レイナ様に願いを~No time to wait a carriage!~ 作:汐留ライス
『トリックオアトリック』
事務所のハロウィンパーティー。
準備をしながら、みりあが言う。
赤城みりあ「ハロウィンって、お菓子をくれなかったらイタズラしてもいいんだよね? いっぱいイタズラできるなんて、レイナちゃんのためみたいなイベントだね」
小関麗奈「ふっ、甘いわねみりあ」
麗奈は部屋を飾りつける手を止めて、ドヤ顔で断言。
小関麗奈「してもいい時にするイタズラに価値なんてないわ。しちゃいけない場所で、しちゃいけないタイミングでイタズラする。それがワルよ!」
白坂小梅(……めんどくさいコだなあ)
思っても言わない小梅だった。
† † †
『よろしくお願いしますです』
事務所に所属してるアイドルの人数が多いので、普段はあまり顔を合わせる機会のない組み合わせもある。
ライラ「おおー、はじめましてです。ライラさんなのです」
赤城みりあ「こんにちはー。みりあだよー」
給湯室の冷蔵庫でライラがアイスを選んでたところに、みりあと麗奈が入ってきた。
小関麗奈「アタシがレイナサマよ。以後覚えておきなさい」
ライラ「みりあさんと、レイナサマさんですね。覚えておくですよー」
ぺこりと頭を下げるライラに、みりあがツッコむ。
赤城みりあ「あはは、レイナサマさんだって! ライラさんちゃん、名前間違えてるよー」
小関麗奈「……アンタもよ」
† † †
『トラブルスター』
事務所のキッチン。こそこそと何かを作るアイドルがひとり。
小関麗奈「ククク、ついに完成したわ!」
天井に向けてドーンと掲げるのは、クリームのこってり盛られたパイ。
小関麗奈「これをプロデューサーの顔面にぶっつけて……、アイツの驚く顔が目に浮かぶわ。ハーッハッハ!」
珍しくむせずに高笑い。すると誰かが入ってきた。
三村かな子「誰かいるんですか? って、パイ?」
小関麗奈「あっ、いや、これは……」
麗奈がうろたえる一方で、かな子は冷蔵庫をさぐりだす。
三村かな子「あった! これがあると見た目が華やかになるし、おいしいよね」
そう言って、冷蔵庫から出したイチゴをパイにトッピングしだす。
小関麗奈「いや、あの、それは……」
食べる用じゃないって言い出せないうちに、さらに人が増える。
榊原里美「ハチミツもかけちゃいましょぉ~」
小早川紗枝「黒蜜もよろしおすなぁ」
小関麗奈「あわわ」
どんどんおいしそうにはなるけど、人にぶつけられるものからは遠ざかる。
結局パイは、事務所のみんなでおいしくいただきました、とさ。
† † †
『来年につづく』
着ぐるみアイドル、上田鈴帆。
彼女は一針一針に魂をこめて、珠玉の着ぐるみを作り上げる。
今も寝食を忘れ、寮の部屋に何日もこもって作業を続け、ついに完成に至った。
上田鈴帆「できたーっ! これがウチの最高傑作、パンプキン鈴帆・アルティメットたい! これば着てみんなをドッカンドッカン笑わせて――」
小関麗奈「もうハロウィン終わったわよ」
上田鈴帆「ええーっ!?」