LEVEL.65 お出かけの時間
ロッキー山脈でのクリア・ノートとの戦いも終わり、それに関わった者達はそれぞれの生活に戻る。ガッシュペアは殺せんせー暗殺及びブラゴペアとの最終決戦に向けての特訓、ブラゴペアは日々の鍛錬及びナゾナゾ博士・アポロの協力を経て殺せんせーについての調査(博士はヴィノーの親を探しながら)、デュフォーはあてのない旅、サンビームはアフリカでの仕事、恵はアイドル活動の再開。
そしてとある休日、恵が仕事の無い日と言う事でガッシュペアと共に外出する事になった。ちなみに彼等は今、椚ヶ丘の街中を歩いている。
「恵さん、どうしてまた椚ヶ丘に行こうと?」
「実は直近でこの地域での仕事があるの。だから少しでも土地勘を身につけておこうと思って」
現地の事を少しでも知っておいた方がそこでの仕事がしやすいとの事で、恵はガッシュペアに椚ヶ丘市を案内してもらっている。魔物の戦いが終わっても彼等の交流は続いて行くだろう。
「ウヌ、恵は仕事熱心なのだな!」
「当分はアイドル活動が主になっていくからね。でも、時間があるときはこうやって2人と会いたいな」
「俺もそうしたい。これからも連絡を取っていこう」
「そうね」
彼等はそれぞれやるべき事がある。頻繁に顔を合わせる事は叶わないが、それでもお互いに一緒に過ごす時間を作っていきたいと考えている。一行はそんな話をしながら街を歩いていくが、時折恵は寂しそうな表情を見せる。
(恵さん、ティオがいなくなって辛いんだろうな。だがこっちからその話題を蒸し返す訳にはいかない。どうすれば……)
その原因を清麿が分かり切っていても、容易に改善する事は出来ない。親しい者との別れはそれ程に悲しい事なのだから。ましてや彼女達は本当の姉妹の様に仲が良く、共に苦闘を乗り越えてきたのだ。そんな2人の絆は本物である。清麿はどうしたものかと考えていたその時、
「清麿、大丈夫かの?」
「何だか顔色が良くないわね。どこかで休む?」
ガッシュと恵が不安そうな表情で彼を見る。恵の事を案じていた清麿だったが、逆に2人に心配をかけてしまった。それを察した彼は申し訳なく思うと同時に自分の気持ちを誤魔化す為に笑みを見せる。
「2人共、心配しなくても良いよ。済まない(いかんいかん、俺が気を使わせてどうする……)」
「ウヌゥ、それなら良いが」
2人を不安な気持ちにさせてしまったと思い、清麿は焦る。その後、彼は何か楽しい話題がないかを頭の中で考える。そして清麿の脳内に、椚ヶ丘中で行われるとあるイベントの事がよぎった。
「そうだ、恵さん」
「どうしたの?」
「実は来週、うちの中学で学園祭があるんだ。E組も店を出すから、都合が良かったら来てくれないか?」
11月中旬の土日に学園祭がある。しかし、このイベントは椚ヶ丘学園における年間最大の行事と言っても過言ではない。トップの売り上げを誇るクラスは就活でもその事をアピールする事が可能な程だ。ちなみにE組では裏山で取れる食材を使った出店を行う。料理は村松や原が中心で行い、生き物に詳しい倉橋や殺せんせーは食材の選別、文章力に長ける狭間は商品紹介、美術が得意な菅谷はポスター作成等E組の長所を最大限に活かす寸法だ。
「椚ヶ丘の学園祭ね……」
恵は何かを考える素振りを見せる。
「恵、その日は仕事かの……」
思い悩む彼女を見てガッシュが声をかける。恵のアイドル活動はとても忙しく、土日に休む事もままならない場合も多い。だから学園祭の日も何かしらの仕事が入っているとガッシュペアは考え、残念そうな顔をする。
「実はね……その日の学園祭で私もコンサートに出演する事になってるのよ」
「「な、何と⁉」」
恵の口からは思いも寄らない言葉が発せられた。椚ヶ丘での仕事は、学園祭への出場の事だったのだ。
「中等部のA組の出し物なんだけどね、そこの浅野君て子がうちの事務所と繋がりがあるみたいなの。だからそこで歌って欲しいって……」
「「A組⁉」」
ガッシュペアの目が飛び出そうになる。恵がただ学園祭に仕事として来るならともかく、浅野達A組の出し物に参加するのだから。今回も体育祭や定期テストと同様に、E組とA組はそれぞれの売り上げを競うつもりだ。彼等は恵に事情を話した。
「そっか。清麿君達とは今回、商売敵って事になっちゃうのかな」
彼女はバツの悪そうな顔をする。しかし、話はそれだけに収まらない。
「あとね……
そこでフォルゴレさんと共演する事になったの」
「「フォ、フォルゴレだと⁉」」
ガッシュペアの顎が外れそうになる。共に戦ってきた2人の仲間が、今度はA組陣営に行ってしまったのだから。この勝負もまたE組にとって分の悪い戦いになりそうだ。A組はイベント系、E組は出店。単価はA組の方が高くなり、恵やフォルゴレを始めとする多くの有名人による集客力はバカにならない。さらにE組は裏山にて店を出す。山を登るだけでも一苦労なので、立地でもA組が有利だ。
「でも1日中ずっとそこにいる訳じゃないから、空いた時間でフォルゴレさんと一緒にE組の方にも行くようにするわね。ちなみにどんな料理にするつもりなの?」
「ああ、それはな……」
恵もフォルゴレもE組の店に来てくれるという。そして清麿はE組で出す品について説明する。メインはつけ麺で、村松の得意分野だ。しかし、材料は小麦粉では無く裏山に落ちているどんぐりを粉にする。それ以外の食材も全て裏山の物を使用する。裏山には多くの高級食材も眠っており、サイドメニューも豊富だ。
「へぇ、自給自足の食材を使った料理か……楽しみにしてるわね」
彼女は期待値を上げる。E組とA組の売り上げ対決の勝敗は如何に。
一行はショッピングモールのゲームセンターに来た。休日なだけあってかなり混雑しており、多くのゲームが客で埋まっている。彼等はどうにかやれる場所が無いかを探していると、見覚えのある2人組がシューティングゲームをしていた。
「ウヌ、あの者達は?」
「……何だ、あいつ等も来てたのか」
ガッシュペアがその2人に話しかける。
「杉野と神崎じゃないか」
「お主達もここに来ておったのか⁉」
「あ……高嶺達⁉」
「こんな所で会うなんて奇遇だね」
(E組の子達だったのね……)
杉野は彼女に気があり、度々遊びに誘ったりしている。彼は何度もアプローチをかけているが、現状は神崎がそれに気付く素振りは無く、当の本人からはいつも気にかけてくれる
「高嶺君、そちらの方は……」
神崎と杉野が恵の方を向く。その視線に気付いた彼女は変装用の伊達メガネを外し、2人に対して自己紹介をする。それを見た2人も本物のアイドルが目の前にいる事に動じながらも自分達の名を名乗り、挨拶を済ませた。
「よろしくね。友人君、有希子ちゃん」
「は……はい‼(いきなり下の名前で呼んでくれた⁉)」
「よ、よろしくお願いします(何だか緊張しちゃうな……)」
国民的アイドルとの対面で杉野も神崎も狼狽する。
予期せぬタイミングで有名人と顔を合わせて、当初は困惑していた杉野と神崎だったが、少し恵と話すとすぐに打ち明ける事が出来た。ちなみに恵は今、神崎と共にシューティングゲームで遊んでいる。
「このゲーム、結構難しいわね……」
「はい、少しコツがいりますので」
「恵、頑張るのだ‼」
隣でガッシュが応援してくれるが中々上手くいかない様子だ。恵は四苦八苦しながら神崎にレクチャーを受ける。
「あ~、また失敗しちゃった……私は全然だったけど、有希子ちゃんてゲームがとても得意なのね」
「ありがとうございます。大海さんも初めてにしては筋が良かったですよ。他のもやってみますか?」
「“恵”で大丈夫よ……そうね、次はガッシュ君がやりたいゲームにしましょう」
おしとやかな女性同士、彼女達は気が合う様子だ。内面が強かなのも共通している。しばらくは恵が中心でゲームをしていたが、今度はガッシュが神崎に教えを乞う番の様だ。そして神崎は自分の両手をガッシュの両肩に乗せる。
「ガッシュ君、何をやってみたい?」
「そうだの……」
ガッシュは周りを見渡しながら、どのゲームをプレイするかを決めかねている。
その一方で清麿と杉野は、野球のアーケードゲームをやりながら3人の様子を見ていた。
「なあ高嶺、神崎さんと恵さんて凄い組み合わせだよな?」
「と言うと?」
「だって2人共いかにも清楚な美女同士って感じだろ?華があるって言うか……」
かたやクラスで気になる女子ランキング堂々1位でE組のマドンナ的存在、かたや現役女子高生でありながら超国民的人気アイドル。そんな2人が談笑する姿を見かけたら、多くの人間が振り返ってしまうだろう。恵は伊達メガネで一応は変装しているが、優れた容姿は健在だ。
「ガッシュの奴、あんなに神崎さんと親し気に……」
「ハハハ」
ガッシュは今、恵に見守られながら神崎に格ゲーを教わっている。他の人がゲーム内でカッコよく技を決めている様子を見て自分もやりたがったのだ。しかも彼は神崎の膝に座りながらそれをしている。そんな2人を見て嫉妬する杉野に対して清麿は苦笑いをする。
「ガッシュは女子達の間でも人気だからな」
「愛嬌があるんだよな、純粋で裏表もないし」
2人がガッシュを評する。彼の無邪気な一面は女子達の母性本能をくすぐるのだろう。特に茅野は最たる例で、何かあってはガッシュを気にかけている。彼等はしばらくガッシュの話を続けていたが、杉野が別の話題を振る。
「恵さんてかなり親しみやすいよな。近寄りがたい雰囲気も無いし」
「ああ、気さくでとても良い人だよ」
話題がガッシュから恵の事へと移り変わる。杉野にとっては思いも寄らない出会いだったが、彼女の人柄ゆえに今は緊張感も無い様子だ。相手が有名人となると一緒にいてもどこか壁を感じてしまう場合も考えられるが、杉野にとって恵はそうはなっていない。
「いきなりファーストネーム呼びされた時はさすがにビビったけどな」
「なるほどな」
恵は魔物の戦いにおける仲間以外にも、水野やE組の生徒達の事も下の名前で呼んでいる。ガッシュペアの友達という事で、彼等とも親しい関係を築きたいと考えている様だ。
その頃ガッシュは、神崎の指導の甲斐あって格ゲーで勝ち越す事が出来ていた。
「ガッシュ君、凄いわね!」
「しかし、ほとんど有希子のおかげだったのだ」
「ううん、ガッシュ君はよく頑張ってたよ」
ガッシュは素直に喜べない。重要な場面では神崎が操作していた事も多く、自分の力で勝てたとは思っていないようだ。そんな彼等の後ろに小学生くらいの子供達が並び始める。
「あの者達もこのゲームをやりたがっておるみたいだの」
「それなら私達はどいた方が良いかしら?」
「そうですね。ガッシュ君、お疲れ様」
「有希子こそ、ゲームを教えてくれてありがとうなのだ!」
3人がその場を去ると子供達がゲーム機に群がる。余程楽しみだったみたいだ。そしてガッシュ達は少し離れた場所で野球ゲームをしている清麿と杉野に合流した。
「清麿達がやっているのも楽しそうだの!」
「そうだな。俺達も一区切りつきそうだし、次はやってみるか?」
新たに興味を示したガッシュに対して清麿がそれを勧める。ガッシュはゲームの画面を見て目を輝かせる一方で、杉野が先程の格ゲーのエリアの方を見て険しい顔を見せる。
「杉野、どうしたんだ?」
「あれ見てみろよ」
杉野が指を差す。するとその先では先程の子供達がゲームをしているのだが、彼等はどこか悲し気な空気を醸し出していた。清麿達がその様子をよく見ると、子供達は対面に座る中年の男と対決をしている。しかし子供達はその男相手に歯が立たず、しまいには全員泣かされてしまった。そして男の方は優越感に浸っている。
「随分と大人げない事をしているわね」
「ウヌゥ、子供達がかわいそうなのだ」
恵とガッシュを始め、一同は眉をひそめる。小学生相手に散々マウントを取り続ける大人の様子を見せつけられれば、誰しもが良い気分にならないだろう。男の行動を見かねた彼等はその場に向かう。
そして一同は男の隣に立ち、まずは清麿が止めに入る。
「おいアンタ、その辺にしといたらどうだ?」
それを聞いた男は不快な表情をして彼等を睨み付ける。自分の楽しみを邪魔された事が気に食わない様だが、周りから見れば弱者をいたぶる悪人でしかない。男は口を開く。
「何だよ、俺はコイツ等と遊んでやってるだけだぞ」
男は小学生達を指差しながら、不細工な顔で彼等を睨み返す。遊んでいると言うが、無理矢理に対戦を申し込んで相手を蹂躙し、優越感に浸っているだけだ。しかも本人にはその自覚が無いようだから性質が悪い。男は不満を述べ続ける。
「あーあ、せっかく楽しくやってたのに気分悪くなった。オタク等学生だよね?口の利き方に気を付けた方が良いんじゃないの?全く……」
男の理不尽な言動に一同はストレスを溜めていく。そして清麿の怒りが頂点に達し、今にも鬼の表情を見せて男に物申そうとしたその時、神崎が一歩前に出た。
「だったら、次は私と勝負しませんか?」
彼女がそう言う。穏やかな口調はこれまでと変わらないが、その目と言葉には明確な闘志が宿っている。ゲーム好きな神崎にとって、ゲームセンターで好き勝手に振舞う輩の存在は容認出来ない。
「有希子ちゃん?」
神崎の変貌に恵が戸惑う。神崎の強かな面を知る者は多くないが、突如それが露わになる事で恵を動揺させる。
「私が勝ったら、二度とこんな真似はしないと誓ってくれませんか?勿論貴方が勝てば、私達は何も言いません」
「構わねぇよ。俺にたてついた事、後悔させてやる!」
神崎の強気な発言に男は動じる事なく勝負を引き受けた。ガッシュ・恵・杉野は彼女に不安の目線を送るが、神崎は自信に満ちている。彼女のゲームの腕前は確かだ。そして清麿は神崎相手に、かつて修学旅行で自分が格ゲーで完膚なきまでに叩きのめされた事を思い出す。
(まあ問題ないだろう……あの時の神崎、ちょっと怖かったんだよな~)
「清磨、大丈夫かの?」
清麿が冷や汗をかきながらその時の事を考えていると、ガッシュが心配の眼差しを彼に向けた。
一方で神崎は男と対戦する為にゲームの前の席に着こうとする。ゲームの前には小学生達が群がっていたが、彼女は自分が座る為の場所を作ってもらった。
「ちょっとゴメンね。もう大丈夫だから」
神崎が泣き顔を見せる小学生達に優しく微笑みかける。そんな彼女が子供達から目を逸らした瞬間、その視線が冷たくなるのを清麿は気付き、彼は寒気を感じる。神崎がゲームの準備を始めたと同時に、子供達にはガッシュが駆け寄る。
「お主達、もう心配はいらぬのだ。あのお姉ちゃんが悪い者をやっつけてくれるからの!」
「「「うん‼」」」
ガッシュは子供達に混じって神崎を見守る。そしてゲームセンターの秩序をかけた戦いが開始された。
格闘ゲームはルールとして、先に5勝した方が勝ちだ。しかしサレンダーも認められている。神崎と男の対戦は、始めは互角の様に思われた。
「結構レベルが高そうな戦いだわ、有希子ちゃん負けないでね」
「神崎さん、ガンバレ!」
恵と杉野は神崎を応援するが、清麿は口を開かない。神崎の実力の片鱗を知る彼にはこの先の展開が分かり切っている。
(……そろそろか?)
清麿の予感は的中した。途中までは一進一退の戦いが繰り広げられていたが、段々と神崎が優勢になる。一度開いた差は縮まる事なく、彼女は相手のプレイヤーに大ダメージを与えていく。かつて神崎にゲームで完敗した清麿だからこそ、この展開を予測する事が出来た。
「ウヌ‼有希子、凄いのだ‼」
ガッシュの声と同時に神崎が1勝をもぎ取る。男は汗をかきながら2戦目の準備に入るが、神崎は余裕の表情を崩さない。
「くっ……次だ次!」
男の機嫌が優れない。自分がここまで押されるとは思いも寄らなかった様だ。そして2戦目が開始されるが、男が神崎にダメージを与える事は叶わない。ガッシュと杉野はその光景を見て目を輝かせるが、恵は違和感を覚えて清麿に問いただす。
「ねぇ清麿君、これって……」
「気付いたか、恵さん。もうこれは決闘などでは無く一方的な蹂躙、いや誅伐と言うべきか」
清麿の言う通り、神崎と男の間では実力差があり過ぎてもはや勝負にならない。男は反撃する事すら許されずに体力を削られていく。画面に映されているのは公開処刑と言っても過言ではない。清麿と恵は冷や汗をかきながら体を震えさせる。圧倒的な強さを持って神崎は2戦目、3戦目共に勝ち星をあげていく。既に男の顔には戦意は皆無だった。そんな光景を見かねた清麿は止めに入ろうとした。
「なあ……神崎。相手もやる気を失っているみたいだし、その辺にしておいても……」
「ダメだよ、まだ勝負はついてないから」
神崎は聞く耳を持たない。男が自分より弱い相手の事はいたぶるくせに、強い相手とぶつかった瞬間逃げる行為は許せない。
「……そうか」
(清麿君が折れた‼)
清麿は彼女を止める事が出来なかった。それ程に神崎の芯は強い。気の強い彼をもってしてもこの試合を止められなかった事実を恵は重く受け止める。そしてゲームは再開されたが、清麿と恵は神崎に怯えながらその光景を見届けた。
結果は言うまでも無く神崎の圧勝だ。男は懲りたのか、自分がしてきた言動を猛省した上で土下座する。
「申し訳ございませんでしたーー‼」
こうして1人の悪徳ゲーマーは神崎の手で成敗された。その男は謝罪の弁を述べた後、走ってその場を去った。
「やったのだー‼」
「神崎さんスゲー‼」
ガッシュと杉野は子供達と共に神崎に駆け寄るが、清麿と恵の顔は青ざめたままだ。
「あいつ等、神崎の恐ろしさに気付いてないのか?」
「有希子ちゃん、ティオとは違った意味で怖いわね……」
彼女がゲーム内にて容赦無く敵を葬る様子を見て、恵はティオを引き合いに出す程の恐怖を感じた。2人が神崎について話していると、丁度ガッシュ達に囲まれている彼女と視線が合った。その時の神崎は通常通りのおしとやかな表情を見せていたが、清麿と恵は苦笑いをしながら彼女に手を振り返す事しか出来なかった。
読んでいただき、ありがとうございました。有鬼子様の話は何処かで描写したいと考えてました。また清麿と恵が彼女に怯えるシーンは、ティオがチャージル・サイフォドンをモモンに喰らわした場面をイメージしました。