食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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今回は、掲示板とスタッフのお話ですー。



ゲーム外の人たち

とある掲示板。

 

以前ランチの目撃情報があったスレッドでは、

通常考えられないような行動をしている、

一人のプレイヤーが話題になっていた。

 

【NWO】ヤバい大盾使い見つけた

 

名前:名無しの斧使い

何か西の森で数十匹のモンスターに囲まれて佇んでた

 

名前:名無しの槍使い

いや、ふつう死ぬだろ

 

名前:名無しの大盾使い

俺、そいつ知ってるわ

 

 

そのプレイヤーこそ、楓こと「メイプル」だったりするが、

住人たちに知る由もない。

 

そんなところに他の住人が遅れてやってきた。

 

 

名前:名無しの剣使い

やぁ。

ヤバいの見たぞ

 

名前:名無しの弓使い

俺もだ

 

名前:名無しの斧使い

今ちょうど話してたところだ、西の森だろ?

 

名前:名無しの剣使い

いや、違うぞ。南の森の方だ。

 

名前:名無しの弓使い

俺が見たのも南の森だな。というか、西の森でもなんかあったのか?

 

名前:名無しの斧使い

数十匹のモンスターに囲まれて佇んでたやつがいた。

 

名前:名無しの剣使い

マジか。そいつもヤバいな…。

 

名前:名無しの斧使い

そっちは何があったん?

 

名前:名無しの剣使い

だいまじん があらわれた

 

名前:名無しの斧使い

は?

 

名前:名無しの大盾使い

は?

 

名前:名無しの槍使い

は?

 

名前:名無しの弓使い

あーうん、確かに大魔神だな。

 

名前:名無しの槍使い

一体何を見た?

 

名前:名無しの剣使い

さっとまとめるわ。

 

名前:名無しの弓使い

かいつまんで言うと、超巨大な女の子が出現して消えた。

 

名前:名無しの斧使い

なるほど分からん

 

 

名前:名無しの剣使い

行くぞ。

 

その日、俺は北の森でレベリングしてたんだ。

すると、突然周りが白い霧に覆われて、何も見えなくなった。

 

暫くすると、周りのあちこちで何か光が見えた。

そして、霧が晴れた。

 

目の前にいたのは、数十mはあろうかという女の子だった。

服装は白で統一されてて、パティシエみたいな恰好だった。

手にはボウルと泡だて器持ってた。

 

女の子はボウルの中に泡だて器を入れて混ぜ始めた。

途端に、ボウルから凄まじい量のダメージエフェクトが出た。

 

見上げてたからあまりよく分からんかったが、女の子と同じ

サイズ感のボウルから大量あふれ出てるんだから相当だと思う。

 

しばらくすると泡だて器が止まった。

そして、次の瞬間女の子は消えていた。

 

 

名前:名無しの弓使い

こっちも見たことまとめたわ。

 

自分は森から少し離れた草原で、アイテム集めしてた。

唐突に森と草原の一部が白いドーム状のもので覆われた。

 

んで、すぐそばにあったドームの端を見ると、中に何匹かモンスターが居たんだ。

それが、突然光を発して消えて、巨大な女の子が現れた。

 

女の子の持っているボウルの中も同じく光ってるようだった。

最初はもじもじしてて可愛かった。…まあ大きいけど。

 

そっからは同じかな。女の子が泡だて器でボウルの中をかき混ぜると、

とんでもない量のダメージエフェクトが散っていた。

遠めだったが、あれは数十なんて規模じゃないと思う。

 

そして、ダメージエフェクトが無くなったら女の子も消えてた。

 

 

名前:名無しの斧使い

謎すぎる…。

 

名前:名無しの槍使い

意味が分からん。

 

名前:名無しの大盾使い

多分、消えたと思われるモンスターはボウルの中に居たんだろうな。

 

名前:名無しの斧使い

何かのスキルで集めたってことか?霧もエフェクトか?

 

名前:名無しの槍使い

そんなスキル初耳だがな…。少なくとも巨大化した事例は聞いたことない。

 

名前:名無しの弓使い

というか、パティシエの装備なんてどうやって手に入れたんだ?

 

名前:名無しの斧使い

生産職に作ってもらったとか

 

名前:名無しの大盾使い

わざわざパティシエの装備をか?

 

名前:名無しの弓使い

…うーん。というか、傍目だったけど、あれ既製品的な雰囲気じゃなかったんだよな。

 

名前:名無しの斧使い

噂の「ユニークシリーズ」なのか?…パティシエ+ボウル+泡だて器が?

 

名前:名無しの剣使い

分からん…。ただ、あのスキルはそこら辺でゲットできるもんじゃないぞ。

 

名前:名無しの斧使い

まあ、大魔神だからなぁ…。特殊な装備とかの効果って方がらしいか…。

 

名前:名無しの剣使い

…あのスキル、PvPとかだとどうなるんだろう?

 

名前:名無しの大盾使い

そういえば、最近告知された第1回イベントはPvPだったか。

 

名前:名無しの弓使い

…ヤバい気がする。見た感じ、問答無用で収集してたぞ。

なんか条件はあると思うんだが…。

 

名前:名無しの剣使い

皆食べられる…というか泡だて器で潰されるのか…?

 

名前:名無しの斧使い

西の森の子もあるし、第1回イベント、荒れそうだな…

 

 

 

掲示板での心配事は、そのままスタッフの心配事でもあった。

 

 

<スタッフルーム>

 

「ぎゃあああ!!」

 

「今度は何だ?!」

 

「こ、これを見ろ!」

 

悲鳴を上げた「青」は、スクリーンに映像を映す。

そこには、巨大化したランチが集めたモンスターを

泡だて器で料理の素に変えていく姿が映し出されていた。

 

プレイヤー視点と違い上空からの映像になっているため、ボウルの中も見えた。

麻痺にかかって動けない大量のモンスターたちが、泡だて器でかき回され、

ダメージエフェクトを散らしながら消えていく様がそこに映っていた。

 

「…………あかん」

 

「どうしてこうなった…」

 

スタッフのみんなが悟りを開いたかのような表情になってしまっている。

 

「直接的には、【食神の霧】【食材集合】というスキルの効果です。

【食神の霧】で相手を食材扱いにして、【食材集合】で集める…。」

 

「大きくなったのは、【相対成長】というスキルが原因です。

集めた食材の数に応じて一時的に大きくなるようです

…ちなみに大きくなる時はHPやMPも増加しています。」

 

真っ先に立ち直ったのは「黒」。さすがリーダーだけのことはある。

何かできることは無いか、確認を取る。

 

「対抗手段は?」

 

「【食神の霧】は5秒以上の接触が必要、プレイヤー次第ですが、散らして無効化もできるかと」

 

「【食材集合】はVITで抵抗できるようです。

 …ただ、使用されたHPの1/100のVITが必要なので、

 抵抗できるプレイヤーは限られます」

 

「なるほど…。ちなみに今回使用されたHPっていくらだ?」

 

「…10000です。」

 

「マジか…。じゃあ、VIT100以上で抵抗可能か…。厳しくないか?!」

 

「はい。しかも、現状ランチのHPは戦闘時30000以上あります…」

 

リーダーの「黒」が唸る。

例えば30000HPで発動されると、抵抗するVITは300必要になる。

300を超えるVITを持っているプレイヤーは現状いない。実質抵抗不可だ。

 

…そう考えている「黒」をよそに、この時点で「300を超えるVITをもつプレイヤー」

が誕生していたのだが、そこまでは把握しきれていなかった。

 

「…ちょっと対応考えた方が良いな…。」

 

「わかりました。ただ、第1回イベントには間に合わないかと」

 

「そうだな、第1回イベントはこのままいくしかない」

 

「荒れそうだな…」

 

「そですね…」

 

そして、そんなスタッフの予想を裏付けるような事態がひそかに進行していた。

 





ということで、掲示板もスタッフも大慌てな今日この頃。

メイプルも無事参戦。次回はメイプルも出てきますー。
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