ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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 離島編は今回で最後になります。


LEVEL.35 下世話の時間

 ガッシュペアがアイドルと面識があった事に渚達は驚きを隠せない。しかし、そんな中でもカルマが堂々と口を開いた。

 

「ねぇガッシュ君。ティオちゃんとはどんな関係なの?」

 

「おい赤羽、そういう事は……」

 

「⁉」

 

このような発言を容赦なくできるカルマは流石だ。そんな彼の質問に対して清麿がたしなめようとする。しかしそれを聞いたティオが顔を赤くして、自分の頬に手の平を当てる。

 

「え、ガッシュと私は……やだ、そういうんじゃなくて……えっと……」

 

(((この子、分かりやす‼)))

 

ティオはかなり恥ずかしそうにする。ガッシュへの好意を全く隠せていない。そんなティオを彼等は暖かい目で見守る、ただ一人を除いて。

 

「ウヌ!ティオは私の……大切な()()なのだ‼」

 

(((あ……)))

 

ガッシュはハッキリと言い切った。彼は恋愛感情を全く持ち合わせていなかった。ガッシュの答えは決して間違いではないのだが、ティオの受けたダメージは大きく、清麿達はティオに哀れみの視線を送る。

 

ムキーーーー‼

 

「ヌオオオオォ‼ティオ、やめるのだー‼」

 

ティオは涙を流しながら、怒りを露わにしてガッシュの首を思い切り締める。ガッシュの首は再び伸びており、今にも目が飛び出そうになる。

 

「こらティオ、手を放しなさい!」

 

恵がティオをたしなめる様子を、清麿達は何とも言えない表情で見ていた。ティオの気持ちにガッシュは一切気付いていない。

 

((ティオちゃん、頑張れ……))

 

渚・茅野が心の中でティオにエールを送る。彼女の恋路は先が思いやられる。そんな時、カルマが清麿に話しかけた。

 

「ティオちゃんて、可愛い見た目しながら怒ると怖いんだね」

 

「ああ、くれぐれもティオを刺激する発言は控えるように」

 

ティオはかなり短気な一面がある。ガッシュの無自覚な言動は、これまで何度もティオの逆鱗に触れた。それを見て来た清麿はカルマに忠告をする。

 

(ティオちゃんと高嶺君、どっちが怖いかな?)

 

「何か言ったか、赤羽?」

 

「いや、何でも」

 

カルマの小声にも清麿が気付きかけていた。清麿とティオ、両者共に怒ると大変な事になるが、果たしてどちらの方が怖いのやら。

 

 

 

 

 少しして一行は、清麿・恵・カルマと、ガッシュ・ティオ・渚・茅野の4人に分かれて喋っていた。

 

「しかし、高嶺君達がアイドルの大海恵さんと交流があったなんてビックリだよ」

 

「カルマ君、“恵”で大丈夫よ。清麿君達とは色々あって仲良くしてるのよ」

 

「なるほどね~(まあ、十中八九魔物絡みだろうね。となると、やっぱりティオちゃんは魔物か)」

 

カルマはすぐに恵が魔界の王を決める戦いにティオと共に参加している事を見抜く。

 

「清麿君達ってクラスで夏休みに南の島に来るなんて、クラスの仲はかなり良いみたいね」

 

恵はE組の人間関係に興味がある様だ。しかし彼女は暗殺の事を知らない為、清麿とカルマは迂闊な事を話せない。

 

「そうだな、クラス間の仲は良い方だと思う。ガッシュもE組の皆に良くして貰ってるし」

 

「結構楽しく過ごしてるよね~」

 

「そうなんだ。清麿君からたまにクラスでの出来事を聞いてるけど、楽しそうよね」

 

清麿とカルマは絶妙に暗殺の事がバレないように、恵に対してE組の事を話す。クラスでの話題は彼女も興味津々だ。少しして、カルマは清麿の方を向く。

 

「高嶺君の人間関係どうなってんの?マジで……」

 

「一言でいえば、ガッシュのお陰だ」

 

ガッシュペアは魔物の戦いを経て、多くの人脈を築いてきた。そんなきっかけを作ってくれたのもガッシュであり、清麿はガッシュにはとても感謝している。彼等の広すぎる人脈にカルマは驚きを隠せない。

 

(で、高嶺君は大海さんとはどこまで行ったの?)

 

(バカ、恵さんとはそう言うのじゃない……)

 

(へぇ、ホントかなぁ?)

 

カルマは小声で清麿と恵の関係性を耳打ちで聞こうとする。しかし清麿はハッキリとは答えず、小声でぼかす。

 

 

 

 

 一方でガッシュ達の会話では、茅野が恵のスタイル見て悔しがる。彼女のアンチ巨乳は健在だ。そんな茅野を見て、渚は苦笑いする。

 

「う~!大海さんてアイドルだけあって、かなり巨乳だよ~。はあぁ……」

 

「はは……(茅野は相変わらずだね)」

 

茅野は胸に大きなコンプレックスを持っている。そんな茅野の様子を見かねたティオが口を開いた。

 

「えっとカエデさん、少し落ち着こう?恵は国民的アイドルなんだから……」

 

「はっ、ごめんねティオちゃん。つい……」

 

ティオの言葉を聞いた茅野が落ち着きを取り戻す。そして、

 

「あと、私を呼ぶ時は“カエデ”で良いよ、ティオちゃん。これからもよろしくね!」

 

「分かった!よろしく、カエデ‼」

 

ティオと茅野が友達になった瞬間だ。茅野は誰とでも親しくなれる性格であり、ここでもすぐにティオと仲良くなれた。

 

「それから、渚さん……」

 

「僕の事も“渚”で良いよ、ティオちゃん!」

 

「うん!よろしく、渚‼」

 

「おおっ、ティオが2人と友達になったのだ‼」

 

茅野だけでなく、無事に渚ともティオは友達になれた。渚もまた、親しみやすい性格だ。2人とティオが友達になった事を、ガッシュが自分の事のように喜ぶ。そして茅野とガッシュが喋り始めた時、ティオの頭には疑問符が浮かんでいた。

 

「あれ?渚って今、自分の事を“僕”って……」

 

「どうしたの、ティオちゃん?」

 

渚は内心嫌な予感がした。

 

「だって渚って女の……あっ!」

 

「……僕は男だよ」

 

渚の予感は的中した。ティオは渚を女の子だと思い込んでいたのだが、間違いに気付いてバツの悪そうな顔を見せる。

 

「ごめんなさい!」

 

「気にしなくて良いよ、よくある事だから……」

 

そう言いながらも渚は涙を流す。そして渚が泣き止んだ後も、2人は雑談を続けた。

 

「でも、ティオちゃんの保護者が大海恵さんだなんて……」

 

「私、恵達に会えなかったらどうなってたか分からないわ」

 

ティオは恵との出会いを思い出す。マルスに裏切られて心を閉ざしていたティオは、恵やガッシュペアに会って前を向くことが出来たのだ。1人で人間界にいた時の事が頭に浮かび、ティオの顔が少し暗くなる。

 

「詳しい事は分からないけど、大変だったんだね。ティオちゃん、本当にお疲れ様」

 

「渚……ありがとう」

 

ティオが自分の過去を話すまでもなく、渚は彼女の苦労を察した上で労いの言葉をかける。それがティオには嬉しかった。

 

 

 

 

 こうして渚達はティオペアと交流を深めた後、それぞれの宿舎に戻るために別れた。そんな中、カルマは複雑な心境で渚の方を見る。そんなカルマの様子にガッシュが気付いた。

 

「カルマ、渚がどうかしたかの?」

 

「いや、何でもないよ(昨日の渚君は衝撃的だったな)」

 

「……そうであるか」

 

カルマは昨日の渚の猫だましを鮮明に覚えていた。ただし、カルマが渚をすごいと思っているのはその後だ。鷹岡相手に勝利を収めたのにも関わらず、渚は何事も無いかのように皆の輪に溶け込んだ。その事が、カルマにとっては衝撃的だった。

 

 

 

 

 そして一行が宿舎周辺の浜辺に戻ると、他の生徒達も目を覚まして集まっていた。熱を出していた生徒達の体調も完治している。浜辺では烏間先生指導の下、防衛省の人達がコンクリートで殺せんせーを閉じ込めようとする。

 

「あ、お前等も戻ってきたか」

 

「チクショー!今日は寝てばっかで、結局南の島でちゃんねーのナンパ出来なかったぜ!」

 

清麿達の方に岡島と前原が駆け寄る。

 

「皆、元気そうで良かった」

 

「それ、お前は人の事言えないんじゃないのか?」

 

熱が下がって元気になったクラスメイトを見て清麿は心底安心する。そんな彼に対して、前原を始めそこにいる生徒一同が訝し気な表情をする。清麿もまた感染していたのだから。

 

「魔物の戦いに参加すると、体が丈夫になるのかもしれないね」

 

昨日高熱を出しながら潜入していた清麿が朝から起きている様に対して、竹林が冗談交じりにそう言った。

 

「お前等、観光してたんだよな。どこ行ってたんだ?」

 

「ああ、それはね……」

 

磯貝の質問に清麿が答えようとしたが、カルマがそれを遮る。そして彼はガッシュペアがティオペアと一緒にいた事を暴露した。

 

「「「「「ま、マジかよ‼」」」」」

 

E組一同愕然とする。クラスメイトがアイドルと仲良くしていたのだから。勿論清麿はそれについての質問攻めを受けるハメになる。そんな様子を渚・茅野・ガッシュは側から見ていた。

 

「皆、清麿が恵と友達だと聞いて驚いているのだ」

 

「はは、そうみたいだね……」

 

ガッシュは他人事のようにそう言ったが、ティオの事もクラスで話される。清麿と同様にガッシュもクラスメイト達に問いただされた。しかし彼はティオの事を“友達”だと言い切った。その間にも殺せんせーが元の姿に戻り、その話を盗み聞きしていた。殺せんせーは下世話だ。

 

「ガッシュ君には早い話ですが、高嶺君が大海恵と仲が良いとは!色々調べる必要がありますねぇ!ヌルフフフ」

 

「……元に戻って一言目がそれか?」

 

清麿の言葉には怒りの感情が込められている。彼は本を取り出す。そして何かを察するかのように他の生徒達がその場から離れた。

 

「SET、ザケルガ‼」

 

「にゅやぁ‼」

 

殺せんせーがニヤニヤ笑う様を見かねた清麿は呪文を唱えるが、ザケルガは避けられた。E組内にガッシュペアとティオペアと共に戦いに参加している事が認知された瞬間だ。

 

 

 

 

「君達は本当によく頑張りました……さて皆さん、今夜は暗殺肝試しとしゃれこみましょうか」

 

「「「「「暗殺、肝試し?」」」」」

 

殺せんせーの提案にE組一同は戸惑う。

 

「先生がお化け役を務めます。久々に分身して動きますよぉ。もちろん先生は殺してもOK‼暗殺旅行の締めくくりにはピッタリでしょう」

 

こうしてE組一同は男女2人1組(ガッシュペアは1人換算)をくじ引きで決めて、決まったペアで海底洞窟を抜ける事になった。しかし殺せんせーの狙いは、肝試しを通しての吊り橋効果でカップルを成立させる事である。

 

 

 

 

 男女のペアが次々と入っていく中、残りはガッシュペアと矢田、竹林、村松、岡島のみとなった。

 

「ちくしょー、何で俺は女子とペアじゃないんだよー⁉」

 

「うるせーな岡島、クジで決まったんだから仕方ねーだろ!早く行くぞ‼」

 

まずは岡島と村松のペアが洞窟へと入っていく。岡島は女子とペアになれなかった事を心底悔しがる。少し時間が経過した後、竹林が動き始めた。

 

「では、次は僕と律が行くよ。フフ、殺せんせーは何か企んでいるような気がしてならないけど、そんな事は僕と律には関係ないことさ」

 

「肝試しが楽しみですね、竹林さん!」

 

何とくじ引きの結果、竹林は律と組むことになっだのだ。そんな2人をガッシュペアと矢田は見つめる。

 

「竹林君、律と一緒で嬉しそうだったね……」

 

「ああ、そうだな」

 

「竹林と律は仲良しだからの」

 

竹林と律が入って少し待った後、彼等も洞窟に入っていく。

 

 

 

 

 洞窟の中はかなり暗く、いかにも幽霊が出てきそうな雰囲気だ。そんな中、ガッシュペアと矢田は前日のホテル潜入の話をしながら歩く。

 

「聞いたぞ矢田。ビッチ先生から借りたヤクザのバッジをちらつかせて、しつこい客をビビらせたそうじゃないか」

 

「ちょっと高嶺君、言い方……まあ、間違ってないんだけどね」

 

ホテルのテラスを抜ける時に女生徒達が質の悪い客に絡まれたが、矢田がヤクザの代紋を見せつける事で退けることに成功した。これもビッチ先生が矢田に仕込んだ技術の1つである。

 

「ビッチ先生から教わったのか?」

 

「うん。接待術も交渉術も、社会に出た時に最高の刃になりそうだからね」

 

「なるほどな」

 

矢田は将来の事をしっかりと見据える。そんな彼女を見て、清麿は感心する。

 

「ウヌ、桃花は凄いのだ‼」

 

「私、戦いは苦手だけどこういうのならやれそうって思ったんだよね。本当は争い自体無くなって欲しいんだけど……」

 

心優しくて血生臭い事が嫌いな矢田は、戦いを避ける為にビッチ先生から交渉術等を積極的に学んでいる。そして矢田はガッシュの方を見た後、彼を抱き上げた。

 

「だからガッシュ君。魔界で王様になったら、誰も争わないで良いような世界を作ってね!」

 

「もちろんなのだ‼」

 

矢田の話を聞いて、ガッシュは改めて優しい王様になる決意を固めた。ガッシュの目指す理想は、彼女にとっても嬉しい物である。

 

 

 

 

 そして一行が進んでいると、一本のポッキーがぶら下がっていた。E組の男女にポッキーゲームをやらせる為に殺せんせーが準備した物だったが、肝心の先生が見当たらない。

 

「え、これって……」

 

「殺せんせー、何考えてんだか……ガッシュ、このポッキーはお前が食べていいぞ」

 

「清麿、桃花!本当に良いのか⁉」

 

「大丈夫だよ、ガッシュ君」

 

殺せんせーの目論見に気付いた清麿と矢田はため息をつく。一方で何も知らないガッシュはポッキーを美味しそうに食べていた。

 

「ごちそうさまなのだ!次に進もうぞ!」

 

「……そうだな」

 

 

 

 

 彼等が進んでいると、突然何かの気配を感じた。そして3人が振り向くと、唇を真っ赤にした女の顔が突如として現れた。

 

「「きゃああああああァ‼」」

 

ガッシュと矢田は大声で悲鳴を上げて、顔を真っ青にしてお互いに抱き合った。清麿も叫び声は出さなかったが、目玉が飛び出そうな勢いで驚愕する。

 

「アンタ達、良いリアクションね。脅かし甲斐があるわ」

 

女が聞き覚えのある声で話し始める。その正体は、口紅を塗って顔を下からライトで照らした狭間だった。

 

「……って狭間か!お前が俺達を驚かしてどーすんだ⁉」

 

「ビックリさせないでよ~」

 

「フフフ」

 

清麿と矢田は狭間に気付いて落ち着きを取り戻したが、ガッシュはまだまだ震えている。

 

「ガッシュ、大丈夫だ。コイツは狭間だ」

 

「ウヌ、本当に綺羅々であるか……」

 

ガッシュが清麿の言葉を聞いて、勇気を持って狭間の方を見た。しかし狭間は再び自分の顔の下からライトを当て、顔をニヤケさせる。

 

「ヌオオオオォ‼」

 

正体が狭間と分かってもなおガッシュは恐怖に抗えず、そのまま泣きながら矢田に抱き着いた。矢田は苦笑いをしながらガッシュの頭を撫でる。そんな時、もう1人の人影が現れた。

 

「おい狭間、その辺にしといてやれよ」

 

「寺坂か!そういやお前等はペアを組んでたな」

 

狭間とペアを組んでいた寺坂が、呆れ混じりの顔をして現れた。寺坂と狭間は、当初は殺せんせーを狭間が脅してその隙に暗殺を行うつもりだったが、それには失敗した。しかしその事で誰かを怖がらせる事の味を占めた狭間が、ここで後から来た生徒達を驚かしていたのだった。

 

「“ミス肝試し日本代表”の名は伊達じゃないわよ。言っても驚かせたのは村松と岡島の男2人組とアンタ達だけなんだけどね」

 

「この肝試しを一番楽しんでるのは、間違いなくコイツだろうよ」

 

狭間の顔は闇に紛れると非常に怖くなる。その事で変なあだ名をつけられてしまったようだが、彼女は特に気にしていない。

 

「村松と岡島って、その後には竹林と律が来たんじゃないのか?」

 

「あ、確かに。竹林君達とは会わなかったの?」

 

狭間の話を聞いて、何故か標的にされなかった竹林達の事を清麿と矢田は気にする。そして竹林の事に関しては、寺坂達が説明してくれた。

 

「あーその事なんだけどよ、竹林の奴、肝試しそっちの気で律にずっと話しかけてやがった。何つーか、律に悩みを聞いてもらってるような感じだったな」

 

「そうね。何を話してたかは聞き取れなかったけど、あのペアを驚かす気にはなれなかったわ……」

 

寺坂と狭間は竹林の様子が気がかりだった。それを聞いた清麿が少し表情を暗くする。

 

「竹林、何か抱え込んでなければ良いんだがな……」

 

「ったくあのメガネ、何かあるんだったら律だけじゃなくて俺等にも相談しろってんだ!」

 

「寺坂君、結構竹林君の事を気にかけてるよね!」

 

「そんなんじゃねーよ」

 

寺坂は竹林が自分に相談してくれない事を不満に思っている。竹林は寺坂グループに属している訳ではないが、寺坂と一緒にいる頻度が高い。口には出さないが、竹林の事を心配している。そしてこの時は、竹林が2学期にあのような事になるとは誰も思わなかった。

 

「……ところでガッシュ、お前はいつまで怯えているんだ?」

 

「ウ、ウヌぅ……」

 

竹林の話をしている最中、ずっと矢田から離れようとしないガッシュに清麿が話しかける。そしてガッシュは矢田から降りようとしたが、狭間が再び怖い顔をしていた。

 

「いやあああァ‼」

 

「もう、しょうがないなぁ」

 

恐怖のあまり、ガッシュは矢田から離れる事が出来なかった。矢田は少し困り顔を見せながらガッシュの背中をさする。

 

「だから、やめてやれって……」

 

「ううっ、桃花~」

 

相変わらずな狭間を寺坂がたしなめる。結局ガッシュは洞窟を出るまで、泣きながら矢田に抱き着いていた。そして他の生徒達と合流する際、彼女にくっつくガッシュを羨ましそうに見ていた男子生徒が何人かいたのは別の話だ。

 

 

 

 

 生徒全員が洞窟を出た後、下世話な殺せんせーを生徒達が責め立てる。この肝試しを通してE組でカップルを成立させようとしていた事を生徒一同、あまり良く思わなかった。一方で殺せんせーは泣き言を言いながら逆ギレをする。そんな時、ビッチ先生が烏間先生の腕に捕まりながら出て来た。

 

「くっつくだけ無駄だと言っただろ」

 

「うるさいわね‼美女がいたら優しくエスコートしなさいよ‼」

 

それを見た生徒達の表情が一変し、教師2人をくっつけようと各々が動き始めた。下世話なのは彼等も同じみたいだ。

 

 

 

 

 E組一同あの手この手を使ったが、烏間先生の鈍感さ及びビッチ先生の意外なまでの奥手さ故に、あまり進歩は見られなかった。そんな事をしている間に、2泊三日の旅行は終わりを告げる。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。ガッシュペアと矢田さんを組ませたのは、ホテル潜入での彼女の活躍を描写しておきたかったからです。
 次回はオリジナル回となります。
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