ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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 ホテルに潜入するのですが、ガッシュサイドのあのキャラが敵陣営に登場します。


LEVEL.31 潜入の時間

 全員がホテルの潜入に成功はしたが、通過しなくてはならないロビーには大勢の見張りが待ち構えている。それを見た烏間先生は一同に廊下で待機するよう指示を出した。

 

(いきなり最大の難関だ。ガッシュ君の電撃を使うか?いや、音で気付かれて増援に来られたら面倒だ。どうするか……)

 

「何よ、普通に通ればいいじゃない」

 

烏間先生が対抗策を考えるが、ドレス姿のビッチ先生は緊張感もなくワイングラスを振り回す。しかも彼女はこんな時に少量のワインを口にしていたのだ。当然生徒達がそれを咎めるが、ビッチ先生はそれを聞き流して、ロビーに置いてあるピアノに目を付けた。

 

「いいから見てなさいガキ共。普通に通るのよ」

 

ビッチ先生は少し体をふらつかせながらロビーに入り、警備員の1人と肩をぶつけた。

 

「ごめんなさい、部屋のお酒で悪酔いしちゃって」

 

顔を赤くしたビッチ先生の妖艶な表情に、警備員達は鼻の下を伸ばす。そして先生は、ロビーのピアノを指差した。

 

「来週そこでピアノを弾かせて頂く者よ、早入りして観光してたの。酔い覚ましついでにね、ピアノの調律をチェックしておきたいの。ちょっとだけ弾かせてもらっていいかしら?」

 

ビッチ先生は近くにいた警備員にそう頼むが、その男はフロントに確認を取ろうとした。しかしビッチ先生はそれを防ぐために、警備員の腕を握ってその男を上目遣いで見る。

 

「そんな事しなくていいじゃない。あなた達に聞いて欲しいの」

 

そしてビッチ先生はピアノを弾き始めた。その美しい音色は従業員の頭からフロントの確認を忘れさせるのには十分だ。それ故に警備員のみならず生徒達まで曲に聴き入りそうになるが、ビッチ先生が生徒達にハンドサインを出した。

 

(20分稼いであげる、行きなさい)

 

その場にいた警備員たちは全てビッチ先生に釘付けで、E組一同はそのままロビーの突破に成功した。このような事が可能なのは、ビッチ先生が世界でもトップクラスの色仕掛け(ハニートラップ)の達人だからだ。

 

 

 

 

 ロビーの警備を突破した後は、彼等は客のフリをする事が可能になる。烏間先生が生徒達を普段着で来させたのはそれが理由だ。またその事は、敵もまた客のフリをして襲ってくる可能性を示唆している。

 

「前衛は俺とガッシュ君で務める。その後ろは近接戦闘が強い寺坂君と吉田君、そしてすぐにガッシュ君の呪文を唱えられるように高嶺君が続いてくれ」

 

「「「了解」」」

 

「ウヌ、分かったのだ!」

 

ホテルの侵入には成功したが、どこに刺客がいるか分からない。烏間先生指示の元、常に警戒しながら一行は進む。しかし敵が襲ってくる気配が無かったため、寺坂と吉田は先走って烏間先生よりも前に出てしまった。

 

「へっ、楽勝じゃねーか」

 

「時間ねーんだから、さっさと進もうぜ」

 

寺坂と吉田が速足で進むが、その前には1人の男が口笛を吹きながらこちらに歩いくる。多くの生徒達はその男も通常の客だと思っていたが、男の顔が見えた瞬間に不破の顔色が変わる。

 

「寺坂君‼そいつ危ない‼」

 

不破の声を聞いた烏間先生が咄嗟に寺坂と吉田の服を引っ張り、後ろに投げ飛ばす。また。またそれと同時にガッシュが烏間先生より前に出て、先生と男の間に割り込んだ。その男は何かをマスクを着けた上で何かを取り出そうとしたが、その前に清麿が呪文を唱えた。

 

「ザケル‼」

 

ガッシュの口から放たれた電撃が男を襲い、彼を戦闘不能に追い込んだ。

 

「間一髪だったな。呪文が少しでも遅ければ、俺は奴の攻撃を喰らっていただろう。これで黒幕に気付かれた可能性もあるが、やむを得まい」

 

「不破がすぐに気付いてくれたのが大きいですね。それが無ければ、俺も呪文を唱えられなかったかと……」

 

「優月のおかげなのだ!」

 

今回は不破の気付きにより暗殺者の1人の攻撃を受けずに済んだが、それは本当に幸運だ。タイミングがほんの少しでも遅ければ、あの男の攻撃を許していたのだから。烏間先生とガッシュペアはそれが分かっており、冷や汗をかく。そしてガッシュの電撃の音を聞いて、黒幕とその護衛が侵入者に気付く可能性も高まった。

 

「ぐぅ、何故分かった?殺気を見せずに、すれ違いざま殺る。俺の十八番だったのに……」

 

流石は一流の暗殺者。フルパワーでは無いとは言え、ザケルをモロに受けてもなお意識がある。立ち上がる事は敵わないが、やはり一般人とは鍛え方が違う。

 

「だっておじさん、ホテルで最初にサービスドリンク配った人でしょ?」

 

「「「「「……あ‼」」」」」

 

不破に言われて、一同は男が従業員に紛れてドリンクを配っていたことに気付いた。そして不破は、そのドリンクから感染したと決め打つ。

 

「断定するには、証拠が弱いぜ……ドリンク以外にも、ウイルスを盛る機会はあるだろう」

 

「皆が感染したのは飲食物に入ったウイルスから、そう竹林君は言ってた。クラス全員が同じものを口にしたのは、あのドリンクと船上でのディナーだけ。けど、ディナーを食べていない三村君と岡島君も感染していた。2人とも動画に注意を払ってて、菅谷君の持ってきてくれてた分も食べてなかったし」

 

「あいつ等、食わなかったんかい……」

 

せっかく用意した食べ物を2人が食べておらず、それを菅谷は残念がる。

 

「だから感染源は昼間のドリンクに限られる。従って、犯人はあなたよ!おじさん君‼」

 

不破の推理は正解だ。彼女は多くの漫画を読んでいる為に不測の事態においても対応力が高く、また漫画によって観察眼も鍛えられていた。今の不破の様子は、名探偵そのものだ。

 

「……やるな、おかっぱちゃん。だが、電撃の音を聞きつけてすぐに仲間がここに大勢来る……全員倒せるか?」

 

そう言い残して毒使いの暗殺者“スモッグ”は気絶した。暗殺者を一人突破出来たが、油断は禁物。そしてスモッグの言う通り、すぐに大勢の黒服を来た男達がこのエリアまで辿り着いた。

 

「大人しくしろ!ボスの命令だ!」

 

「くっ、数が多すぎる‼」

 

烏間先生が生徒を庇う様に前に出るが、男達は銃を構える。多くの生徒達が青ざめていた中、ガッシュペアが呪文を唱えた。

 

「ジケルド!」

 

「「「「「!何だこれは⁉」」」」」

 

突如として出現した動きの遅い球体に男達の注目が集まる。そして球体は突如として消えた瞬間、男達のうちの1人の体に全ての銃がくっついた。

 

「どうなっている、銃が⁉」

 

「お前等の仕業か⁉高嶺清麿とガッシュ‼」

 

銃を封じる事には成功したが、男達の1人はガッシュペアの名前を呼んだ。

 

「俺達を知っているのか⁉」

 

「お主達は一体⁉」

 

向こうはガッシュペアを知っているようだが、彼等は男達の事は知らなかった。すると、1人の男が喋り始める。

 

「ボスからの命令でな。ここで高嶺清麿とガッシュを戦闘不能にするよう言われている。トドメはボスが刺したいんだと。それ以外の連中はここを通して別の殺し屋に殺させると言ってたな、ただ1人を除いて。お前等、ボスに何をしたんだ?」

 

今回の黒幕は殺せんせー以外にも、ガッシュペアに狙いを定めていた。そしてもう1人にも。黒幕はE組一同が契約を破って突入する可能性を視野に入れており、契約が破られても治療薬を爆発させることなく彼等を招き入れる事にしたようだ。

 

「清麿、あの者達はまさか魔物が関係しているのか?」

 

「いや、直接は関係ないだろうが、あいつ等の仲間に魔物を知っている者がいる可能性は高いな。そして、今回の黒幕には心当たりがある」

 

清麿はここに来る途中、今回の黒幕について考えていた。殺せんせーを知っている政府ないしは防衛省の人間、そしてE組に恐らく恨みを持った人物だ。清麿がその人物の名前を口にする。

 

「防衛省の鷹岡明だな。そして狙っているもう1人の生徒は、潮田渚か?」

 

「何と、見事だ」

 

自分達のボスの正体が割れてもなお、男達は平然としていた。男達とは対照的にE組の多くは愕然とする。

 

「鷹岡!防衛省からも姿を消したと聞いていたが……‼」

 

「……なるほどね。鷹岡は殺せんせーを殺すついでに渚君にリベンジしたい訳だ。そして自分に対して特に反抗的だった高嶺君とガッシュ君の事も、自らの手で殺すつもりか」

 

焦りと怒りの表情を見せる烏間先生だったが、隣のカルマは冷静に鷹岡を分析する。

 

「ふむ、中々察しの良い連中が多いな。だが、お前達はこのホテルからは生きては出られない。しかし治療薬を失いたくばこの2人を置いて先に進むしかない。お前等が言う事を聞かなければ、ボスが治療薬を爆発させるぞ」

 

「くっ、どうすれば……⁉」

 

E組を指揮する烏間先生は2択を迫られる。彼等の要求を飲めば、ガッシュペアが危険に晒される。いくら銃を封じているとはいえ、敵の数は多い。しかし断れば、治療薬は失われる。先生が苦悩している時、

 

「ここは俺とガッシュに任せてくれ‼」

 

「ウヌ‼」

 

烏間先生と敵の間に、ガッシュペアが立ちはだかる。

 

「何言ってんだ、んな事したらテメー等が……」

 

「いや、それしかないかもね。現状かなりヤバい」

 

寺坂の心配の言葉をカルマが遮る。確かに敵の数は多いがガッシュの術は強力だ。凶器を持った人間達を抑え込める可能性は高い。何より要求を飲まなければ治療薬が手に入らない。しかし、相手がさらに援軍を送ってくる可能性もある。烏間先生は少し考えた後に口を開いた。

 

「……済まない2人とも。持ちこたえられるか?」

 

「大丈夫です!」

 

「任せるのだ‼」

 

烏間先生は苦渋の決断を下した。しかしこの判断は、ガッシュペアの実力を信じた上での決断でもある。ガッシュペアはそれを受け入れた。

 

「そんな、烏間先生!」

 

「いくら何でも……」

 

渚と茅野がガッシュペアを心配する。2人が強いとは言え、クラスメイトが危険に晒されるのを見過ごす事は出来なかった。

 

「こんな事を言うのは無責任かもしれないが、2人を信じてあげてくれないか?彼等に何かあれば、俺を恨んでくれて構わない。今回の事で生徒が危険に晒された時は、全て俺が責任を取る」

 

烏間先生の意志は固い。治療薬が失われれば感染した生徒が死に至る。それを防ぐ為にガッシュペアを危険に晒してしまう事になるが、彼等もまた高い実力を誇る。彼等ならこの場面を突破できる可能性を持ち合わせている。そう判断した先生の覚悟に対して、E組一同誰も言い返せなかった。

 

「やむを得ませんね、烏間先生。しかし、生徒に何かあった場合は先生にも責任を取らせて下さい。そして高嶺君とガッシュ君にアドバイスを……」

 

殺せんせーはこれから危険に晒されるであろうガッシュペアに対して、助言を送る。

 

「2人は自分達の安全を最優先に動いて下さい。間違っても、自分を犠牲にしてでもなどとは考えないように」

 

「ああ、心得た!」

 

「了解なのだ!」

 

この決断は殺せんせーにとっても辛い事である。自分の見えない所で生徒を危険に晒すのだから。そんな殺せんせーからの助言を受けたガッシュペアは、先生の言葉の重みを感じた後に黒服の男達の方を向いた。

 

「やっと決断できたようだな。他の奴等はとっとと進みな」

 

黒服の言う通りにガッシュペアを除くE組一同は、2人に心配の眼差しを送りながらも先へ進んだ。

 

 

 

 

 ガッシュペアを置いた一行は先へ進む。烏間先生の決断で彼等を残してきたが、やはり皆2人が心配だった。

 

「あの2人、大丈夫かな?」

 

「あいつ等が強えーのは知ってるけど、それは心配しなくて良い理由にならねーからな」

 

生徒達の中でも荒事が苦手な矢田は特に辛そうな顔を見せる。ガッシュペアの強さはE組一同分かっている。だが生き死にがかかっている以上、木村の言うようにどうしても不安は残る。しかし、

 

「あの2人なら問題ない。絶対に無事に戻ってくれる」

 

速水がいつも通りの強気な口調で言い放つ。速水は暗殺後に清麿が、自身の気持ちを抑えた上で自分と千葉を元気づけようとしてくれた事を思い出す。彼等の強さは呪文の力だけではないことを、速水は確信していた。

 

「そうだな、あいつ等が生半可な事でやられるとは思えない。俺達は俺達のやれる事をやらないと」

 

千葉もまた速水と同じ事を考えている。今回の暗殺で2人はガッシュペアとともに訓練をする機会が多く、その時に彼等の強さを実感した。その強さはガッシュの呪文や清麿の頭脳だけではなく、彼等の心の強さから来るものだった。

 

「そ、そうだよ!2人なら大丈夫だって!(ガッシュ君、大丈夫かな?それに、高嶺君も……)」

 

「茅野……」

 

体を震えさせながらも、茅野がそう言った。しかし彼女は内心かなり2人を心配しており、渚にはそれが分かっていた。

 

「ていうか渚君も、人の心配してる場合じゃ無くね?」

 

「う……確かに」

 

カルマの言う通り、渚もまた鷹岡に目を付けられている。最終的に鷹岡と渚が戦わないといけなくなる事を、皆予測した。

 

「でも僕は、高嶺君とガッシュ君と違って皆が一緒だからね」

 

「お、強気じゃん」

 

渚は自分が1人では無いと分かっていた為、それ程自分の心配はしていない。

 

「2人や渚君が心配なのは皆同じだ。それでも俺達は先に進まないと……」

 

烏間先生が言いかけたが、突然膝をついた。先生は尋常ではない程の汗をかいている。

 

「え、烏間先生何で……」

 

「大丈夫ですか⁉」

 

それを見た菅谷と磯貝が先生に駆け寄る。何と烏間先生もウイルスに感染していたのだ。

 

「そんな、烏間先生まで感染してたなんて……」

 

片岡を初め、多くの生徒達の顔が青ざめる。殺せんせーが動けない今の状況で、最も頼りになる指揮官が戦闘不能になったのだから。しかし殺せんせーは、初めは烏間先生に対して心配の表情を浮かべていたものの、次第にその顔は緩み、その顔には太陽マークが浮かび上がる。

 

「いやぁ、いよいよ夏休みって感じですねぇ」

 

殺せんせーのお気楽な態度に対して、多くの生徒達が怒りを露わにした。そして殺せんせー入りの袋を、渚は振り回す。

 

「ていうか殺せんせー、何でこれが夏休み?」

 

散々振り回されて酔い始めていた殺せんせーに渚が尋ねる。

 

「先生と生徒は馴れ合いではありません。そして夏休みとは、先生の保護が及ばない所で自立性を養う場でもあります……大丈夫です。普段の体育で学んだ事をしっかりやれば、そうそう恐れる敵はいない。君達なら必ずクリア出来ます、この暗殺夏休みをね。ヌルフフフ」

 

これは明らかな無茶振りにも見えるが、殺せんせーは生徒達を心から信頼しているからこそ言えるセリフでもある。どのような困難が待ち受けていても彼等にはもう、進む以外の選択肢は無いのだ。

 

 

 

 

 その頃ガッシュペアはザケルで黒服の男達を倒そうとしたが、彼等に増援が来ていた。

 

「数が多いな……」

 

「ウヌ」

 

大人数の敵を見た清麿は汗をかきながらも、黒服たちを睨み付ける。

 

「ははは、時間稼ぎは成功だ。いかにお前等がすごい力を持っていようが、この人数を相手にはどうしようもなかろう」

 

黒服の人数が始めに来たメンバーを含めて30は超える。人数の差が圧倒的なので、黒服たちは優越感に浸っていた。

 

「さあ、大人しくタコ殴りにされるがいい」

 

男達は一斉にガッシュペアに殴りかかるが、2人は強気な態度を崩さない。

 

「ガッシュ、範囲の広い術を使うぞ!」

 

「分かったのだ!」

 

「SET、テオザケル‼」

 

「「「「「ぎゃあああああ‼」」」」」」

 

大人数の黒服達は瞬く間に戦闘不能となった。テオザケルは範囲が広くて強力な術だが、手加減していたために男達の命には別状は無い。黒服が全滅した後、新たに1人の中華風の服を着た男が部屋に入ってきた。

 

「成程、強力な電撃だ。しかも全力では無いと見た。これじゃあザコ共が何人いても勝てる訳がねぇ。くくっ、奴に付いて正解だったな。この戦いは楽しめそうだ」

 

「誰だ、お前は⁉」

 

「……そうか、お前等とは一応初対面になるんだったな」

 

「お主の言い方、私達を知っておるのか?」

 

その男の口ぶりは、まるでガッシュペアの事を分かっている様だ。

 

「一応自己紹介しとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名は玄宗!もう弱い人間相手では、拳が満足出来なくなった男よ‼」

 

ガッシュペアの前に立ちはだかった玄宗と名乗る男は、かつてデボロ遺跡でウォンレイペア及びティオペアと交戦した千年前の魔物のパートナーだった。彼はツァオロンとペアを組み、ゾフィスに操られることなく自らも肉弾戦に参加し、ウォンレイペアとティオペアを追い詰めた。

 

「確かお前等、デボロ遺跡でゾフィス達に立ち向かった連中だよな?」

 

「何故それを……そうか、お前はウォンレイ達と戦った魔物のパートナーか⁉」

 

「正解だ。ウォンレイって魔物は元気かい?」

 

清麿はウォンレイ達から話を聞いていた。魔物にも匹敵しかねない戦闘能力を持つパートナーの存在を。

 

「ウォンレイは魔界に帰ったぞ」

 

「そうか、そいつは残念だ。まあ、お前等が楽しませてくれそうだからいいけどよ」

 

玄宗はより強い相手と戦う事を求めている。彼はウォンレイに負けた後も修行を重ねており、デボロ遺跡の時よりも更に力を付けていた。

 

「清麿、この者は強いぞ」

 

「ああ、分かっている。今までの黒服とは比べ物にならんだろうな」

 

玄宗と対峙するだけで、ガッシュペアは彼の実力の高さを察することが出来た。そして清麿は強敵を見て、体が熱くなっているのを感じた。魔物にも引けを取らない強さを持つ武闘家との激闘が、今始まる。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。玄宗が鷹岡に力を貸している理由と経緯は、後々描写します。

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