ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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 鷹岡とE組が対峙します。


LEVEL.33 黒幕の時間

 ホテルの一室。そこで今回の事件の黒幕である鷹岡は頬を掻きむしる。

 

「おい、玄宗とグリップまで何をしている?まさか……」

 

鷹岡は刺客たちがやられた事に感づいた。その時鷹岡は2人からの連絡が来ない事に苛立ちながら、玄宗との出会いを思い出す。

 

「特に玄宗の奴、あれだけ大口を叩いておきながら……」

 

 

 

 

 回想

 

 E組に復讐するための手駒を揃えるために、鷹岡は多くの殺し屋や武道の達人を探していた。そんな鷹岡は玄宗の噂を聞きつけ、彼が修行している山まで足を運ぶ。

 

「……と言う訳なんだが、力を貸してくれねーか?」

 

「はぁ?俺は殺しには興味ねーぞ。つーか、ただの人間相手ではもう俺の拳は満足出来ねぇ」

 

魔物との戦いを知った玄宗にとって、今更人間の相手など気が乗る訳が無い。

 

「まあ、お前は誰も殺さなくて良い。ただ、コイツ等をぶっ飛ばしてくれればな」

 

「あ?」

 

鷹岡は玄宗にガッシュペアの写真を見せた。すると、それを見た玄宗の口角が上がる。

 

「(コイツ等は確か……)ああ、良いぜ。気が変わった」

 

「助かるぜ!コイツ等には地獄を見てもらう!」

 

「これなら楽しめそうだ!くくっ、ハハハハハ‼」

 

玄宗はまさか再び魔物と相まみえる日が来るとは思っていなかった。こうして玄宗は鷹岡と手を組み、今回の事件に関わっていく。

 

 回想終わり

 

 

 

 

 

「クソ!だが、まだガストロがいる。それにこの治療薬がある限り、あいつ等は俺に逆らえない。ハハ、ハハハハ」

 

 鷹岡はプラスチック爆弾が貼られた治療薬入りのスーツケースを抱えながら、狂気に満ち溢れた表情を浮かべる。

 

 

 

 

 その頃、ガッシュとカルマは横になっている清麿に駆け寄った。

 

「清麿、大丈夫か⁉」

 

「ここの敵は全員倒したし、高嶺君の為にも少し休んだ方がいいかな?」

 

ガッシュとカルマは清麿の身を案じる。それほどに彼の顔色が悪かったのだ。しかし清麿は立ち上がる。

 

「いや、ここで休んでいても俺の体調は戻らん」

 

「何を言う⁉これ以上無茶してどうすると言うのだ⁉」

 

「待った、ガッシュ君」

 

無理して体を動かそうとする清麿に対して、ガッシュは怒りの感情を見せる。しかしそんなガッシュを、カルマが何かを察した様に落ち着かせた。

 

「ここの敵は全員倒したし、少しくらい休んでも良いと思うけど……それとも何か考えがあるとか?」

 

カルマは、清麿が考えも無しに無茶をするとは思えない。彼はは清麿の事を信用している。

 

「そうだ、どうしてもここでやらなきゃいかん事がある」

 

「へぇ?」

 

「それは一体何なのだ?」

 

清麿はこのまま無理に進もうとは考えていない。この場で一番にやるべき事を彼は行おうとする。

 

「ガッシュ、赤羽。毒を操る殺し屋が向こうで倒れている。そいつをここに連れてきてくれないか?」

 

「ウヌ?」

 

「……ああ、そういう事ね」

 

清麿のやりたい事がガッシュには分からなかったが、カルマにはすぐ理解する。そしてガッシュとカルマは、ザケルで気絶しているスモッグを清麿の元に連れて来た。

 

「悪いな、さて……」

 

「まずはこの人を起こさないとね」

 

「どうすれば良いのだ?」

 

スモッグを連れて来たが、彼は気を失ったままだ。

 

「えーとね……」

 

カルマは意地悪そうな笑みを浮かべながら袋を取り出す。その袋の中には奥田作製の悪戯の為の道具が入っている。その中から何を取り出そうかと悩んでいる途中に、スモッグが意識を取り戻した。

 

「……お前等、この状況は……」

 

スモッグは意識を取り戻したが、まだ立ち上がれる状態では無い。そんなスモッグを見て、清麿が起き上がった後に口を開いた。

 

「おい、アンタに聞かなきゃならん事がある……嘘を付いたら、また電撃を浴びせるぞ」

 

「ぐっ……」

 

清麿がスモッグを睨みつけた。

 

 

 

 

 スモッグに必要な事を聞き出した後、ガッシュペアとカルマは階段を上がり続ける。ちなみに清麿はカルマに肩を貸してもらいながら進んでいた。

 

「いやー、まさか今回のウイルスの正体がそんなだったとはねー」

 

「しかし、これで一安心なのだ!」

 

「……ああ、これで心置きなく鷹岡をぶっ飛ばせる!(本当は【答えを出す者】(アンサートーカー)でウイルスの正体が分かっていたが、毒使いに直接口を割らせた方が皆にとって信憑性がある。それにこの力はまだ安定していないから、あんまり言いたくない)」

 

清麿はこの力をあまり皆に知られたくなかった為、あえてスモッグに直接ウイルスの正体を吐かせたのだ。ウイルスの正体を知った2人は安心する。

 

「そう言えば赤羽……お前が俺達の所に来てくれたのは、殺せんせーの指示か?」

 

「そうだよ、付近の監視カメラは律が全部ハッキングしたから俺が助けに行く様子も見られないし。それに高嶺君達が敵を引き付けいてくれてるお陰で、俺達は結構楽に進めてた。だから殺せんせーが俺に2人の助太刀に向かわせたんだよね」

 

「律、すごいのだ……」

 

律のスペックと殺せんせーの判断により、清麿が感染した状況でも彼等は無事に困難を乗り越えられた。E組はこのようにお互いを助け合い、今後もいかなる困難を乗り越えていくだろう。

 

 

 

 

 そして3人は6階のテラスに着いた。そこはパーティが行われており、多くの客が楽しんでいる。

 

「ん~、あそこの扉を抜けたいんだけど、警備の人がいるね~」

 

「清麿、どうするのだ?」

 

「他の客が大勢いる所で騒ぎは起こしたくない。俺が感染しているから逃げ出すのも困難。どうしたものか……」

 

ザケルで警備員を倒す事自体は容易だ。しかし、人が大勢いる所でそんな事をすれば注目の的だ。他の警備員や刺客がここに来る可能性もある。迅速に仲間の元に辿り着くためには、目立たないように警備員の目を騙して扉の先に進む必要がある。

 

「あれ、君達が()()()()の知り合い?」

 

1人の帽子をかぶった中学生くらいの少年が、3人に話しかけてきた。

 

「……お前は誰だ?」

 

「俺、ユウジって言うんだ。実はね……」

 

E組の女子達がこのエリアを下見する時に、渚も女装させられて下見に参加していた。その際にユウジが渚に声をかけてきた。そして紆余曲折を経て2人は仲良くなり、渚はユウジにカルマとガッシュペアの特徴を伝えた上で、彼等が楽にこのエリアを通れるように手引きする事をお願いしてくれたのだ。

 

「ウヌ?渚はおと……」

 

「ガッシュ君、ストップ(……そういう事ね)」

 

ユウジは渚を女の子だと思い込んでいる。しかし、それが功を奏して彼も協力してくれる事になった。ガッシュが本当の事を言いそうになったが、カルマがそれを止める。

 

「いや~、渚ちゃん可愛かったな」

 

「……そうだな」

 

渚が男だと知っている清麿は、ユウジに哀れみの視線を送りながら話を合わる。

 

「うん!あの娘のお陰で俺、麻薬を辞めようと思えたんだ」

 

「(麻薬って……まあ、これから辞めるなら何も言うまい)……それは良かったな」

 

ユウジは親の権力や財産を使って無理に格好つけていたのだが、渚の女装はそんなユウジが変わるきっかけとなった。それが分かった清麿は、ユウジに対して先程のような哀れみの視線は送らないようにする。

 

「あと、君かなり体調悪そうだけど、大丈夫なの?」

 

「ああ、問題ない……心配かけて悪いな」

 

ユウジは清麿の体調が心配だった。誰の目から見ても清麿は顔色が悪く、尋常ではない程の汗をかいている。しかし清麿達はここで立ち止まる訳にはいかない。

 

「いや、渚ちゃんの友達なんだから心配になるよ……じゃあ、ここからは俺に任せて!あの警備員を何とかすれば良いんだよね?」

 

「……頼んだぞ!」

 

ユウジはそう言うと、警備員の方へ向かい、何か話しかけた。そして警備員はユウジのみに注意が行き、ガッシュペアとカルマは容易に扉の先に進めた。これは渚がユウジを変えるきっかけを作ってくれたから起きた事である。無意識にここでもE組は助け合いを行えていた。

 

 

 

 

 扉の先にも階段が続いており、3人は進む。

 

「あのユウジと言う者には、お礼を言わなくてはならないのだ」

 

「……そうだな、アイツのお陰で楽にここを突破出来た」

 

ガッシュペアはユウジに感謝の気持ちを持つ。彼のお陰でスムーズに6階を抜け出せたのだから。しかし彼等の感謝の気持ちなど気にも留めず、カルマは意地の悪そうな笑みを浮かべる。

 

「おい……赤羽、どうしたんだ?」

 

「……いやあ、この写真見てよ。律が撮ってくれてたんだ」

 

カルマは渚の女装姿の写真をガッシュペアに見せびらかす。その時の渚はかなり恥ずかしそうにしている。知らない人が見れば、本当の女子にしか思えないだろう。

 

「渚、大変だったな……」

 

「……確かにこうして見ると、渚が女の子に見えるような気がするのだ」

 

「さて、これで渚君を弄る楽しみがまた増えたよ」

 

カルマの頭は渚をどうやって弄るかでいっぱいになりつつある。これにはガッシュペアも、内心渚に同情する。

 

「渚さんの恰好が余りにも似合っていた為、僭越ながら撮影させていただきました!」

 

「ナイスだよ、律」

 

「……ったく」

 

カルマが意地の悪い表情を浮かべる。また律の悪気の無い笑顔に、清麿は何とも言えない気持ちになった。そんな緊張間の欠片の無い会話をしながら、彼等は最上階を目指す。

 

 

 

 

 その頃他のE組一同は最後の殺し屋“ガストロ”を銃撃戦の末に戦闘不能にし、ついに鷹岡と屋上のヘリポートで対面していた。

 

「計画ではな、茅野って言ったっけ?そいつを使う予定だった。部屋のバスタブには対先生弾がたっぷり入っている。そこに賞金首を抱いてもらい、セメントで生き埋めにする。対先生弾に触れずに元に戻るには、生徒ごと爆裂しなきゃいけない。だが、生徒思いの先生はそんな事出来ないから、大人しく溶かされてくれると思ったのだが」

 

鷹岡の口から明かされる非人道的な計画。まさに悪魔の所業である。それを聞いたE組一同の顔は青ざめた。

 

「だがお前等は全員で乗り込んできた。だからお前等の中の1人だけ残して皆殺しにする計画にシフトチェンジしたが、殺し屋共は全滅。それでも俺には治療薬があるし、茅野を生き埋めにする計画も使える。お前等の命は俺の手の平の上さ」

 

「……許されると思いますか?そんな真似が」

 

鷹岡の正気の沙汰では無い言動に、殺せんせーが怒りを見せる。それでも鷹岡は、自分が正しいと思い込んでいた。

 

「これでも人道的な方さ。お前等が俺にした非人道的な仕打ちに比べればな!」

 

渚に負けてE組を追い出された鷹岡の上からの評価は大きく下がった。それから鷹岡は、防衛省からの屈辱の目と渚に負かされた時のナイフが頭から離れ無くなり、日々苛まれていたのだ。

 

「落とした評価は結果で返す。受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。特に潮田渚、俺の未来を汚したお前は絶対に許さん‼」

 

鷹岡は渚を指差す。それは完全な逆恨みでしかなく、他の生徒達からは侮蔑の目を向けられた。

 

「そしてお前等が無様な目に合う光景を見た高嶺清麿ともう1人のチビは、自分の無力さに苛まれるだろうなぁ。そんなあいつ等は、俺が自ら殺す」

 

鷹岡は渚を倒した様子をガッシュペアに見せようともしている。絶望に打ちひしがれる彼等を自分の手で殺す算段だ。

 

「さあ、潮田渚!このヘリポートまで登ってこい‼」

 

「……はい」

 

鷹岡は渚との決着の場を屋上から少し離れたヘリポートに選んだ。茅野を初め多くの生徒達が渚を止めようとするが、治療薬の爆破を防ぐために渚はヘリポートに行く決断をする。渚がヘリポートに登った後、鷹岡はヘリポートに掛かるハシゴを屋上から落とした。これで誰も援護には来れない。そこには2本のナイフが置いてあった。

 

「ナイフを使ったリターンマッチだ。だがその前に謝罪しろ、土下座だ。実力が無いから卑怯な手で奇襲した、それについて誠心誠意な」

 

理不尽ここに極まれり。鷹岡の主張は支離滅裂だ。しかし治療薬の為には言いなりになるしか無い。そう思って渚が膝を付こうとしたその時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆‼俺達には治療薬は必要ない‼だからもう、鷹岡の言いなりにはならなくて良いんだ‼」

 

ついに屋上にガッシュペアとカルマが辿り着いた。しかし清麿の言う事にE組一同は戸惑う。

 

「あァ⁉テメェ何言って……」

 

「こいつを聞いて欲しい。律、準備できるか?」

 

「はい!」

 

清麿は鷹岡の言葉を遮り、律が録音したスモッグの話を流す。話の内容はウイルスについてだ。生徒達に盛られた物は食中毒菌を改良したもので、残り3時間もすれば菌は無毒になるとの事だった。

 

「高嶺君、それは本当なのか⁉それより、君まで感染してたとは……」

 

「俺の事は心配いりません……それに毒物の事はスモッグと言う殺し屋から直接聞いたし、あの場面で奴が嘘を付くメリットも無い」

 

烏間先生が形相を変えて問いただすが、清麿は冷静に答えた。清麿の話を聞いたE組一同の目には希望が宿る。そんな清麿はカルマの肩に支えられながら、ガッシュと共にヘリポートに近付いた。

 

「……おい高嶺。その話、マジなんだよな?」

 

吉田に肩を借りながら、寺坂が念を押してきた。彼もまた感染者の1人だが発症が遅く、ホテルに乗り込んでしばらくするまで感染に気付かなかった。さらにクラスの足を引っ張りたくないと、発症後も無理をしていたのだ。

 

「そうだ……というか、烏間先生だけでなく寺坂まで感染してたとは。大丈夫なのか?」

 

「バカが、お互い様だろーが」

 

寺坂が自分が感染しててもなお人の事を心配した清麿に対して、呆れの表情を見せる。

 

「なんだと……ふざけんじゃねーぞ……」

 

鷹岡の体が震える。彼の目論見が全て崩れた瞬間だ。そんな鷹岡に対して、清麿・カルマ・寺坂がさらに追い打ちをかける。

 

「……諦めろ鷹岡、お前はもう何の価値も無いただのクズだ‼」

 

「大人しく投降したら?“許して下さい”って」

 

「……土下座してくれたら、考えてやっても良いぜぇ?」

 

カルマはいつもの事だが、発熱している清麿や寺坂でさえも鷹岡を煽る。そんな彼等の言動に対して、鷹岡の怒りは頂点に達した。

 

「ふざけんなァ‼もういい、テメー等はここで全員ぶっ殺してやる‼」

 

「そんな事はさせないのだ‼」

 

鷹岡は懐から銃を取り出し、清麿達の方に銃口を向ける。清麿は【答えを出す者】(アンサートーカー)で銃を鷹岡が隠し持っている事を見抜いて、鷹岡にそれを出させて、渚に向けない為に挑発した。銃を見たガッシュがすぐにマントで防ごうとしたが、鷹岡には2発の銃弾が放たれる。それは鷹岡の持つ銃を弾き飛ばした。

 

「ぐっ、バカな……」

 

鷹岡は一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。

 

「アンタ達、煽りすぎ」

 

「全く、見ててヒヤヒヤしたぞ」

 

本物の拳銃を持った速水と千葉が清麿達の前に出た。今の2人の表情は、殺せんせー暗殺直後に見せていた萎縮なそれとはまるで異なっている。

 

「何だお前等、随分吹っ切れた顔をしているじゃないか……」

 

「まあ、殺し屋との戦いで成果を上げられたからな。それに俺達には皆がいる」

 

「別に、落ち込んでなんかないし……」

 

千葉と速水の自信にあふれた顔を見て、清麿は安心した。彼等は殺せんせー暗殺失敗の事を特に気にしており、自分の苦悩を表に出さない性格だ。しかしガストロとの戦いで彼等には仲間がおり、プレッシャーを1人で感じる必要は無いと殺せんせーが教えてくれた結果、2人の銃撃は見事にガストロを戦闘不能にした。その経験を以って彼等は自信を取り戻した。

 

「速水、誰も落ち込んでいるとは言ってなかったと思うぞ」

 

「……うるさい、バカ」

 

「2人が元気になって良かったのだ!」

 

速水の言葉に千葉が突っ込む。確かに誰も速水が落ち込んでいるとは言ってなかった、彼女自身を除いて。速水は素直ではない一面があり、そのような弱みを見せたくなかった。しかしうっかりと自分の気持ちが口に出てしまい、顔を赤くする。そんな2人を見て、ガッシュも嬉しそうにした。

 

「おいお前等、調子に乗ってんじゃ……」

 

鷹岡は自分を無視して話を進める清麿達に物申そうとするが、後ろから感じた殺気に恐れをなす。

 

「鷹岡先生、油断しすぎじゃないですか?僕が後ろにいるのに」

 

渚はナイフを構えながら強烈な殺気を放つ。それも、精鋭軍人を怯ませる程に。それを見た寺坂が口元をニヤケさせながら、渚にスタンガンを投げ渡した。

 

「おい渚!いくらテメーでも、精鋭軍人相手にナイフ1本じゃ心許ないだろ。コイツでも使っとけ。せいぜい殺さねー程度に痛めつけてやれや」

 

「ありがとう、寺坂君!」

 

渚はそれを難なくキャッチし、寺坂に礼を言った。

 

「待て君達、治療薬が必要ない以上渚君1人に戦わせる理由は……」

 

「……烏間先生、あんな奴は渚1人で十分です。ガッシュが電撃を浴びせる必要すらない」

 

「そうだね、渚君何か隠してるっぽいし」

 

「何だカルマ、サボってばっかのくせにそういうのはちゃんと把握してんだな……まあ、見てれば分かるぜ」

 

もう渚1人が鷹岡に挑む理由は無いので烏間先生が止めさせようとしたが、清麿・カルマ・寺坂は渚の勝利を確信していた。

 

「清麿、本当に渚1人で大丈夫なのか?私は心配だぞ!」

 

「ガッシュ君の言う通りだよ!渚1人じゃ……」

 

「いや、心配はいらん。渚の顔を見てみな」

 

「おや、渚君が笑ってますねぇ。なるほど、確かにこれなら大丈夫そうだ。ヌルフフフ」

 

ガッシュや茅野を初め、多くの生徒達は渚が心配だったが、それでも清麿の意志は揺るがない。渚は顔に笑みを浮かべて鷹岡に対峙する。そんな彼の表情を見て、殺せんせーもまた、渚の勝利を確信した。

 

「おい、お前舐めてんのか?何だその笑みは?何故俺に恐怖しない⁉」

 

「皆が見てくれてるから、安心できるんです。鷹岡先生には一生分からないと思いますけど」

 

渚はそのまま笑いながら鷹岡の方に近付く。そして渚は何とナイフを捨てた。捨てられたナイフに意識がいった鷹岡に対して、渚は猫だましを喰らわせる。不意を突かれた時のそれの威力は絶大で、のけぞり返った鷹岡にスタンガンの電撃を浴びせて、鷹岡を跪かせた。

 

「や、やめろ……」

 

「鷹岡先生、ありがとうございました」

 

必死の懇願にも聞く耳を持たず、渚はそのまま鷹岡の首に電流を流す。鷹岡の意識はそこで途絶えた。これがロヴロから渚に伝授された必殺技だった。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。離島編はもう少し続きます。
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