食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいですー。
ちょっと展開などが苦戦していました。

そんなわけで、今日も新しいあの子たちが出てきますー。



美咲と深海

 

「朝だー!」

 

「おはよ、メイプル、ランチ」

 

「おはよー」

 

オアシスで一夜を明かした3人は、朝を迎えていた。

夜の間、何人かの襲撃者が毒されたり斬られたり食べられたりしていた。

 

「ごはんー。」

 

「おー、カレーだ!」

 

「あんまり見たことないカレーだね」

 

「インド風ー。いただきまーす」

 

【キーマカレー】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:火属性耐性 10分間 10%

 

【チャパティ】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:状態異常回復アップ 10分間 5%

 

【シナモンチャイ】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:ダメージ軽減 10分間 5%

 

 

 

「ごちそうさまー」

 

朝からガッツリ食べた3人は、そのまま森へと移動した。

そして、森を抜けると、そこには砂浜と海岸があった。

 

「うわあ!海だー!」

 

「こんなのもあるんだね。ホント色々ある」

 

「海産物かなー」

 

海辺まで近づくと、青々とした海が広がっていた。

 

「凄いけど、私は探索出来なさそう…」

 

「海の探索は私が行ってくる」

 

「あ、私もちょっとだけ行ってみよ。魚とかいるかなー」

 

「うん。じゃあ、私は砂浜で待ってるね」

 

砂浜へ戻るメイプル、勢いよく海へ飛び込むサリー、ざぶざぶ入っていくランチ。

めいめいの探索が始まった。

 

 

 

「さて、ちょっと潜ってみて…」

 

暫く進んだところで、海の中へ潜るランチ。

周りを見渡してみるが特に魚などはいなかった。

 

「んー、魚とかはいなさそうだなー。もうちょっと見てみよう」

 

AGIが0のランチはあまり早くは泳げず、

近くを半ば浮遊しながら探検していた。

 

「…あれ、そういえば息継ぎとか必要じゃなかったっけ?」

 

暫く探索してふと気づくランチ。

以前海に潜った際には息継ぎが必要だったが、

今は特に息継ぎなしでも動いていることができる。

 

「なんでだろ?知らない間にスキルとか取ってたのかな?」

 

スキル欄を見るが特にこれといったスキルは増えていなかった。

 

「まいっか。そろそろ上がろっと」

 

ふよふよと上がっていく。

 

水面にたどり着いたランチが見たものは、砂でできたお城だった。

砂のお城に近づくと話声が聞こえた。

 

 

 

「なんか砂のお城ができてるねー」

 

「あ、ランチ、お帰り!」

 

「おかえり、ランチ」

 

「ただいまー。って、その子はどなた?」

 

話声の所へ行ってみると、メイプル・サリーの他に、

もう一人男の子が座っていた。

赤い短髪に瞳、装備は初期のように見える。

 

「僕はカナデ。さっきメイプルと知り合ったんだよ」

 

「砂のお城作るの楽しかった!」

 

「ねー」

 

「あ、でも、オセロはちょっと悔しいな…」

 

「よければ、また相手になるよ」

 

下を見ると、真っ白に染まったオセロの盤があった。

どうやら、メイプルがクロらしい。

 

「んで、探索の結果だけど…無効の島に祠があって、下ってくと魔法陣があった」

 

「それって…」

 

「うん、前の鳥モンスターと同じようなのが居るかも…」

 

「行った先も分からないし、難しいなぁ…」

 

わいわいやっていた4人だったが、探索の結果を聞くと途端に真剣な表情になる。

 

「んー、もし良ければ僕が行ってみようか?」

 

「え、でも危険だよ絶対!」

 

「大丈夫大丈夫。僕はメダルも持ってないし。ここはスタート地点から近いしね」

 

「じゃ、行ってくる」

 

そう言って海の中へと潜るカナデ。

 

 

「行っちゃった…。アイテムとかは取られちゃうかな」

 

「カナデならそんなことしなさそうだけど。何があるんだろ」

 

「食べ物なら興味ある」

 

カナデが向かった先をしばらく見ていると、後ろの森がガサガサ音を立てる。

 

「!?って、カナデ!」

 

「あー。死んだ死んだ」

 

そこには、さわやかな笑顔で死亡報告をしてくるカナデが居た。

 

「報告しますメイプルどの!」

 

「ほうほうなんだね」

 

謎のノリで始まる報告。

 

「まず、祠に入ると水中に連れていかれる」

 

「それで、動きが鈍くなったところに、イカがやってきて触手につぶされた」

 

「…うん。無理!」

 

「水中じゃメイプルもどうしようもないもんね…」

 

「…………。わたし、行ってみようかな。」

 

報告を聞いて諦めるメイプルとサリー。

しかし、ランチだけは違っていた。

 

「え?ランチどうしたの?」

 

「もしかして、ボスに挑もうとしてる?」

 

「うん。あ、もちろん私だけで行くよー」

 

「いやでも、水の中だよ…?そりゃ、【潜水】とか持ってれば暫く何とかなるけど…」

 

「【潜水】は持ってないー。でも、さっき潜ってみた感じ、何とかなりそうな気がしてる」

 

「で、でもさっきの鳥と同じくらいの強さなんじゃ…」

 

「勝てないかもしれないねー。でも。やってみるよ!」

 

力強く微笑むランチ。

 

「…なんでそこまで?」

 

「そこに…イカがあるからだよ!」

 

「なるほど!食べるんだね!」

 

「うん!」

 

「ソウデスカー」

 

ランチ的にはとても悲壮でカッコいい覚悟を決めたつもりだが、

メイプルはともかくサリーはあまり賛同してくれなかった。

(呆れているともいう)

 

「あはは!面白い!良かったら、お名前聞かせてよ。僕はカナデ」

 

「あ、私はランチだよ。食べるの大好きです。あ、カナデさんだっけ」

 

「カナデでいいよ、ランチさん。」

 

「私もランチで良いよー。カナデ、好きな食べ物とかある?」

 

「え?好きな食べ物?…そうだね、ヨーグルトとかよく食べるよ」

 

「んーと、あった!じゃあこれ、お近づきの印にー」

 

【ヨーグルト(プレーン)】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:INTアップ 10分間 5%

 

【飲むヨーグルト】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:TECアップ 10分間 5%

 

「わぁ。美味しそうだね。ありがとう。…【付与効果】?」

 

「あ、私の料理には付くんだよ。皆にはナイショだよー」

 

「あはは!すごいね!ますます面白いや!良かったら、フレンド登録もよいかな?」

 

「もちろん!」

 

料理を渡した後、カナデとフレンド登録を済ませたランチは、

海の中へ入っていった。

 

「じゃあ、行ってくる!また連絡するねー」

 

「うん!頑張って!」

 

「頑張って。」

 

「頑張って、ランチ」

 

メイプルとカナデ、そしてちょっと悟りを開いていそうな顔のサリーに見送られた。

 

 

 

「ここかー。魔法陣があるねー」

 

「ここに入ると確かボスの所に転移するんだったよね」

 

「じゃ、その前に…」

 

魔法陣の前に料理を取り出すランチ。

 

「この後はお魚食べられそうだから、お肉系でー」

 

【鶏の唐揚げ(塩コショウ)】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:水属性耐性アップ 10分間 5%

 

【ごはん(白米)】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:ダメージ軽減 10分間 5%

 

【味噌汁(ネギ)】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:状態異常耐性アップ 10分間 5%

 

【バナナ】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:状態異常回復 10分間 3回

 

【お茶(玄米)】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:回復効果アップ 10分間 5%

 

「ごちそうさまー!」

 

しっかり食べ、ボス対策の付与効果も付けたランチは、

いよいよ魔法陣へと乗る。

 

「さて、上手くいくといいなー。頑張ろう!」

 

 

 

「うわっ!ホントに水の中だ!」

 

転移したランチを待っていたのは一面の水。

地面は岩やサンゴ礁で覆われている。

天井や壁は透明なガラスのように見える。

 

そして、その先には巨大なイカのモンスターが居た。

 

「…水中で、動きも遅く…なってない気も」

 

周りの水にはAGIを下げる効果があるが、

AGI 0 のランチには関係なかった。

 

「あ、なんか触手が迫ってきてる…。避けられ…なさそう」

 

そうこうしているうちに、早速イカからの攻撃が始まる。

巨大な触手がランチに迫る。位置的に掴むのも難しそうだ。

 

「うわあ!」

 

触手にたたきつけられるランチ。凄まじい量のダメージエフェクトが散る。

ランチは知る由もないが、このイカは現状のメイプルの防御を素で貫く力を持つ。

いくらランチでもHPを大きく減らしてしまうのは否めなかった。

 

しかし…

 

「凄いダメージだった…。と思うんだけど、HPがどんどん回復してく…」

 

ランチのHPはすさまじい勢いの回復を見せ、数秒でHPは全快した。

更に、水中のはずが呼吸ができなく死んでしまうこともなさそうだった。

 

「何でか分からないけど、とりあえず何とかなりそうだね!」

 

「まずは触手を掴んでみよう!」

 

やられることはなさそうだと感じたランチは、イカの攻略に取り掛かった。

 

 

「よしキャッチ!」

 

何度か叩かれながらも触手を掴むことに成功したランチ。

【捕食の手】の効果で、触手が動かせなくなる。

 

「いただきまーす。うん、イカ刺し。お醤油欲しいな」

 

掴んだ触手を食べるランチ。

水中だが普通に食べるのと同じ感覚だった。

 

しかし、触手を食べられたイカは普通に動いていた。

食べた触手もすぐに復活し、HPも減っていない。

 

その後も何度か触手を食べてみたが、状況は変わらなかった。

 

ランチも幾度となく攻撃を食らっているが、

都度HPが回復しているためやられることは無い。

しかし、HPが減っていないのはイカも同じだった。

 

「んー。おかわりはし放題だけど、本体も食べないといけなさそうだね」

 

「とりあえず本体の方へ行ってみよう」

 

パティシエの格好で水の中を泳ぐランチ。

シュールな絵だが、しばらくするとイカの近くまで来ることができた。

 

しかし

 

「あ、泳いで逃げちゃった…。あれは追いつけないね。」

 

さすがイカとでも言うべき見事なフォームでランチから遠ざかる。

暫く泳いだイカは最初と同じくらいの距離で止まり、触手を出してきた。

 

再び近づくが、一定距離まで行くとまた泳いで距離を取ろうとする。

 

【食神の霧】→【食材集合】も試してみたが、ボスだからなのか

HP10000を消費しても食材として集合してはくれなかった。

 

ちなみに、水中だと水全体が白色に濁るので、

スキルを使うと全く周りが見えなくなってしまっていた。

 

「なるほど…。近づくと逃げちゃうのか…。さて、どうしよ(もぐもぐ…)」

 

迫ってくる触手を掴んで食べながら考えるランチ。

 

「んー、どうすれば逃げられないかな。って、わっと!」

 

次の触手が来ていたのでキャッチする。

触手を掴んでいると、他の触手も動かせないようだった。

 

「ゲソには【捕食の手】が効くんだけどな。…あ、そうか」

 

何かを思いついたランチは、

触手を掴んでいる手を片手だけ離し、

触手の前の方へ手を伸ばして掴む。

 

そして、逆の手を同じように離して前の方へ。

 

「こうしてちょっとづつ移動すれば、ボスの所に行けないかな」

 

ロープのように触手を伝って移動していくランチ。

 

暫く伝っていくと再びイカが高速で泳ぎ出す。

しかし、触手を掴んでいるランチは振り落とされず、

イカと一緒に泳ぎまわっていた。

 

「うわわ!思ったより早い!目が回っちゃうかも。早く本体の所へ行こう」

 

触手をどんどん伝っていく。

やがて、触手の根元へたどり着いたランチは、そのまま以下の胴体を掴んでいた。

 

「よーし、じゃあ本体いただきまーす」

 

かぶりつく。

 

「こっちもイカ刺しかな。胴体部分だからちょっと味とか食感が違うね」

 

「どんどん食べよう!」

 

その間もイカは高速で泳ぎ旋回し、ランチを振り落とそうとする。

しかし、掴むことで【捕食の手】が発動しているランチは、

手を離さない限り振り落とされることは無かった。

 

「かなり食べたんだけど、まだHP3割くらいしか減ってないねー。頑張ろう」

 

このイカは本来プレイヤーが戦うと想定していた「ギミック解除版」ではない。

【銀翼】と同様に、半ば罠として配置されていたボスのはずだった。

 

ちなみに、ランチが食べ続けている間、メイプル達もまた「ギミック解除版」へ

挑もうとしていたりしていた。

 

「ん?なんか周りに変なのが浮かんできた。あ、お魚」

 

そして、HPが3割削れた時点で、ボスの動きが変わった。

泳ぎ回ることを一旦やめ、周囲に魔法陣を展開。

そこから大量の魚があふれてきた。

 

「今度はお魚タイムかな。あ、でもイカ離したら逃げられちゃうかも。どうしよ?」

 

大量の魚に群がれながら考えるランチ。

巨大イカ【海皇】との戦いは続いていた。

 

 




ということで、カナデと海皇さんですー。

海皇は本気出した方ですねー。
多分、このボス倒されることを想定していないかなと思ってます。

次回は海皇との決着ですー。
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