レイナ様に願いを~No time to wait a carriage!~   作:汐留ライス

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さよなら暗怒路冥堕

『ダイス DE ライラさん』

 

 

 事務所でボードゲームをするアイドルたち。

 

ライラ「1、2、3、4。はい、上がりでございますー」

 

赤城みりあ「うわあ、またライラちゃんの勝ちだー」

 

三好紗南「非電源は分が悪いなー。ある意味運ゲーだし」

 

小関麗奈「そうよ、アンタさっきから出目が良すぎよ。そのサイコロ見せてみなさい」

 

 みんなで同じサイコロを使ってるんだから、イカサマできるはずがない。

 

ライラ「ふふー。実はライラさん、サイコロは振り慣れているのですよー」

 

赤城みりあ「え、なんで?」

 

ライラ「ライラさんのパパは、仕事で迷った時によくサイコロを振って決めていたのです。ライラさんも何度か振らせてもらったことがあるのですよー」

 

三好紗南「慣れてても期待値は変わらないと思うけど……」

 

 要は気合いの入れ方が違うってことらしい。

 

前川みく「でもライラちゃんのパパって、確かドバイで――」

 

ライラ「はいー。石油関係のお仕事をしているのですよー」

 

麗奈・紗南・みく「……」

 

赤城みりあ「?」

 

 ドバイの石油会社なら、一つ間違えれば損失は億単位。そんな重要な決断を、サイコロで決めてることに麗奈たちは驚きを隠せない。

 それでいいのかライラの父親。それでいいのか世界経済。

 

 

 † † †

 

 

『9周年記念生配信の後日談』

 

 

 麗奈が事務所に入ると、中はりんごだらけ。

 

小関麗奈「うわぁ! 何よ、何があったのよコレ!?」

 

砂塚あきら「あー、この前あかりチャンがロケで山形のりんご農家へ収穫を手伝いに行ったじゃないデスか。その時いただいたりんごで」

 

小関麗奈「ふーん、それで山形のりんごがこんなに……」

 

 ここで麗奈、何かを思いついた様子。

 

小関麗奈「じゃあスーパーで青森産のりんごを買ってきて、この中にコッソリ混ぜてやるわ。知らずに食べたやつの驚く顔が見ものね。クックック」

 

砂塚あきら「#誰得」

 

 そもそも気付く人なんているのか。

 

 

 数時間後。

 

 

工藤忍「あれ? このりんご、味が青森っぽい」

 

砂塚あきら(いた!)

 

 

 † † †

 

 

『さよなら暗怒路冥堕』

 

 

 乃々が事務所を訪れると、いたのは拓海ひとり。

 

向井拓海「乃々じゃねーか。どうした?」

 

森久保乃々「あの、亜季さん、いらっしゃいません?」

 

向井拓海「亜季か? さっき茜と出てったぜ」

 

森久保乃々「あう……。今度やる舞台のセリフが不安だったので、読み合わせを、お願いしようと思ったん、です、けど……」

 

向井拓海「そっか、じゃあアタシが代わりに読んでやるよ」

 

森久保乃々「え、あの、いいんですか?」

 

向井拓海「おう、遠慮すんなって」

 

 台本を間に置いて向かい合う。

 

向井拓海「亜季のセリフを読めばいいんだな? えー、『しばらくののち、わし座に到着(ひっちゃく)いたします』」

 

森久保乃々(え……?)

 

向井拓海「『ここは停車(とめしゃ)時間を長く(ぶっつ)けております。よろしければ気合いブッこんで、外の様子(さまご)ご覧(ガンみ)しちまってください』」

 

森久保乃々(読み間違いも多いけど、アドリブもすごい……!)

 

 もはや完全に台本と違うけど、乃々にツッコめるはずもない。

 

 こうして乃々の不安はますます増大していくのだった。

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