GATE 地球連邦軍 彼の地で 斯く戦えり   作:急行根府川(青い鳥)

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なんで日曜投稿しなかったの→し忘れた
埋め合わせはしますから許して…

追記
タイトルが話の内容に合ってないという指摘を受けたため、変更しました。


第7話 薄茶色の軌跡

03部隊があっちこっちしていた間、皇帝の娘、ピニャ・コ・ラーダは、アルヌスの丘へと向かうため、自らが隊長を務める薔薇騎士団を後方に残して少数での移動を行っていた。この時既に03部隊は炎竜を撃退した後で、いま彼女らがいる街にもそのコダ村から来た人々が来ており、炎竜の話題でもちきりだった。

 

『騎士ノーマ。どう思われますか?』

 

宮殿では侍従武官の地位を持つ女性準騎士、ハミルトン・ウノ・ローが、この場所で聞いた噂話を先輩たる同僚に論評を求めた。

この場所は酒場である。小汚く、狭く、そしてうるさい。そんな中端っこにギュウギュウに詰まってる状態で話している状態だ。

ノーマという名の騎士は忌々しそうに苦い顔をした。

普段なら宮殿で貴族の令夫人や令嬢を相手に高級な料理を口にしている身であるが、いま食べているのはと乾いた料理と濁った葡萄酒である。本来皇女殿下の騎士団は宮廷の飾り物であり、実戦とは程遠い軍隊だったはずである。任務だとしても侍従武官である自分がこんな扱いなのはふさわしくないと感じているのだ。

いくら皇帝閣下直々の命令ならばアルヌス方面の偵察というのは仕方がないだろうが、あろうことか皇女殿下は全軍で向かおうとはせず、少数での偵察としたのだ。少人数で皇女殿下を守らなければならないのも辛いが、1番辛いのは身分を隠して行くことにある。つまりそこまでお金は持参できないし、服もはっきりいって粗末とも言える。ノーマはその事にため息をついて、酒の追加を注文し、無邪気な顔をして返答を待つハミルトンに応えてやることにした。

 

『……これだけ多くの避難民が言うならば、嘘ではないだろう。全員で口裏を合わせるのも難しいだろうからな…だが、炎竜という点に対してはいくらなんでも信じられんな。』

 

『わたしは、みんなが口を揃えて言うなら信じてもいいような気になってきてますね。』

 

そこにコダ村から来たという女給がワインをドン!と置いて『ホントさ、騎士さん達。炎竜だったんだよ〜』という。

ノーマは「はははは。私は騙されないぞ」と軽く応じる。特地では一概にドラゴンと言っても、古代竜や新生竜、無肢竜、翼竜などと複数のことを総称する。なのでノーマ的にはどこかで違う種類のドラゴンに脚色が着いたのだろうと思っているのだ。

この反応には、女給もムッとしたようだが、

ハミルトンが「まぁまぁ、気を悪くしないでよ。私は信じるからさ?良かったら話を聞かせてくれない?」と破格の額のチップを渡す。

これには女給も機嫌を治して

『ありがとう、若い騎士さん。これだけして貰ったんだ、取っておきの話をしなきゃ行けないね。』

といい、話を始めた。まずはコダ村付近に炎竜が出たと言う話が来た時の話、次に旅の道中の話をする。

『どんな時でも助けてくれた人達がいたのさ。それが薄茶色の服を着た連中でね、全部で15人。女が3人いたね。』

女給の声は酒場の全体に響いていた。いつの間にか酒場は静まり返っていた。今話した事柄は今回が初めてだからみな聞き入っていたのだ。

『で、女はどんな姿だった?』

ノーマの問いに女給は鼻を鳴らした。

『男っていうのはみんなそれだねぇ。まぁ、いいわ、1人は背が高かったねぇ、日中は兜を被っているからよく見えないんだけどさぁ、ある日の夜にチラと見えたよ。馬のしっぽみたいに束ねた髪を解いた時、あたいは女ながら見惚れたねぇ、月の光で艶の入った黒髪が光るんだよ、それがとっても綺麗でさ、どうしたらあんな色艶になるか、話が出来たら聞いて見たかったもんよ、体つきもほっそりとしていてねぇ異国風の美女とはああいうのを言うんだろうね。』

女の描写に男たちは盛り上がる。

『ほう、2人目は?』

『ありゃあ、猫みたいな女だったね。小柄でさ、髪は男みたいに短くしていた。元気な娘で面倒見が良くて子供たちが懐いてたよ。あと腕っ節がすごくて男連中は結構怖がってたよ。うちの旦那が喧嘩をおっぱじめた時なんて目にも止まらぬ速さで相手を含めて2人をあっという間にダウンさせたからねぇ、大の大人2人をだよ…!」

それを聞いた男どもは一気に興味を無くす。筋肉女など彼らにとっては需要がないのだ。

「体つきが凄かったね。小柄なんだけども牛のように胸が突き出ててね。あたいははっきり言って嫉妬したよ。そのくせに腰は細く引き締まっているのが許せないね。顔は綺麗と言うよりかは可愛いかんじでさ。』

胸という言葉に反応して来た男たちに対して女給は舌打ちをする。

『さ、最後の女は?』

『三人目はねぇ、むしろ顔的には帝国を探せば居そうな感じだったねぇ、でも雪のような白さを持った肌でさあ、それに金色の髪が合わさってまるでエルフみたいだったねぇ。体型はバランス良かったよ。それにさ、彼女、騎士達の言う鎧纏いし巨人(アーマード・オーガー)を扱ってたのさ。』

驚きの声が上がる。女が巨人(オーガー)を操るなんてここでは聞いたことも見たこともない人しかいないからだ。

鎧纏いし巨人(アーマード・オーガー)…そいつはどんなものだったんだ?』

『そうだねぇ。あ、ウチの子がこんなことを言っていたねぇ。「薄茶の人は、これは大きな鎧の様なもの」って。それにね、あたい見ちゃったんだよ。巨人の鎧が外れて、なかから人間が出てきたところをさ…!』

 

その頃、ある高貴な身分を持つものが修道院に収容されているという話を聞いていたピニャは最低限の護衛2人を連れてその修道院へと向かい1人だけで修道院の中へ案内された。そこに居たのはエルベ藩王国の王、デュランであった。

『見ての通りの有様じゃ…3度目の総攻撃でな、麾下の兵と共に丘の中腹までは何とか進んだのだが、敵が置いたであろう鉄の茨に道を阻まれてな、それに難儀している中に巨人(オーガー)どもが手から光の矢を一瞬でたくさん出したのじゃ…そしてあっという間に吹き飛ばされた。』

 

『デュラン閣下、早速帝国に知らせを走らせ…』

 

『姫、申し訳ないが帝国の世話にはなろうとは思わぬ。第一、もうそんなには長くは持つまい。』

 

『なぜ…私ならば何とかすることができます。』

 

『姫…儂はな、ずっと考えていたんじゃ、なぜ皇帝は連合諸王国軍をこの戦いに集めたのかを。やっとわかったのじゃ、皇帝はわしらを罠にはめたのじゃよ。わしらの力を弱くするために、わしらの始末を敵に押し付けたのだ。』

 

デュランの声には怒りが込められていた。もはや死ぬ身なのだから言いたいことは言わせてもらう。そんな気持ちが込められているようだった。

 

『姫、知らなかったとは言わせませぬぞ。姫も帝国の皇女、帝国軍がアルヌスの敵と戦いどうなったのかを…』

 

『はい。存じ上げてはおりますが…しかし、しかしです。どんな敵が待ち受けているかも知らせずに諸侯をアルヌスに差し向けたなど、全く存じませんでした…』

 

『行かれよ姫。儂らはこの大陸を守るために最後まで戦い抜きました。だが、儂らの敵はすぐ背後におった。帝国こそ我らの敵だったのだ。もう一度言う。さあ、行かれよ姫。』

 

『陛下。最早お怒りをお鎮め下さいとは申しませぬ。しかし、せめて教えてください。敵は何者なのかを』

 

『教えてやらぬ、儂らはそれを知るために我が身を犠牲にした。知りたいのならば姫自らアルヌスへ向かうが良い。そなた達の血肉を対価とすれば敵も教えてくれるやもしれぬ。』

 

ピニャは必死だった。色々な話を聞くに、その巨人(オーガー)はあまりにも強大であり、そして多いのだ。もしもそれらが一斉に移動を始めたら瞬く間に帝都は敵の手に落ちてしまう、そんな予感がしたのだ。

しかし、脅したとしてもデュランの口は開かなかった。どんな力や権力を持ってしてでも心の壁を崩す言葉を難しい。できたとしてもそれと同時に相手の心を壊すことになるのだ。ピニャはデュランから情報を得るのは諦めた。

修道院を出ると近くの街で待っていてもらったハミルトンやノーマ達も入口にいた。

『どうだ?そっちは何か情報は?』

 

ハミルトンにアルヌスの情報がないかどうか聞く。

『大体は炎竜を、巨人(オーガー)と鉄の逸物なるものが撃退したということぐらいですね…』

 

『なるほどな…』

 

『姫様…頼みますから騎士団でアルヌスに突撃だするなんて言い出さないでくださいよ?』

 

『ハミルトン…お前、妾を馬鹿にしているのか?』

『い、いや、違いますよ。しかし今にも「妾に続け!」とか言って走り出しそうな雰囲気でしたから』

 

ピニャはむしろ帝都に駆け出したいと思った。極度の緊張が続いたためか、関係ないことしか考えられない

 

『ま、まあいい。突撃するかは別にして、まずはアルヌスへ行かねばなるまい。敵をこの目で見なければならぬからな。』

 

『あ〜姫。こんな人数で大丈夫ですか?』

 

『大丈夫じゃない。だからお前ら守ってくれよな』

ピニャはそんなことを言いつつ修道院を後にしアルヌスへ向かう。

彼女らは森の中にある開けた道を進む。

 

----???地点???----

 

「ほう、連邦が特地なるものを発見したか…」

 

「はい閣下。そこにはたくさんの鉱物資源並びに食料があるとも。」

 

「それは厄介であるな。確か日本地域にも残党勢力がいたはずだ。彼らに連絡を取れ。」

 

「了解しました。直ちに連絡を試みます。」

 

「閣下、やっと、やっと連邦に一矢報いる時が来たのですか!」

 

「いや、まだだ、まだその時ではないぞ…………今は機を待つのだ。さすれば必ず、その時が来る。」

 




次回予告
03部隊はイタリカの町の手前まで来ていた。しかし、イタリカは想像とは違った場所であった。そこで皇帝の娘、ピニャ・コ・ラーダと出会うことになる。そしてイタミ達はイタリカの防衛に参加することになるが…次回!GATE 地球連邦軍 彼の地にて、斯く戦えり 「イタリカ攻防戦 前編」 君は彼の地で何を見るか?

フォルマル伯爵家はアニメ版でザビ家みたいな姿になってたわね…はっ!
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