【うたわれるもの】 Re:マシロ様は過去のトゥスクルに飛ばされた様です   作:黒鉄ナオト

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08 ハクオロとの対話

「(……ハクオロ)」

 

自分が知っているハクオロとは少し違うハクオロが目の前にいた。

 

「(このハクオロはなんというか、こう、オンカミヤムカイの最奥地で出会った時のあの威厳が無くなっている…… ……そうか、この頃のハクオロは自分が大神ということを忘れてしまっているのか、 ……俺達人を、タタリに変えたことも忘れている……)」

 

「……オボロ。なぜこの男に剣を向けた? 途中からしか見ていないが、 この男は何もしていないぞ。」

 

「兄者、違うんだ。 聞いてくれ、 そこの男はヤマユラの入り口で感じたあの気配を持っているんだ! だから俺は危険だと思って、兄者やエルルゥに危害が及ばないようにしようと……!!」

 

オボロは必死にハクオロに弁明をする。 自分が剣を向けた相手はこういう理由があるのだと、こういう理由があるから戦ったのだと。

 

「しかしオボロよ、 この男は普通の男だ。 多少だが剣に腕がある青年だ。 」

 

ハクオロ達がこっちを見る。

 

「(確かに自分はヤマト奪還から年は取っていないが…… 青年ってほどの歳でも無いんだよな…… 精神的には。)」

 

「だが…… この男は信用出来ない! ヤマユラの村がこうなっているのも、 おやっさんが死ぬかもしれないのに……」

 

「おやっさん? ……おやっさんとは、誰の事だ?」

 

おやっさん。……普通に考えればお父さん、もしくは父親らしき存在がいるということになる。 そのような存在が居るのだろうか……? とマシロは思った。 自分の中でおやっさんが誰に繋がる言葉なのかわからないからだ。

 

「おやっさんとは、テオロさんのことだ。 この村で住んでいた男性だ。 本当に良い人なんだ。 見ず知らずの自分を歓迎してくれたり、 私がトゥスクルを治めるまでの間も一緒に戦ってくれたんだ。」

 

「……テオロ。……そうか、あの人、無事に逃げられたんだな。」

 

「……何故そこで無事に逃げられたんだなって言葉が出るんだ。 アンタはおやっさんに会ったことがないだろ!」

 

「いや、自分…… 某は会った。 出会って早々、アンタに間違われたんだけどな。」

 

「はぁ!? お前と兄者が似てるだと!? 馬鹿言うんじゃねぇ!」

 

「オボロ。 ……話が進まないから少し黙っていてくれるか。」

 

「……わかった。 黙って聞く。」

 

そういうと、オボロは黙ってハクオロの隣に立つように下がっていた。

 

「(……嘘だろ、 あれがあの、二代目トゥスクル皇で、威厳がありまくりのオボロ皇なのか? ……クオンに見せたらすごく驚きそうだな……)」

 

「それで?」

 

「あぁ、そのあとはこのヤマユラを襲った連中を返り討ちにしていた。 んでもって、 その、テオロ?が逃げた先がよくわからなかったからな、 この村を探索していたんだ。 そこで、この大きな家を見つけたんだ。」

 

……マシロは嘘を混ぜず、正直にこの村で起きたことを語った。

 

「……マジなのか、それは。」

 

「あぁ、 ラクシャインに死を。 それに与した者達にも死をと。 ……部外者の某が言うのもなんだが、 アンタら、何したんだ?」

 

マシロは率直な疑問をハクオロ達に聞く。 ハクオロ達はそれを聞くと少し悩んだ後、知らないなと言った。

 

「知らない?」

 

「あぁ、俺たちは少なくとも、そのラクシャインってやつは知らない。 会ったことも、さっき、アンタの口から聞くまで知らなかったぐらいだからな。 兄者は?」

 

「……いや、オボロと同じく、心当たりはない。 ラクシャインも、聞き覚えがないな。」

 

「そうか。」

 

この二人が知らないとなると、本当に聞いたことがないようだ。

 

「……その撃退した兵士達の中で、指揮官みたいな奴はいたのか?」

 

「居たな、 ケァルアラという男だ。 指揮能力はかなり良い。 実際、自分がかなりの手練れだとすぐにバレてしまったからな。」

 

実際、 暴れてる方の腕を斬り飛ばした事でさらにやばいやつって認識があいつらについた可能性もあるから、次相対した時が大変だ……

 

「ほう、そいつと一度は戦ってみたいものだ。 どれほど強いか試したい。」

 

「やめておいた方がいい。 あれはお前の手に余る。」

 

「何だと!?」

 

「あの手のタイプはかなり強い。 戦慣れをしているのは勿論。 指揮官…… 軍師は総じて頭がいい。 一人で挑もうなら返り討ちにされて、捕虜にさせられるのが関の山だな。」

 

「なら、お前ならどうするんだ?」

 

「某だと? ……そうだな、某なら、 軍で攻める。 それも中途半端な強さを持つ者ではなく、 少数精鋭で攻める。 そして、 叩く。」

 

これはマシロ……ハクがかつて、ヤマト奪還の戦をした際に取った戦術だ。 クオン、ネコネ、ルルティエ、キウル、アトゥイ、ヤクトワルト、ムネチカ、フミルィル、オウギ、ノスリ、シノノン、アンジュ、ウルゥルとサラァナ。これで最後まで戦った。 全てに決着が着くまで。

 

なので、ハクはどの陣形よりもこの戦い方を信用しているのだ。

 

「……たしかに、軍師は一人で挑むより、少数精鋭で戦った方が文があるか…… ……お前は、何という名前なんだ?」

 

「ん?」

 

「お前の名前は何というんだ? 私達はここで君と初めて出会った。だから名前を聞いておこうと思っていてな。 それで、名前は?」

 

「……自分は」

 

「(……もし、ここが本当に過去なら、下手に自分が持っている情報を言うのは未来を曲げてしまうことに繋がる……)」

 

「( ……また本名を隠さなきゃいけなくなるな、やれやれ、どーしてこうなった…… ……でも、まぁ、いいさ。 もう慣れたしな。)」

 

「自分はマシロだ。 ……よろしく頼むぞ。 ハクオロ。」

 

 

キャラのセリフは台本式か名前なしどっちがいい?

  • 台本式
  • 名前なし
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