この話でも強めの原作改変がありますのでご注意下さい。
皆さんこんにちは、ゾルディック家は別として執事達は嫌いになれないゴン・フリークスです。
クラピカが発の名、
レオリオをイメージした巻き付けることで自分や他人、他の鎖を強化する補助的な鎖。この鎖自体に攻撃力はないが、他と合わせることが前提のため多少なれど強化率に補正が入る。鎖の先は矢印。
キルアをイメージした相手に巻き付ける、あるいは先端の刃を刺すことで
ゴンをイメージした特殊な能力を一切持たないかわりに、とにかく頑丈で強靭な鎖。使う相手への感情の強さで弱くも強くもなり、幻影旅団が相手ならば切れることのない鎖に限りなく近付ける。鎖の先は分銅。
ギンをイメージしたダウジングや無意識レベルの直感等で正しい方へ導く鎖。もっとも精密操作に優れており、強度も確保されているため普段使いに適している。鎖の先は円錐。
クラピカ自身をイメージした、緋の眼の時限定の頭に打ち込んで相手にルールを強いる鎖。打ち込む際に感情や記憶等を指定し、ルールを破れば指定されたものは破壊され二度と治らない。ルール次第では相手の記憶を操作したり、一度だけ望んだ行動を取らせることも可能。鎖の先は鍵。
それぞれの鎖は根本がブレスレットに繋がる形で具現化する予定、鎖は破損してもオーラを消費して直せるがブレスレット本体を破壊されると24時間具現化不可となる。
クラピカは合計で5つもの鎖を具現化しようとしており、感覚的ながら実現は十分に可能と自信を持って宣言した。
「初めは回復系の能力や、制約をフルに使った特殊な能力を考えていた。しかし回復はレオリオが対応してくれるから単純に強化する能力に、特殊な能力も逆に単純化することでいい形に落ち着きそうだ」
クラピカの説明を聞いて各々が考察していたところ、真っ先に考えをまとめたキルアから根本的な疑問が出される。
「なぁクラピカ、はっきり言っちゃうけど復讐する気本当にあるのか?どの能力も殺傷力は高くないし、最後のルーリングチェーン?も命までは取らない能力に感じたけど」
キルアは暗殺者としての視点から、クラピカの能力は全体的に回りくどく復讐に適していないと苦言を呈した。
そのぶっちゃけた厳しい指摘に、自身への心配や気遣いが含まれているのを理解しているクラピカは軽く笑みを浮かべる。
「理由は簡単だ、私は復讐する気はあっても殺す気はあまりない」
その答えにゴン達はむしろ疑問が深まり、続きを求めてクラピカへと視線を集める。
「もちろんいよいよとなれば殺すことに躊躇はない。これは気持ちの問題なのだが、私の死に対する忌避感が薄いせいで報いとして見れないんだ」
そこでクラピカは一度レオリオに視線を向けると、苦笑いしながら自身の心境を口にする。
「以前レオリオに言われて復讐のことを考えたのだが、仮に蜘蛛を一人残らず始末したとしても私の気は晴れないとわかった。私にとって死は少なからず救いの面があり、それならば生きて地獄を見せたほうが復讐としてふさわしいとな」
次にヒソカに視線をやると、ある種の確信を持って幻影旅団について問いかける。
「蜘蛛の中には戦闘狂や人を痛め付けるのが好きな者がいるな?逆に仲間思いの者もいるだろうが、死に対して恐怖を感じるような普通の感性を持つ者はいないはずだ」
「ククッ、確かにボクを含めて全員頭のネジが吹き飛んでるね♣戦闘狂に拷問好き、仲間思いに団長至上主義なんてのもいるよ♦」
改めて語られる幻影旅団の異常性に、この場で唯一とも言える普通の感性を持つレオリオは目一杯顔をしかめる。
そしてヒソカから確証を得たクラピカは、いつになく暗い笑みを浮かべると自分が行う復讐について説明する。
「ルーリングチェーンのルールによって、念を使った場合にペナルティを与える。戦闘狂からは高揚感を、仲間思いの者からはその記憶を奪うという形でな。己の原動力とも言うべき想いを失くして、それでも変わらずにいられる人間はいない。失意の中自ら命を断つか、無為の中生き続けるのか実に見物だと思わないか」
静かにクツクツと嗤うクラピカを見て、決意は固いとわかったゴンは努めて明るく告げる。
「じゃあもっと修行を頑張らないとね!ねぇキルア、もし余ってたら普通のでいいから鎖もらえない?」
「ん?そりゃあ鎖の一本や二本別にいいけど何に使うんだ?」
「これからクラピカは鎖を具現化するために、とにかく鎖と触れ合わないといけないんだ。それこそ幻覚が見えだすくらいね」
それを聞いたクラピカ本人が一番物怖じするが、離れて監視していた執事に鎖を持ってくるよう言い付けるキルアを見て覚悟を決める。
「つまり私はこれから修行とは別に鎖の具現化を目指すわけだな。どれだけ時間がかかるものだろうか?」
「クラピカ次第としか言えないかな。けどさっきうっすらと見えたような気がしたからそんなにかからないかも」
「おっ、ゴンも見えてたのか。すぐ消えたから見間違いかと思ってたぜ」
「オレも見えたよー」
「ぐま!」
「じゃあ案外早く具現化するかもね。さっきの気持ちを強く持ってイメージすると良いよ」
「わかった、やってみよう」
そして予想以上の早さで執事から鎖が届き、クラピカは面食らいながらも鎖と共にひと足早く部屋へと戻って行った。
「なぁゴン、オレはとりあえず電気の出力を上げる修行するけどそれ以外でなんかねぇか?クラピカがあんだけ能力作ってるとオレもまだいける気がすんだよね」
クラピカを見送った後にキルアから聞かれ、ゴンは少しの間考える。
「正直電気の発を伸ばすだけでも十分な気がするけど、欲を言えば電気やオーラを貯蓄出来る電池かバッテリー辺りを具現化したら面白そうじゃない?継戦能力が上がりそうだし、瞬間的に火力を上げることも出来そう」
「それいいじゃん!余裕出来たら作れるように今から乾電池いじっとくわ」
「あと割と重要なんだけど、発にはしっかり名前を付けてね。技名もそうなんだけど、付けると付けないじゃ安定性とかかなり違ってくるよ」
「オッケー考えとく。んじゃまた明日なー」
そう言ってキルアは、鎖を持ってきた執事と共に自宅へと帰っていった。
ゴンがこちらへ一礼した執事に返礼を終えると、ヒソカも新しい発の調整と言って離れていく。
残ったのはゴンとレオリオ、小さくなったギンだけとなった。
「じゃあ早速レオリオの発について詰めていこうか」
「押忍!おなしゃすゴンセンセー」
おちゃらけているようで目は真剣なレオリオに頷いたゴンは、まず3つの選択肢の中から進みたい道を選ばせる。
1つ目は医療特化の戦闘力度外視な能力。
2つ目は戦闘にも流用出来る医療用能力。
3つ目は医療にも流用出来る戦闘用能力。
3つそれぞれに良い点悪い点があり、レオリオならばどれを選んでも大成出来ると太鼓判を押す。
しかしレオリオは特に考えることもなく、2つ目の戦闘に流用出来る医療用能力を選択する。
守られてばかりは性に合わず、しかし医療から離れる気はないレオリオにとってこれ以外の選択はあり得なかった。
「これからオレが言う能力は参考にしてもいいしそのまま使ってもいいけど、少しでも違和感があるならそこを直して一番しっくりくるようにするのが大事だからちゃんと考えてね」
そしてゴンが参考までに上げた能力は2つ。
1つ目はウイルスや菌を操作、効能を強化して使う能力。極めることができれば、毒も薬も作れる医療系能力者となれる。
2つ目は念の応用技術である円を手術室に見立てる能力。円の中であれば医療行為に補正が入り、極めれば汎用性のある医療系能力者になれる。
「なるほど、オレ的には手術室の能力に惹かれるな。ちなみにどうやって戦闘に使うんだ?」
「相手が少しでも怪我をしてたら治療と称して干渉出来るはずだよ。それこそ暴れないようにとか言って麻酔をドバーッてしたり」
「ふんふん、円の中ならゴンの筋肉対話みたいなことを遠隔で出来たりしそうだし、消毒液とかも変化系で作れそうだ」
その後もしばらくの間話し合った結果、暫定的にだがレオリオの発が決まった。
能力名:
系統:バランスよくほぼ全ての系統を使う
効果:円で囲んだところを手術室に見立てて治療に補正をかける。円の中なら相手の身体を操作したり、しっかりとした知識があれば麻酔薬などにオーラを変化させることもできる。
制約:
①円の中では医療行為以外で相手を傷付けることが出来ない
②円の中では医療関係以外にオーラを使うことはできない
③意識が無い、あるいはレオリオに身を委ねた場合にもっとも補正が強くなる
④基本は治癒力を強化するオーラを使うが、実際に外科的な治療をした場合効果が強くなる
とりあえず最低限は形になったということで、後は追々使いやすいように改変していくとして発の習得を目指す。
レオリオは円が苦手ではないため、発の範囲拡大を目標に円の重点的鍛錬も行うこととなった。
「ところで何でドケチなの?」
「最終的には医療機器や薬が一切必要なくなるだろ、超経費削減出来るんだからドケチってわけよ」
レオリオは自分がドケチだと胸を張って宣言した。
自宅に戻ったキルアは毒入りの夕食を済ませると、ゾルディック家当主である父シルバのもとを訪れていた。
鋭く強い眼差しに筋骨隆々の体はゾルディック家当主としての覇気に満ちており、念を習得したキルアにはより一層恐ろしく見えていた。
「執事から報告があがっている、近い内にまた家を出るつもりのようだな?」
「あぁ、今度はちゃんと目的を持って行ってくる。どんなに早くても9月過ぎまでは帰ってこないよ」
低く威厳のある声に萎縮しそうになるのを堪えながら、シルバの目を真っ直ぐに見て告げる。
軽くオーラで威圧していたシルバは、震えもしないキルアに確かな成長を見て心の中で称賛していた。
しかし表情と雰囲気は変えることなく、キルアの目的についても本人の口から説明させる。
「初めて出来た友達を手伝う。そんでもって親友って言ってくれたゴンに追い付くんだ、胸を張って相棒を名乗れるように」
「ならば誓え、絶対に仲間を裏切らないとな」
そう言ってシルバは親指の腹を傷つけてキルアに向けるが、キルアは少し考えた後に傷付けずにそのまま親指を合わせる。
訝しげにするシルバに対し、キルアは若干語気を強めて話し出した。
「もう誓ってるさ、他ならないオレ自身にね。たとえ親父でも口出しさせないよ、何かを隠してるならなおさらね」
シルバはその言葉に思わず反応しかけるが、気付いているのかいないのかキルアは続ける。
「オレってイル兄に操作されてるよね、多分記憶も少し弄られてると思う。最近まで気付かなかったし、どうやってるかもわからないけどさ」
確信を持って告げたキルアは指を離して立ち上がると、座るシルバを見下ろしながら苦笑する。
「イル兄はよくわかんないけど、親父達がオレのことをよく考えてくれてるのはわかる。なんだかんだ感謝してるし、これからも嫌いにはなれないと思う」
そして踵を返して扉まで歩き、部屋を出る前に振り返った顔は暗殺者としての絶対零度の表情だった。
「オレはオレの意思で進む。それを邪魔するってんなら、ゾルディックだろうがなんだろうが全部ブチ殺してやるよ」
出ていくキルアの殺気は氷のように冷たいと同時に、火傷しそうなほどの熱さをシルバに感じさせた。
その後キルアを止めなかったことを妻のキキョウが抗議しに来るまで、シルバはキルアの成長を噛み締めながらただ静かに嗤い続けた。
ゴン一行がククルーマウンテンで修行を始めてからおおよそ一ヶ月、ゴン達の観光ビザの期限が目前に迫りこれからについての話し合いが行われている。
発の修行についてはキルア以外まだ習得出来ていないが、念の基礎については3人共に初心者卒業と言えるまでになり念能力者同士の実戦経験を積む方向で話は進んでいた。
「ということで、オレ達は明日から次の修行場所になる天空闘技場へと出発します。スペシャルアドバイザーだったヒソカとも少し距離を置くことになるから、何か伝えておきたいことがあれば今日中にね」
珍しく沈んだ様子を見せるヒソカを見やり、憐れに思ったレオリオが距離を置く理由を質問する。
ゴンが述べた理由は単純で、これから向かう天空闘技場は非常に人の目が多い場所のため万が一にも幻影旅団にヒソカの裏切りがバレないよう別行動を取るということだった。
「天空闘技場は200階まで登ると念能力者と対戦できるようになるんだ。大半は大したことないけど、運が良ければ実力者とも競技ルールの中で戦えるから良い経験になると思う」
「タイミングが合えばボクとも戦えるから、なるべく早く上がってきてね♥」
沈んでいるヒソカも、ルールの中とはいえ4人と真剣勝負が出来ることもありかなり楽しみにしていた。
ヒソカから漏れ出す粘ついたオーラに皆が顔をしかめ、数年前に200階まで到達したキルアは自身の経験から200階以下のレベルの低さを指摘する。
「たしかに今の皆だったら苦戦しようがないから、あえて纏を禁止して200階を目指そうと思ってる。もう寝てる時も無意識で纏を維持してる皆なら、解除することに気を使いながら素の身体能力で戦うのはいいハンデになるんじゃないかな」
あとは実際に天空闘技場に到着してからということで、明日から別行動となるヒソカが最後に渡す物があるという。
「次の打ち合わせが出来るかわからないから、ボクの知ってる旅団の情報をまとめておいたよ♦全員の能力はわからないけど、系統は結構自信あるから参考にしてね♣」
それは旅団員一人に付き、様々なことの書かれた一枚のメモ。
精巧な似顔絵から始まり、能力に予想される系統、戦闘スタイルから性格までヒソカの把握している全てが書かれている。
特に狙っている団長クロロ・ルシルフルにいたっては趣味嗜好まで細かく記載されており、11枚のメモ全てを情報屋に持っていけば一財産築けそうな程の情報量だった。
「ボクのドッキリテクスチャーで写してるだけで、2日くらいしたら全部消えちゃうから気を付けて♠」
そのメモを回し見て作戦会議を行い、ククルーマウンテン最後の夜は遅くまで耽けていった。
ドケチの手術室(ワンマンドクター)は物を入れ替えたり心臓を取り出したりは出来ません。