オレが目指した最強のゴンさん   作:pin

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第89話 分断と決戦の始まり

 

 

 東ゴルトー改めメンフィスの西端に近い荒野地帯。

 西ゴルトーとの緩衝区域として人の手がほとんど入っていない閑散とした一角に、メルエム率いるキメラアントの集団が陣を構えてハンター協会を待ち構えていた。

 陣の先頭にはメルエムが豪華な敷物に片膝を立てて座り、両隣にシャウアプフとモントゥトゥユピーが、すぐ背後にはネフェルピトーが各々直立不動で備える。

 王と護衛軍の背後にはメルエム指示の下キメラアント達が規則正しく並んでおり、見るものが見ればその無駄がなく効果的な陣形に思わず感嘆していただろう。

 

「メルエム様、まもなく視界に入ります」

 

 ネフェルピトーが索敵も兼ねて前方に広げている円により、自分の足で駆けてくる集団が近いことを知らせる。

 戦力を見定める意味も込めて全力で威圧を込めた円だったが、ハンター協会側は誰一人戸惑うことなくここまでの数キロを変わらぬ速度で突き進んでいた。

 

「うむ、開戦前にあちらのトップと話すことがある。逸って暴走するなどという恥を見せるな」

 

『はっ!!』

 

 ゆらりと立ち上がり眼前を見据えたメルエムの視界に、常人ではまるで瞬間移動に感じる速度で到達したゴン達が映る。

 会話するにはやや遠いがこれから決戦を行うにしては近すぎる間合いで相対した両者は、すでに戦いを避けられないことを理解しつつ戦後のことについて改めて確認し合う。

 

「よく来たなハンター協会。余こそ太陽国家メンフィスの王にしてキメラアントの王、メルエムである。これだけは言わせてもらおう、この決戦に心より感謝する」

 

 ゴン達は軽くとはいえ頭まで下げたメルエムを驚愕して見つめ、キメラアント達は怒りに震えながらも王の顔を汚さないために押し黙る。

 

「ほっほっほっ、お主への評価が上がっていくのを止められんわい。ハンター協会会長として正式に宣言しよう、お主達キメラアントは意思疎通可能な亜人種じゃとな」

 

「ふむ、つまり戦に関わらず我等の生存は確約されたということか?」

 

「わかっていて聞くでない、脅威の把握がこちらの目的じゃ。手を抜くでないぞ? 自然界と変わらず弱者は喰われるのみよ」

 

「愚問、そちらも軽々しく散ってくれるなよ? 怯えた弱者に刺されるのは御免被る」

 

 ネテロとメルエムは笑みを浮かべて会話を続けるが、キメラアント側は王を軽んじるかのような言葉に爆発しそうな怒りを必死に抑えていた。

 いよいよシャウアプフが限界を迎えそうなことを察したメルエムは会話を早め、宣言通り7人という少数精鋭でやってきたハンター協会の意図を問う。

 

「簡単な話じゃよ。この人数で事足りると判断したまでじゃ」

 

 シャウアプフが暴発する寸前、出鼻を挫くように尋常ではないオーラが立ち昇る。

 

「初めましてじゃなキメラアント諸君。目の前にいるのが、ハンター協会最高戦力じゃ!!」

 

 ゴン達がオーラを噴出させながら足を踏み出し、ネテロを通り過ぎそれぞれの相手と対峙する。

 

 

 

「なんだぁ? 踏み潰されに来たか羽虫共!」

 

「残念、お前さんは人間という狡賢さを知るのさ」

 

「3人がかりで悪いがそれでもガチンコだ!! 燃えるぜコノヤロー!」

 

「あぁ、これほど滾るのは初めてだ!」

 

 護衛軍モントゥトゥユピー VS モラウ、ナックル、シュート

 

 

 

「これはこれは、ユピーは3人に対して私には子供一人。舐められている、それだけのこと…!」

 

「舐めてなんてねぇ、お前に対する最適解がオレだ。吠え面かかせてやんよ」

 

 シャウアプフ VS キルア・ゾルディック

 

 

 

「っ!?」

 

「やあ、会いたかったよ。死ぬ準備はできてるよね?」

 

 ネフェルピトー VS ヒソカ・モロウ

 

 

 

「ちなみに師団長以下はワシがまとめて相手をする。時の重みを知れ赤子共」

 

「ふざけやがって!」

 

 レオル率いるキメラアント軍 VS アイザック・ネテロ

 

 

 

「クフッ、フハハハハハ!! そうか! 人間にもお前のような存在がいるのだな!!」

 

「全力で来いメルエム。お前を超えて、オレは頂点に昇り詰める!」

 

 メルエム VS ゴン・フリークス

 

 

 

 ネテロ以外のメンバーが攻撃の意志を見せず至近距離まで近付くと、極々自然に屈んで地面に何かを突き刺しひねる。

 

 ノヴが具現化した一夜のあやまち(スペアキー)により四次元マンション(ハイドアンドシーク)への扉が開き、反応出来なかった、あるいはしなかった相手と共に沈んでその場から消えた。

 

『王っ!?』

 

「安心せい、ただ移動しただけじゃ。王と護衛軍は真っ向から打ち破る、むろんお主達もじゃ」

 

「ジジィが調子に乗りやがって、数も数えられねぇほど耄碌したか!?」

 

 人間として生きていた人格の影響が強く、それぞれ違った考え方を持つキメラアントの集団だが今この時は完全に目的が一致した。

 

「相手はジジィで一人だけだ! 囲んで捻り潰すぞ!!」

 

 師団長筆頭レオルの指示により、キメラアント達が雄叫びと共に能力を発動させていく。

 

「遠距離班一斉射!!」

 

 ブロヴーダが遠距離班を指揮し、オーラ弾はもちろん火炎や酸など様々な遠距離攻撃を敢行する。

 

「撃てる奴は撃ちまくれ!!」

 

 ウェルフィンは自身含め、特殊攻撃班の中で遠距離攻撃可能な者達で様々な効果をもたらす能力を行使する。

 

 数百は下らないキメラアント達の約半数が繰り出した絨毯爆撃は、普通の念能力者はおろか一流能力者ですら跡形も残らないであろう威力と回避不能な範囲攻撃を実現した。

 

 凄まじい轟音と粉塵が巻き起こった荒野につかの間の静寂が訪れ、その後師団長以下のキメラアント達が勝鬨の歓声を上げる。

 

『まだだ!』

 

 レオルは観察眼と野生の直感から、ウェルフィンは自分含め特殊攻撃の効果が出たキメラアントがいないことから終わっていないことを確信する。

 

 まだ大量に残る粉塵よりもさらに巨大な観音が出現し、振るわれる掌により粉塵が吹き飛ばされ隠された荒野があらわになる。

 

「ほっほっ、中々いい攻撃じゃったぞ。よく鍛えられとるし足並みも揃っとったわい」

 

 一定の範囲内に変わらぬ密度で撃ち込まれたことがわかる一段低くなった荒野に、攻撃前と変わらぬ無傷のネテロが佇んでいた。

 服についた砂埃を呑気に叩くネテロはキメラアントからのバリエーションに富んだ攻撃を称賛した後、警戒しながら立ち位置を変えていくキメラアントに目を向けその組織だった行動に舌を巻く。

 

「本当に軍顔負けの統率力じゃのぅ、決戦が終わったらハンター協会からいくつか仕事を依頼したいくらいじゃ」

 

「お互い無事で、王の許可が出ればこっちもやぶさかじゃねえよ。そんな未来のためにこっちも本気だ」

 

 軍群グルーミング(アーミーパッド)――

 

 レオルは手元にA4サイズのタッチパッドを具現化し、やや後方の他のキメラアントが能力で建てた土の櫓に登る。

 

「そいつはジジィだがハンター協会会長だ! 全員殺すつもりでやれ!!」

 

「なるほど、タイマンとは違うがこれはこれで血沸くのぅ♪」

 

 広大な荒野において、数百のキメラアントとたった一人の修羅という多勢に無勢の決戦が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 もといた荒野から数百キロ離れた平原で、巨大な影と3つの影が何度も交差しては相手を打倒せんと鎬を削っていた。

 

「クソがっ!! うざってぇなチビ虫どもがぁ!!」

 

 魔獣の混成キメラアントであるモントゥトゥユピーは基本的な姿こそ人の形をしているが、その体組織や中身は人間からかけ離れている。

 念能力の補助も受けたモントゥトゥユピーの身体は平時の倍近くまで巨大化し、その身体には何本もの伸縮自在な腕と死角をなくすようにいくつもの目が新たに生えていた。

 

「メルエム様と分断しやがって、すぐにぶっ殺して戻るんだよぉ!!」

 

 その巨体と膨大なオーラをまとった攻撃は一つ一つに致命傷となりうる威力が込められ、モラウ達は戦闘開始からこれまで距離を詰めることができずにいる。

 

「すいません師匠! 流石に掻い潜って当てれません!!」

 

「俺も牽制はできても隙は作れません、ナックルの天上不知唯我独損(ハコワレ)がないと戦線が…」

 

 ナックルとシュートは明らかに格上であるモントゥトゥユピーに対し、攻められないながら押し切られないという善戦を繰り広げていた。

 オーラはもちろんパワーとスピードで圧倒こそされているが、彼らにとってこれ以上のパワーとスピードは日常茶飯事だったからこそ何とか対応できている。

 

「…待たせたな、準備完了だ!」

 

 モラウは前線を弟子に任せてでも行っていた仕込みにより、その上半身が倍以上に膨れ上がり今にもはち切れんばかりだった。

 

「モントゥトゥユピーっつったな、お前、煙と闘ったことはあるか?」

 

「あぁん?」

 

 疑問符を浮かべるモントゥトゥユピーの目に、途轍もない量の紫煙を吐き出すモラウが映る。

 膨らんでいた体積以上の紫煙は拡散することなく形を変えていき、ついにはモントゥトゥユピーを遥かに上回る巨大な煙の巨人となって見下ろしていた。

 

紫煙魔人(スモーキータイタン)、お前がぶっ潰されな!!」

 

「わざわざデカくして当てやすくするたぁ頭悪いな!!」

 

 モラウのスモーキータイタンはその巨体に見合ったパワータイプ故に攻撃速度自体はそれほどでもなく、モントゥトゥユピーはその多くの腕を鞭のようにしならせ拳が届く前に滅多打ちにする。

 しかし命中する腕はスモーキータイタンの煙をごく少量散らすばかりで完全に素通りし、一切堪えない巨人の拳がモントゥトゥユピーに振り下ろされた。

 

「ごぶぁっ!?」

 

 オーラの集中した煙の拳は確かな硬度と重量を持って着弾し、衝撃によるダメージを与えながらさらなる追加効果をもたらす。

 

「んぎぃっ!? 目がぁーーっ!!?」

 

 紫煙は様々な有害物質を含んだ毒性のガス。

 死角をなくすために増やしていたモントゥトゥユピーの大量の目が、直接紫煙を叩きつけられたことで激痛と生理反応により涙をにじませ逆に視界を遮る。

 

「ハコワレ!!」

 

 その隙を見逃さなかったナックルがハコワレを発動させ、モントゥトゥユピーとの戦いにおいてやっとスタート地点に立つ。

 

「こっからが本番だ、気合い入れてくぞ!!」

 

『押忍!!』

 

「ふざけやがって、全員皆殺しだ!!」

 

 風が吹き荒ぶ平原で、ハンターと魔獣が互いを打倒せんと衝突する。

 

 

 

 

 

 もといた荒野から数百キロ離れた、まだらに木が乱立する長閑な林。

 転移してきたキルアとシャウアプフは、互いに動かず静かに相手を観察していた。

 見るからにローティーンのキルアが相手とあって激昂しかけたシャウアプフだったが、転移してからの短い時間で侮る気持ちは欠片も残らず消え去っている。

 

麟粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)が効いていない、なるほど、私の最適解と言うだけはある。それだけのこと)

 

(ほんの少し吸い込んでみたけどやべぇなこれ、やっぱ普通の毒と念の毒は別物だな)

 

 スピリチュアルメッセージが不発に終わったとはいえ、キルアも改めて自分だけで相手をしなければいけなかったと理解していた。

 あえて少量摂取した麟粉は毒耐性の高いキルアでも危うく発症しかけたほどで、神速(カンムル)により体内で分解しなければ他のメンバーでは何らかの影響が出たのは間違いなかった。

 

「認めましょう、貴方は私に一矢報いることができると。しかし脅威にはなり得ない、すぐに片付けてメルエム様と合流する。それだけのこと」

 

「こちとら絶賛成長期だ、最後に立ってるのはオレさ」

 

 静かな林の中心で、暗殺者と蝶が音もなく戦闘を開始する。

 

 

 

 

 

 もといた荒野からそれほど遠くない荒野の一角で、二人の人外が互いにオーラを高めて相対していた。

 一般人なら死亡する可能性が高く、普通の念能力者でも意識を保てないほど濃密で質の高いオーラが衝突して反発し、指向性を持たせなければ本来物理に作用しないはずにも関わらず音と風が巻き起こっている。

 

「普通に反応できてたけどついてきてよかったの? 今頃他の人達慌ててるんじゃない?」

 

「部下達を侮るな、余がいなくとも問題ないレベルの精鋭揃いよ。お主こそよかったのか? ピトーが相手をするあの禍々しい男の方が強かろう」

 

「オレがお眼鏡にかなったからついてきたんでしょ? こっちも相手するのに一番いい組み合わせを選んだんだよ」

 

 ゴン達の王と護衛軍を分断する策は成功したが、実のところメルエムとネフェルピトーは妨害か回避を行える反応を見せていた。

 しかしネフェルピトーはヒソカが逃さなかったために対応できず、メルエムに関してはむしろ望んでゴンについてきた節があった。

 

「まさに古強者と言うべきハンター協会会長、お主達の中で最も強く今の余すら超えているであろうあの男。どちらも優劣付け難い最上級以上の馳走なのは間違いないが、お主だけは他の者に譲るわけにはいかん!」

 

 メルエムにとってネテロとヒソカは、油断なくとも敗れかねないと思わせる人類最高峰を確信させる強者だった。それでもゴンという存在が、二人への興味を圧倒的に上回る食欲をもたらし続けている。

 

「こうして間近に見ても理解できん、お主の身体はすでに人間という種を超えている。オーラの感覚からして間違いなく人間のはずにも関わらず、おそらくは尋常ならざる鍛錬の果に自己進化を成し遂げている」

 

 多くの美食に触れたことで全く食指が動かなくなった人間のはずが、メルエムの口内はゴンと相対した瞬間から大量のよだれが分泌されて止まらない。

 ゴンの規格外のオーラも理由の一つとはいえ、もはや新種とも言える筋肉を本能が求めて止まないのだ。

 

「さっさと準備を終えるがいい。王を待たせる大罪だが、今の余は機嫌が良い」

 

「…借筋地獄(ありったけのパワー)!」

 

 修羅同士の無限組手と、レオリオの治療にビスケのマッサージは、ゴンの肉体を数段階上に押し上げた。

 ゴンさん(原作)に追い付いたとは口が裂けても言えないながら、借筋地獄をほとんど反動なく行使できるだけの筋肉が育っていた。

 更に増大したオーラと筋肉にメルエムの口からよだれが漏れ出すが、二人のオーラが影響して地に落ちる前に弾け飛ぶ。

 

 もはや言葉はなく、食欲に支配される太陽王と憧れを超えんとする筋肉が同時に飛び出し衝突した。

 

 

 

 

 

 もといた荒野から最も離れて転移した二人、ヒソカとネフェルピトーは鬱蒼とした森の中で対峙していた。

 珍しく柔らかい笑みを浮かべるヒソカに対し、ネフェルピトーは冷や汗を流しながらその胸中を荒れに荒れさせていた。

 

(ダメだ、あいつとメルエム様を戦わせたらダメだ! あいつは、あいつの牙はメルエム様の命に届く!!)

 

 それはメルエムを除きネフェルピトーだけが、あるいはネフェルピトーのみが気付いたゴンの伸び代。

 ギチギチに固められて今にも破裂しそうなその才能が、メルエムとの邂逅で覚醒し爆発的進化をするという最悪の予感。

 

(早くメルエム様のもとに行かないといけないのに、それなのに…!)

 

「ゴンが気になるのかい?」

 

 静かな問いかけにビクリと反応したネフェルピトーは、冷や汗の原因である目の前のヒソカに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 

「ダメだよ、ゴンのところには行かせない♦君は今ここで、ボクに殺されるんだ♠」

 

(こいつが、こいつもやばい。僕よりも、メルエム様よりも強い!!)

 

 それがネフェルピトーの本能が訴える事実であり、ある意味メルエムとヒソカを分断できてよかったと感じる思考も存在した。

 

 それでもネフェルピトーの本能は、ゴンを何とかしなければいけないと特大の警鐘を鳴らし続けるのだ。

 

「早く死んでね、ゴンの勇姿を少しでも長く視たいんだ♥」

 

 明らかに自分より格上のピエロに迫られ、それ以上の筋肉がメルエムと衝突しているという現実。

 立ち向かっても退いても地獄でありながら、何とかしてメルエムと合流しなければと、キメラアントの未来を繋がねばと本能が堂々巡りを繰り返す。

 

 そして思考がパンクする寸前、ネフェルピトーの脳内をメルエムからの王命が支配する。

 

「僕の身体を作り変えろ、玩具改修者(マッドドクター)

 

 ネフェルピトーの尻尾の先からグロテスクなナースが生え、背後に並ぶ様々な医療器具がネフェルピトーに突き刺さる。

 怪我の治療も可能なネフェルピトーのマッドドクターは、医療系能力ではなく生物を作り変える能力。

 

 キメラアントの新たな女王になるための可能性が、一片も残らず戦闘特化に作り変えられる。

 

「僕の命を弾けさせろ、黒死夢想(テレプシコーラ)!」

 

 改造が終わり消えたナースに代わり、ネフェルピトーの背後に髑髏の黒いプリマドンナが現れた。

 正しくネフェルピトーの命を削って発動した能力は、戦闘特化となった身体をさらに限界以上に操作する。

 

 キメラアントの未来もメルエムに仕える義務も捨てたネフェルピトーのワガママ、ヒソカとゴンを始末することのみにすべてを捧げたありったけ。

 

 今のネフェルピトーは、メルエムを超えるキメラアントの頂点に立っていた。

 

 

……お前、何してんの?

 

 

 そんな圧倒的強さを手に入れたネフェルピトーの前に、表情が全て抜け落ちたヒソカがいた。

 

 ネフェルピトーは己の身体を改造し、限界以上に操作することで強さを手に入れた。

 

 その戦闘スタイルは、ヒソカにある人物を思い起こさせるには十分すぎた。

 

「やっちゃったね? お前やっちゃったよ、よりにもよってそれをボクに見せるなんて…」

 

 ヒソカのオーラが黒より淀んだ色に澱み、溢れたオーラが殺意すら可愛く思える圧を放つ。

 

「殺す、楽に死ねると思うなよ」

 

 戦闘本能に支配されたネフェルピトーが、思わず一歩下がるほどの禍々しさ。

 それでもメルエムのため、ネフェルピトーは猫のように唸ると吶喊する。

 

 人類最強とキメラアント最強が、誰も見ていない森の中で激突する。

 

 

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