ガッシュペアの暗殺教室   作:シキガミ

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 サバゲーの決着がつきます。よろしくお願いします。


LEVEL.77 決着の時間

「ガッシュ!いつの間に⁉」

 

 岡野を倒したガッシュは木村の後ろに回り込む。そしてナイフで彼の背中を切りつけた。

 

「ガッシュ君!」

 

茅野がガッシュに駆け寄る。岡野・木村と言う強敵2人を倒した事による安心感は大きい。彼女はホッとしたような表情をしていた。

 

「カエデ、やったのだ!」

 

ガッシュと茅野はハイタッチをする。そんな光景を見ていた木村は悔しがりながらも、どこか満足気な顔をしていた。全力を出し切れた事の喜びが大きいのだろう。

 

「お前等の本気、しかと見届けたぞ。じゃあな」

 

「ウヌ!」

 

木村は2人から離れていく。そして彼とは入れ替わりで、清麿がガッシュと茅野に合流した。2人の勝利を察した清麿は笑みを浮かべる。

 

「2人共無事だったか……おっと、ガッシュはカモフラージュをやり直さないとだな」

 

「あ……高嶺君!」

 

「清麿!」

 

 

 

 

 清麿は早速ガッシュにカモフラージュを施した。それが終わった後、彼等は今後の方針を話し合う。

 

「陽菜乃ちゃんがやられちゃったんだよね……」

 

茅野が岡野と戦う前、倉橋が岡野に負けた場面に遭遇していた。そこから彼女達の戦いが始まったのだ。清麿は考える素振りを見せる。

 

「敵味方、人数がだいぶ減ってきているな……赤チームも動いてくるかもしれん。まずは磯貝に連絡を取ってみよう」

 

清麿の提案に2人が頷く。両チーム脱落者が増えて来た。そろそろ旗の奪取が視野に入る頃合いだ。清麿は磯貝に内戦を繋ぐ。

 

「磯貝、今こっちはガッシュと茅野の3人だ。そっちはどうだ?」

 

『奥田がやられた。前原・矢田と共に旗を取りに行きたい所だが、速水の射撃が厄介過ぎてな……』

 

清麿は苦虫を嚙み潰したような顔をする。もしも自分が速水を仕留められていれば、この様な事にはならなかったのではないかと。しかし現状を嘆いていても仕方が無い。彼は次の策を考える。

 

「そっちにいる敵は速水だけか?」

 

『いや、寺坂がいるな。アイツだけでも倒しておきたいが、迂闊に前に出れば速水にやられる』

 

「……そうか」

 

清麿は考える。速水は強敵だ。それに加えて守りの要の寺坂。彼は当初吉田・村松と共に人面岩の陰で防御に徹していたが、予想以上に赤チームの人員が減少した。そこで守りは中村と交代する形で彼は速水の護衛役を引き受けた。そして彼は1つの決断をする。

 

「磯貝……3人で速水と寺坂は食い止められそうか?」

 

清麿の提案。磯貝達に速水・寺坂を抑え込んでもらう事。特に速水の射撃を早急に止めない事には自由に動き回る事すらままならない。神崎が早々に千葉を倒していなければどうなっていたか。清麿はスナイパーの存在に頭を悩ませている。

 

『どうだろうな、あともう1人いれば大分楽だが敵は他にもいる。だが高嶺達は旗を守る』

 

「いや……その必要は無い」

 

磯貝の発言を清麿は遮る。彼は旗の守りは要らないと言い切った。内戦越しの磯貝は勿論、その場にいるガッシュと茅野も怪訝な顔を見せる。

 

『原の仕掛けた無人トラップか?だがそれだけじゃ心許ないと思うぞ』

 

原は赤いインクを受ける寸前まで、青チームの旗の周辺にトラップを仕掛け続けていた。そこには人が関与するまでもなく発動する物もいくつかある。確かに足止めにはなるが、無人の状態で食い止められる時間はたかが知れているのではないか。磯貝はそう考えるが、清麿の自信は揺るがない。

 

「当然それもある。だがそれ以上に……俺達には、最強の“死神”が味方にいる」

 

彼は言い放つ。青チームに所属する死神、渚の存在を。彼の暗殺の才能を以てすれば、旗の守りは必要無いのだと。彼の存在を聞いた一同は納得する。今どこに潜伏しているか誰にも分からない渚。彼がこのまま大人しくしているとは思えない。

 

『分かった。それなら俺達が速水と寺坂を倒しにかかるが、その間にお前達で旗の奪取するって事で良いな?』

 

「ああ、その作戦で問題ない」

 

『健闘を祈る』

 

「お互いにな」

 

やる事は決まった。旗の守りは渚に任せる。そして磯貝チームは速水と寺坂を引き受ける。その間にガッシュペアと茅野は磯貝達の戦場よりもさらに外側を回り込んで旗を奪取。作戦を聞いた茅野とガッシュは頷く。

 

 

 

 

 ガッシュペアと茅野は旗を取りに向かう。青チームの勝利の為に、殺せんせーを助ける為に。今は磯貝達が速水を引きつけているだから遠距離射撃の心配は無い。そう思っていた矢先、彼等の前には一機のドローンが飛んでくる。

 

「ウヌ⁉これは……」

 

「いかん‼よけろー‼」

 

そこからは大量の赤いインクが発射される。ガッシュペアは近くの樹木に隠れる。その無差別攻撃は脅威だ。ドローンがいつ襲ってくるか分からない。その事実は清麿から遠距離射撃という選択肢を奪う。イトナの場所を探る間にドローンの餌食になりかねない。

 

「きゃあっ!」

 

「カエデ‼」

 

茅野が赤いインクを受けた。だが、それと同時に清麿の手には何かが握られていた。それは、杉野から託された対先生BB弾が埋め込まれたボール。とっさの事ですぐにそれを取り出す事は出来なかった。だが、今ようやく彼は動くドローンに狙いを定めた。そして投げたボールはドローンに命中し、地に落ちる。

 

「2人共、ごめんね」

 

茅野は謝罪する。ここに来ての戦力の低下。彼女は申し訳なく思うが、ガッシュペアはそれを責めない。

 

「いや、大丈夫だ茅野。必ず赤い旗は奪い取る」

 

「カエデ、待っておるのだぞ!」

 

「うん……お願いね!」

 

インクを受けた茅野を置いて、ガッシュペアは旗の奪取に向かう。そこには赤チームの指揮官のカルマと、イトナが待ち受けている。勝負も終盤に差し掛かっていた。

 

 

 

 

 赤チームの旗。そこにはカルマとイトナがいる。彼ら2人がそこの守備役を担う様だ。そして清麿はガッシュを別の場所に潜伏させた上で単身乗り込む。両手にハンドガンを添えて、カルマとイトナ目掛けて青いインクを放つ。

 

「カルマ、ガッシュがどこにいるか分からない。お前は旗の守りに専念しろ」

 

「言われなくても分かってるって」

 

イトナは銃を構える。一方でカルマは射撃を避けつつも旗から注意を逸らさない。旗の周囲にも隠れ蓑はあり、どこからガッシュが飛び出すか分からない。清麿の相手はイトナが努める。

 

「これで終わりだ!」

 

イトナが銃口を清麿に向ける。流石の彼もこの状況でドローンを操る余裕は無い。清麿目掛けて赤いインクを放ち続ける。しかし清麿もそれをかわして見せる。

 

「高嶺!ガッシュはどこにいるんだ⁉」

 

「答える義理は無い‼」

 

清麿はイトナの銃撃をよけ続ける。しかし彼の放つ青いインクはイトナを狙っていない。標的は旗を守り続けるカルマだ。

 

(まあ。高嶺君ならイトナの銃撃をかわしながら、俺を狙うくらいやってのけるよね)

 

カルマは特に驚くこともせずに、最小限の動きで銃撃をかわす。あまり動き過ぎると、どこかに潜んでいるガッシュに旗を取られてゲームセットだ。

 

「ふざけているのか!」

 

イトナは不快な顔を見せる。無理もない。目の前の清麿は、まるで自分の事など眼中にないかのようにカルマを狙い続けるのだから。そして痺れを切らしたイトナは、ついに清麿に赤いインクを当てる事に成功する。

 

「俺を舐め過ぎだ、高嶺……」

 

イトナは清麿に背を向けようとするが、彼の背中には青いインクが命中していた。

 

「……チェックメイトだ」

 

「しまった!」

 

清麿の口角が上がる。イトナは潜んでいたガッシュの銃撃を喰らった。そしてガッシュは赤い旗目掛けて走る。その事にイトナとカルマは気付くが、もう手遅れだ。

 

「く……高嶺君が俺ばっかり狙っていたのはこのためか⁉」

 

カルマは焦る。彼は清麿の銃撃をかわしていたように見えて、実は清麿に旗から離れる様に誘導されていた。カルマなら最小限の動きでインクをかわす事を清麿は分かっていた。だからカルマの動きを清麿は計算し、ガッシュへの攻撃が間に合わない場所までカルマを動かす為に青いインクを撃ち続けた。

 

「これで終わりなのだ!」

 

ガッシュは旗の目の前まで近付く。彼が旗を取って青チームの勝利かと思われた時、ガッシュの動きが止まる。彼は考えた。本当にこのまま旗を取って良いのかと。

 

(ガッシュ……お前……)

 

清麿はガッシュの考えを察する。そして彼は納得した。丁度そのタイミングでカルマはハンドガンを出し、ガッシュに赤いインクを当てていた。

 

「ガッシュ君……舐めプって訳では、無さそうだね」

 

悔し気な表情をするガッシュにカルマは背を向ける。カルマは自分達の負けを悟っていた。ガッシュが足を止めるまでは。しかしガッシュは旗を取ろうとはしなかった。その理由はカルマにも何となく察しが付いた。そして彼は青チーム最後の生き残り、渚との戦いに頭を切り替える。

 

 

 

 

 赤いインクを付けられたガッシュペアは退場者たちの待つスペースに辿り着く。そこには渚・カルマ以外の全員が待ち受けていた。磯貝・前原・矢田は速水と寺坂相手に相打ちとなり、青チームの旗の奪還を狙った中村・村松・吉田は烏間先生の背後に隠れていた渚から攻撃を喰らわされてしまった。

 

「ねぇ高嶺、渚が烏間先生の後ろにいるって知ってたの?」

 

「ああ、アイツは先生の着ている迷彩を塗ってもらっていたからな」

 

中村の質問に清麿が答える。だから清麿は旗の守りは要らないと断言できたのだ。それを聞いた中村は下を向く。そしてここには殺せんせーも待機していた。先生はガッシュペアに労いの言葉をかける。

 

「お疲れ様です。2人共、惜しかったですねぇ」

 

「そうだな、殺せんせー」

 

清麿は答える。勝負は青チームが勝利一歩手前だった。しかしガッシュが旗を取る事が出来ず、赤チームは首の皮一枚繋がる結果となった。しかし清麿は特に悔し気な表情を見せていない。隣のガッシュとは違って。

 

「皆‼済まぬのだ‼」

 

ガッシュが頭を下げる。謝罪を述べた後、彼は歯を食いしばり続ける。自分のせいで青チームは一度、勝利のチャンスを逃す事になったのだから。しかし彼を責めようとする者は誰もいない。

 

「気にしなくて良いよ。ガッシュ君が旗を取れなかった理由、何か分かる気がするから」

 

茅野がフォローを入れる。確信こそしていないが、彼女は何となく理解していた。ガッシュが旗を取れなかった理由を。

 

「最終的にあの2人が勝負の決着を付けてこそ、皆が納得出来る結果になると思ったって事かな?」

 

「ウヌゥ、そうだの」

 

不破がガッシュと茅野の考えを代弁する。そんな彼女の予想は正しかった。

 

「そっか……なら仕方ないよ、ガッシュ君。私も何だかそんな感じがしたし」

 

「優月……」

 

不破は早々に退場してしまった。しかし、だからこそ彼女は客観的に戦いを見る事が可能になった。そして不破は持ち前の推理力を活かして、早い段階でその考えに至る事が出来た。

 

「確かにこの戦いは元々、渚とカルマ君の喧嘩が原因だったからね」

 

片岡が口を開く。彼等こそがサバゲーの発端。ならばその2人の決着無しに各々が満足のいく結果は得られないのではないか。ガッシュはそう考えて、旗を取る直前に足が止まってしまった。

 

「まぁ、そこに至るまでにそれぞれが死力を尽くしてきたからこそだがな。その結果どっちが勝っても文句はねぇ」

 

寺坂が悟った様な表情で言い放つ。クラスのそれぞれが全力を出した結果であれば、どう転ぼうとも悪い様にはならないと。

 

「だからガッシュ、いつまでも泣きそうな顔してんじゃねーよ」

 

「寺坂……」

 

そして寺坂はぶっきらぼうながらもガッシュに声をかける。それを聞いたガッシュの顔は晴れて来た。そしてE組一同は渚とカルマの戦いを見に行く為に戦場の近くに移動する。

 

 

 

 

「そこまで‼赤チームの降伏により、青チーム……殺さない派の勝ち‼」

 

 渚とカルマの一対一の勝負は、カルマの降参により決着がついた。序盤は戦闘能力で勝るカルマが優勢だったが、彼は渚に根性を見せられた事で負けを認めたのだった。青チームの皆は大いに喜び、赤チームの皆はそれぞれ複雑な心境だ。

 

 またこの戦いを機に、渚とカルマはそれぞれの名前を呼び捨てする事になる。カルマ曰く“喧嘩の後では君を付ける気にはなれない”との事だ。

 

「「2人共、お疲れ様(なのだ)」」

 

そんな2人にガッシュペアは労いの言葉をかける。2人の戦いは彼等の心をも熱くさせた。それぞれの思いのぶつかり合いは、心の力を使用して戦うガッシュペアにも思う所があった。何かを思う気持ちは、それ程に大きな力に繋がる。

 

「いや~、今日は散々だったな。喧嘩では渚に負けて、ゲームメイクでは()麿()に負けた。()()()()にも旗を取られかけたし」

 

カルマは呟く。今日は負けてばかりだったと。しかし彼の言葉を聞いたガッシュペアの頭には疑問符が浮かぶ。何故か自分達の呼び方すら、カルマは変えていたのだから。そんな2人の顔を見たカルマの口角は上がる。

 

「まあ、2人とは喧嘩したって程では無いんだけどね。でも何処かのタイミングで呼び方を変えたいと思ってた。君等がどうしても嫌だって言うなら仕方ないけど」

 

カルマは言葉を続ける。今までの呼び方は何だか他人行儀だと思っており、この戦いを機に呼び名を改めたいと考えていた様だ。そんな彼の考えを察した2人は笑みを見せる。

 

「分かったのだ、カルマ‼」

 

「そうだな。俺も構わないぞ、カルマ……だが訂正しておく所がある」

 

ガッシュは変わらないが、清麿は呼び方を変更した上でカルマに言いたい事がある様だ。

 

「今回のゲームメイクは俺だけじゃない。青チームが皆で力を合わせた作戦だ」

 

清麿は渚の肩に手を置きながら言い放つ。青チーム全員が一丸となって得られた勝利、殺せんせーを助ける方法を見つける為に。決して清麿1人で策を積み上げた訳では無い。

 

「渚、3人同時の暗殺は凄かったな」

 

「清麿……」

 

渚の暗殺術。それ1つで清麿は旗を守る必要が無くなった。この事実はとても大きい。彼は渚の持つ刃に感心していた。

 

 それから4人が少し話していると、ガッシュが茅野・岡野・倉橋に呼ばれる。そして彼等がサバゲーでのナイフ術の話で盛り上がる一方で、何者かが清麿の肩を叩いた。

 

「高嶺……アンタの射撃があんなに強いなんて、聞いて無いんだけど」

 

「ねー。話を聞いた時、ビックリしたよ」

 

清麿が後ろを振り向くと、速水と矢田がいた。彼女達は清麿が、速水と互角の銃撃戦を繰り広げた事に驚いている。清麿の器用さと空間計算能力のなせる業だ。

 

「あのまま続けてたら私が負けていたかもしれない。だからカルマにいったん退却するように言われたのよね」

 

「まさか……あの調子だと先に狙撃されていたのは俺の方じゃないのか?」

 

「どうかしらね」

 

2人はお互いの実力を認め合う。速水にとって清麿は、千葉以外での射撃における新たなライバルとなった様だ。

 

「矢田、アンタにやられた事も忘れないから」

 

「えへへ、私もその後すぐ退場しちゃったけどね」

 

「そうか、矢田が速水を仕留めたんだな」

 

矢田が速水を倒した事を知ると清麿が感心する。争いが苦手な彼女が殺せんせーの為に放った凶弾。それはE組髄一のスナイパーを殺すに至った。矢田だけではない。このサバゲーでは、多くの生徒の思わぬ実力が発揮された。

 

(E組……改めて考えると、とんでもない逸材が揃っているんだな。矢田が速水を倒したのもそうだが、イトナのドローンに神崎のサバゲーの才能。全くもって油断ならん)

 

清麿は冷や汗をかく。この1年間で誰がどんな刃を磨いているのか分かった物でない。そんな彼の様子に矢田が気付く。

 

「どうしたの、高嶺君?」

 

「いやな、矢田。やっぱこのクラスは凄いんだなって。俺もガッシュもE組に来る事が出来て良かったって、心底思えるよ」

 

E組は日々研鑽を重ねて来た。そして彼等は自らの才能を大いに伸ばした。その事はガッシュペアとて例外では無い。E組の存在は2人にとっても影響が大きく、実力の向上に繋がっている。

 

「私も高嶺君とガッシュ君に会えて良かったって思ってるよ。魔物の話を聞いて、何だか自分の知らない世界が一気に広がった感じがしたから。何より2人と話して楽しいし」

 

「そう思ってくれるのは嬉しい」

 

矢田の言葉に清麿は喜ぶ。自分達は良い仲間に出会えた。彼はそう感じる事が出来た。隣にいる速水も口角を上げる。

 

 

 

 

 他の生徒達も今回の戦いについてそれぞれ語り合う。そんな様子を少し離れた場所で見ていた殺せんせーは、これまで通りのニヤけた口調で隣の烏間先生とビッチ先生に話し始めた。

 

「時には闘争こそが、皆の仲を最も深めるチャンスなのです」

 

「なるほど……今回の事もお前にとって教育のうちだったと言う事か」

 

生徒達は大きな選択を迫られた結果、本気で戦いに挑んだ。その結果として彼等はお互いの新たな一面まで理解し合う事が出来た。E組の団結力はさらに高まったと言える。そんな彼等ならどんなに難しい問題でも立ち向かっていけるだろう。そして生徒一同は先生達の方を向く。

 

「皆はコイツを助ける道を選ぶんだな」

 

烏間先生の言葉に皆が頷く。その後、先生は少し考える素振りを見せた後に口を開く。

 

「助ける方法を探す期限は今月一杯とする。君達が暗殺をしなくても、こいつを殺そうとする勢力は多いからな。俺も……この暗殺は君達に成功させて欲しいと考えている。生かすも殺すも、全力でやると約束してくれ」

 

「「「「「はい‼」」」」」

 

烏間先生の約束を聞いた生徒達は大声で返事をする。生徒達が葛藤した上で決めた選択肢。烏間先生も全力で取り組むならそれで良いと言う。ここからは彼等にとって新たな一歩となるだろう。暗殺対象を助ける為の生活。生徒達は決意を新たにする。

 




 読んでいただき、ありがとうございます。サバゲーにおいて渚とカルマの決着無しにE組全員が納得する事は有り得ないと判断し、ガッシュペアが勝利寸前でそれを逃す描写にしました。

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