ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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 ガッシュペアVS玄宗です。


LEVEL.32 戦いの時間

 ガッシュペアと玄宗は一歩も動かない。お互いに隙を伺っていたのだが、攻撃を仕掛ける前に清麿が口を開いた。

 

「玄宗って言ったか。アンタに聞きたいことがある」

 

「何だ?」

 

「何で鷹岡に組しているんだ?アンタ程の実力者なら、鷹岡相手にも後れを取らないんじゃないのか?」

 

清麿は疑問に感じていた。確かに精鋭軍人である鷹岡は強いが、戦闘能力なら玄宗も負けていないだろう。金で雇われている殺し屋という訳でも無いのに、どうして玄宗が鷹岡の言いなりになっているのかが清麿は気がかりだった。

 

「その理由は簡単よ。あいつといれば、強い奴等と戦う事が出来るからだ!」

 

玄宗が鷹岡に力を貸す理由は、前回の戦いと同じだ。彼はひたすら強い者と戦う事に喜びを感じている。

 

「そうか。ならお前、鷹岡がやっている酷い事に対して何とも思わないのか?」

 

「別に何も、そもそも興味がねぇからな。俺はただ、お前等のような強い奴等と戦えればそれで良い‼」

 

鷹岡がしでかした事は決して許される事では無い。人の命を弄んでいるのだから。しかし玄宗はその行為に対して興味が無いと言い放った。自分が鷹岡に手を貸せば、多くの生徒達が死に至る可能性があるというのに。それを聞いた清麿は、自分の体が熱くなっているのを感じた。

 

「テメェ、ふざけんじゃねーぞ‼」

 

「清麿、この者は絶対に倒すぞ‼」

 

玄宗の発言はガッシュペアの逆鱗に触れた。そして2人は臨戦態勢に入るが、既に玄宗が動き出していた。

 

(何というスピード!だが、これは……)

 

玄宗が清麿に殴り掛かったが、その拳はギリギリでかわされる。

 

(ほう、この一撃を見切るか!)

 

玄宗は中国拳法の使い手だが、動きは一直線であったため清麿はその動きを見切る事が出来た。清麿は今この時、【答えを出す者】(アンサートーカー)を発現させている。

 

「清麿ォ‼」

 

「ガッシュ、俺は大丈夫だ!(奴は強い。この力が無ければ危なかった。あまり俺に近づけさせないようにしないと……)」

 

今の一撃はどうにかかわすことが出来たが、玄宗の強力な体術は何度も避けられるような代物ではない。【答えを出す者】(アンサートーカー)を使う事が出来ても、清麿と玄宗の格闘技術の差を完全に埋める事は出来ない。今の攻撃をかわすだけでも、清麿の体は疲労感を覚えた。

 

「(何だアイツの動きは?俺の攻撃を先読みしているように思えたが……)次行くぞォ‼」

 

玄宗は先程の一直線な動きではなく、ガッシュの電撃を警戒した変則的な動きを見せる。そしてガッシュペアを攪乱させたうえで一撃を叩き込もうとする。

 

「この者のスピード、魔物にも負けておらぬぞ!」

 

「(何という速さ!だが、ここだ‼)SET、ザケル‼」

 

「ぐあああ!」

 

【答えを出す者】(アンサートーカー)で攻撃を当てるべき場所の答えを出した清麿は、玄宗に電撃を浴びせる事に成功した。しかし、ザケルを喰らっても玄宗は倒れない。

 

(バカな、今ので立っていられるだと⁉)

 

「この者、ザケルをモロに喰らったと言うのに!」

 

「お前等、何だその腑抜けた電撃は?」

 

玄宗は彼等を挑発する。その発言は全力では無かったとはいえ、王族の力に目覚めたガッシュの電撃をまともに受けた人間のそれとは思えない。

 

「この一撃には俺を殺そうという気概が感じられねぇ。こんな電撃をいくら浴びても、俺は倒せねぇぞ!」

 

玄宗はさらにガッシュペアに接近したと同時に、清麿は呪文を唱える。

 

「(ザケルがダメなら……)ザケルガ‼」

 

一直線の電撃が玄宗を襲うが、なんとザケルガはかわされた。玄宗の攻撃が清麿に届く直前で、その蹴りをガッシュが受け止める。

 

「清麿、大丈夫か⁉」

 

「ああ、済まないガッシュ‼(今度はかわされた、どうして……)」

 

「……やっぱり魔物は強えな!この距離でパートナーを守り切るとは!」

 

間一髪で清麿を守れたガッシュに対して、玄宗は感心する。そしてガッシュが反撃に移ろうとすると、玄宗はすぐに回避と防御への専念に頭を切り替えた。

 

「ラウザルク‼」

 

「清麿には指一本触れさせぬぞ‼」

 

(この状態のアイツ相手に攻め込むと負ける、仕方ねぇ!)

 

清麿は肉体強化の術を唱える。ラウザルクの発動中はさすがの玄宗も防戦一方だ。ガッシュの攻撃を玄宗がギリギリで受け流す。魔物であるガッシュの攻撃を受け流せるのは玄宗の身体能力の高さ故だが、ダメージをゼロにする事は出来ていない。しかし、ガッシュが玄宗を倒す事が出来ないままラウザルクの継続時間が切れた。

 

「ぐぬぬ、ダメージが足りてなかった!」

 

ラウザルクの継続時間中に玄宗を倒し切れなかった事を、ガッシュは悔しがる。しかし玄宗は、ガッシュでは無く清麿の方に視線を向けた。

 

「……そういう事か。残念でならねぇよ」

 

「お主、何を言っておるのだ⁉」

 

玄宗が哀れみを込めた目でガッシュペアを見る。その理由をガッシュはすぐに理解する事は出来なかったが、何かが倒れるような音がした。

 

「くっ、体が……」

 

倒れたのは清麿だ。彼は体中から大量の汗をかいており、発熱が酷い。清麿もまた、ウイルスに感染していたのだ。何度か彼は自分の体が熱くなっているのを感じていたが、この戦いの途中でついに倒れてしまった。

 

「お前、スモッグの毒にやられてたのか……つまらん幕引きだ」

 

鼻で笑う玄宗を睨みつける清麿だが、満足に体を動かす事は出来ない。まともに呪文を唱える事すら叶わない。初めのザケルで玄宗を仕留めきれなかった事やザケルガをかわされた事も、これが原因だ。

 

「そんな、清麿……」

 

ガッシュは動揺する。そんなガッシュの隙を見逃さなかった玄宗は彼を蹴飛ばす。

 

「ヌオオッ!」

 

「パートナーが心配か?あいつの所に駆け寄りたいんだったら俺を倒してみな!」

 

清麿の感染と言う予想外の出来事に、ガッシュは平常心を保てない。“清麿が死んでしまう”という不安がガッシュの思考と体を鈍らせ、玄宗相手に苦戦を強いられる。ガッシュはリオウ戦で清麿が死にかけた事を思い出していた。

 

「お、おのれぇ!」

 

「動きが鈍ってるぞ!」

 

先程までとは形成が逆転した。今度はガッシュが防戦一方だ。清麿はその光景をどうにかしたかったが、体を動かす事が出来ない。

 

(ガッシュ!済まない、俺のせいで。だが!)

 

清麿は深呼吸をする。高熱の体を少しでも休ませる為に。そして、

 

「ガッシュ、俺は死なないから心配いらんぞ‼だから全力でそいつを叩きのめせ‼ラウザルク‼」

 

清麿は出せる限りの大声でガッシュを激励し、ラウザルクを唱えた。清麿は【答えを出す者】(アンサートーカー)でウイルスの正体を見破った。そんな清麿の声を聞いたガッシュの目には再び闘志が宿り、彼の迷いは無くなる。

 

「ウヌ、分かったのだ‼」

 

「コイツ、さっきとは比べ物にならない動きじゃねーか!」

 

ガッシュと玄宗の格闘戦はガッシュが再び盛り返し、玄宗は守備に徹する。

 

 

 

 

 一方で清麿の脳裏にはE組の皆の顔が浮かぶ。皆の為にもここで倒れる訳にはいかないと、自分を奮い立たせて立ち上がる。しかし、清麿の後ろには別の男が現れた。

 

(‼新手か⁉)

 

その男は清麿の本を持つ腕を後ろから掴もうとしたが、【答えを出す者】(アンサートーカー)のおかげでそれに気付き、回避する事が出来た。

 

「お前、なぜかわせたぬ?」

 

その男は疑問だった。清麿はウイルスのせいで体が満足に動かせない状況で、かつ死角からの攻撃をかわされたのだから。

 

「……俺はこんな所で、やられる訳にはいかないんだよ」

 

清麿はふらふらになりながらも立ち上がる。その光景は、先程まで格闘戦を繰り広げていたガッシュと玄宗も見ていた。ガッシュと玄宗もまた、新手の存在に気付いたのだ。

 

「清麿、大丈夫か⁉」

 

「……ああ、攻撃は喰らっていない!」

 

清麿は症状が治っていないにも関わらず、段々と動けるようになっている。仲間を思えば限界を超えられる。ガッシュペアはこうして何度も逆境に立ち向かってきたのだから。

 

「玄宗、苦戦しているようだぬ?ボスに言われて助太刀に来たぬ」

 

「へっ!そうかよ……“グリップ”!」

 

グリップと呼ばれた男もまた、殺し屋の1人である。しかし彼は武器を持っていない。

 

「……お前の武器は、その素手だな?」

 

清麿は【答えを出す者】(アンサートーカー)でグリップの特技を見破る。グリップはこれまで素手で何度も暗殺を成功させてきた。素手での暗殺には持ち物検査で引っ掛からないというメリットがあり、武器を持たない事で相手が油断する事もある。

 

「よくわかったぬ、少年。しかし分かったところで今のお前には何も出来ぬ。お前はボスが直接殺すと言ってたから、お前の両手両足を握りつぶしてからボスに差し出すぬ」

 

グリップの握力があれば、人間の骨をそのまま潰す事は容易だ。実際に彼は武器を使用するまでも無く、これまで多くの人間を殺めてきた。

 

「玄宗、お前は金髪の子供の相手をするぬ。こっちの本を持った方は俺がやるぬ。呪文は唱えさせぬ」

 

「わかったよ」

 

グリップの提案に玄宗は乗る事にし、ガッシュとの肉弾戦が再開された。ガッシュは清麿を助けたかったが、彼の前に玄宗が立ちはだかる。

 

 

 

 

 そして清麿はグリップと対峙する。グリップが攻撃を仕掛けようとした瞬間、清麿が口を開いた。

 

「なあ……アンタのような手練れまで、ここに来ちまって良かったのか?」

 

「……どういう意味だぬ?」

 

清麿の発言の意味をグリップは分かっていない。そして清麿は得意げに話を続けた。

 

「俺とガッシュばかりに構いすぎて、お前等のボスの警備がおろそかになっていないのかって意味だよ」

 

「なるほど、そういう事か。それなら心配はいらぬ」

 

清麿の言いたい事を察したグリップの口角が上がる。彼の余裕ある態度はハッタリでは無い。

 

「まだ殺し屋が残っているぬ。他の連中はそいつに殺らせるぬ。それに、お前等の指揮官はウイルスに感染して満足に動けないぬ(ガストロがいれば、指揮官のいないガキ共は楽勝ぬ)」

 

「何だと⁉烏間先生が……」

 

清麿の顔が青ざめる。まさか烏間先生まで感染していたとは、思いもよらなかった。それを見たグリップは得意気な表情を浮かべる。

 

「もうお前達は終わりぬ、諦めるぬ!」

 

グリップは攻撃に出たが、清麿は動かない。

 

(ふん、諦めたぬか……)

 

清麿が諦めたのだとグリップは油断したが、それは違う。清麿が強気な笑みを浮かべると同時に、鉢に植えられた観賞植物がグリップを襲う。しかしその一撃は避けられる。

 

(何だぬ⁉)

 

「あれ、感染してたんだ。もしかして、これは結構マズイかな?」

 

「いや、心配はいらんぞ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤羽‼」

 

清麿は【答えを出す者】(アンサートーカー)で助っ人でカルマが来ると言う答えを出した為に、グリップとの会話で時間を稼いでいたのだ。

 

「何だ、もう1人来てたぬか。だが、お前1人でこの状況をどうにか出来ると思っているぬか?」

 

「ん-、どうだろうね?でも、アンタを足止めするくらいは出来るかな?」

 

(何が足止めだ!赤羽の奴、アイツを倒す気満々のくせに!)

 

清麿はカルマの油断のない真っ直ぐな目に気付いていた。今のカルマには慢心が無い。彼は格上の相手を観察した上で倒す算段を立てる。

 

「高嶺君。コイツは俺が何とかするから、ガッシュ君の所に行ってあげなよ!それとも、もう動くことすら出来ない感じ?」

 

「バカ言え、全く……コイツはお前に任せるぞ!」

 

「オッケー」

 

カルマには油断は無かったが、他人を煽る言動は変わらない。そんなカルマを見て、清麿は【答えを出す者】(アンサートーカー)を使うまでもなく彼に任せて問題ないと判断出来た。

 

「行かせないぬ」

 

グリップは清麿を追いかけようとするが、カルマはさっきの鑑賞植物を振り回す。結果グリップをそこに留める事には成功したが、観賞植物は握りつぶされた。

 

「ねぇ。俺が相手じゃダメ、おじさんぬ?」

 

「仕方ない、お前の相手をしてやるぬ……ところで、その呼び方は何だぬ?」

 

「だっておじさん、“ぬ”多くね?」

 

緊張感漂う戦場で平気でこのような発言が出来るあたり、カルマは流石である。油断はしなくとも、彼の根本的な性格は変わっていない。

 

「“ぬ”をつけるとサムライっぽい口調になると小耳に挟んだぬ」

 

「何それ……」

 

「まあ、好きに呼ぶといいぬ。どうせお前はここで殺すぬ」

 

グリップがカルマに掴みかかるが、カルマは烏間先生の防御テクニックとリィエンのカンフーによる受け流し駆使し、グリップの攻撃を避けるか捌いて見せる。

 

(コイツ、中々出来るぬ!)

 

(避けれるけど、こっちから攻めたら捕まるからな~)

 

カルマの戦闘の才能はE組でもトップクラスだ。彼は烏間先生やリィエンの技術を目で見て盗み、オリジナルには及ばないものの実戦に取り入れていた。

 

 

 

 

 その一方、清麿は体を引きずるようにガッシュに近付く。

 

(赤羽が来てくれたのは、殺せんせーの指示か?だとしたらありがたいが、烏間先生が感染していたとは……殺せんせー達の方は烏間先生と赤羽という戦闘力トップクラス欠いている状態だが、今は皆を信じるしかない!)

 

そして清麿はガッシュと玄宗のいる近くまで来る事が出来た。そしてそこには、うずくまる玄宗と平然と立っているガッシュがいた。

 

「ぐぅ、まさかお前のマントまで攻撃手段になるとは……」

 

玄宗は呪文が使えないガッシュ相手に、殴り合いで勝負を挑むことしか考えていなかった。しかしガッシュには、呪文以外にもマントという強力な武器がある。もちろんガッシュ自身完璧に使いこなせている訳では無いが、殴り合う事しか考えていない相手の腹部に不意打ちを喰らわせる事は容易だ。

 

「……ガッシュ、マントを使ったんだな」

 

「ウヌ!清麿も、あの者を倒したのか?」

 

「いや、赤羽が来てくれたんだよ。今はあいつが戦ってくれてる」

 

「何と、そうであったか!」

 

カルマの参戦にガッシュも驚く。

 

「……そうか、お前等の味方が来ちまったのか」

 

玄宗は苦しそうな表情をしながらも立ち上がる。もちろん彼には諦めると言う選択肢は無い。

 

「お主、まだ立てたのか!」

 

「当然だ、さっさと続きをしようぜ。呪文使っても構わねぇぞ?」

 

ガッシュと玄宗は再び向き合う。そしてお互いの最後の一撃が繰り出されようとしていた。

 

「……ガッシュ。コイツは確実に動きを封じなくてはならんから、あの術を使うぞ」

 

「分かったのだ」

 

「行くぞ、どおおおおぉおお‼」

 

玄宗がガッシュに殴り掛かるのと同時に清麿は呪文を唱えた。

 

「ナイブス・ザケルガ‼」

 

ガッシュの右手に電撃のナイフが握られ、向かってくる玄宗の攻撃をかわした上でカウンターの要領でナイフを用いて攻撃をした。そしてナイフから流れる電流により、玄宗の動きは封じられた。

 

「ぐはぁ!こんな術を持ってやがるとは……」

 

「……俺達はこんな所で、負けてられないんだよ」

 

「くそったれ、体が動かねぇ(それにあいつ等の目、これが覚悟の違いって奴なのか……)」

 

電撃のナイフを受けた玄宗の意識はそこで途切れる。玄宗は前回の戦いと同じ理由で負けた。それは、戦いに対する覚悟の違いである。そして気絶した玄宗を、ガッシュペアは所持していたガムテープで縛り上げた。

 

「……勝てたな。よくやった、ガッシュ……」

 

「清麿、大丈夫か?」

 

「ああ、早く赤羽の方に行かないと……」

 

清麿は歩こうとするが、明らかに無理をしていた。

 

「何を言う!清麿は少し休んでおるのだ!殺せんせーが言ってたではないか、自分達の安全を優先しろと!だからカルマは、私に任せるのだ!」

 

フラフラになりながらも動き続けようとする清麿を、ガッシュが叱責する。そんなガッシュに清麿は根負けしたように動きを止めた。

 

「……分かった。赤羽の事は任せる」

 

「ウヌ!」

 

ガッシュは清麿を横にさせた後、カルマの方へ向かった。

 

 

 

 

 その一方、カルマはグリップに頭を掴まれている。グリップは何とスモッグのガスを隠し持っており、それをカルマに浴びせたのだ。

 

「至近距離のガス噴射、予期してなければ絶対に防げぬ」

 

グリップは勝ち誇る。カルマは体を動かす事も出来ず、後はその頭を握り潰すだけだと、そう確信した。しかし、カルマの手にはグリップが使用した物と同じ物が握られていた。そしてガスがグリップ目掛けて噴射される。

 

「奇遇だね、同じ事考えてた」

 

カルマはグリップの行動を予測し、ガスを吸わずに済んでいた。そして自らもスモッグの毒を使用し、グリップを弱らせる事に成功した。グリップはナイフを取り出してカルマに攻撃を仕掛けたが、カルマがそれを抑え込む。それと同じタイミングで、ガッシュがカルマの方に駆けつける。

 

「ガッシュ君、丁度良かった。コイツの拘束手伝ってよ、俺1人じゃキツイから」

 

「カルマ、分かったのだ!」

 

グリップの怪力は毒を喰らっていてもカルマ1人では抑え込めない程強力だ。しかしガッシュの身体能力があれば、それも可能になる。そのままグリップはガムテープで拘束された。

 

「何故ガス攻撃を見切れたぬ?」

 

グリップは自分が素手しか使わなかったのに、カルマがどうしてガスを対策出来たかが分からない。

 

「素手以外の全部を警戒してたからね。アンタがプロである以上、どんな手段を用いても俺を倒しに来ると思ってた。アンタのプロ意識を信用してたから、警戒出来た」

 

(カルマ、前とは変わった気がするのだ)

 

「完敗だぬ……」

 

ガッシュの思う通り、カルマは変わった。期末テストでの敗北から、相手を見くびらないようになった。今の彼には隙が無い。グリップは自分の負けを認める。

 

「ガッシュ君。高嶺君の所に行こうか」

 

「ウヌ!」

 

彼等は見事に2人の強力な刺客を倒した。そしてガッシュとカルマは、横になっている清麿の方へ向かう。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。カルマのグリップに対する悪戯は、感染している清麿がいる為にそれどころではないと判断してカットしました。
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