「どうすれば私のような筋肉が付けられるかと?」
「はい!私筋トレが好きなんですけど、どうすればそこまでの素晴らしい筋肉が付けられるんですか!」
トレセン学園のトレーニングルームに珍しくいるアンチェイン、仕事が終わったついでに日本に来てからは己の身体を鍛えてはいなかったので鍛えようとやってきたところメジロライアンに声を掛けられ、筋肉の付け方を教えてくれと言われているところだ。
「あ~ん、お嬢さん、素晴らしい筋肉とはとても嬉しいが、かなりハードな内容だからな、あまりオススメはしないぞ」
「ならせめてどのようなメニューでその筋肉をつけたのか教えてください!」
筋肉フェチともいえるライアン、誰よりも鍛えるのが好きな彼女と出会ったのが運の尽き、少なくとも聞き出すまでは動けないだろう。
「まぁ、教えるだけならいいが、想像を絶する内容だぞ」
「はい!」
「当たり前だが己の限界を超えるために日々ハードな練習メニューを組んでいく、例えばダンベルなどの重量と回数を増やしていく」
「はい!」
真剣に聞くライアン、アンチェインは話を続ける。
「次に腹筋を鍛えるためヘリと綱引きをする」
「へ?ヘリ?」
「ああ、ヘリコプターと綱引きをするんだ」
すでに理解が不能な内容が出てきた。ライアンは驚いた顔をしながらも話を聞く
「他には線路用の釘を指の力で曲げる」
「な、なるほど」
「それと犯罪者を素手で捕まえること」
「は、犯罪者?」
「ま、そこはどうでもいいさ、とにかく常人ではできないようなトレーニングをすることだな!」
「は、はい」
「そして最後に食事だが、これが一番重要だ」
「食事」
「私は一日10万キロカロリーを摂取している」
「10万キロカロリー!!!!」
10万キロカロリーとは、おにぎり500個ほどに相当する量であり、摂取するのは至難である。
「体脂肪を徹底的に無くし、筋肉を作り上げる。その結果が今の私の身体だ」
「す、すごい!」
「おかげでショットガンを打たれても僅かな傷しか負わないほどの厚さと硬さを持っている」
この男、実際に撃たれ、怪我を負ったが、ステーキとワインをたらふく食べわずかな時間で回復する自然治癒能力も持っている。
「例えジャパニーズソードで斬られても弾き返せるほどさ」
普通のトレーニングとは違う内容、そもそも腹筋を鍛えるためにヘリと綱引きをする者がこの男以外にいるのか、ライアンは驚きの中で筋肉に対して徹底的に向き合い鍛えるこの男に尊敬の念を抱いた。
「ありがとうございました。さっそく鍛えてみようと思います」
「ああ、頑張りたまえ、ただし君たちは走ることが大事なんだろう、無理に私のようにならなくていい、自身にとってベストな肉体を作りあげたまえ」
「はい、レッツ・マッスル!」
後日、学園内でとんでもないトレーニングを行っている生徒がいると噂になった。どこから調達してきたのかわからないヘリと綱引きしたり、錨に身体を巻かれて引っ張られるのを耐えていたり、ウマ娘の限界で持てる重量のダンベルを持って筋トレしたり、また、オグリのように大量の食事を食べている生徒がいるとの噂もあった。
その結果今まで以上の抜群の身体を手に入れ圧倒的なパワーでレースに圧勝するウマ娘の姿があったとか
投稿がだいぶ遅れてすみません。頑張ります。