食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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舞台は最初に訪れた森へー。

森の恵みを堪能しましょー。


美咲と森の恵み

「懐かしいねー。ここでヘンウェンさんと食べ比べしたなー」

 

南の森に着いたランチは、ぽてぽて歩いていた。

たまに出てくるモンスターは軒並み食べられていたが。

 

今の装備やスキルを手に入れるきっかけとなったイベントを思い出すランチ。

 

「今度、メイプルとサリーも一緒に連れていきたいな」

 

「さて、じゃあやってみよう!あ、まずはモンスター見つけないと…」

 

森の中央付近まで移動したランチは、暫くモンスターを探してウロウロしている。

すると、すでに何度会ったかわからない角兎が出てきた。

 

「あ、出てきた。じゃあ早速いただきまーす」

 

突進してくる角兎を掴んで、角の部分だけ食べる。

そしてそのまま兎を地面に降ろした。

 

「よし、HP上がったままになってるね。じゃあ【食材集合】!消費HPは…30000!」

 

武器を封印されても健気に突進してくる白兎を無視しつつ、スキルを使う。

いつもと違うのは、【食神の霧】を発動させていないことだった。

 

しかし、ランチの体はどんどん大きくなっていった。

そして、森をもはるか超える大きさまで成長していた。

 

「は!?な、何アレ!?巨人!?」

 

「あ、あれランチだよ。なんか大きくなれるんだって」

 

「む、無茶苦茶だね…」

 

ちなみにメイプルと移動していたサリーは、

その巨大な姿を目撃してびっくりしていた。

 

…とともに、自分の親友二人がどちらも変な感じに

仕上がっていっていることに内心で頭を抱えていた。

 

(…うん。私がしっかりしよう)

 

そんなことはつゆ知らないランチは次のことを進めていた。

 

「うーん…。ここまで大きくなるのはちょっと恥ずかしいね…」

 

巨大なランチがモジモジする。

NWO内で【大魔神】と呼ばれていて、ひそかに人気を博していたりする。

ただ、第1回イベントでその悪夢のような攻撃方法が判明したことから、

最近は畏怖の念も集めつつあった。

 

「で、でもやっぱり思った通り!森の中には普通に食材があるんだね!」

 

ボウルの中には、アイテムとして収集可能な草花や木の実、果物が入っていた。

回復アイテムなどの素材だが、単体でも食べられるため、食材とみなされ、

【食材集合】に反応したのだった。

 

「これってそのままゲットできるのかな?潰さないと私小さくなれないし、無理かな…?」

 

そして変なことに気が付くランチ。

試しに、手でボウルの中の草花などを掴んでみる。

 

「あ、つかめた。」

 

そして、服のポケットに入れてみる。

すると、インベントリの中にアイテムが保管された。

 

「やった!できた!じゃあ、他のも…」

 

どんどん掴んでポケットに入れていく。

全てのアイテムを入れると、ランチの大きさが元に戻った。

 

「うん。大成功。これで食べられるものがいっぱい増えたね!」

 

1つのエリア内の食べられる素材を全収集したのと同じ状況であり、

通常考えられない量の素材がインベントリに追加された。

 

そして、草花など森に生えている素材は一定時間がたつと復活してしまう。

 

「これで、いっぱい食べ物や料理の素が手に入るねー」

 

素材が復活したころを見計らって、再度収集を始めるランチ。

今度は泡だて器ですべて料理の素へ変換した。

 

  【料理の素を 982 個手に入れました】

 

「よーし。どんどんやっていこー。料理もいっぱい作っておかないとねー」

 

「料理でHP使うから、回復用に飴もいっぱい…っと。うん、やることいっぱいだね」

 

大変だと思いつつちょっと嬉しそうに呟きながら食材集めを繰り返すランチ。

それを青ざめた顔で見ている姿があった。

 

 

<スタッフルーム>

 

「それはあかんてランチはん!!」

 

「今度は何だよ!?」

 

思わず口調まで変わって突っ込むスタッフに、他のスタッフが反応する。

 

「ランチが、森で採れる素材を繰り返し収集しています!」

 

「ん?べつに素材収集は普通じゃないか?」

 

「南の森全域の素材を一括収集しているんです!例のスキルで!」

 

「げっ!そういうことか!?でも素材って食べられないだろ!?」

 

料理などと違い、素材として使用できるアイテムは

食べられる設定にはなっていない。

ランチは【暴食】ですべて食べられるが、

集合させる対象にはならないはずだった。が…

 

「いえ、草花とか食べられる設定になっています!」

 

「そんな設定…したのかよアイツ!!なんてことしやがる!」

 

そんなことをしている間にも、ランチはスキルでどんどんアイテムを集めていた。

 

「既に、通常のプレイヤーが採取する数百倍の量を集めているようです…」

 

「持ってるアイテムを売るだけで現状の流通が崩壊しかねんぞ…」

 

NWOはMMORPGの例にもれず、内部で流通が発生している。

オープンからある程度の期間が過ぎ、アイテムの相場なども安定しだしてきたが、

現在ランチが抱えるアイテムの量は、それを崩しかねない規模のものだった。

 

「見た感じ、売ったりはしなさそうだが…。

今後暫くアイテムの流通量は細かくチェックしてくれ」

 

「分かりました…。次のアップデートで大人しくなってくれるといいんですが…」

 

「そうだな…。まあ、根本的に難しい気もするんだが…」

 

「やれるだけやりましょう」

 

「だな」

 

若干ひきつった笑いを浮かべるスタッフ達だった。

 

 

 

「おー!!サリー、かっこよくなったね!」

 

「うん!似合ってる!」

 

暫く素材集めをしていたランチは、

ある日サリーの装備が一気に変わったことでびっくりしていた。

 

「ありがと!頑張った甲斐があった。メイプルもありがとね」

 

「ううん、私こそ、素材貰って助かっちゃった!」

 

あれから何日も洞窟に通って、素材集めと湖攻略を繰り返していたらしい。

 

「あ、素材といえば、二人が洞窟行ってる間、私も色々集めたよー」

 

ランチがインベントリを見せる。

 

「わ、ランチ凄いねー」

 

「ホントだ。凄いっ…て、え?これ桁間違えてない…?」

 

純粋に驚くメイプルと違い、サリーは信じられないという顔で見ている。

ここ数日、ランチは海や森などいろんな場所で素材を集めていた。

 

いずれも【食材集合】で広範囲からまとめて集めるため、

種類は限られるが1つ1つは文字通り桁違いの量が集まっていた。

 

「えーとね、【食材集合】ってので集めてて…」

 

「…うん、多分それスタッフさんたち想定してないんじゃないかな…」

 

軽くクラっとするサリー。

集めた素材に限れば、今後集める必要すらないかもしれない量だった。

 

「そうなのかな?」

 

「多分ね…。あと、その方法、ちょっとだけ問題あるかも」

 

「え?問題?」

 

ちょっと真面目な雰囲気で話すサリーに、思わず身構えるランチ。

 

「そう。良ければちょっと話していい?」

 

「うん。ぜひお願い!」

 

サリーが笑顔だが真剣な表情をしているのを見て、ランチもうなずく。

 

「んー、じゃあ、お店行って話しようよ!」

 

そんな二人にメイプルが提案。指さす先にはカフェのようなお店があった。

 

「あ、あのお店、何回か行ったけど美味しいんだ。お勧め!」

 

「そうなんだ!どんなものがあるの?」

 

「スイーツがメインだよー。凄い美味しいし、綺麗なものばっかりなんだー」

 

「それは良いね!行こう!」

 

「うん!」

 

先ほどのまでと一転、皆でうきうきして店に向かう3人。

女の子しているその姿をありがたく見つめるプレイヤー達も何人かいた。

 




というわけで、ランチさんのアイテム集めでしたー。

森の恵みはありがたくいただきましょう(根こそぎ)

次回は、サリーさんによるゲーム的アドバイス(入れ知恵)の予定ですー。
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