火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
寒いなと思ったらもう今年終わるんですよね。
アニメのヒロアカもあと少し。
「で皆は何がいい?」
皆さん、如何お過ごしでしょうか。
作者の趣味で低身長巨乳クル毛少女にTSさせられた原作主人公こと緑谷静空です。
2年生に進級してインターンやより実地的な活動をするようになり1年の頃と違って全員で集まる機会が少なくなってきましたがボク達は元気です。
さて、なぜ今回ボクがモノローグをさせられているのかというと。
「漢は黙って“ちゃんこ鍋”だろ!!」
「いや、野菜も海鮮も旨くいっぱい食べられる“海鮮チゲ鍋”こそ至高だ」
「解ってないなお前ら、“しゃぶしゃぶ”というタレを楽しむことも出来る鍋こそ究極だろ」
「“すき焼き”、旨い」
「師曰く“博多水炊き”こそ究極」
切島君を筆頭にした量が食べれる人が徒党を組んだちゃんこ鍋派閥。
障子くんを頭にしたかっちゃん1人だった辛鍋派を合併した海鮮チゲ鍋派。
上鳴くんが扇動したこだわりダレで食べるしゃぶしゃぶ過激派。
〆の蕎麦しか頭にない轟君を神輿にしたすき焼き穏健派。
ホークスに毒されてすっかり虜の常闇君が音頭をとる博多風水炊き推進派。
「けろ、ウチはこの時期“豚バラと白菜のミルフィーユお鍋”だったわ」
「うちはガツンと!さっぱり!“ねぎ豚塩レモン鍋”が定番やったね」
「私、この間頂きました“坦々餃子鍋”を推させていただきますわ」
「やっぱりココは“おでん”だよね」
寒がりの梅雨ちゃんリーダーのミルフィーユ鍋推進委員会(なお、今回は豚バラと白菜の様相)。
東海地方では割とポピュラーだと勢いでまくし立てる総長お茶子ちゃんによるねぎ豚塩レモン鍋急進組。
寮生活ですっかりとお鍋の魅力に染まった結果、今一番のお気に入りを推す百ちゃん会長推薦の坦々餃子鍋FC。
意外な刺客とばかりの勢いで押し切ろうとしている透ちゃんが推し進めるおでん軍団。
なぜ、我がクラスがいまこんなお鍋論議が白熱しているかというと全ての元凶は幸運値がカンストしている疑惑が最近真しやかに囁かれるようになったトー君の一言が原因だった。
それはこの不毛な議論が起こる2時間前に遡ります。
おやつジャンケンに1人負けしたトー君は寒空の下、学校の近くにある商店街に買い出しに出かけました。
そして、帰ってきたトー君の右腕にはみんなの希望したおやつが入った買い物バック。
左腕には嬉しそうにヌクヌクと腕に巻き付く明ちゃんとカタログ本。
トー君は自分に嬉しそうに引っ付いている明ちゃんをペイッとひっぺかえすと明ちゃんのコートを脱がし、近くに居た梅雨ちゃんに明ちゃんを預け、自分のコートと明ちゃんのコートを自分の部屋に置きにいきました。
そして、その間に面白いの気配を感じ取ったみんなが共有スペースに集まってきました。
トー君がソファに座るとネコが個性なのではと勘ぐりそうな勢いでトー君の腕に絡みつき直す明ちゃんについてはみんなもう馴れたモノです。
2人曰く商店街で行われていたガラガラ、いつもおやつを買っているお店で渡された抽選券でやってきたところ、2等のお鍋のセットが届くギフトカタログが当たったとのことでした。
“個性”のせいで沢山食べる人も満足いくようにかなりの量が届くのと届くお鍋の種類が豊富でみんなが楽しそうにカタログとにらめっこをしていました。
そして、冒頭の一言が開戦の合図になりました。
「切島、女子も食べるんだからもうちょっと考えてよ」
「肉だろ鍋って言ったら」
「誰がタレ作ると思ってんだコラぁ!!」
「〆はやっぱうどんだろ」
「おまえ、ホークスに毒されすぎだろ」
「・・・・、やっぱり大根!!派閥分離します!!」
「それ、先週食べたからダメ!!」
「餃子は手包みしなきゃダメらしいから次にしようね」
「おでんは鍋じゃ無くね?「おなべだもん!!」
愚かにもこの喧噪を生み出したトー君は我関せずと先週当てたお菓子のギフトカタログを明ちゃんと一緒に見ていた。
というか、トー君の場合はイワさん関連のお歳暮として全国各地のヒーローから名産が届くからか我関せずを貫いてるし、明ちゃんは休日じゃないとコッチに居られないからってお鍋論争に参加せずトー君に甘えてるし。
ボクとしては湯豆腐が良いんだけど、この喧噪にツッコんでいく勇気が無かった。
「ただいまぁ」
珍しくくだらない議論で白熱していくクラスメートを尻目に玄関を開けて壊理ちゃんが帰ってきた。
今日は土曜日で最近習い始めたギターのお稽古に行っていた壊理ちゃん。
お外がとても寒かったらしく真っ白なホッペが壊理ちゃんも大好きな真っ赤なリンゴのようになっていた。
「翔織さんと明さんは何見てるの?」
壊理ちゃんに気付いたトー君は匣獣のニックスを待機モードで呼び出した。
嘗てのヒヨコモードトー君を彷彿とさせる真っ白な巨大毛玉ヒヨコなニックスを大層お気に入りの壊理ちゃんは嬉しそうに抱きしめると2人の間に座り込む。
その光景がまるで親子のように見えてそれに気がついたトー君のお嫁さん候補達がハンカチを噛んで嫉妬を露わにしている。
その更に後ろで愛義娘を捕られたように壁からこちらをキレッキレにキマッた目で見ている相澤先生も印象的だけど。
「わぁ、美味しそう」
「はいはいはいはい、壊理ちゃんはどれが食べたいですか?」
壊理ちゃんを膝に座らせ一緒にカタログを見る明ちゃんは本当にお母さんのようで、壊理ちゃんも嬉しそうでした。
「んとね、えとね」
カタログをペラペラと一生懸命めくる壊理ちゃんは流石はA組の癒やし枠です、荒れた心が浄化されていきます。
「落ち着いて、ゆっくり見なよ」
いつの間にやら台所に行っていたトー君がアップルティを煎れて戻ってきました。
その後ろに着かず離れずな微妙な位置で立っている相澤先生もこの光景にはにっこりのご様子。
「えとね、わたしこの間ね砂藤さんが作ってくれたアップルパイが食べたい」
しばしの静寂が寮を覆います。
「もしもしオヤジさん、常闇です。いつものリンゴじゃなくて加熱して最も美味しいリンゴをお願いします」
「砂糖はアレを使うとして市販のパイ生地なんてもってのほかだな」
「お茶は何にしましょうか?アップルティなのは決まってますけど今年一番合う葉といったら」
「みんな、次の休み全員が居る日を確認するぞ!!」
「けろ、今度は一緒に作りましょう壊理ちゃん」
「うん!!」
基本的に壊理ちゃんに激甘なA組はこう言う時の団結力もスゴいです。
「だったら、鍋はコレだな」
数週間後、大量のアップルパイと共に行われた鍋パーティは。
「美味しい~」
「Buono!」
「トロトロ~」
「誰だ!!揚げ餅なんて背徳的なモン準備したの!!止まらねえだろが!!」
「そば」
「まぁ、〆はパスタだな今回は」
チーズフォンデュでした。
「みんなで食べるともっと美味しいね」