剣聖がオラリオに降り立つのは間違っているだろうか   作:名無しの葦名衆

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少し目を離していたら文が全部消し飛びました
更に戦闘描写を全く書けなくて時間がかかりました
SEKIROもダンまちも魅力的なのにそれを表現しきれない自分が情けない・・・
そしてついに剣聖と剣姫が出会う!(会話するとは言ってない)


四話「剣聖、迷宮に挑む」

ベルと共に一心はダンジョン一階層に降り立った

そこは視界を埋めつくす薄青色の染まった壁面と天井

空の見えない天然の迷路がどこまでも途切れることなく続いている。

二股道、十字路、緩やかな下り坂。一定間隔で整った道がある地下空間を二人は歩いていた

 

「そういえば、ベルは何故オラリオに来たんじゃ?」

「僕は田舎で祖父と暮らしてて、幼い頃祖父から冒険譚を聞かされて冒険者に憧れてたのと夢を叶えるために来ました?」

「ほう、夢とな。それはなんじゃ?」

「ハーレムです!!」

はーれむ・・・じゃと?

 

「ベルよ、ハーレムとは・・・」

「知らないんですか一心さん!」

いきなり大声で叫んだベルに一心は驚く

 

「お、おぉ。全く知らんのじゃよ、教えてはくれぬか?」

そう一心が聞くとベルは目を輝かせながら話す

 

「ハーレムとはですね!男の浪漫であって、男なら目指すべき夢ですよ!!」

なるほどな、男の浪漫で目指すべき夢か・・・今度ヘスティア神にでも聞いてみるか

 

「後は祖父が僕の背中を押してくれた事もありますね」

「ほう、その祖父は今もお主の故郷にいるのか?」

「・・・亡くなりました、事故でモンスターに襲われて」

「そうか・・・すまぬな」

まさか亡くなっているとは思わず、聞いてしまった自分を反省する一心

 

「でも、祖父が最期に冒険者になって夢を叶えるのならオラリオに行けと言ってくれたので・・・一心さんにも子供とかいるんですか?」

「おう、義理の孫じゃが葦名弦一郎と言う子がおってな」

一心はふと孫を思い浮かべる

 

「儂が病に伏せていた頃儂の代わりに葦名の国を指揮してくれての、剣だけではなく弓も上手い自慢の孫じゃったわ」

「そうだったんですね。でもだったって事は・・・」

「あぁ、既に死んでしまったのじゃ」

正確には自らの命を使って一心を黄泉還らせたのだが

 

「だからかの」

そう言いながら一心はベルの頭に手を置く

 

「お主が孫のように思えるのじゃよ」

「一心さん・・・」

「すまぬな、暗い話をしてしまって」

「いえいえ!僕も気になって聞いてしまったのが悪かったので」

「よく出来た子供じゃの、お主は」

一心はベルの頭をワシャワシャと撫でる

 

「あっ、やめてくださいよ一心さん!」

「カカカッ!すまぬな、どうしてもしたくなっての」

話が弾んでいると少し遠くから足音が聞こえてきた

 

「ベルよ、何か来るぞ」

「あっ、はい!」

急に真剣な顔付きになった一心に少し驚きながらも足音が聞こえてきた方向を見る

 

「グルル・・・」

現れたのは犬頭のモンスターであった

 

「ベルよ、あれは?」

「あれはコボルトですね」

「ほう、あれがコボルトか」

ベルから聞いた情報だと鋭い牙や爪を持ち、1匹か2匹で行動してるといったが

 

「数が多いですね・・・」

目の前にいるのは6匹であった

 

「一心さん、2人でやりましょう」

そう言い戦闘態勢に入ろうとしたベルを止める

 

「一心さん・・・?」

「すまんが、ベル。儂に任せて貰えないだろうか」

それを聞いたベルは驚く

 

「駄目ですよ!1匹や2匹ならまだしも6匹はLv1の僕らにはキツイですよ!昨日恩恵を授かったばかりの一心さんなら尚更です!」

「確かにそうじゃが、お主からあやつの情報は聞いておる。危険と判断したら加勢しても構わんぞ」

「・・・分かりました、危なくなったら加勢しますからね」

そう言いベルは少し後ろに下がる

わがままを聞いてくれて事に一心は感謝する

 

「さて・・・」

一心はコボルトの方に向き直す

コボルトは真ん中と左右に2匹ずつ分かれて包囲網のように一心を囲もうとしている

 

「儂の初陣じゃ、腕が鈍ってないかお主らで試させてもらおう」

腰から刀 ーーー【開門】を抜き構えをせず、目の前のコボルトに目を合わせる。そして少し前のめりになった瞬間

 

「ギッ?」

1匹のコボルトが縦に両断された

何が起きたのかはベルも、他のコボルト達も分からなかった

(一心さんさっきまで僕の目の前にいたのに、僕にはただ一心さんが前のめりになったと思ったらコボルトがいつの間にか斬られたようにしか見えなかった・・・)

魔法でも使ったのかと驚くベルを置いて一心はそのまま隣にいるコボルトも斬り伏せる

 

「まずは2匹じゃ」

「「ガアァァ!!」」

更に左から爪で引き裂こうと飛び込んできた2匹に対して

 

「遅いぞ」

「ギャ!?」「グェッ!」

スっと横に回避にし、無防備な身体に一刀する

魔石ごと砕かれた2匹は直ぐに灰と化し消える

 

「さて、残りを片付けるとしよう」

恐怖し、身体が動かないでいる残りのコボルトに一心は時間をかけまいと詰めて行った

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ふぅ、これでお終いかの」

血が付いた刀を振り、鞘にしまう

(初めてのダンジョンでの戦いじゃったが思ったより腕は鈍ってなかったようじゃ)

ベルはどうしてたかと思い、ベルの方向を見ると

 

「凄いじゃないですか一心さん!」

驚きながらベルがこちらに向かってくる

「コボルトをあんな一瞬に・・・!!しかもあれだけの数を相手に!」

そこまで褒められるとは思いもよらんのじゃったが

 

「ふむ、それほど凄いことかの?」

「そりゃあ凄いですよ!!僕はあんなに早くコボルトを処理する事なんか出来ませんからね」

そう言いながらベルは儂が倒したコボルトの死体を漁る

 

「ん?何をしてるのじゃ?」

そしてベルが死体から手に入れたのは小さくかがやく紫紺の欠片だった

 

「魔石を取り出してるんですよ、モンスターの中には魔石があって、それを集めて稼ぐのが僕達冒険者なんですよ」

ベルが魔石を取ると取られたコボルトは頭からぼろりと崩れ、全身が灰となって消えた

 

 

「今のが魔石を取られたモンスターの末路です。魔石はモンスターの【核】で、これを基盤としてモンスター達は活動してるみたいです。」

「だが儂が斬った2匹は直ぐ灰となって消えたぞ」

「それは魔石ごと斬ったからですね、魔石が手に入らない代わりに直ぐに倒せるので危険な状態なら僕も狙いますよ」

なるほどのぅ、冒険者の資金源にもなる上にモンスターの弱点になるのか

となると身体を斬るより首を斬った方が良いのかもしれんな

 

「よし、全部取り終わりましたよ」

「すまんな、ベルよ。今度儂も練習してみるとしよう」

「なら後で教えますよ。それでですね、一心さん。今回5階層まで行ってみたいんですよ」

5階層までか?じゃが・・・

 

「今日は4階層までと言わんかったか?」

「そのつもりだったんですけど、僕は今までソロで潜ってたので2人に増えた今なら少しだけ下に行っても大丈夫かな〜って。どうでしょうか」

「儂は別に構わんが・・・」

何故か胸騒ぎがした一心は少し躊躇ったが

 

「なら行きましょう!!そろそろ他の冒険者の方もやってくると思うので!」

「おい、待つのじゃベルよ!」

意気揚々と下に向かっていくベルを追いかける事にした

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2階、3階、4階層と特に危険なことがなく突破できた2人は5階層へと足を進めた

 

「やっぱり一心さん強いですね。同じLv1とは思えませんよ」

「儂は昔から剣を使っていたからの、そこら辺のモンスターに遅れをとることはせんわ」

「そうなんですか、だったら強いはずですよ」

話しながら歩いていたがふと一心が止まる

 

「一心さん?」

疑問に思ったベルが一心に声をかけると

 

「ベルよ、モンスターが見当たらないのじゃが」

そう一心が答えた

確かに一心の言う通り本来ならモンスターがいるはずのフロアに一体も現れていない

 

「おかしいですね、数が少ないのはあるんですけど・・・。遠くから見た感じ他の冒険者が戦った形跡もないですし」

「真ん中から確認したいのじゃがよいか?」

「分かりました」

ベルに確認を取って少しずつ前へ進んでいく

フロアの中央にたどり着いて近くから見ても、モンスターと冒険者が戦った痕跡がなく血の一滴すら地面に落ちていない

極め付きはモンスターの気配すら感じない。まるでここのモンスター達が「何か」に恐れ身を隠してるかのようにも思えてきた。

(流石にここまで不気味だと攻略する気にもなれんの・・・)

 

「ベルよここは一旦ダンジョンから・・・ベル?」

ダンジョンから抜けようと提案するため後ろを向くと何やらベルが怯えていた

「あ・・・あっ・・・」

「おい、ベルよ何があった」

ベルの身体を揺さぶり声をかけるが目を合わせずかすれ声を出すばかり・・・目を合わせず?

ベルはさっきから一心の後ろを見てばかりである

(先ほどからベルはどこを見ておるんじゃ?)

気になった一心はふと後ろを向くと・・・

 

そこにいたのは一心よりも大きな体格で牛の頭を持ったモンスター【ミノタウロス】であった

 

『フゥー、フゥー………!!』

息を荒げながらこちらに近づいてくるミノタウロス

本来なら12階層以降に出るはずのモンスターが5階層にいることに驚きを隠せないでいた

(ベルが言うにはこのようなことは【異常事態】というらしいが、流石にここまでは予想できる奴はおらんわい)

 

「ベルよ、立てるか?」

問いかけるとベルは首を横に振る。どうやら腰を抜かしてしまったらしい

「ならばそこで待っておれ、儂がこやつを何とかしよう」

「無理ですよ一心さん!ミノタウロスはLv2にカテゴライズされるモンスターです!僕達Lv1では敵いっこないですよ!」

確かにベルの言う通り二人ともLv1、一心に至っては昨日恩恵を授かったばかりなのだ

それでも戦おうと前に進む一心の横顔を見てベルは絶句した。笑っていた・・・。この死地を前にして一心は怯えるでも不幸に怒るのではなくただ・・笑っていた。

(どうして・・・笑えるんですか)

それを見たベルは何も言えずに一心を見送ることしか出来なかった

 

 

一心はミノタウロスにあと数歩で届く距離で止まる

「さて、ミノタウロスとやらよ。儂は葦名一心・・・といっても言葉は分らぬか、ならば」

――――参れ、牛人よ―――――

そう言うが如く一心は【開門】を抜き、構えた

 

「ヴオォォォォォォ!!」

叫び声をあげながらミノタウロスは右手に持った天然武器【ネイチャーウェポン】の大斧を一心目掛け振り下ろす。それを一心は刀で弾き、右に受け流す。何とか身体の軸を保ったミノタウロスは今度は一心の右手側から横に真っ二つにしようとするがこれも左に弾かれ受け流される

 

「ほれ、どうした。儂を叩き潰すつもりではないのか?」

『~~~~~~~~ッ!!!』

一心の言葉を理解したのかミノタウロスは声にもならない叫び声をあげながら大斧を振り回し、それを一心は弾く

振り下ろす、弾く。薙ぎ払う、弾く。殴る、弾く。死闘が繰り広げている5階層では金属音とミノタウロスの叫び声しか響かない

その光景に―――格上と互角に渡り合う一心に―――ベルは目を奪われていた

 

(けど一心さん、なんで攻撃をしないんだろう・・・)

ベルの思う通り、一心はミノタウロスの攻撃を弾くばかりで攻撃をしていなかった。ベルのようなまだ確立した戦闘技術を持っていない人からはひたすらミノタウロスの攻撃を防ぐのに精一杯にしか見えない。だが見る人からすればそれは生死の狭間でしか繰り出すことができない[攻撃]である。

そして一心は機会をうかがっていた、己の一撃を与えれる隙を

(ここじゃ!)

一心はミノタウロスが繰り出した振り下ろしを力強く左上に弾く。するとミノタウロスの腕が大きく上がり無防備に脇がさらけ出された

そこに狙いを定め突きを放つ

『グフゥ!?』

脇という弱点に放たれた突きは強靭な肉体を持ったミノタウロスといえど無視できる傷ではなくその場に蹲ってしまう

 

「まだ終わらんぞ!!」

致命傷まで至らなかったと理解した一心はそのままミノタウロスの後ろに回り――納刀する

葦名流奥義、それを使うため

ハアァと息を吐き斬ることのみに意識を置く

そしてミノタウロスの身体がこちらを向き目があった瞬間

「せい!!」

大きく息を吸い一心は駆けた

 

 

 

ミノタウロスは目を疑った

自身に傷を与えた人間を殺す為、立ち上がり一心を見た瞬間そいつが目の前に現れた

先程まで遠くにいた人間が目の前にいる

その事実を疑いながらも叩き潰そうとしたミノタウロスは

自身の視界が左右に分かれ、身体が崩れていくのを感じた

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

斬ったミノタウロスは四等分となって崩れ落ちる

それを見た一心は剣をしまう

「葦名十文字・・・まだまだかの」

勘で魔石を狙ったが少し斜めに斬らさったため魔石には届かなかった

(この技だけはエマに負けておるからの、精進せねばな。じゃが隻狼、お主の技・・・盗んだぞ)

弾きとは自身の防御に加え相手への一撃必殺を狙える攻撃。それはかつて剣聖と謳われた一心を破った、隻腕の狼の技。

それを一心は見事飲み込んだ

(さて、魔石を取りベルの元に向かうとするか)

そう思いミノタウロスの死骸から魔石を取ろうと手を伸ばしかけた瞬間

 

「うわああああああああああああああああああ!!」

ベルの声が響いた

 

「ベル!?」

驚きベルの方向を見るとそこにはミノタウロスがいた

まさかの二体目に一心は焦る

(二体目とは聞いておらんぞ!)

ベルに振りかぶった蹄が当たろうとする瞬間

一心よりも速い風が吹きミノタウロスの身体に線が走った

 

「え?」

『ヴォ?』

聞こえてきたのはベルとミノタウロスの間抜けな声

走った線はミノタウロスの胴体に度止まらず身体のあらゆるところに刻み込まれる

 

『~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!?』

悲鳴にならないような声をあげながらミノタウロスは肉塊となり血しぶき、赤黒い液体を噴出した

大量の血のシャワーを浴びたベルは茫然と時を止める

 

 

「・・・大丈夫ですか?」

現れたのは少女であった

蒼色の軽装に包まれた細身の身体、そして――金眼金髪――

これだけでベルは助けてくれた人が何者か分かった

そして心臓が爆発し砕け散りそうになった

【ロキ・ファミリア】に所属する第一級冒険者

ヒューマン、いや異種族間の女性の中でも最強と謳われるLv5

【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン

 

「あの・・・大丈夫ですか?」

そんなことは知らず声をかけるアイズ

だがベルはそれに答えられる状況ではない

 

「だ・・・」

「だ?」

疑問に思ったアイズを置いてベルは立ち上がり

次の瞬間

 

「だあああああああああああああああああああああああああ!!」

ベルは全速力でアイズから逃げるため上層へと走った

 

「「・・・・・・・」」

その様子をアイズと一心は黙ってみるしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                  「黒の不死斬り」

オラリオで目覚めた一心の手元にあった刀

隻狼が持っていた赤の不死斬りに対をなす

墨で塗りつぶされたような黒鞘に蓮の花を象った鍔、刀身は漆黒の瘴気を纏う両刃造りの刀

真の名は【開門】

竜胤の血と不死の者の肉体を供物として黄泉の門を開き、振るうものが望んだ死者を全盛期の姿、そして不死として現世に呼び戻す

だがその力もオラリオでは振るえない

竜胤の血など何処にも、葦名にもないのだから

 

 

 

                 「奥義・葦名十文字」

納刀の構えから高速の居合を繰り出す流派技

 

構えを維持すれば、機を伺って迎撃できる

 

形代を消費して、使用する

 

疾く斬ることを一意に極めた

 

葦名流の奥義である

 

儂の十文字は、牛人をも斬り殺す

 

剣聖・葦名一心は、そう嘯いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アンケート回答ありがとうございます!
戦闘描写すら表現できないの辛い
気づいたらもうUA10000にお気に入り登録200越え・・・(ヒェェ)
誤字報告もありがとうございます!
少しずつ文章構成上達できるよう頑張っていきます

一心様は不死がいいか

  • 不死がいい
  • 不死じゃない方がいい
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