GATE 地球連邦軍 彼の地で 斯く戦えり   作:急行根府川(青い鳥)

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こんばんは、本日も更新でございます。今回のオマケみたいなものはMS組のMSでございます。これもある程度進んだ時に別個出す予定です。


第3話 賢者の弟子

「よし、こっちの準備は出来た!上げてくれ!」

 

「あいよ!」

 

イタミの言葉にケリーが威勢よく返事をし、彼のジムキャノンのバックパックに着いた巻き取り機が牽引ロープを巻き取り始める。

 

「いやー、備えあれば憂いなしですな!」

 

「そうだなぁ、もし人力だったら何十分もかかってただろうし」

 

「それにしても、エルフっすよ中尉」

 

「エルフだな〜」

 

「くぅーっ!希望が湧いてきましたなぁ!」

 

「まさにファンタジーって感じだなぁ」

 

オタク小隊がオタ話で盛り上がっていた時、女性官の3人は濡れた服を脱がせてブランケットに包んであげたり、手当をしていた。

 

イタミは彼女のことを気にかけつつも、近づいたらクリバヤシに鉄拳制裁されるため、あまり不用意な事は出来ないでいた。

 

「お、ササガワ、どんな感じだった?」

 

「タカモトさんが言ったようにまるで噴火後のポンペイのような惨状です。」

 

ササガワはそう言ってカメラで撮った画像を見せる。ササガワの趣味は写真で、03部隊では記録係を押し付けられている。

 

「なるほどなぁ…いやぁ、なんか大変なことに巻き込まれた気がするなぁ」

 

「同感です」

 

しばらく話していると看護師資格を持つ黒川軍曹がやってきた。スレンダー且つ高身長なため170cm程度のイタミでは見上げる体勢となる。

 

「とりあえず体温が回復して参りましたわ。漫画みたいなおでこのコブも時期に消えるでしょう。さて、この後はどうしましょう?いつまでもここにいる訳にも行かないですし、彼女を置いてくのもどうかとは思います。」

 

「まー、ここの集落はもうダメだし、保護してとりあえずお持ち帰りしましょ」

 

「中尉ならばそう言ってくださると思っていましたわ。」

 

本来の予定ならば、このあとも2、3箇所集落を巡る予定であったが、炎竜や、彼女のことを本部に連絡すると

「ならその炎竜というのの話も聞きたいし、今日はここまででいいよ」

的な返事が来たのでイタミ達は一路基地へ戻ることになったのである。

 

「ドラゴンが来たら嫌だなぁ」

 

「言うなって、ホントになったらどうするんよ」

 

「まー、心配無用っすよ、僕のスナカスのビームライフルで蜂の巣にしてやりますから」

 

「うーん、軽いノリで大丈夫なのかぁ?それ…」

 

「んー、まあ勘が鋭いのが僕なので、来たらなにか感じますって。」

 

「まあNTってやつはそんなもんらしいしな」

 

「中尉、エルフの標準血圧ってどのぐらいでしょう?脈拍数とかは?」

 

「わかんないなぁ、エルフとかが出るゲームやら漫画とかだと人体?…エルフ体?の情報なんてどれもテキトーだったりするからねぇ」

 

「…とりあえず、呼吸は落ち着いてますし血圧や脈拍数、体温とも安定。不自然に汗をかくこともないですし…でもこれは人間の場合という訳ですから…」

 

「うーん、やっぱ現地の人に聞くしかないのかなぁ」

 

昨日通った道を同じ時間かけてコダ村へ戻り、その事を村長へと報告をする。

 

『わたしたち、森に行く、大きな鳥、いた。森焼けた。村焼けた。』

 

片言な現地語を話しながらイタミはドラゴンの絵を描く。割と上手だ。

 

『こ、これは古代竜じゃ…!それも炎竜じゃよ…!』

 

『ドラゴン、火、出す。人、沢山、焼けた』

 

『人ではなく、エルフであろう、あそこに住んでいたのはエルフじゃよ』

 

どんどん辞書へ知らない単語が増えてゆく。

話によると、エルフは昔からあの森に住んでいて、多少の交流はあったとの事、そして、人やエルフの味をしめた炎竜は人を襲い、喰らうらしい。

 

『わかった、よく教えてくれた。』

 

『あと、一人、女の子、助けた。』

 

『おおお…、痛ましいことじゃな、この娘1人を残して全滅とはのぅ…』

 

『はい…』

 

『さて、支度をしなければならぬな』

 

『どうして、ですか?』

 

『どうしてって…わしらは今からこの村から逃げ出さなければならぬ」

 

『村、捨てる?』

 

『逃げ出すのじゃよ。炎竜に襲われぬうちにのぅ、本当によく教えてくれた、お主らには感謝するぞ。』

 

村長との話が終わる。村長は村のみんなに伝えに行ったようだ。

 

「村を捨てるのかぁ」

 

「北海道の山奥でもそういうのありますよ、熊ですけど。人間の食料の味を覚えた熊は人を襲いますからね…ある老人から聞いた話があるんですけど。」

 

「…それで?」

 

「大昔にそういう事態が起こって集落ひとつが消えたとか…」

 

「うわぁ…熊ですら小型のエレカぐらいはあるからなぁ、それが装甲車サイズ以上になるならたまったもんじゃないなぁ…」

 

しばらくすると各所からたくさんの馬車が集まってきて列をなす。その列の中に、また1台、馬と馬車が合流してくる。

 

『いやー、本当に不思議じゃ、炎竜は約50年先に目覚めるはずじゃったのに…』

 

『これはこれは、カトー先生。レレイも、今回は大変なことになりましたなあ、実は荷物の積みすぎで車軸のへし折れた馬車が道を塞いでるのですよ。みんなで片付けてますがまだまだ時間はかかりそうです。』

 

カトーという老齢の男性の隣に座っていたブロンドヘアーの少女…レレイは後ろからなにやら謎の言語を話す薄茶の服を着た人たち、そしてその後ろにいる巨人について興味を引かれた。

 

「避難の支援も一応は管轄内だろ?とにかく事故を起こした荷車をどけるぞ、イタミ隊長は村長から出動の要請を引き出してくれ、トヅは後続にこの先の渋滞を知らせて他の道で聞くように説明しろ!言葉ァ?身振り手振りで何とかしろ!クロカワは事故現場でけが人がでてないか調べてくれ!」

 

クワバラの声が森へも響く、そして全員がテキパキと動き始める、さすがは鬼軍曹と言われた男と言うべきか。

その的確な支持で動く薄茶の服の人達を見てレレイはさらに興味を引かれる。

 

『師匠、様子を見てくる』

 

と師匠であるカトーに伝え、彼女は馬車を降りた。自分達の馬車の15台先にその問題の馬車があった。車軸が折れ馬車が横転している。驚いた馬が暴れたらしく、周りには散乱した荷物、倒れている男性、そして母子の姿があった。馬は泡を吹きながらもまだ起き上がろうとしてじたばたしている。そのためほかの住人たちは近づくことが出来ないようだ。

 

『君、危ない、さがって?』

 

薄茶の人達が片言に話す。どうやら助けようとしてくれるようだ。

 

『まだ生きている。でも…』

 

『レレイ!何をしている?何があった!?』

 

振り返ると村長だった。そして何人か新しい薄茶の人もいる。事故の知らせを聞いて駆けつけてきたのだろう。

 

『村長。事故。多分荷物の積みすぎと荷車の老朽化。子供が危険、母親と父親は多分大丈夫だと思われる。馬はもう助からない。』

 

『カ、カトー先生は?』

 

『後ろの馬車で焦れてる。私は様子を見に来た。』

 

黒い髪で長身の女性が子供を見ている。彼女は医学の知識があるような行動をしている。それならばもう大丈夫だろう。

 

「あ、危ないっ!」

 

その方向を見ると薄茶の人が違う場所を指さしていた。その最多方向を見ると、知らないうちに立ち上がり暴れていた馬が倒れてきてた…避けられない…!

 

「おらあっ!」

 

…誰がが私を庇って弾いてくれた。わたしは尻もちを着いてしまう。その人は30代前後の薄茶の男性だった、彼もどうやら潰されずには済んだらしい。

 

そして

 

バンバン!!

 

という破裂音とともに馬の眉間からは血飛沫が吹き出す。そして直ぐに馬は動かなくなった。

私はその出処を見つめる、1人の薄茶の人がそれを鳴らしたらしい。彼は…どこか悲しい顔をしていた。




次回予告
疎開者と共に進む03部隊は道中、謎の漆黒の少女と出会う。彼女の目的は何なのか?そして荒野を進む彼らの前に彼奴が姿を現すのであった。次回!GATE 地球連邦軍 彼の地にて、斯く戦えり 「炎竜、強襲」
君は彼の地で何を見るか?


MS紹介

・ジム・スナイパーカスタム
ゴロウ・タカモト機。ア・バオア・クー攻略戦以降ずっと使い続けている機体。しかし、攻略戦時の敵エースの攻撃で右脚部が損失、左脚部も半壊状態だった為、その後装甲強化形型ジムの試作型の補修パーツが修復用に使われ、不安定ながらもホバー移動が可能となっている。
・ジム・コマンド(カスタム機)
ソフィア・アルギニナ機。ア・バオア・クー攻略戦頃に受領、宇宙戦仕様である。。特地派遣に伴い、バックパックなどを地上特化型タイプへと変更等されている。
・ジム・キャノン(両肩部キャノンタイプ)
モリス・ケリー機。本体はア・バオア・クー攻略戦での受領だが、改造は以降となっている。ジムキャノンであるが両肩部キャノンにするために胸部はパワードジムタイプのものである。バックパックに牽引用の巻き取り機とロープがつけられている。3人ともある人物からの根回しにより、ある程度いい武装が手に入っている。

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