【うたわれるもの】 Re:マシロ様は過去のトゥスクルに飛ばされた様です 作:黒鉄ナオト
カルラに着いていくと、そこには二人のヒトが居た。
「お、来たな。」
一人はハクオロ。 玉座で見た表情よりかなり柔らかい感じになっていた。 恐らく、コチラが素なのであろう。
「ハクオロ……に、そちらの女性は……?」
「お初にお目に掛かります、 偉大なるお方。 ……私はウルトリィ。オンカミヤムカイの第一皇女であり、今は國師の任を父上より仰せつかっております。」
「(偉大なるお方……? まさか、自分がウィツァルネミテアだと気づかれたのか……?)」
マシロが疑問が気になり、ウルトリィにそのことを聞く事にした。
「ウルトリィ殿。 その、偉大なるお方の意味は……?」
「そうですね…… ハクオロ様からお聞きした偉業を称えてそう呼ぶことに致しました。 ……気分を害しましたか?」
「(そういう事か。 ……恐らく、テオロのおやっさん達を救った事だろうな。 ほぼ偶然、なんて言えないよなぁ)」
ウルトリィは善意で偉大なるお方と言ってはいるのだろうが、自分には、荷が重いというか、いや、かなり重いと感じた。
「いや、そういう事なら、某は気にしない。 偉大なるお方はちょっと言い過ぎな気がするけどな。 普通にマシロって呼んでくれ。」
「承知いたしました。マシロさん。」
自己紹介が終わったところで、マシロは自分が何でここに呼ばれたのかを聞くことにした。 何の為に呼ばれたのかが気になるからだ。
「それで、某は何の用で呼ばれたのだ?」
「……あら、カルラから何も聞いてはいないのですか?」
「……どういう事だ?」
ウルトリィはカルラに何か伝言を頼んでいたらしい。 しかし、マシロはそんなことを聞かされていないので、どんな内容なのかは知らない。
「マシロ殿、貴方は酒はお好きだろうか? 我々はこの様な良い月見日和の時に、こうやって、酒を持ち出して飲むことがあってね、賓客である其方にも味わってもらおうと思ってな。 私がカルラに伝言を頼んだのだよ。 ……カルラは忘れていたみたいだがね。」
「主様も人が悪いですわ。私は、言われるよりかは、見てもらった方が早いと感じたから、こうして連れて来ただけですわ。」
「そういう事か、なら、某もご相伴に預かるとしょう。」
三人の前に腰を下ろし、マシロはハクオロより、盃を受け取るのだった。
***
盃を受け取ったマシロは、カルラより、酌を注がれる。注がれる酒の匂いで、マシロは既にこのお酒は美味いものと分かっていたが、見た目だけじゃないことを調べる為に、注ぎ終わった後に、ぐぐい、と飲み干した。
「~! 上手い! この酒、美味いな。 コクが深く、それであって微かにある甘味。なかなかいい酒じゃないか。 こんな酒、どこから持ってきたんだ?」
「それは」
「それはオンカミヤムカイで作られたお酒です。本日は急な用件で國から離れていたお詫びに、ということで、持ってきたのです。 最初はハクオロ様にお渡ししたのですが……」
「どこから嗅ぎつけたのか、カルラがやってきてしまってな。 どうせなら誘える人物で酒盛りをすることにしたんだ。 そして、カルラに誘える人物をお願いしてきたんだ。」
「色々殿方がいる子のお城ですけど、今回は、貴方という賓客が居ることをさっき思い出しまして、誘おうと思いましたの♪」
それで、あそこに居たのかと納得するマシロ。 説明がなかったことには驚いたが、こういうサプライズ系のは嬉しいものだ。
トクトク……
飲み終わった盃にお替りが注がれていた。 どうやら自分が味に感動している間に、三人とも既に一回目の口づけは終わっていたらしい。 なんとも早い……
「そういえば、あの彼女はどうなのだ?」
二杯目を飲もうとしたときに、ハクオロが自分にそんなことを聞いてきた。 彼女…… ぱっと思い浮かぶ彼女は、トウカの事だ。 ハクオロがどれを気になっているのかわからないが、恐らく前者で大丈夫だと思う。
「今はエルルゥ殿に見てもらっている。処置が終わり次第、自分も様子を見に行くつもりだ。」
と言いつつ、盃にある酒は飲み干すマシロ。
「そうか、エルルゥに……」
「心配か?」
「心配ではあるが、エルルゥなら大丈夫だと思っている。我が国が誇れる薬師だからな。だから何も心配はしていないよ。」
ハクオロはその言葉を言い終えたと同時に自分の盃に注がれていたお酒を一気に飲み干す。 今日は酔いたいという気分なのだろう。
「明日以降、また床を訪れてみよう」
「あぁ、そうしよう。 もしまた暴れたら今度は自分が止めるとしよう。」
マシロはそう豪語する。
「頼りにしている。 客人」
と、月夜の会話がここで終焉を迎えた
キャラのセリフは台本式か名前なしどっちがいい?
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台本式
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名前なし