皆さんこんにちは、弱火でじっくり焼いてるのにめちゃんこ美味なステーキに戦慄を隠せないゴン・フリークスです。これにはギンも思わずニッコリ。
二択ババア?キリコ?うちにそんなものないよ。
原作で読んだ時から弱火でじっくりのステーキは味的に微妙では?と思っていましたが、これが驚く程に美味しくて3人プラスαで人間火力発電所状態です。よく考えたらそういう謎肉があるのがHUNTER×HUNTERの世界だと気付き、まだ見ぬ食材に美食屋的なわくわくが止まりません。
ちなみに割と原作と違うと思ってた直後、ギンがいる以外の違いが消え失せた二択ババアとキリコの安心感は凄かったです。ギンが重くてキリコ達の負担がヤバい問題はありましたが、人生の中で一番原作を感じることができて心が満たされました。
しかしのんきでいられるのもここまで、この先は
最強ゴンさんを目指すためにこの時点で親友達の強化を行うつもりである以上、このハンター試験自体は出来るだけ穏便に進めたい。
さあ、ピエロが想像通りの人物であることを祈りましょう。
大して面白みも感じない、何時どのおもちゃを壊すかを考える日々を送る異常者、ヒソカ・モロウ。そこそこに満たされてはいるものの、どうしても何かが足りないという思いから興味も無いおもちゃすら壊してしまう。
いい加減後始末等が面倒になり、大手を振って殺しが出来るハンターになろうと受けた前回の試験は悪癖が出て不合格。実力的には申し分ないが、今年も試験官の匙加減で落とされるなら時間の無駄だとハンターは諦めるつもりだった。
そして二回目の試験、たまたま共に試験を受けるお気に入りのおもちゃと遊ぶか否かを考えていた彼は、何故か吸い寄せられるように受験者が乗ってくるエレベーターへと目を向けた。
エレベーターが開いて、新たな受験者達が降りてくる。
その日ヒソカは、己の埋まらなかった空白を埋める運命と出会った。
ビーンズから原作通りのナンバープレートを受け取ったゴン一行、新人と見るや近づこうとした新人潰しのトンパは本能のままに全力で離れた。さらに試験会場にたどり着いた受験者の一万人に一人と言われる精鋭達が、揃ってピエロメイクの青年ヒソカに道を開けていく。
ヒソカから立ち昇る禍々しいオーラに当てられ誰もが動けぬ中、警戒態勢を取るギンを抑えるゴンの前に恍惚とした表情のヒソカがたつ。
「はじめまして♥ボクはヒソカ♥君とその頭の子の名前を聞いてもいいかな♥」
殺意の籠もったオーラを向けられながらも自然体なゴンはもちろん、警戒しながらもこちらを恐れてはいないギンにも興味を惹かれるヒソカ。
問答無用で襲いかからないことにヒソカ自身が驚きを感じていたが、この問答で少年とのこれからの関係が決まると理解していた。
「オレの名前はゴン、こっちはギン。ヒソカが使える人で、戦いたいっていうのも伝わってきてるけど今は勘弁して欲しいな」
「つれないねえ♠️ボクとしては今すぐがいいんだ♣後まわしにする理由を教えてくれないかな♥」
生半可なハンターでは全面降伏しかねない殺意のオーラを向けられる中、まるで家でリラックスしてるかのような一切乱れのないオーラを保つゴン。
「オレは今回の試験で合格するつもりなんだ。だからハンター試験が終わったらいくらでも勝負するし、試験の内容で戦うことがあるならもちろん戦うよ。けどもし試験の邪魔をするなら、その時はギンと一緒に遠慮なくいく」
その言葉と共に、ゴンとギンのオーラが重く揺らめく。禍々しく粘つくようなヒソカとは違う、鮮烈で大樹を思わせる重厚さは周囲に安心感を与え、ヒソカには逆にこれ以上ないプレッシャーをあたえる。
「…♥試験の邪魔さえしなければいいんだね♦ボクはしつこいけど、本当にいくらでもヤリ合ってくれるのかい♣」
「最強になるのがオレの目標だから強い人は大歓迎だよ。流石に人質を取られたり形振り構わず殺しにきたりされたら嫌だけど、そうじゃなければ必ず全力で相手になる」
ゴンのオーラはこの上なく澄んでいて、ヒソカをして毒気を抜かれるほどの渇望そして憧れがオーラから伝わっていた。様々な損得を天秤にかけたヒソカは、疼く体を抑えとりあえず待つことを決める。
望む殺し合いは直にやってくる上、もともと熟成を待つことには慣れている。
何より、今の様になんの準備も心構えもなく不利な条件で始めた場合、負けることになるのは自分だとオーラで理解させられてしまった。
「残念だけどしょうがないね♠試験中に機会があるのを祈ってるよ♥ギンくんもまたね♥」
「オレも戦うの楽しみにしてるよ!」
「キュンキュン、ぐげ」
ゴンから向けられる真っ直ぐすぎる言葉と、ギンから向けられる嫌悪感のアメとムチでとんでもない顔と股間になりかけたヒソカ。ゴンに背を向けながら、とりあえず試験中にヤレるようゴンが落ちるまでは自分も落ちないことを決意して離れていく。
また割れていく有象無象を無視し、ヒソカは人生最高の集中力でオーラを研ぎ澄ませていく。
頭の中でお気に入りだったおもちゃが軒並みゴンに置き換わっていた時、ふと何かに気付いた様に周囲を見渡す。
普段であれば癇に障るおもちゃ未満のゴミしか視界に入らないが、何故か大して気にならずむしろ深い地下でありながら世界が輝いて見えていた。
「あぁ、本当に楽しみだよゴン♥君に会っただけでこれなら、ヤリ合ったらどうなっちゃうんだろうね♥」
自らを抱きしめて悶えるヒソカは、ハンター試験のことなど忘れた様にゴンとの殺し合いを妄想していた。
「文句無し♥将来性含めて100点満点だよ♥」
なお原作同様4次試験で対峙した際、変身を残していたゴンに割とあっさりやられることを彼はまだ知らない。