火埜翔織という異物によるHEROACADEMYだ 作:完全怠惰宣言
単純にそれ以上長くすると5000文字で納めてしまう時に変な罪悪感を感じるからです。
その為、今回の話は切れが悪いと感じられるでしょうが、ご容赦ください。
日曜日、初めての戦闘訓練での反省会を行うべく1-A生徒は火埜から送られてきた住所の前に集まっていた。
途中で相澤も文句を言いながら合流し目的地へと歩いていた。
そして今、生徒全員の心は見事に一致していた。
「「「「(本当にココに入るの?)」」」」
そんな生徒たちの心の声が聞こえて来たのか、全く関係ない方向に視線を向けている相澤。
「まぁ、折角あちらが気を利かして全員が使える会議室を準備してくださったんだ。時間は有限だ行くぞ」
「「「「待って待って待ってください!!」」」」
1-A生徒並びに担任の相澤の目の前にはあまりにショッキングな建物が映っていた。
昼間だというのに煌々と煌めくピンクの蛍光ネオン。
店主であろう存在の印象深いどデカい顔面が輝く看板。
全体的にピンクピンクしていて如何にもR-18禁な雰囲気を醸し出している大人お店。
全てが目に優しくない建物「キャバレー“ニューカマーランド”本店」が映っていた。
「いやいやいやいやいや、火埜は真面だと信じてたのに」
「でも、住所は合ってるしGPSも“ココ”指してるし」
「確かに、イワさんに世話になってた時は“ココ”が事務所だったな」
「イヤーーーー、オレら絶対食われるじゃん」
全員の身体に得体のしれない寒さが駆け巡り、背中にじっとりと嫌な汗が流れ始めた時だった。
「皆遅いよー、何してんの」
「こっちですよ」
真後ろのビルからヒョッコリと顔を出したのは2日前から顔立ちがはっきりした葉隠透といつもはポニーテールにしている髪を下ろした緑谷だった。
「「「「そっちかよ!!」」」」
「あ、そういえばイワさん事務所引っ越したとか言ってたな」
「ウェルキャマー、キャンディーズ。ヒーーハーー!!」
「で、でーたーーーー(気絶)」
峰田が綺麗に気絶したが背負ってきてたリュックごと相澤が荷物のように持ち上げる。
「こういう時、ナリが小さいと便利だな」
「さて、ヴァターシはこれから重要な会議に行かなきゃナッシブル」
「あとのことはトーリボーイ達に任せてあるから寛いでってちょうだい」
「お手数をお掛けします、イワさん」
「細かいことは言うでナッシブル、それじゃアデュー」
クイーン・キャマバッカ(男ver)がハイテンションのまま回転しながら出ていく。
そして、全員が視線を戻すとそこには後ろに控えていた火埜が困ったような顔をして立っていた。
「いや、インパクトはデカいし、テンションも高いけどあれでもビルボードチャート3位になったこともある人だから」
防音処理がなされているはずのドアから「ヒーハー」とあの奇声が聞こえた気がしたが、全員聞かなかったことにした。
「火埜サッサと行くぞ、休みと言っても時間は有限だ」
「相澤先生も休日に申し訳ありません」
「本当に不合理だな」
「ははは、はぁー」
火埜の後について歩く面々、処々の事情でヒーロー事務所という場所を知る飯田と轟はともかく他の面子は初めて入ったヒーロー事務所に興味津々だった。
「会議室は5Fです、一番展望が良いからってイワさんが“あれ”で壁撃ち抜いてリフォームしたんで」
「あぁやっぱりこのビル、オレが世話になってた時、後ろでイワさんが暴れてたビルか」
「イワさん喜んでましたよ、先生がちゃんと人間的な生活してて」
「“あれ”の餌食になるくらいなら誰だって真人間になるだろう」
「確かに」
「ねぇねぇ、火埜」
先頭を行く相澤と火埜。
ビルのオーナーの人となりを知る2人だから解る会話をしながら先に進んでいるとクラスでもムードメーカーになりつつある芦戸が声をかけてきた。
「少しだけでいいから、この中案内してよ」
「お、良いなそれ。火埜も中知ってんだろ」
芦戸の意見に乗っかる形で、お調子者っぽい上鳴が賛同する。
よくよく見ると気絶している峰田以外全員が興味津々と顔に書かれていた。
「別に良いけど、男子はココが誰の事務所か解ってて言ってるの?」
「え?」
「だから、さっき表で副業の店見たはずだけど、“ココ”が“誰”の事務所で“どんな人”が相棒をやってるか解ってて言ってるの?」
途端に男子全員が戦慄の表情を浮かべ、とある一カ所を防御する態勢を取った。
「ま、上鳴がどうしてもっていうならいいけど、皆さん年末の過渡期を終えたばかりでストレスたまってるから手加減なんてないだろうな」
火埜の続く言葉に特に名前が挙がった上鳴の顔は画風が変わるほどにシリアスになっていた。
「「「時間は有限だ、早く行こう」」」
「アホ共が」
「バカばっかりだね」
そんなこんなで5Fの会議室に着いた一同。
先頭の火埜がドアを開ける。
「みんな遅ーい、何してたの」
2日前に顔を初めて見たクラスメート、葉隠透が私怒ってますという表情で立っていた。
そんな彼女は薄っすらとメイクをしており、明朗快活な彼女を更に愛らしく引き立てていた。
「とりあえず、あの時のペアごとになる様に座って、飲み物は一番後ろの机にあるの自由に飲んで良いってイワさんが言ってたよ」
「オラ、服掛ける奴ハンガーここだぞ」
「荷物とかは各自で持って座るほうがいいよね」
先に着て準備をしていたのであろう緑谷、爆豪、麗日の声で皆が動き始めた。
峰田は自身の最大のトラウマとの再会から記憶がなかった。
気が付くと隣には
「あ、火埜君また髪解いちゃったの。ゴムかして」
「いや、別に性根据えてやるわけじゃないんだから」
「でも髪の毛邪魔でしょ?」
「別に、普段の授業でも縛ってないんだしいいでしょ」
「ムゥ、かぁーしぃーてぇー」
「・・・・はぁ、はい」
「ムフー、よろしい」
「オイラの目の前でイチャイチャしてんじゃねえ!!(血涙瀑布)」
峰田の魂の咆哮に会議室に居る全員は無言で首を縦に振っていた。
そんな峰田の後ろにヌルリと近づく一つの影。
「ねえ、峰田君」
「何だよ緑谷、お前はあの光景に何とも思わないのか」
そう言って峰田が緑谷の声のする方を向いた瞬間。
「プエ」
緑谷のアイアンクローが顔にめり込んだ。
「いい峰田君、あれは親鳥に雛がくっ付いていってるようなものだから、別にとーくんと葉隠さんが付き合ってるとかイチャイチャしてるとかそう言う訳じゃないから、あんまり邪推しちゃダメだよふたりにしつれいだよそもそもあってすうじつなのになんであんなにべったりされてだいじょうぶなのかなかなおかしいよおかしいよねとーくんのぱーそなるすぺーすはおーるふりーなのかなかなかなかな」
「落ち着けシズ」
「ひゅぶ」
暗黒面に堕ち掛けていた緑谷の頭に火埜のチョップ(軽)が突き刺さった。
「いた~い、あれボクは何を」
「ボケシズク、オレ等は幼馴染みだけど他人だぞ。そこは尊重し合おうて約束しただろ」
「それに、例え僕が誰かとそういった関係になっても、シズが幼馴染みなのは変わらない、だろ」
「うー、またやっちゃった?」
「ほれ、麗日ヒーリングだ。抱きついてこい」
そう言って緑谷を軽く投げ飛ばす火埜。
「シズクちゃんキャッチ、ほーらイイ子イイ子」
「あぅ、またやっちゃったよお茶子ちゃん」
「ケロ、私も蛙吹式体温ヒールハグ」
「あ、あたしも混ざる芦戸リラクゼーション」
「わ、私もいきますわ。八百万セラピー」
「あ、この流れウチもか、えーっと耳郎キュアハグ」
「元凶だけど私も、葉隠ヒールパヒューム」
女子に囲まれ抱きつかれ、目に見えて緑谷が落ち着いてきた。
「百合ハーレムもいいなぁ」
その光景をいつの間にか復活していた峰田がヨダレを垂れ流しながら見たいたが、男子全員からの有罪判決として爆豪と火埜に蹴りあげられていた。
「さて、中々に面白い茶番劇が見れたところでさっさとやるぞ。なお、今回はお前らが自主開催という形だからオレは寝ている、時間になったら起こしてくれ」
「仮眠室は隣ですよ」
「おう、じゃさっさと始めろ」
そして始まった反省会。
Aチーム:麗日お茶子、緑谷静空
評価点
・穴だらけのルールを利用して相手に不利となる状況を作り出した
・そのうえで、相手を無効化させる手段を取り勝ちに行く姿勢を見せた
反省点
・相手に押し付けたルールで自分たちも気づかぬうちに首を絞めていた
・プランが崩れた後に立て直しが出来なかった
Bチーム:障子目蔵、轟焦凍
評価点
・互いの個性を正確に確認し合い、互いの得意分野を生かせた
・時間の余裕を作ることで相手に心理的なプレッシャーを与えようとした
反省点
・完全に無効化したと思い込んでしまい、個人で動いてしまった
(轟自身の反省点として明言)
・相棒に任せきりにしてしまいとっさの状況で動けなかった
(障子自身の反省点として明言)
Cチーム:峰田実、八百万百
評価点
・時間を有効に使い罠を仕掛け時間切れまで爆弾を守り切った
・自分たちの個性を十二分に発揮し、相手に何もさせなかった
反省点
・峰田の視線がいやらしい(女子一同)
・作戦に自信があったがゆえに、突破された際の行動を考えていなかった
(反省会にて露見)
Dチーム:飯田天哉、爆豪勝己
評価点
・自分たちの個性の利点を理解した作戦を立案できた
・とっさの機転ではあったが相手チームを怪我無く確保できた
反省点
・序盤、完全に思考も行動も相手チームの思惑通りに動いてしまった
・爆豪一人に任せきりになってしまっていた
(飯田自身の反省点として明言)
Eチーム:尾白猿夫、芦戸三奈
評価点
・相手の裏をかき、芦戸の酸による床抜きというアイデアの柔軟性
・尾白の個性である尾を生かし芦戸を爆弾に投げつけ確保という相手の心理の裏をついた作戦の立案
反省点
・床抜きに時間がかかりすぎて時間切れまじかであっても作戦を変更できなかった
・芦戸投げという賭けの割合が高い作戦を最初から盛り込んでいたことによる確実性の無さ
Fチーム:口田甲司、砂藤力動
評価点
・互いに相手を思いやり、常に互いがカバーできる距離を保ち続けた
・時間が迫っても落ち着いて行動できていた
反省点
・相手の作戦を考えることを半ばしていなかった
・周囲の警戒を怠った結果、勝てた訓練で自分たちから負けに行った感が否めない
Gチーム:蛙吹梅雨、常闇踏陰
評価点
・時間を掛け入念に作戦を練ったことでスムーズに行動に移せた
・必要最小限の行動と時間で爆弾の確保に成功した
反省点
・作戦を練ることに時間を掛け過ぎてしまい、作戦決行時には時間的な余裕をなくしていた
・爆弾のある部屋を探すのにも時間がかかってしまい、実は時間切れスレスレだった
Hチーム:葉隠透、火埜翔織
評価点
・相手からの制圧攻撃に対して冷静に対処し、相手の作戦を逆手に取り2人を確保した
・互いの利点を生かし、最大戦力を騙し切った
反省点
・一人に全てを任した形になっており、負担の分担が出来ていなかった
(葉隠自身による反省点として明言)
・全て自分ありきの作戦しか練れなかった、相棒の個性を生かし切れなかった
(火埜自身による反省点として明言)
Iチーム:切島鋭児郎、瀬呂範太
評価点
・相手からの攻撃に対して一歩も引かず、互いの個性を生かし奮闘した
・確実性が求められるシチュエーションで相手に賭けとなる行動をとらせた
反省点
・ただ待っていただけで、特に作戦を考えていなかった
(瀬呂による発言で露見)
・相手の個性を知っていながら対処を怠った
(芦戸の発言により切島が事前に芦戸の個性を把握してたことが露見)
Jチーム:上鳴電気、耳郎響香
評価点
・常に相手の位置情報を把握しながら行動していた
・爆弾のある部屋に最速でたどり着いた
反省点
・時間にだいぶ余裕があったにもかかわらず、時間切れを迎えてしまった
・正直、上鳴何もしてないよね(総意)
全員の総評が終わり、上鳴と峰田が部屋の隅で虚無の顔をして膝を抱えて拗ねていた。
しかし、本人たちも自覚があるようで溜息をつく音だけが数分響いた。
「ところで」
一息つくためにそれぞれが用意された飲み物に口をつけ始めた時、轟が声を上げた。
「火埜の個性って結局なんなんだ?」
その一言で火埜に集まる視線。
当の本人は口にココアを付けた葉隠の顔をナプキンで拭きながら蛙吹と何か談笑しているようだった。
「あぁ、そういえば話す約束をしてたっけ」
「休憩も終わりそうだし、それじゃ僕の個性について説明しよう」
イワンクフ・エルスポリア
『ニューカマーヒーロー・クイーンキャマバッカ』の名でヒーロー活動に従事する頭部が大きい、オカマの大男。
『一度見たら生涯忘れることはないであろうヒーローランキング:1位』に君臨する。本人は「イワさん」と呼ばれることを好むのでヒーロー名と本名を間違って覚えられていることが多い。
相澤・爆豪はイワさんの個性の餌食になり性別転換した経験があるため、苦手意識を持っている。
峰田にとって大人の女性にムラッとした初めての女性がイワさん女性形態であり、数秒で男に転身された際には本当に気絶し、トラウマとなっている。母国では有名なドラァグクイーンだったが、恩人である火埜の両親が殉職したのを機に日本に移住し火埜の保護者になる。どんなに忙しくても義息子第一主義で、その根幹は理想の親を体現している。世話焼きで事務所兼自宅のある町の町内会長も受け持っており、イワさんが担当するようになってから町の治安が良くなったと町民から感謝されている。
イワさんの印象が強すぎて勘違いされがちだが、事務所に所属するヒーロー・サイドキックは一般的に普通に分類される人間が多い。
自身の考案した「ニューキャマー拳法」の使い手で、肉弾戦にも長けている。
オールマイト協力者の一人。
個性:ホルモン
様々なホルモンを体内で生成し指先から注入できる。
性別・体温・色素・成長・テンションなど、人間を内側から変えてしまう人体のエンジニア。
元ネタ
作品名:ONEPIECE
キャラ:エンポリオ・イワンコフ