雑談会です
「いやーそれにしてもまさかお偉いさんだとは思わなかった」
「なんじゃ、儂のことなーんも知らんかったのか」
「おうよ、だって興味なかったし」
地下闘技場で会って以来の再開、ゴルシセンサーに反応があったので周りにいたボディーガードをドロップキックで蹴り飛ばし麻袋に袋詰めして拉致、逃亡、そして徳川家にて一緒に食事中である。
「命知らずなウマ娘じゃのー、一歩間違えていたらおぬし死んでおったぞ」
「おうよ、ゴルシちゃんは簡単には死なないから大丈夫だ」
「いやいや、そういう意味じゃなくて」
流石歩く非常識、やることなすことすべてが規格外である。そんな二人が今一緒に餃子を食べながら談笑している。しかも何気に御老公が何者かはすぐに知った。
「にしても餃子って野菜料理なのに全然野菜入っていねーじゃねーかー、ま、いいんだけど」
「お主よく知ってるのう」
「雑学王なめんなよー、あ、今日捕った金目鯛やるよ」
「おお、それはそれは、って、どこに隠し持っていた?」
背中からぴちぴちの金目鯛が現れ、生きのいいのが渡される。本当に一体どこに隠し持っていたのか、普通に渡してくる。
「そうそう、あの闘技場って誰が出るんだ?」
「ああ、簡単に言えばあらゆる強者が出るとだけ言っておこう」
「へー」
「なんじゃ、その興味なさそうな反応は」
「嫌だって、強者って、どのくらいのレベルよ」
「…………ボクシングヘビー級チャンピオンやあらゆる武道の達人などじゃ」
「おお、そいつはすげーな、ゴルシちゃんも戦ってみようかな」
「やめておいた方がいいぞ、特にチャンピオンに挑むのは」
「ん?チャンピオンは駄目でも他はいいのか?」
「ま、そんなに強くないのもいるからのう、全盛期は過ぎてしまった」
「ふーん、ところでチャンピオンってどんなんよ」
「ふむ、喧嘩の強い高校生じゃ」
「あ、バカにしてんのか?」
「ホントじゃよ、嘘は付いとらん」
嘘はついていないが本当のことでもない、ただの喧嘩の強い高校生がのし上がれるほどのレベルではない、なんせガチの勝負であり、ボクシングや空手、ムエタイに合気、達人などのそんなレベルの輩が参加していたのだから
「ま、いいや、あたしの戦う場所はレースだからなー」
「そうかい」
餃子を食べながら肉まんを作り始めるゴルシ、もうめんどくさくなりツッコムことすらやめ、ただ黙って茶を啜っている。そしていつの間に作られたのか分からない肉まんを一緒に食べつつ特に意味のない雑談を繰り広げる。時間が経ちゴルシが帰るころに帰り際に衝撃の話題を置いていった。
「あ、オーガって知ってるか?なんかすんげーやばそうなやつが学園にいるんだけどなんか知ってたらまた教えてくれよなー」
どういう原理で浮いているのかは知らないがゴルシは空へと消えていった。
「は?オーガが学園?……儂……知らんかったぞそれ」
最後の最後に一番気になる話題をできなかったため、その日の晩はなかなか寝れなかったそうだ。
あと少しで、あと少しで、時間があれば、ウララが……