レイナ様に願いを~No time to wait a carriage!~   作:汐留ライス

3 / 11
トラブルスター

『トリックオアトリック』

 

 

 事務所のハロウィンパーティー。

 

 準備をしながら、みりあが言う。

 

赤城みりあ「ハロウィンって、お菓子をくれなかったらイタズラしてもいいんだよね? いっぱいイタズラできるなんて、レイナちゃんのためみたいなイベントだね」

 

小関麗奈「ふっ、甘いわねみりあ」

 

 麗奈は部屋を飾りつける手を止めて、ドヤ顔で断言。

 

小関麗奈「してもいい時にするイタズラに価値なんてないわ。しちゃいけない場所で、しちゃいけないタイミングでイタズラする。それがワルよ!」

 

白坂小梅(……めんどくさいコだなあ)

 

 思っても言わない小梅だった。

 

 

 † † †

 

 

『よろしくお願いしますです』

 

 

 事務所に所属してるアイドルの人数が多いので、普段はあまり顔を合わせる機会のない組み合わせもある。

 

ライラ「おおー、はじめましてです。ライラさんなのです」

 

赤城みりあ「こんにちはー。みりあだよー」

 

 給湯室の冷蔵庫でライラがアイスを選んでたところに、みりあと麗奈が入ってきた。

 

小関麗奈「アタシがレイナサマよ。以後覚えておきなさい」

 

ライラ「みりあさんと、レイナサマさんですね。覚えておくですよー」

 

 ぺこりと頭を下げるライラに、みりあがツッコむ。

 

赤城みりあ「あはは、レイナサマさんだって! ライラさんちゃん、名前間違えてるよー」

 

小関麗奈「……アンタもよ」

 

 

 † † †

 

 

『トラブルスター』

 

 

 事務所のキッチン。こそこそと何かを作るアイドルがひとり。

 

小関麗奈「ククク、ついに完成したわ!」

 

 天井に向けてドーンと掲げるのは、クリームのこってり盛られたパイ。

 

小関麗奈「これをプロデューサーの顔面にぶっつけて……、アイツの驚く顔が目に浮かぶわ。ハーッハッハ!」

 

 珍しくむせずに高笑い。すると誰かが入ってきた。

 

三村かな子「誰かいるんですか? って、パイ?」

 

小関麗奈「あっ、いや、これは……」

 

 麗奈がうろたえる一方で、かな子は冷蔵庫をさぐりだす。

 

三村かな子「あった! これがあると見た目が華やかになるし、おいしいよね」

 

 そう言って、冷蔵庫から出したイチゴをパイにトッピングしだす。

 

小関麗奈「いや、あの、それは……」

 

 食べる用じゃないって言い出せないうちに、さらに人が増える。

 

榊原里美「ハチミツもかけちゃいましょぉ~」

 

小早川紗枝「黒蜜もよろしおすなぁ」

 

小関麗奈「あわわ」

 

 どんどんおいしそうにはなるけど、人にぶつけられるものからは遠ざかる。

 

 結局パイは、事務所のみんなでおいしくいただきました、とさ。

 

 

 † † †

 

 

『来年につづく』

 

 

 着ぐるみアイドル、上田鈴帆。

 

 彼女は一針一針に魂をこめて、珠玉の着ぐるみを作り上げる。

 

 今も寝食を忘れ、寮の部屋に何日もこもって作業を続け、ついに完成に至った。

 

上田鈴帆「できたーっ! これがウチの最高傑作、パンプキン鈴帆・アルティメットたい! これば着てみんなをドッカンドッカン笑わせて――」

 

小関麗奈「もうハロウィン終わったわよ」

 

上田鈴帆「ええーっ!?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。