食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいですー。

その分今回は色々ありますよー。

6/16 誤記を修正ー。ご指摘ありがとうございますー。


美咲とサリー

「おおー、可愛いお店!」

 

「うん、良い感じだねー」

 

「でしょー?始めて来て以来、お気に入りなんだー」

 

お店の中に入ったランチたちは、席に座ると早速メニューを見る。

 

「現実と同じようなケーキとかいっぱい!」

 

「美味しそう!」

 

「どんどん食べよー。今日は奢りだよー。」

 

「わーい!」

 

アイテムや武器にほとんどお金を使わないランチは、

モンスターを倒して得たお金が結構溜まっていた。

 

「あー、美味しかったー。」

 

「うん。…じゃ、ちょっと話していいかな」

 

しばらくケーキを堪能するランチたちだったが、

ひとしきり食べたところでサリーが話を切り出した。

 

「あ、そうだね。お願い」

 

「じゃ、まずアイテム集めるスキルなんだけど」

 

「【食材集合】だねー。」

 

「うん、それ。ちょっと普通のフィールドで使うのはやめておいた方が良いかも」

 

「え?なんで?」

 

「それって、多分範囲内の全アイテムを集めてるよね?」

 

「うん、食べられるもの限定だけど」

 

「だったら、他の人が採取しようとしてたものも集めちゃってるかも…」

 

「あ、なるほど…」

 

ランチがハッとする。

 

「それって良くないことなの?」

 

未だスイーツ中のメイプルが質問する。

 

「あんまり良くないかな。結果的に、横取りみたいな感じになっちゃう」

 

「あと、モンスターを集めるのも、同じことかも。狙っているプレイヤーもいるかもしれないし」

 

「あー。そうだね。そこら辺はあんまり気にしてなかったなー」

 

ちょっと上を向いて考えるランチ。

 

いくら一気に集められるからと言って、

他のプレイヤーが採取しようとしていたものを横取りするのは、

たとえ故意ではないにせよ、あまり良くないことだった。

 

「うん。ちょっと気を付けるようにするよ。ありがとう、サリー!」

 

「こっちこそ、聞いてくれてありがと。じゃ、ついでなんだけど」

 

…ここまでであれば、清く正しいプレイヤーとしての話だったのだが、

サリーが話したいのはそれだけではなかった。

 

 

 

「ランチのステータスとか聞いて、よさそうなやり方とかちょっと思いついたんだ」

 

「ホント!?良かったら教えて!」

 

ランチの状況を十二分に考慮した、百戦錬磨のサリーが考える入れ知恵が始まった。

 

「うん、まずはレベルアップポイントなんだけど、ランチの場合はMPも上げてもいいかも」

 

「今まではHPだけ上げてたねー」

 

「多分、HPはすでに十分あると思うんだ。んで、戦闘時もMPは8倍…になるんだっけ?」

 

「そだねー。だけど、必要なポイントが3倍かかるんだよね」

 

「うん。それは知ってる。それでも、MPをある程度上げておいて損はないと思う。

MP使うスキルもいくつかあるみたいだし、HP回復とかのスキルも取れるよ」

 

「なるほど!今度レベルアップしたらやってみるね!」

 

「あと、アイテムだけど、HPが割合回復するポーションがランチは凄い有効だと思う。

店売りはしてるか分からないけど、生産職の人なら作れるんじゃないかな」

 

「あ、そっか。割合だったら私は凄く回復できるね。イズさんに相談してみよっと」

 

幾つかのアドバイスがランチに贈られる。

そして、最後は身を乗り出したサリーが、少し小さめな声で話しかける。

 

「最後に、ランチが作った料理って【付与効果】が乗るんだよね…?」

 

「うん。」

 

「それって、ランダムなの?」

 

「そだねー。あ、味は変わらず美味しいよ!」

 

「あ、はい。…じゃなくて、毎回ランダムなのかな?」

 

「1回作ったら、同じ効果の料理をもう一度作れるよー」

 

「(ダメじゃん…ヤバいってそれ)そ、そっか。じゃあ、レアなのとかいっぱい作っておくとよいかも」

 

「どんなのが良いのかな?」

 

「乗せれる付与効果ってどんなのあるの?」

 

「あ、私も見たい!」

 

スイーツに勝利したメイプルも乗ってきた。

 

「えーとね、こんなの」

 

「わぁ!」

 

「わー…」

 

ランチが付与効果を見せると、

目をきらめかせるメイプル、

そして遠い目をするサリーがいた。

 

「じ、じゃあ、これとこれと…」

 

「分かった。料理の素はたくさん集めたから、いっぱい作っておくね!

メイプルとサリーにもあげるね!」

 

「ありがとう!」

 

「ありがと。」

 

「よし、じゃあまずは…」

 

おもむろに立ち上がるランチ。

 

「うん。じゃあそろそろ店を出」

 

「すいませーん!メニュー端から端までくださーい!」

 

「え?」

 

「は?!」

 

メイプルとサリーが目を丸くする。

 

「まずは徹底的に食べるよー!大丈夫!奢りだからね!」

 

「あ、ウン」

 

「あ、ハイ」

 

楽しそうにするランチに、何も言えない二人だった。

 

「マジか…」

 

「今、凄いパワーワードを聞いた気がする」

 

そして、その後のバトルを目撃した人達の中でひそかに伝説と化していった。

 

 

 

「うううーーー」

 

唸るメイプル。

 

メンテナンスによるスキル修正で、

【悪食】の弱体化や防御貫通スキルの実装があったためだった。

 

「仕方ないよ、今までが強すぎたんだって」

 

「そだねー。私のスキルも結構変わっちゃったなー」

 

全プレイヤーには伝わっていないが、

ランチのスキルもいくつか修正が入っていた。

 

食神の霧

 霧の効果時間を1分→3分に変更

 食材として扱われる条件を変更。

  霧に5秒→10秒以上ふれたモンスター、

  プレイヤーは食材として扱われる。

 

料理生成

 付与効果が毎回ランダムに変更

 各料理の生成に必要な料理の素を1/2に変更。

 

口腔浄化

 無効化時間を5分→3分に変更。

 

捕食の手

 3分経ったら効果が切れるように変更。

 掴んだ時のダメージが2倍。

 消費MPを1/2に変更。

 

基本は弱化だが、ランチは喜んでいた。

 

「作れる料理の量が増えたのは良いよねー」

 

そして、さりげなく修正されているのが【飴】の仕様だった。

3秒に1回食べる判定になっていたのが、初回1回のみとなっていた。

ランチにとってはかなりの弱体化となってしまう。

 

しかし…

 

「おー!飴がホントに飴してる!(もむもむ…)」

 

以前は3秒に1回味がしていたが、常に味がするようになって、

ランチは大喜びだった。

 

「まあ、ランチが楽しそうならいいか。」

 

「さらにいっぱい食べられるようになったからねー」

 

「ランチは、とりあえず【割合ダメージ】は気を付けてね」

 

「わかった!きちんと食べるよ」

 

「うん、分かってないのは分かった」

 

そして、運営もランチ対策を色々考えたのか、

【割合ダメージ】を与えられるスキルが幾つか追加されていた。

実質、ランチを倒せる唯一のスキル群だったりする。

(ただし捕まえられないのが前提だが)

 

「さて、じゃあ今日は2層へ行ってみよう!」

 

「うん!」

 

「はーい」

 

 

 

「ここが2層へつながるダンジョンかな。なんか凄そうだねー」

 

「雰囲気あるねー」

 

「じゃ、行ってみよう!」

 

緑の蔦に覆われた、石碑のような入り口を抜ける。

 

「わ、早速出た!」

 

先頭のメイプルが、早速イノシシを見つけた。

イノシシはメイプルを見つけると、一気に突進してくる。

 

「【悪食】!」

 

イノシシはそのまま盾に吸い込まれた。

 

「さすがメイプル!」

 

「だけど、回数制限あるから、何度も受けられないよー」

 

「あ、じゃあ私がやってみるよ。イノシシ美味しそうだし」

 

「え?」

 

そういうと、ランチがメイプルの前に進み出た。

巨大なイノシシがランチに迫る。

 

「えいっ!」

 

しかし、ランチがイノシシの牙を捕まえた瞬間、

今までの速度を完全に無視して、イノシシが停止した。

 

続くイノシシもぶつかってくるが、ランチが先頭の

イノシシを抑えているせいで、びくともしなかった。

 

「いただきまーす」

 

そのままイノシシの牙を食べるランチ。

牙が無くなり、スキルを封じられたイノシシは

とりあえず突進しようとして、再度体を掴まれた。

 

「いただきまーす。うん!おにくだ!」

 

「あ、私も!」

 

本体をそのまま食べるランチ。

メイプルも乗ってきた。

 

「美味しい!サリーも!」

 

「い、いや、私はいいや…」

 

若干引いているサリーをよそに、一頭目のイノシシは食べられた。

そのまま順当に食べられていくイノシシたちだった。

 

 

途中の熊が悪食に食べられ、ボスまで普通にたどり着いた3人だった。

 

「この扉の先に、ボスがいるのかな」

 

「だろうね、凄い雰囲気ある」

 

「行ってみよー」

 

扉を開けて中に入った途端、扉が閉まる。

 

そして、ボスが出現した。それは巨大な鹿だった。

 

「【毒竜】!」

 

開幕一番メイプルが最大スキルを発動する。

 

「!?弾かれた!?」

 

「バリアだ!なんか形可愛いぞ!」

 

しかし、鹿の目の前に現れたバリアに無効化された。

 

「なんかギミックがあると思う!解除しないと!」

 

「あ、ちょっと待って。もう1回攻撃してもらっていい?」

 

そう言うと鹿に向かっていくランチ。

 

「ちょ、ランチ、大丈夫!?」

 

「大丈夫ー。何でもいいから攻撃してもらっていいかな?」

 

幾つか攻撃を受けて、凄まじいダメージエフェクトが出ている。

しかし、HPからすると全然減っていなかった。

 

「分かった!【ウィンドカッター】!」

 

スキルを放つサリー。先ほどと同じようにバリアで弾かれる。

しかし、近くにいるランチは、そのバリアを掴んでしまう。

 

「あ、やっぱ掴めるんだ。じゃ、いただきまーす」

 

動けなくなった鹿を尻目に、バリアを食べ始めるランチ。

 

「うん、飴だね!味はいろいろ混ざってる感じかな。」

 

焦る鹿だったが、バリアが装備扱いとなってしまっていて、

身動きが取れない状況となっていた。

 

「バリア消えたよー」

 

「【毒竜】!」

 

そして、メイプルが再度放った毒竜が、バリアを失った鹿に直撃する。

バリアのギミックは生きているが、食べられたことで意味を無くしてしまっていた。

 

「うわぁ…」

 

サリーが思わず声を漏らす。

ランチの戦いは初めて見たが、おそらく運営は想定していないと考えていた。

 

【ガアァァァァ!!!】

 

そして、HPが一定まで減り、鹿が炎に包まれた。

近くにいたランチはもろに攻撃を食らってしまう。

 

「うわあ!!」

 

「ランチ!」

 

「大丈夫!?」

 

思わず駆け寄ろうとする二人。

 

「だ、大丈夫。びっくりしたー」

 

しかし、ランチがとっさに炎を掴んだことで、炎も効果を無くしてしまう。

 

「あ、食べられるのかな?うん、美味しい!」

 

「じゃ、私も!」

 

前足を食べていくランチ。

またメイプルがのっかってくる。

 

「さすがに運営に同情するなぁ…」

 

何ともいえない思いで見るサリー。

 

そして、そのまま鹿は食べられた。

ちなみに、ギミック用のリンゴも食べられた。

 

「ごちそうさま!」

 

「うん。まあ、1層突破ってことで」

 

「激闘だったねー!」

 

「うーん、まあ。そうだね」

 

いまいち納得できないサリーだったが、

2人に連れられ第2層へと進む。

 

そして、そのボス戦のリプレイは、

閲覧したスタッフを悲しみに突き落とすことになるが、

3人は知る由もなかった。

 




そんなわけで、一気に進んでますー。

スイーツ食べながらのゲーム談義、
サリーの入れ知恵でさらにレベルアップしたランチさんですー。

そして、メンテナンスでの調整、スタッフ頑張ってます。
(まだいくつか想定していないことがあったりしますが)

また、第1層を突破しましたー。
といっても、次は第2回イベントですねー。
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