パワートレーニング! 流石にレース関係なくなってきたな~
「よーし、いいぞライアン、その調子だ」
「はい!館長!」
サンドバックをただ力任せで殴るのではなく、捻りや体重を乗せるやり方などで、メジロライアンはパワートレーニングをしていた。
「ふっ、はぁ!」
ドスンドスンと響く音、何度も何度も殴り飛ばすサンドバックは勢い良く帰って来るそれをもう一度殴り返すことを何時間も続けている。かれこれ3時間は殴り続けている。それが終わると休憩を挟み、エネルギー補給と水分補給をおこなう。
「次は脚の補助をしてやる逆立ちで拳を握っている状態で親指のみで逆立ち歩きだ」
「逆立ちでですか?」
「おうよ、1人で出来る頃にはその拳で人間どころか牛ぐらいなら一撃で仕留められるパワーが手に入るぜ」
「いや、そこまでは求めてないです」
「なんでい、場内を一周したらできるんだぜ」
走るのにつけるパワーを人や牛を仕留めるのに使えるわけがない、むしろ身に付けてどうすればいいのか、上半身の強化だけでなく下半身の強化、なんでも中国からきている師範のような人が教えてくれた鍛錬方法なんだけれど、これが物凄く効く、ただ同じ体制を何時間もキープするだけ、汗が物凄くかけて下半身に筋肉痛が次の日に出るけれど走る際の力強さがとても上がった。
「はぁはぁ、これ……とってもキツイですね」
「そりゃあ、ウマ娘の基準でやってるんだ、人間がやったら即ギブよ」
笑いながら片手でライアンの両足を掴む館長こと愚地独歩、強靭な肉体は独歩の実年齢が分からないほどである。
「これが終われば、そうだな…………ドラム缶でもぶっ壊すか」
「ど、ドラム缶……です……か?」
「おうよ、水の入ったドラム缶を殴ってぶっ壊せるなら上出来だろう」
できるのか、何tあるか分からないタイヤを引きながら練習することはあれど、殴るや壊すはサンドバックや瓦割くらいしかない。
「瓦なんざ、ただの土塊よ、オーガに言わせれば土ほどの塊の煎餅さ」
しれっととんでもないことを口にしているが今の状況が苦しすぎてあまり耳に入ってこない、何とか場内を一周し終えるとその場で倒れ大きく息を吸って呼吸をする。腕がすでに限界に近く、指まで力が入らない、プルプルと震えるが関係とないと言わんばかりにドラム缶が吊るされ準備されていた。
「ライアン、おめぇ強くなりてえんだろう?」
「……は、はい」
「だったら、根性見せな、俺たち空手家は空手に、ウマ娘は走ることに命を懸けてる。だったら強くなりたいのなら根性を見せな」
「はい!」
ふらふらと立ち上がり水の入ったドラム缶に拳を打ち込む、ガンガン・ゴン・ドンという音が響き、ドラム缶は形を変えていき変形していく、打ち込み打ち込み、変形させていき、ついにはライアンの拳がドラム缶を貫通しそこから水があふれてくる。
「…………ほう、やっぱ威力はけた違いだな、こうも簡単に破壊するとは」
「え?そうなんですか!」
「おうよ、俺は簡単に壊せるが、門下生はそう簡単には壊せねぇ、実力あるものはできても数は多くない」
「へ~、そうなんですか」
「ま、ウマ娘のほうが俺たちより圧倒的に強いだろうがな」
豪快に笑う独歩、確かにウマ娘の方が力は強い、けれど技術や経験からくる強さは独歩の方が圧倒的に強いという事は分かっていた。もし、もし立ち合ったのならば一瞬で負けて天井を見上げる自分が想像できる。
「館長はどうしてそこまで強いんですか?」
「あん?」
「門下生からも聞きましたけど、虎を倒したこともあるって」
「ああ、そいつはな簡単な話、基礎を怠らない事だ」
「基礎ですか?」
毎日毎日空手の基礎の正拳突きなど基礎の技や型を一日一万回繰り返せるかい?
毎日やらなくてもいい、そうじゃねんだよ、繰り返して繰り返して身体に馴染ませていつでもどこでもどんな状況でも戦えるようにしておく、言わば訓練みたいなもの、そして、最後は勝利への本能だ。
「毎日同じことを、筋トレとはまた違った感じですね」
「当たり前よ、重量を増やしたりトレーニングを変えたりするんわけじゃねぇ」
「でもどうして虎と?」
「試したかったんだよ、どれだけ自分が強いのか、ウマ娘の嬢ちゃんたちもそうだろう、自分がどれだけ強いか、それをレースで発揮する。それで自分が誰よりも強いんだって証明する。やりかたが違うだけで同じことさ」
「でも、負けたら、レースでは悔しいですけど、虎は」
「男はな、一度は最強を目指したい生き物なんだよ、だからこそ勝負に命を懸ける。強いやつに勝って俺が最強だって証明する。だから虎を倒した。けど違う事でな~……ま、俺は負けちまったけどな」
種目や信念は違っても根本的な部分は一緒である。けれど一つ気になるには負けたという事、いったい誰に負けたのか、それ程強い人がいるのか
「館長に勝った人って誰なんですか?」
「オーガさ」
「ええ!!!!??」
オーガが館長を倒した?確かに見た目も強そうだけど、そんなに強かっただなんて知らなかった。でも……空手だよね?
「さて、お喋りはここまでだ、次は立ち合いだ」
「はい!お願いします!」
ウマ娘の力に人間が敵うはずがない、しかしこの男には関係ない、生涯を空手に注いだこの男にとってライアンの動きなど簡単にあしらい、反撃をさせないほどである。この立ち合いを持って本日のトレーニングは終わりであるが、いつも練習後には一人ででもできる練習を教えてくれる。トレーナーのメニューとは違い、かなり厳しいものがあるがやり遂げていく自分の身体が強くなっていくのを実感できていた。
「館長、ありがとうございました。」
「おうよ、また来な」
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