ウマ娘に人が力でかなうはずはない、これは常識であり事実である。人間がどれだけトレーニングしようが、どれだけ重量のあるバーベルを持とうが、それをいとも簡単に持ち上げる、超えてくる。むしろ人間が持てないような重量も持ち上げることもできる。仮に痴漢をしようものなら病院送りは確実である。
けれど全員が全員であるとも限らない、中身は思春期の女の子だ、それは普通の一般の女の子と変わらない、いざって時に力を出せない、なんてことがあって泣き寝入りなんてことはあってはならない、ただでさえ綺麗な子が多いのだ。
「諸君!そんな訳で身を守るすべを覚えてもらう!」
「今日は護身術の達人に来てもらいましたので、身に着けられるように頑張りましょう」
体育館に集められた全校生徒、理事長とたづなさんが説明する。達人がどのような人か、ワクワクしていた。
扉が開かれ中に入ってくる小さな老人、なんというかとても弱そうと全員が思った。
「どうも、渋川といいます。今日はよろしくお願いします」
腰の低い、本当に達人なのか、達人はもっと強そうな、それこそオーガのような人間ぐらいと思っていた。
「それでは、二人一組になってペアを組んでください!」
仲の良いメンバー、ライバルなどで組んでいき、あっという間にペアができていく
「おいおい、本当に達人か~?なんかすごく弱そうだぞ?」
「ゴールドシップさん、貴方なんてことを、失礼ですよ!!!」
渋川に近づき上から見下ろすゴルシ、必死に止めにかかるマックイーンを無視しジロジロと見回す。
「お~、随分デカいの~」
「おい、どこ見て言ってやがる」
ゴルシの背ではなくその豊満な胸を見て答える渋川、なんとも食えない爺さん、それがゴルシの感じたことであった。
「失礼!ゴールドシップ元の場所に戻れ!」
「あ~いいですよ、全然、せっかくなので立ち合いましょうか」
「お、なんだ~やんのかゴルシちゃんと」
ざわざわとざわめく、一触即発といった感じではなく、一方的なものではあるか実に興味深かった。実力を知れるのだから
「それじゃあ~えんりょなく~」
いつもの笑顔で近づき肩を掴もうとする。それに対して渋川も笑顔である。特に動くこともなくそのまま捕まれる。その時になんとなくではあるが直感で嫌な予感がしていた。けれどもうすでに遅く次の瞬間には身体が地面に倒れていた。
「え?」
「なにが?」
流れるような動きで組み伏せられるゴルシ、周りからはただ掴みに行ったゴルシがそのまま倒れたようにしか見えなかった。
「合気とはこういうもんじゃよ」
「おいおい、まじかよ」
背中に冷や汗が流れるだけでなく本能で勝てないと理解したゴルシ、そのままの状態からゆっくりと立ち上がり元の場所へ戻っていく。練習が始まるとほとんどの生徒が力任せにやるので、実際に転ばせたり、教えたりして、身につけさせていく。
最後は学生全員対渋川の立会いのがおこなわれ、学生側が全員転ばされるといったことになった。
後日ゴルシはさっそく身に付けた合気でマックイーンを転がしまくっていた。
体調崩して更新スピードがおっちゃった。