ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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少し遅くなりましたが、最新話です。よろしくお願いします。


LEVEL.55 悲報の時間

 ガッシュペアが帰宅すると、家の和室でデュフォー、ティオペア、そしてフォルゴレが2人を待ち受けていた。しかしフォルゴレがいるのにキャンチョメがその場に居ない。また場の空気が非常に重く、彼が清麿宅を訪れた理由をガッシュペアはすぐに理解する事が出来た。それは渚の悩みにおいて希望の兆しが見えて安心していた2人の精神をどん底に突き落とすには十分すぎた。

 

「なあ、これって……」

 

重苦しい雰囲気の中で清麿が口を開こうとするが、上手く喋る事が出来ない。

 

「ああ、その通りだ。キャンチョメは魔界に帰ってしまったよ……」

 

「そんな、何があったと言うのだ……」

 

突然の仲間との別れ。フォルゴレがここまで1人で来ていた為、理由を察する事は出来ていたが、その事を改めて聞いたガッシュペアとティオペアはさらに辛そうな表情をする。そしてフォルゴレは話を続けた。

 

 

 

 

 回想

 

 キャンチョメペアはミラノで貴族のような恰好をした魔物のパピプリオ及びパートナーのルーパーと再会し、そのまま2人の魔物は友達になった。しかしパピプリオペアはゴームペアの襲撃を受けて、彼を守ったルーパーは大ダメージを受けた。それに怒ったキャンチョメは新術“シン・ポルク”で自らが何本もの触手を持つ巨大なライオンの獣人に変身して敵を痛めつけるが、それを見かねたフォルゴレがゴームペアを彼の攻撃から身を挺して防いだ。

 

「やめろ、キャンチョメ……」

 

「どうしてそいつらを庇うんだい?この攻撃はフォルゴレだってダメージを受けるのに」

 

シン・ポルクはキャンチョメ自身をどんな姿にも化けさせられる。また変身したキャンチョメの体には自分の想像した力を持たせる事が出来、相手の精神に直接ダメージを与えられる。キャンチョメには、どうしてフォルゴレがそんな危険な術の発動中に敵を守ろうとするのかが理解出来ない。

 

「キャンチョメが間違った方向に行かない為だ。ライオンになってはいけないんだよ……」

 

キャンチョメは強くなったが、その力に溺れかけている。それを分かっていたフォルゴレは今の彼が間違っている事を証明する為に自分の過去を話し始めた。スターになる前の彼は荒ぶっており、ライオンの様に強かった。しかしそんなフォルゴレに対しては皆が恐れ、誰も近付かなくなり、彼の両親に至っては銃を突き付けた上でフォルゴレを家から追い出してしまった。

 

「わかるか⁉前にも言ったが、ライオンの牙には小鳥は止まらないんだ‼」

 

それを聞いたキャンチョメは、わかばパークでのライオンとカバさんの話を思い出す。何故フォルゴレはライオンでは無くカバさんにこだわるのか。そして彼は話を続ける。

 

「故郷を追い出された私は、偶然TVでカバさんの牙に小鳥が止まる映像を見たのさ」

 

その時の映像にフォルゴレは感銘を受けて、愉快なスターを目指すようになった。しかし未だに彼の両親はフォルゴレには近づいてくれない。そうなったら終わりだとフォルゴレはキャンチョメを諭す。それでも彼は拳を引っ込めようとしない。キャンチョメの強力な一撃がフォルゴレを襲うが、彼はそれを受け止めた。

 

「キャンチョメ、あの時は言わなかったがカバさんは強いんだぜ。子供を守る時は特に、ライオンを倒す程に強いのさ‼私はいつだってカバさんだった。私の姿はキャンチョメの目には、カッコ悪く映っていたかい?」

 

その言葉は決定的だ。キャンチョメにとって一番の憧れであるフォルゴレは、常にカバさんであろうとしている。そして彼はとても強い。その強い力をフォルゴレは決して誰かを傷付ける為に使おうとはせず、何度もキャンチョメを守ってくれた。そんな彼がキャンチョメにとってカッコ悪い訳が無い。キャンチョメの目には涙が溢れ出し、彼は元の姿に戻った。

 

「うわああぁん‼ズルいよ、フォルゴレよりカッコイイ動物なんている訳ないだろーーー‼ゴメンよ、フォルゴレーーー‼」

 

キャンチョメはようやく自分の間違いに気付き、フォルゴレに泣きつく。そんなキャンチョメをフォルゴレは優しく抱きしめるのだった。

 

 その後キャンチョメは術を解き、フォルゴレはミールから本を取り上げた。その後キャンチョメは必要以上に痛めつけてしまったゴームペアに謝罪し、今度は彼等を喜ばせる幻を見せる為に術を発動する。幻の中で小鳥が自分に近寄ってくる様子を見たゴームはとても楽しそうだ。

 

「ゴーム、魔界に帰ったら友達になろうよ」

 

「ゴー!」

 

その言葉を聞いたゴームはとても嬉しそうだった。そしてキャンチョメは術を解く。後はゴームの本を燃やすだけかと思われたが、その場にはいつの間にかヴィノーが出現していた。

 

「シン・クリア・セウノウス・ザレフェドーラ‼」

 

ヴィノーが術を唱えたと同時にキャンチョメは何かに気付き、フォルゴレとパピプリオに自分達の本を遠くに投げさせた。そして本にはクリアの消滅の術が放たれ、彼等の本は燃えてしまった。しかしルーパーとの別れを惜しむパピプリオとは対照的に、キャンチョメは平常心を保つ。彼はガッシュの勝利を信じており、自分達が消される事は無いと確信している為だ。ガッシュの存在をパピプリオペアに伝えた後、キャンチョメはゴームの方を見た。

 

「ゴーム、ミール‼この戦いで君達を痛めつけた事は本当に申し訳ないと思ってる‼こんな事を言うのは都合がいいかもしれないけど、君達もガッシュ達に力を貸して欲しい‼ガッシュならゴームを絶対に1人にさせないから‼」

 

ゴームは彼の言葉を黙って聞く。キャンチョメはそれだけを伝えると、涙を流しているフォルゴレの方を向いた。

 

「ホラ、フォルゴレも泣くなよ……」

 

「バカ、泣いてるのはキャンチョメの方だろう……」

 

フォルゴレの言う通り、キャンチョメの目からも涙が流れ出る。先程までは強気な態度を取っていた彼だが、パートナーとの別れを実感すると一気に悲しい気持ちが沸き上がった。

 

「嫌だよ‼フォルゴレ、フォルゴレ~~~‼」

 

「キャンチョメ、キャンチョメ……キャンチョメーーー‼」

 

フォルゴレはキャンチョメの肩に手を置きながら、キャンチョメはフォルゴレの腕を握りながら、それぞれ泣きながら別れを惜しむ。突然の別れ、彼等がそれを受け入れるのには時間が足りな過ぎた。そしてキャンチョメの体は消えて、彼は魔界に帰った。その後もフォルゴレは涙を流す事しか出来なかった。

 

 回想終わり

 

 

 

 

 フォルゴレは経緯を話し終えた後、涙を流しながらゴームの本を燃やせなかった事を謝罪する。しかし、その事を責める者は誰もいない。

 

「スマン、そして頼む……必ずクリアを倒して、魔界で魂だけになっているキャンチョメを生き返らせてくれ……」

 

魔界の王を決める戦いにおいて、残りの魔物が10体となった時には魔界全ての住人は魂だけとなる。そして戦いに勝ち残って王になった者は、他の魔物を自由にできる。クリアはこれを使ってゴーム以外の魔物を消そうとしている。それだけは防がなくてはならない。

 

 

 

 

 フォルゴレは1人帰り道を歩く。その背中は悲壮感に溢れている。彼はキャンチョメとの別れで大きな傷を負ったが、それでも日本まで来て清麿達にその事を伝えてくれたのだ。そんなフォルゴレを一同は黙って見送る事しか出来なかった。

 

「清麿、私は特訓に行ってくるぞ!」

 

ガッシュの一言を皮切りに各々がそれに励もうとしたが、ティオだけは顔を青くしてその場を動こうとはしない。そして彼女の目からは涙が流れ出る。

 

「ティオ⁉」

 

そんなティオに恵が駆け寄ろうとしたが、彼女は黙ってその場を走り去る。キャンチョメが魔界に帰った事を聞いたティオは、辛い現実を受け止めきれなかった。

 

「お、おい!ティオ⁉」

 

「どこ行くの⁉」

 

清麿と恵がつかさずティオを追いかけようとしたが、ガッシュが両腕を広げてそれを止める。

 

「ティオの事は、私に任せて欲しいのだ‼」

 

ガッシュの目には強い意志が宿っている。何としてもティオを連れ戻すと、彼の目が物語っていた。そしてガッシュはティオを走って追いかける。それでも自分達のパートナーが心配である清麿と恵は、ティオとガッシュの後を追った。

 

 

 

 

 ティオはがむしゃらに走る。とにかくその場から、辛い現状から逃げ去りたかった。例えそれが叶わない事だとしても。そして彼女は公園まで来ていた。今は人がほとんどいない。その孤独さがさらに彼女を追い詰める。ティオはどうすれば良いかが分からずに1人で佇んでいたが、青髪の少年が彼女に話しかける。

 

「ティオちゃん?」

 

「!……渚……」

 

その公園には渚がいた。彼は母親との話し合いについて決意を固める為に、家以外の場所で1人になりたかった様だ。そんな渚がティオに声をかけるが、彼女の目からは再び涙が流れて始める。

 

「ティオちゃん、大丈夫⁉」

 

渚はティオが何らかの原因で非常に落ち込んでいる事は分かったが、どうしてそうなったのかは分からない。彼がどうすれば良いかを考えていると、ガッシュが公園まで走ってきた。

 

「ガッシュ君、大変なんだ‼ティオちゃんが……」

 

「ウヌ、渚ではないか!事情は分かっておる!」

 

ガッシュがティオの方に駆け寄る。それを見た渚は、ガッシュがティオと1対1で話したがっている事をすぐに察する。

 

「ガッシュ君、後はお願いね!」

 

「分かったのだ、渚も自分の事としっかり向き合うのだぞ!」

 

「勿論!」

 

渚はその場を離れた。彼にも成すべき事があるのだから。そして公園に2人だけになった事をガッシュが確認すると、彼は口を開く。

 

「ティオ、辛いのは分かるが今は皆のところに……」

 

「何でガッシュは不安にならないの⁉」

 

ガッシュがティオを連れ戻そうとした瞬間、彼女は叫ぶ。ティオはどうしてこのような時にもガッシュが心を乱さないでいられるかが分からない。

 

「キャンチョメって、凄く強くなったんだよね?……それなのにクリアに倒されて……私、怖いのをずっと我慢してたけど、もう限界‼」

 

ティオは自らの感情をぶちまける。彼女は日に日に不安な気持ちが増していたが、それでも恐怖を押し殺して日々特訓に励んでいた。しかしキャンチョメが魔界に帰った話を聞いて、ついに耐え切れなくなってしまったのだ。

 

「ガッシュは何で平気なのよ⁉何で……」

 

親しい仲間との別れ。そして消されてしまうかもしれない恐怖。それらが身に降りかかってもガッシュは変わらない。そんな強かな彼を見て、ティオは苛立ちまで覚えてしまう。

 

「ティオ、約束しよう。お主がもし負けても私が王となり、必ず生き返らせる。ティオだけでなく、魔界の皆に再び肉体を与えて救い出す」

 

ガッシュは迷いなく答える、ティオの負の感情を受け止めたうえで。彼にはそれ以外の道は無いのだから。それでも、ティオの目から不安と恐怖は消えない。

 

「だから、何でそんな事が言えるの⁉勝てる保証なんて……」

 

「私は色んな者達に思いを託されたり、王になれなくて魔界へ帰って行った者達を多く見て来た。だからどんな事があろうとも、王にならねばならぬ。確かに不安もある、だがそれ以上に皆の思いを叶えねばならん。私は、そういう物を背負っておるのだ」

 

ガッシュも平気でいられる訳では無い。しかしそれ以上にやり遂げなくてはならない事がある。それは、優しい王様になる事。その為にも、彼は負の感情に構っている余裕など無い。そんなガッシュの意志を目にしたティオは、自分の心が軽くなっていくのを感じた。

 

(そっか、私……ガッシュのこういうところが……)

 

「ティオ、皆のもとに戻ろうぞ!」

 

「うん!」

 

ティオは再び微笑んでくれた。

 

 

 

 

 時は少しさかのぼる。渚は母親と向き合う為に自分の家を目指す。そんな時、彼は清麿と恵が走ってくるのを見た。

 

「高嶺君、恵さん‼」

 

「渚(君)‼」

 

渚に気付いた2人は足を止めた。そして渚は2人にティオとガッシュの居場所を教える。

 

「ありがとう、渚君!」

 

「2人共、一体何が……」

 

清麿と恵だけでなく渚もティオの事が心配だったが、彼には何が起こったのかが分からない。そして清麿が少し考えた素振りを見せた後に口を開いた。

 

「恵さん、先にティオ達の方に向かってくれ!」

 

「清麿君……分かったわ!」

 

彼女は何かを察した様にすぐに公園に向かう。

 

 恵がこの場を離れた後、清麿は渚に事情を説明した。

 

「そんな、キャンチョメ君が……」

 

渚はわかばパークにてキャンチョメとの関わりがそれ程あった訳では無いが、自分の友達の仲間の別れを聞いて、悲し気な表情を見せる。

 

「俺達の戦いはもうすぐ始まる。悪いがその間は渚の相談には……」

 

「僕の事なら大丈夫だよ‼」

 

ガッシュペアがクリアとの最終決戦の準備をする際には、他の事を考える余裕は無くなる。それはクラスメイトの悩み事とて例外ではない。それを申し訳なく思う清麿だが、渚は気にしていない。

 

「高嶺君達は自分の戦いに専念して!僕も、自分の事はこっちで何とかするから!」

 

「……ああ、頑張れよ渚。くれぐれも1人で背負い込むな!」

 

「分かってる、()()には皆がついているからね!ごめん、足止めする形になっちゃって。高嶺君はティオちゃん達のところに行ってあげて!」

 

渚も清麿も孤独ではない。頼れる仲間がいる。彼等は2人を支えてくれる。その事実だけで、清麿も渚も困難に立ち向かっていける。2人はお互いに背を向けて目的地に向かった。

 

 

 

 

 清麿は全力疾走してガッシュ達のいる公園に辿り着いた。そこには3人が揃っており、ティオの顔色もかなり良くなっている。

 

「済まない、遅くなった!」

 

清麿は来るのが遅くなった事の謝罪をしたが、3人共気にしていない素振りだ。

 

「清麿は謝らなくて良いわよ、勝手に飛び出しちゃった私が悪いんだから。こっちこそごめんなさい」

 

ティオが大きく頭を下げた。自分のせいで皆に心配をかけてしまった事を申し訳なく感じている。それを見たガッシュペアと恵は、安心したような顔をする。今のティオなら大丈夫だと、そう思えた。

 

「一先ず、清麿君の家に戻りましょうか。デュフォーさんも待ってるし」

 

恵の一声にて、彼等は清麿宅に戻るのだった。

 

 

 

 

 清麿宅の前に一行が辿り着くと、デュフォーが扉の前で立っていた。そんな彼を見てティオが謝罪の言葉を述べようとすると、その前にデュフォーが口を開いた。

 

「今日の特訓は無しだ。それぞれ明日以降に向けて、心を落ち着かせておけ」

 

デュフォーからは意外な言葉が出てきた。彼は清麿達がキャンチョメとの別れによって精神が乱れている事に気付いている。

 

「今の状態でそれをしたところで結果は出ない。明日に引きずらないよう、今日は休むんだ」

 

これはデュフォーなりの気遣いでもある。彼は仲間を失った清麿達のメンタルを案じて、休息を取るように言ってくれたのだ。そして彼はそのまま清麿の家に入って行く。それを見た清麿達は少しの間あっけに取られていたが、ガッシュが言葉を発する。

 

「デュフォー、私達の事を心配してくれたのかの?」

 

「……そうだな。今日はデュフォーの言う通り、心を休めておこう」

 

デュフォーの気遣いを察した彼等は休息を取る事にした。そんな時、恵が何かを思いついたかの様に口を開く。

 

「3人共。デュフォーさんもああ言ってくれた事だし、ちょっと出掛けない?」

 

 

 

 

 ガッシュペアとティオペアは今、モチノキ町のファミレスにいる。恵曰く、自分の好きな物を食べて少しでも元気をつけたうえで、明日以降の特訓に励もうとの事である。ちなみに料金は全て彼女が出してくれるそうだ。

 

「恵さん、本当に良いのか?」

 

「気にしないで。皆、食べたい物や飲みたい物を自由に頼んでよ」

 

清麿が申し訳なさそうな態度を取るが、恵は優しく微笑む。皆を気遣ったのもあるが、彼女自身も戦いの前に、この4人で楽しい時間を過ごしておきたいと考えている。

 

「ウヌ、それならお言葉に甘えるのだ。ブリの料理は無いかの……」

 

「恵、ありがとう!何にしようかな」

 

ガッシュとティオが嬉しそうにメニュー表を眺める。彼等が無邪気に食べたい物を決める様子を、清麿と恵は隣で暖かい目をして見守る。

 

「ティオも大分明るくなってくれたな」

 

「そうね、ガッシュ君のお陰だわ」

 

こうして彼等はそれぞれ食べたい物を注文する。

 

 

 

 

 それぞれの料理が出揃った。4人は少しの間は黙食をしていたが、初めにティオが口を開く。

 

「私、キャンチョメがいなくなった事を聞いてどうしたら良いのか分からなくなっちゃったの。あんまりにも辛くて悲しくて……それでもガッシュは歩みを止めようとはしなかった」

 

彼女の話を3人は黙って聞く。ガッシュが気丈であったお陰で、ティオは立ち直る事が出来た。もしそれが無ければ、彼女は絶望に心を支配されていたであろう。

 

「私、全然ダメだな。皆同じ気持ちなのに1人で辛い気になって。皆の事も散々振り回しちゃって……」

 

飛び出してしまった事を未だに気にしている様子だ。そんな彼女を恵が優しく抱き寄せる。

 

「ティオ……私達は1人じゃないわ。辛い事や悲しい事は皆で共有していけば良い。困難な事は協力して取り組めば良い。今までだってそうしてきたじゃない」

 

「……そうよね、恵」

 

ガッシュの言葉がティオに希望を与えてくれるのなら、恵の言葉はティオに癒しを与えてくれる。ティオは顔を赤くしながら、恵の言葉を受け入れていく。その後、ガッシュペアが話を続ける。

 

「ティオ……自分が孤独ではない事を忘れてはだめだ。仲間の内、誰が欠けていてもここまで来れなかっただろう。そしてこれからも。だから俺達にはティオが必要だ。ティオの守る力があれば、どんな敵が来たって大丈夫さ」

 

「ウヌ、ティオの盾はとても強いからの」

 

彼等はティオを頼りにしてくれている。それだけでは無く、絶望に打ちひしがれていた自分を鼓舞してくれようとしている。その事は彼女にとって、非常に嬉しい事だった。

 

「皆……ありがとう‼」

 

こうして4人の間には再び楽しい雰囲気が漂い始める。そして彼等は雑談をしながら料理を食べ進めた。

 

 

 

 

 そして帰り道、ガッシュペアが恵にお礼と別れの挨拶を述べた後、ティオが手を振ってくれた。

 

「じゃあね、また明日‼(……明日、か……)」

 

ティオがそう言うと、彼女は明日という言葉を心の中でも述べる。キャンチョメの事を聞いた当初、何もかもに絶望していたティオだったが、今の彼女は明日への希望を見出す事が出来ている。恵や清麿が声をかけてくれたのもあるが、元気を取り戻せたのはガッシュの存在が大きい。それを実感したティオは嬉しい気持ちになる。

 

「ウヌ、また明日‼」

 

ガッシュもまた、別れの挨拶を述べた。そんな彼等には迷いなど無く、明日以降はしっかりと特訓に臨む事が出来た。

 




 読んでいただき、ありがとうございました。ここからは暗殺教室の要素が薄くなっていきます。ご了承ください。
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