原作成分も補給してやる気アップですー。
海皇戦の続きですー。
「さて、どしよ?」
相変わらず大量の魚に群がられつつ考えるランチ。
HPは削れては回復しを繰り返している。
イカの触手を掴みつつ、空いた手で魚を掴もうとしたが、
動きが素早くつかむことは出来そうになかった。
「とりあえず、イカを食べよう」
くすぐったいだけで、魚は影響がないと判断したランチは、
そのままイカを食べ続けることにした。
「あ、そういえば。【調味料】!」
「うん。イカ焼き♪」
途中で【調味料】を使用して味を変えつつ食べていると、
イカのHPが5割を切ったところで行動が変わってきた。
墨を吐いて辺りを暗くしつつ、魔法陣からさらに魚を召喚した。
「わ、真っ暗。あと、なんか突っつかれてるのが多くなってる気が…くすぐったい…」
暗くなって見えづらいが、既にランチの体は殆ど魚で埋まっていた。
「んー。このままだと同じ時間かかるのか。突っつかれたままだとちょっと大変だな…」
HPを3割減らしたくらいから、魚に突っつかれつつ食べているが、
中々にくすぐったいのでこのまま同じ時間続けているのはちょっと辛かった。
そのため、ちょっと方針を変更するランチ。
「じゃ、これで行ってみようかな。」
イカから手を放し、ボウルを取り出す。
とたんにイカは離れていったが、周りの魚はそのままだった。
「【食神の霧】!消費HPは…10000!」
周囲の海が乳白色に包まれる。
「【食材集合】!」
周囲の魚すべてがランチの元へ集まる。
同時に、ランチがどんどん大きくなっていく。
ついにはイカと同じくらいまで大きくなった。
「よし、これで早く食べれそう」
いつもは泡だて器を使うが、今回はボウルだけ持ったまましばらく待つ。
すると、イカが触手で攻撃してきた。すぐさま触手を掴むランチ。
「さっきと同じように…。あ、こっちが大きいから引きずれる」
触手を手繰り寄せると、今度はイカの方がどんどん近づいてくる。
泳いで逃げようとしているが、ランチが引っ張る力の方が強かった。
「じゃ、いただきまーす」
イカに齧り付く。
先ほどまでとは比較にならない量のダメージエフェクトがはじけ、
イカのHPがどんどん減っていく。
「あ、だんだん元に戻ってる…。何回かやるしかないか」
暫く食べていると、麻痺が解けた魚がボウルの中から逃げ出していた。
それに伴って徐々に小さくなっていくランチ。
それから何回か、集合させて大きくなっては、イカを食べることを繰り返す。
イカの残りHPは2割を切ろうとしていた。
「えっ?うわあ!?振りほどかれた!?」
そして、HPが2割を切った瞬間、掴んでいる手が振りほどかれた。
【捕食の手】の効果を貫いての離脱。
イカは泳ぎながら周囲を真っ黒になるまで墨を吐き、
ランチから一定距離になったところで静かに制止する。
その目はランチをまっすぐに見据えていた。
「何にも見えなくなった。とりあえず【食神の霧】!【食材集合】!」
見えないイカが何をしているか気になりつつも、
先ほどまでと同じように大きくなって触手を待つランチ。
そこにイカ本体が高速で突進してくる。
ギミック解除状態でなおメイプルの防御力を突破した突撃、
その本来の威力がランチを襲う。
「わっ!本体!?」
とっさのことで反応が遅れ、イカの体当たりをモロに喰らってしまう。
「うわあっ!」
大きなランチから、フィールドが埋まるほどのダメージエフェクトが弾けた。
ランチのHPですら即死しかねない威力だった。
しかし、大きくなってさらにHPが増加しているランチはそれに耐える。
突撃を終えたイカは、再び元の場所へ戻っていく。墨は残ったままだった。
「す、すごい威力だった…。これ捕まえなきゃダメなのか。大変だ…。」
「とりあえず大きくなって捕まえてみよう!」
HPは回復しているので、大きくなっている時なら問題ないことは分かっている。
突進の直前で大きくなり、受け止められないか試してみることにした。
「そろそろかな?【食神の霧】!【食材集合】!」
再び魚を集めるランチ。
大きくなったところで、イカが再び突進してきた。
「今度は負けないよー。」
ボウルを離して両手を広げる巨大ランチ。
そこにイカが突進してくる。
「あうう!」
受け止める覚悟を決めてもなお凄まじい衝撃が襲う。
しかし、大ダメージを受けつつもランチはそのままイカを捕まえることに成功した。
「よーし成功!」
再度離脱しようとするイカだったが、形態変化時の効果は1回きりなのか、
ランチの手から離れることは無かった。
「じゃ、いただきまーす」
なすすべなく食べられていくイカ。
1割ほどHPが削れたところでランチが小さくなり、
離れようとするイカに引きずられ始める。
「じゃあもう1回かな…。またあの衝撃受けるのヤだけど、しょうがないか…」
引きずられたまま食べることも出来るが、
先ほどよりも速度が速くなっているイカに
しがみついているのもまた大変と思ったランチは、
さっきと同じことをして倒そうと考えた。
「また成功!いただきまーす!」
突進のタイミングに合わせて大きくなり、再度イカを受け止めたランチ。
そのまま食べ続ける。
「あ」
そして、イカのHPがゼロになった。
イカと魚の動きが止まり、エフェクトとなって消えていく。
周囲はエフェクト一色となった。
「綺麗だねー。あ、水の中も明るくなったよ」
水も透き通り、遠くまで見渡せる。
そして、イカが居た更に奥へ魔法陣ができ、光を放っていた。
「あそこかな。行ってみよ」
「わっ、また水の中だ」
魔法陣へ入ると、また水の中だった。
そして、ランチの横に巨大な宝箱が漂っていた。
宝箱の中には4つのものが入っていた。
1つはペンダント。青い光沢をもつ大きな宝石が金色の鎖につながれているもの。
2つが卵。灰色と青色のものが1つづつ入っていた。
そして最後はマンガ肉だった。
「お肉だーー!!」
迷わず最初にマンガ肉を取るランチだった。
<かいおう の にく を てにいれた>
メッセージが出る。
【海皇の肉】
素材。調理が必要。食べるととても美味しい。
「ん-、鳥さんの肉と同じように何も使えないみたいだね。」
「でもとても美味しいらしいし、調理方法探してみよっと!」
ほくほく顔で肉をしまうランチ。
「さて玉子は…」
次に卵を見るランチ。
触ってみるとメッセージが出てきた。
<どちらかを選択してください>
・灰色の卵…全てを食らう神代の大狼
・青色の卵…炎を纏う神の乗り物たる黄金鳥
「もちろん狼だよね!」
説明文を見た瞬間に灰色の卵をゲットするランチ。
<「灰色の卵」を手に入れた>
「あとペンダントか。綺麗だなー。こんなの持ってたら素敵だよねー」
ペンダントを拾って首にかけるランチ。そのまま説明を見る。
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる、
攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンに一つきり。取得した者はこの装備を譲渡できない。
海皇のペンダント
【封鎖海域】【海皇の加護】
海皇の魂を封じ込めた青色の宝石があしらわれたペンダント。
海の支配者としての能力を付与する。
【封鎖海域】
自身を中心に半径30mの空間内を、封鎖したうえで【深海】に置き換える。
【深海】内の対象には【水中制限】【速度30%低下】がかかる。
封鎖空間の境界は物理・魔法の影響を無効化する(ワープ等で超えることは可能)。
終了後は内部の全員がスキル使用時の座標に戻る(死亡者は除く)。
消費
なし。30分間。1日3回。
取得条件
海皇のペンダントを装備する。
【海皇の加護】
以下の効果を取得する。
【水無効】
水属性攻撃を無効化する。
【炎半減】
炎属性攻撃のダメージを50%軽減する。
水中にいる間は、追加で以下の効果を得る。
・呼吸制限を受けない。
・全ステータス上昇。3秒に1%上昇。最大100%まで。
一度自ら出るとステータス上昇はリセット。
・状態異常を無効化する。
・泳ぎの速度を自在に変更可能。
消費
なし
取得条件
海皇のペンダントを装備する。
「封鎖海域かー。後で使ってみよっと。後は何もないみたいだね」
「じゃ、行こうー」
そのまま魔法陣から脱出するランチ。
ギミックなしの海皇が倒された。
このことにスタッフが気が付いたのもちょうどこのころだった。
<スタッフルーム>
「くぁwせdrftgyふじこ!?」
ひときわ大きい、声にならない悲鳴が響き渡る。
「うわっ!?」
「今度はなんだよ!?」
「【海皇】がやられた!」
「マジか…。ギミックありでも相当強いんだが…」
「いやしかし、そんな悲鳴上げることか?一応ボス枠ではあるぞ」
驚きつつも少しは納得しているスタッフ達。
ギミックありの【海皇】は相当強い方に入るし倒しにくいが、
倒せないわけでもないくらいに調整をしていた。
普通のプレイヤーでは歯が立たないレベルの強さだが、
トッププレイヤーに見つかると倒されてしまうだろうと、
スタッフ達も踏んでいた。
…しかし事態はそんなものではなかった。
叫ぶかのように【青】がいう。
「…ちがう。ギミックなしの方が倒されたんだよ!」
「は?」
「はぁ!?」
「嘘だろ!?」
スタッフルーム全体にざわめきが広がる。
「誰だ倒したのは!絶対倒せないはずだろ!」
「こ、これです!」
倒された時の記録を見つけたスタッフが悲鳴とともに映像を映す。
「ランチ!?」
「馬鹿な!いくら食べればHPが回復するとはいえ不可能だろ!?水の中だぞ!?」
「…あ。わかりました…。何でランチが勝ったか…」
戦闘記録を見ていた【赤】は絶望的な表情(アバターの変化は無し)で告げる。
「HPが1秒に5%づつ回復しています…。秒間約2000回復です…」
「は?」
「な、なぜ…?」
「常に【水を食べている】状態になっているようです…」
言われて記録を見ると、ランチはそもそも水中状態になっていない。
口に入った水がすべて【食べられた】判定になることで回避していたのだ。
同時に【生命循環】が発動し、ランチのHPを常に回復していた。
「ああああああ!?」
叫んだあとがっくりと肩を落とす【青】だった。
ifは無いと思いつつ【赤】が話す。
「HP回復が無ければ、おそらく【海皇】が勝っていたと思いますが…」
「そりゃ…これじゃ勝てないよな…」
「…おい。あそこのドロップ品とかどうなってた?」
話をするスタッフ達に、珍しく焦燥を浮かべるリーダーの【黒】が確認する。
事の重大さに気が付いたスタッフ達は即座に調査を開始。
「あ!!卵!!狼の卵が持っていかれました!」
「ユニーク装備も持っていかれてます!」
「また肉出てます!」
次々報告が上がる。その内容1つ1つが今までにない深刻なものだった。
「狼持ってかれたか…。あれも「食べる」から選んだのか…。」
「メイプル達が手に入れた亀と狐より、数段ヤバいからな…」
「スキル的にランチと組み合わさると最悪だ…」
「ユニーク装備もヤバい!取られると思ってないから規格外の性能になってるぞ!」
「どんな性能だ?」
「これです…」
性能画面を見せると、【黒】が唸る。
「ううむ…。スキルに巻き込まれるとほぼ死亡確定だな…」
「そうですね…。無理やり水中に引き込んで、ランチ側は制約なし+パワーアップです」
「ランチを倒さない限り呼吸困難で死ぬしな。たとえランチ側が何もしなくても」
「トッププレイヤーなら脱出できないかな?」
「無理だろう…。境界は【物理無効】【魔法無効】にしてある」
「ダメじゃないですか…」
「とりあえず様子見するしかないな。完全に想定外だ…」
疲労がドッと押し寄せる中、新たな報告が舞い込む。
「今度はメイプル達が、ギミックありの【海皇】と戦ってます!」
「よりによってメイプル達かよ!!」
休む間もなくメイプル達のウォッチを続けるスタッフ達だった。
そんなわけで、ギミックなし海皇戦でしたー。
ランチさんお肉と卵と装備ゲットですー。
次回はそんな戦利品たちが活躍しますー。
投稿時間がちょっと間に合わなかった今日この頃。
(毎回、12時(ランチタイム)か15時(おやつタイム)に投稿してました)
(ちょっと修正。ご指摘ありがとうございますー)