メイプル自粛期間中ー。
「さーて。今日も色々食べよ!」
第2回イベントも終わり、日常へと復帰したランチは、
早速翌日もログインしていた。
「ランチ!」
「あ、サリー」
サリーもログインしてくる。しかし…
「メイプルは来ないんだっけ?」
「うん。現実の方でいろいろやらかしたから…」
「あー。なんか話は聞いてる」
メイプルは来ていなかった。
第2回イベントが実質1週間連続でログインしている状態だったため、
現実の方にゲームの癖が現れてしまったのだ。
「現実で失敗しなくなったら来るんじゃないかな。」
「じゃ、暫く二人だねー。何しよっかな」
「あ、それなんだけど。明日大規模アップデートがあるんだ。」
「目玉は【ギルド結成】!ギルドホームが買えるようになるんだって」
「おー。ホームがあるとごはんも食べやすくなるねー。調理場あるのかな」
「それは分からないけど…。とにかくまずは3人でギルドを結成したいなって」
「もちろん賛成ー。何が要るのかな?」
「えーと。まず光虫っていうモンスターからドロップするメダルと…500万ゴールドの2つ」
「光虫なんて居たっけ?」
「アップデートで出るようになるらしいよ」
「なるほど。お金は私が何とかできるよ。」
「出来ればメイプル戻ってくるまでに用意しておきたいけど、行けそう?」
「うん。というか、今も持ってるから」
「えっ?…うわぁ」
ランチの所持金を見たサリーが思わず引く。
ギルド資金を普通に支払える程度の金額だった。
広範囲からアイテムやモンスターを収集するランチの場合、
手に入るお金や素材の桁が違う。
本人は気づいていないが、全プレイヤーでもトップクラスの
所持金・素材数を誇るランチだった。
「じゃあ、光虫は私が狩る!素早いらしいからちょっとソロでやりたいかも」
「うん。暫くは別行動かな。」
「ん。メイプルが戻ってきたらギルドホーム探そう」
「はーい」
「さて、どしよ。前にサリーが言ってた洞窟行ってみようかな」
一人になったランチは、どこに行くか考えていた。
そこに声がかかる。
「ん、ランチじゃないか」
「え?あ、ミィ。ミザリーさんも」
「こんにちわ、ランチさん。イベントではありがとうございました。
おかげであの後、ミィと合流出来ました」
「いえいえー。」
「ランチ、少し話せるか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。じゃあそこの喫茶店行こう!美味しいよ!」
「良いですね。」
「うむ。」
「アイスコーヒーとクレープとサンドイッチお願いしまーす」
「紅茶とショートケーキで」
「ブレンドを頼む」
喫茶店に入った3人は注文を頼む。
先に届いた飲み物を飲みつつ、ミィが話し始めた。
「時間をとらせて済まないな。話をしたいことがあってな」
「大丈夫だよー。なんだろ?」
「単刀直入に言おう。私たちのギルドに入らないか?」
「ギルド?ミィたちがギルドを作るの?」
「はい。【炎帝の国】というギルドを結成する予定です」
「そうなんだ。あ、ってことはミィがギルドマスターなのかな?」
「はい。皆ミィのカリスマ性に惹かれて集まってきたメンバーなんです。」
一瞬微妙な顔をしたミィをひそかにランチは見ていたりする。
「どうだろうか」
気を取り直して話すミィ。
ちょっとうつむいたランチは、コーヒーを一口飲んで、
ミィとミザリーに向き合った。
「お誘いありがとう。ただ、私はメイプル達と一緒にいたいんだ」
「だから、メイプル達が別のギルドを結成するなら、
私はそっちに参加することになると思う。ごめんね…?」
「そうか…。わかった。残念だがランチの意思を尊重したい」
「そうですね。でももし入りたい場合はいつでも連絡してくださいね」
「うん!ありがとうね!」
そしてメニューが来た。
「じゃあ食べよう!…そいえばミィは何も食べないの?」
「ああ。コーヒーだけで十分だ。」
ブレンドコーヒーをブラックで飲みながら話すミィ。
しかし、二人の方に来たケーキをチラチラ見ていることを
ランチもまた見ていた。
「んー。せっかくだから何か食べない?何なら奢るよー」
「えっ?いや私は…」
「まーまー。店員さーん!」
戸惑うミィをよそに店員を呼ぶランチ。
「はいミィ!」
「う、うむ。ならカスタードプディングをお願いする」
「かしこまりました!」
そしてミィは秘かに食べたかったスイーツを注文した。
「美味しかったねー!また来よう!」
「今日はありがとうなランチ」
「ありがとうございました」
「こちらこそー。またよろしくね」
「ああ。また会おう」
そして二人と別れるランチだった。
暫くするとチャットが来る。
<[ミィ]ありがと、ランチ。>
<[ランチ]どういたしましてー。プリン美味しかった?>
<[ミィ]うん。ちょっと食べたかったから嬉しかったよ>
<[ランチ]良かったー。また行こうね>
<[ミィ]うん!>
「うん。ミィも満足してくれたかな。良かった良かった。」
「食べることを我慢するなんて楽しくないからね。うん!」
ミィの返事を見て満足そうにうなずくランチ。
ギルドは違えどミィの理解者の一人として、
ランチは今後も【炎帝の国】とはかかわっていくことになる。
「さて、この先だったかな。うん、ディナー速いねー。ありがと!」
(わふわふ♪)
ディナーに乗って海岸近くまで来たランチ。
かなりの速度が出るため、あまり時間はかからなかった。
ちなみに狼に乗って移動するパティシエの少女を見た目撃者で
掲示板などはにぎわうことになる。
「よーし。じゃあ行ってみよう。ディナー、【休眠】×2!」
ディナーを指輪に戻すと洞窟を探すために色々見て回るランチ。
「あ、海岸へ出た。何人か人がいるね」
「お?もしかしてアンタは」
そのまま海岸の方へ出たランチ。
見渡していると横から声がかかった。
「え?あ、第1回イベントの時の」
「あの時は世話になったな。俺はドラグってんだ」
「あ、どうも。私はランチって言います」
第1回イベントでランチと戦ったドラグだった。
そして、もう一人近くにいた。
「どうしたドラグー?って、ランチ…だったか?」
「えーと、ドレッドさん…でしたよね」
「ああ。第1回イベント以来だな」
「はい。お久しぶりです」
「ん?ドレッドもランチと会ってたのか?」
「あー。最後にな。決着はつかずだったが」
「今日はどうしたんだ?」
「ここの近くの洞窟に行きたくて、探してたんです」
「あー。あの虫だらけの洞窟か?それならあっちだな」
ドレッドが指す先は森と海岸の境だった。
よく見ると岩でできた入り口が見える。
「ありがとうございますー。」
「ま、これくらいは別にな」
これが後に大量のアイテムやお金をランチ達へ供給することを
ドレッドやドラグは知ることは無かった。
「あ、じゃあお礼というわけじゃないんですが、何か好きな食べ物あります?」
「食べ物?」
「はい!私食べるの大好きなんです!」
「あ、ああ。俺はラーメンをよく食うな。豚骨が一番だ!」
「俺は…マカロンとかよく食うな」
「…ちょっと意外だな」
「好きなもんは好きなんだよ」
「ちょっと待ってくださいね」
【豚骨ラーメン】
食べ物。食べると美味しい。
付与効果:STRアップ 10分間 5%
【マカロン バニラ・チョコレート・ローズ】
食べ物。食べると美味しい。
付与効果:AGIアップ 10分間 5%
「はいどうぞ!」
「おお、美味しそうだ!」
「あーくれるんなら貰うぜ。…【付与効果】ねぇ」
「【付与効果】は内緒でお願いしまーす」
「あ、ああ…」
貰った食べ物をしまったドラグから話がある。
「そういえば、今度ギルドが結成されるのは知ってるか?」
「あ、はい。」
「もし良ければ、俺らのとこに入らないか?」
「第1回イベント1位のペインや、キャスタートップのフレデリカも居る。
目指すは最強のギルドだ!」
「あー。お誘いありがとうございます。ただ、私はメイプル達と一緒にいたいんです」
「なので、メイプル達と一緒のギルドになると思います」
「あー。なるほどな。わかった。気が変わったらいつでも言ってくれ!」
「はい。ありがとうございますー」
「じゃ、俺らは行くわ。」
「また会おうぜ!」
「またお会いしましょー」
二人と別れるランチ。
ドラグたちのギルドとは今後色々な形で関わっていくこととなる。
そして、洞窟では大量の虫たちを【食材集合】で料理の素へ変える。
一定時間で復活するため、凄まじい効率をたたき出していた。
「かなりいっぱい集まったね!しばらくここで集めて、
ギルドホーム入れたらこれで大量に料理作るぞー!」
「現実で失敗なし!復活ー!!」
そしてメイプルが復活した。
「メイプルおかえり!」
「やっほーメイプル。」
そこには、光虫を倒してメダルをゲットしたサリーと、
とんでもない量の素材、お金、そして料理の素を携えたランチが居た。
「早速だけど、メイプルがいない間に色々アップデートがあったよ」
「そうなの?ゲームから遠ざかっていたから情報も仕入れていなくて…」
「目玉は【ギルドホーム】!空き家だった建物をギルドホームとして買うことができる!」
「おおお!!すごい!早速ギルド作りたいな!」
3人がギルド結成に動き出した。
そこには一騎当千と言えるメンバーが集うことになる。
ということで、今まで出会った皆との交流でしたー。
今後も色々な形で交流していくことになりますー。
そしてギルド結成ですー。