でる常闇が現れ4人は、まっすぐ前を見据えて歌い始める。
生徒組に触発されたのか、髪を整え少し楽しそうに相澤は生徒組と同様に前を見据えて歌っている。
そして、麗日の後ろでピアノを弾いている八百万が全画面に映し出されると突如画面が二分割され2人が映し出される。
それはとても楽しそうに笑いながら歌う火埜と色々と吹っ切れた結果人を魅了する笑顔となった耳郎が映し出されまるでデュエットのように歌っていた。
2人からは歌い手特有の色気のようなモノがにじみ出ていた。
そして、麗日が火埜の横に現れカルテットとなる3人の声が絶妙に重なり場の空気が3人に引きずり込まれていく。
そこに突然相澤が1人撮され、独唱となる。
文字にすれば陳腐かもしれない3つの単語、しかしそれを相澤が歌うことでそれは別の何かに昇華されていく。
そんな雰囲気の中、しっとりと歌う相澤に黄色い歓声が上がる
DAN DAN 心惹かれてく、この
きっと誰もが永遠を手に入れたい
ZEN ZEN 気にしないフリしても、ほら君に恋してる
果てない
Hold your hand
すると画面が上下に分かれ上には困った表情を浮かべながら下を見つめる相澤が映し出され、下の画面は三分割され火埜と耳郎と麗日が楽しそうに歌う姿が映し出される。
そして、上下に分かれていた画面の真ん中にも空間が空き、上鳴と常闇が2人でギターとベースを弾く姿が映し出される。
当然両脇も画面が空き、ドラムを叩く爆豪とピアノを弾く八百万が映し出される。
そしてまた、相澤の独唱が始まる。
髪をかき上げながらやや楽しそうに歌うその姿に観客の女性の少なくない人数がうっとりと眺めている。
また、画面が二分割され麗日と耳郎が現れる。
歌詞に思い当たる節があるのか少し不機嫌そうにしながら自分の傍に居ない誰かに思いをはせるかのように歌うその姿はヒーローの卵でありながらも可憐な乙女であった。
そして、爆豪・常闇・火埜・上鳴・八百万の順番で縦断五分割された画面が現れる。
中央に映し出された火埜は全力で歌っているのが解る様で汗が流れ落ちてきていたがその姿すら人を魅了させるのに十分であった。
DAN DAN 心惹かれてく、自分でも不思議なんだけど
何かあると
ZEN ZEN 気のないフリしても、結局君のことだけ見てた
海の彼方へ、飛び出そうよ
今までと違い、正方形に切り抜かれた画面が8つ画面に現れ、今回のメンバー全員の姿が映し出される。
ランダムに映し出される場所が変るためか、全員が目で追いながらも普段ではあり得ないセッションに意識を傾け、とても楽しそうにしている。
そして八分割された画面に映し出される姿が固定された。
全員がとても素敵な笑顔で映し出され会場は興奮の坩堝と化していた。
そして、そんな雰囲気だからか最後に示し合わせたかのように8人全員がまっすぐ前を見据えた。
Hold my hand
伴奏が終わり、全員がそれぞれに手を振ったり、お辞儀をしたり、生意気そうな顔でドヤ顔したりと思い思いの顔が映し出されると徐々に黒く反転していく画面。
全てが黒くなった時、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。
堀越先生。
『僕のヒーローアカデミア』という作品に出会わせていただき本当にありがとうございました。