ゲートが開くと同時に驚異的なスピードでスタートダッシュを決めたトウカイテイオー、これにはほかのウマ娘も動揺し、慌てた様子で後を追う。
「よし、いいぞテイオー」
「ええ、これにはさすがの周りも動揺を隠せませんは」
「普通に考えれば掛かってるかもしれないと思うが、実際はそうじゃない」
「あのスタートダッシュをきっかけに逃げのウマ娘は思わぬスタミナの消費を強いられる」
「それだけではなく、3000メートルを走り切るためのスタミナの温存とリズムがすべて狂いますは」
「ああ、出だしは好調だ」
スタートダッシュを決め、最初に先頭に躍り出たテイオー、しかし本来の脚質は先行、逃げのウマ娘が上がってくると同時に中段の位置まで下がってくる。
よし、出だしは好調、このまま自分のペースで脚をためてスタミナの温存だ。みんな驚いてる驚いてる。
「まさかのトウカイテイオーが驚異的なスタートダッシュを決めました。これには動揺を隠せないか、まだ始まったばかりの菊花賞これは荒れるぞ!」
「まずは先頭に躍り出たトウカイテイオー、しかし中段の位置までペースを落とし、フジヤマケンザンが上がってくる。しかし内からはフジアンバーワン、半バ身離れてホクセイシプレー、あるいは内をついて、シンホリスキー」
「くっ、まさかあんなスタートダッシュを決めるとは」
「流石トウカイテイオー」
「けどまだ始まったばかり!」
ふふ、みんな驚いてるけどまだ始まったばかり驚くのはここからだよ!ボクはこんなものじゃないよ!
「これから一週目、スタンド前に入ってきました。大勢の観客の声援の中を走り抜けます」
「……………タイムは少し早いが問題ない、スタートダッシュの分少し時間が縮まっただけ」
「テイオーさん頑張って!」
「テイオー頑張れよ!」
「念だ念を送れ~」
テイオーに念を送るスピカのメンバー、スタンド正面を走り抜け第1コーナーに差し掛かる。中段の位置にテイオー、その後ろにナイスネイチャが付いてくる。先頭のウマ娘が何度か入れ替わるが関係ない、ペースを一定に保ちながら自分の走りを見せる。余裕の笑みを浮かべている。
「そろそろ問題の坂か」
「ああ、最長距離2400までしか走ったことのないトウカイテイオー、最初のスタートダッシュには驚いたが、スタミナは持つのか?」
「だが、それは他のウマ娘も同じ、ラストのコーナーから直線にかけてが勝負」
「だな」
「テイオーさん頑張って!」
「いけー!」
まだ、行ける。思ったよりスタミナは消費してない、このまま前のウマ娘に付きながら風の抵抗を受けずに前に進む!
「はあああああ!」
「!!!!」
テイオーの前に行くウマ娘の踏み込んだ脚、蹴り上げられた脚の部分に付着していた土がテイオーの顔に迫る。思ったより量が多いが、その土を走りながらもあのステップで躱していく。
「おおっとトウカイテイオーが軽やかな動きで顔に迫ってきた土を避けた!」
そしてさらに避けたはずみでやや内から外に出ることになったが元の場所に戻るため差す。
「なに?」
「ふふん、ボクにかかればこんなの関係ないよ」
けれど上り坂、思わぬスタミナの消費があったが、まだ余裕の笑みを浮かべながら走る。
「流石テイオー、けどここから」
「え、ネイチャ!」
下りに差し掛かると同時に後方に控えていたウマ娘とナイスネイチャが一気に上がってくる。
「くっそやられた」
「ああ、まずいな、一気に上がってきたせいで抜け出すのが難しくなった」
「このままだとバ郡に飲まれてズルズルと順位を落としていくことになる」
「みなさん、早い仕掛けですね」
「いや、下りの勢いと合わせて一気にコーナーから前に出るつもりだ、直線は長いが追い込みや差しのウマ娘には問題はない」
「問題は抜け出せなくなっているこの状況」
「ああ、無理に抜け出そうとすると直線のスパートが厳しくなる。かといって抜け出せずにいると先頭に出ることはできない」
「つまり、テイオーは無理やり抜け出すしかないってことね」
「けどよ、そうすると」
「ああ、スタミナを一気に持っていかれる」
「じゃあどうすんだよ」
「方法は2つ、コーナーから直線に入る際に必ずどこかしらの抜け道ができる。そこをつく、もう1つは内からシンプルに差す」
「ですが内は」
「ああ、通行止めだ」
「てことは」
「抜け道を期待する。最悪、無理やり外に抜け出すか」
仕方ない、多少強引だけど外に出るしかないか、ペースが上がってきてる。肺が苦しい。けど中々抜け出せない!…………仕方ないけど一気に無理やり抜け出す!
無理やり外に出ることにしたテイオー、出ることはできたが一気にスタミナを持っていかれる。そのせいで大きくコーナーのカーブを曲がることになる。
「行けると思うか?」
「どうした急に?」
「最終コーナーから直線に入ったが、思ったよりスピードが出ていない」
「ああ、しかしまだ距離はある」
「ラストの直線、勝てるのかトウカイテイオー」
「勝てるもん、テイオーさんなら絶対」
「「ご、ごめん」」
「あはは」
「さあ、先頭はフジヤマケンザン、レオダーバンも上がってくる、ナイスネイチャも突っ込んできた!」
「ここで仕掛ける!」
「外から、外からトウカイテイオーも上がってきた!」
一気にギアを上げ前に出てくるテイオー、先頭との差を縮めるために全てをかける。力強く踏み込むテイオー、その瞬間、左脚に激痛が走り笑みが消えた。
VIP観客席
「まさか?」
「そのまさかだろうな」
「まずいな」
「…………」
「オーガ、どう見る」
「折れただろうな」
「…………そうか、いや、彼女はよく頑張ったよ」
「まだここからだ」
「なに?」
「見せてみろトウカイテイオー、貴様の勝利への飢えを」
酷い、天井してキタちゃん引いたのに、次はダイヤちゃんだと!
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