食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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ランチさんスキルゲット。

そして何やら見覚えがあるプレイヤーと遭遇します。



美咲とお友達

 

ランチは、南の森から街へと向かっていた。

AGI 0 なのでのんびり歩いている。

(襲ってきたモンスターは食べられているが)

 

「そういえば、新しいスキルって何だろう?」

 

歩きがてら、先ほど取得したスキル説明を見てみる。

 

 

【生命循環(せいめいじゅんかん)】

  ものを食べると、HPとMPが5%回復する。

 

 消費

  なし

 

 取得条件

  Lv20になるまで、HPドレインもしくは食神のスキル以外でモンスターを倒していない。

 

 

「おー!食べると回復するのかな。うん、そうだよね。食べると回復するよねー」

 

「あ、これでHPとか消費して作って、食べて回復して~みたいなことができるのかな?」

 

これまたいっぱい食べれそうなスキルがゲット出来て喜ぶランチ。

ランチの場合は凶悪な効果を生むスキルだが、そのことに気が付くのは暫く後になる。

 

 

街に着いたランチはイズの工房へ向かっていた。

ユニーク装備のままだったが、巨大化してある意味吹っ切れたのかそのままの格好だった。

 

「コ、コックさん?」

 

「パティシエがなぜ森から…」

 

周りに注目されながら、イズの工房へ向かうランチ。

 

「お邪魔しまーす」

 

工房へ入ると、イズの他に二人のプレイヤーがいた。

二人がお辞儀してきたのでランチもお辞儀で返す。

すると、イズは顔を向けて挨拶してくる。

 

「いらっしゃい。あら、ランチちゃんだったわよね」

 

「何だか可愛い格好になったわね。似合ってるわよ」

 

「えへへ、ありがとうございます。あ、お取込み中でした?」

 

二人のプレイヤーに割り込むのは悪いので、聞いてみる。

 

「あ、そうね。クロムが大盾の少女を衝動的に連れてきたらしくて、通報しようとしてたのよ」

 

「待て待て待てい!さっきのは言葉の綾だって!」

 

「ふふ、冗談だって」

 

「勘弁してくれ…」

 

ほっとしたような表情をする男性プレイヤーだった。

クロムさんというらしい。

赤紫の装備に身を包んで、かなり強そうな雰囲気を出している。

 

もう一人は、短髪黒髪で、身長は150cm弱くらい。

装備は盾だけで、見た感じ始めたばかりに見えた。

 

そして、自分が知っている少女によく似ていた。

(なんか、楓みたいな子だな。…楓みたい…な?)

 

ランチが疑念を抱く中、イズとクロム、そして大盾の少女の会話が続く。

 

「それで、クロムの要件は何かしら」

 

「この子が、格好いい大盾が欲しいって言ってな」

 

「なるほどね。私はイズ、生産職を専門にしているわ」

 

「は、はい。私は、メイプルって言います!」

 

(メイプル…日本語に直したら「楓」…)

ランチの疑惑が深まる中、話が進んでいく。

 

結局、お金が足りないとのことで、

ダンジョン探索などのアドバイスをもらって終わりになった。

 

そして、クロムは、ランチの方に向き直って話し始めた。

 

「えーと。自分はクロムっていうんだ。大盾使いをやっている。よろしくな。えーと、君は…。」

 

「あ、私はランチっていいます。よろしくお願いします。」

 

「ランチちゃんか。よろしく。…んで、良ければちょっと聞きたいんだけどさ」

 

「はい?」

 

「先日に、なんか南の森で、巨大なパティシエっぽい女の子が出現したらしいんだけど…もしかして」

 

そんな話が出て恥ずかしそうにするランチ。

 

「…あ、はい。私です…。スキル使ったら大きくなっちゃって…。」

 

「そ、そうか。な、なかなか面白いスキルもあるんだな!うん!」

 

「うう、今度から気を付けよっと」

 

「答えてくれてありがとうな。」

 

気を取り直して、フレンド登録の様を見ながらメイプルについて

考えていると、メイプルから声がかかった。

 

「あ、あの!よかったら、フレンド登録しませんか!」

 

「ええ、いいわよ。あ、良ければランチちゃんもしない?」

 

「え、あ、はい。喜んで」

 

「クロムはフレンド登録終わってるの?」

 

「メイプルちゃんとは終わってるな。ランチちゃんとは初対面だから…」

 

「あ、そうですね。クロムさんもお願いします」

 

「いいのか?」

 

「はい。これからもよろしくお願いします」

 

お互いに自己紹介も終わり、フレンド登録する。

 

「これでOKっと」

 

「ありがとうございます!ダンジョンとか色々回ってみます!」

 

「頑張って。お金はどんどん溜まっていくから」

 

「じゃあ、イズさん、クロムさん。ありがとうございました。

ランチちゃんも、またねー」

 

「う、うん。またね」

 

メイプルが店を後にする。

メイプルのことが気になっているランチは、あいまいに返事をする。

 

「じゃあ、次はランチちゃんの番ね」

 

「はい。…すいません、イズさん、ちょっと待ってもらっていいですか?」

 

「ん?いいけど、何かあったの?」

 

「どうしても気になることが…。すいません、すぐ戻ってきます!」

 

「はーい」

 

イズに断って店を出る。すると、街の雑貨屋へ向かおうとしているメイプルがいた。

ランチは駆け寄ろうとしたがAGIの関係で歩くしかできないので、仕方なく大声で叫ぶ。

 

「メイプルさん!」

 

「ん?あれは、ランチちゃんだっけ?」

 

ランチの声に気が付いたメイプルが、止まってランチの方を見る。

 

「引き留めてごめんなさい。ちょっと聞いてもいいですか?」

 

「あ、うん。大丈夫だよ」

 

メイプルに追いついたランチは、そっと口寄せして聞いてみる。

 

(もしかして、楓だったりする?)

 

「えっ!?」

 

本名を言い当てられたメイプルが、ランチをまじまじと見る。

そこで、ランチの顔が自分の知り合いに似ていることに気が付いた。

 

「あ、そうか。この装備じゃわかりにくいよね」

 

ランチがユニーク装備からディフォルトの初心者装備に変更する。

すると、シェフハットに隠れていたストレートの黒髪が、

ランチの背中に覆いかぶさった。

鮮やかなストレートの黒髪、それは楓の親友、美咲の特徴の1つでもあった。

 

「あ!もしかして美咲!?」

 

(こ、声大きいって…。うん、そうだよ)

 

「ご、ごめん。でも、びっくりだよ。ランチちゃんが美咲だったなんて」

 

「私もびっくりだよ。姿と名前を聞いて、もしかして?とは思ったけど…」

 

「美咲もゲームやってたんだね」

 

「楓も。って、本名だとまずいって理沙が言ってた。ここだとメイプルって呼ぶね」

 

「あ、うん。私もランチって呼ぶね」

 

「メイプルもゲーム始めてたんだね。」

 

「うん。理沙に勧められて…。ランチの方こそ始めてたんだねー」

 

「ここだといっぱい食べられるからねー。初めてよかったよ」

 

「へー、そうなんだ。私始めたばっかりだから、色々聞かせて欲しいな」

 

「うん。ただ、今日はこの後イズさんに話聞こうと思ってて…」

 

「わかった。私もこの後ダンジョンにチャレンジしてみたいから、また今度ね」

 

「学校…だと、理沙が我慢してるから話しづらいか。また、ここで!」

 

「うん!またね!」

 

メイプルと別れたランチは、イズの工房へ戻った。

…その先でメイプルの装備が変貌を遂げるとは、ランチには知る由もなかった。

 

 





そんなわけでメイプルとランチがゲーム内で出会いましたー。
この後メイプルは毒竜を食べ尽くしたりします。

ランチはイズとお話へー。
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