食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいー。
色々ありまして遅くなりました。
(皆さん歯は大切にー)

今回はイベント関連ですー。


美咲とおすそ分け

 

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「ふっ!!」

 

「せいっ!」

 

森の中に精悍な声が響き渡る。

クロムとカスミがモンスター相手に武器を振るっていた。

 

森のモンスターは、かなり高レベルだが、

連携も出来る2人は難なくあしらっていた。

 

「一段落か」

 

「ああ。次は向こうか」

 

「そうだな。サリーちゃんは逆に行ったし、丁度いい」

 

「早速行くぞ!」

 

「おう!」

 

あたりのモンスターを全滅させ、次の場所へ。

レベル上げを兼ねたアイテム集め中だった。

 

「イベントまでになるべくあげておきたいからな」

 

「ああ。その分ギルドの役に立てるさ」

 

二人はどんどんモンスターを倒していく。

敵は強いが経験値の効率が良いと評判の森で、

ひたすらに倒していく。

 

「アイテムやゴールドはイズたちが稼いでくれている」

 

「ああ。私たちはひたすら強くなればいい!」

 

頑張ってくれている仲間たちの為、精一杯のことをしている二人。

 

「…なんてったって桁が違うからな」

 

「…ああ。アレはな…。バランスが心配になってくるレベルだ…」

 

今まさに行われているバックアップメンバーでの準備光景を想い、

軽く遠い目になる二人だった。

 

 

「…まあ、味方ならいいのよ、うん」

 

「いや、うーん。ありがたいんだけど、これは…」

 

ギルドの近くで、カナデとイズがイベントの準備をしながら遠い目をしていた。

そこには、兎のモンスターを抱えているランチの姿があった。

 

「そろそろMP無くなるんでいったん終わらせますねー」

 

「あ、うん。分かったわ。」

 

「【比翼連理】解除!」

 

ランチがスキルを解除すると、

ランチとイズに片側ずつ生えていた薄緑の透明な翼が消える。

 

「じゃあ、いただきまーす!」

 

そのまま兎に齧り付くと兎はエフェクトとなって散った。

 

「じゃあ次の相手は…また兎さんだね!」

 

敵がいなくなって暫くすると、次のモンスターがやってくる。

さっと掴んだランチはそのまま角の部分を食べる。

すると、兎は武器なし+スキル封印の状態となり何もできなくなる。

ランチはそんな兎を再び抱きかかえた。

 

「じゃあ、MP回復したので再び【比翼連理】!」

 

再び、ランチとイズに薄緑の透明な翼が生える。

ランチは右側、イズは左側だけ翼が生えている。

 

「大丈夫でーす」

 

「じゃ、じゃあ続けるわね」

 

我に返ったイズが再び作業に戻る。

イズが最近取得したスキルにより、森の中に作られた臨時工房で、

とんでもない量のアイテムが生産されていた。

 

「自分でやってて何だけど、これは凄まじいわ…」

 

イズの生産スキルはMPを消費するものばかりだが、

本人のキャパシティを遥か超える量を生産していく。

 

理由は、ランチからMPの供給を受けているためだった。

それはランチが第3回イベントの報酬で得たスキルが関係していた。

 

 

【比翼連理(ひよくれんり)】

指定した相手にHPもしくはMPを分け与える。

 

Lv×5%の値が相手に与えられる。最大で50%。

HP/MPともに最小は 20。最大は制限なし。

 

以下の条件で解除される。

 ・術者のHP/MPが20以下になった場合

 ・術者と相手が10m以上離れた場合

 ・術者がスキルを解除した場合

 

 

相手にHP/MPを分け与えるスキルなのだが、

初期レベルだとHP100を使ってもHP5しか与えられない。

自分のHPは100減ってしまうため、

パーティ全体でみるとHPが激減してしまう。

MPも同じことがいえた。

 

レベルが最大まで上がれば実用的にはなるが、

与えたHP/MPに比例するため育成に膨大な時間がかかる。

扱いが難しいスキルであり、取得したプレイヤーは

基本的にいなかった。

 

しかし、ランチの目に留まってしまったのだった。

現在のランチのステータスは以下の通り。

 

 

name:ランチ

Lv :54

HP :4440(+1000) (戦闘時:43520)

MP :310(+10) (戦闘時: 2560)

STR :0

VIT :0

AGI :0

DEX :0

INT :0

 

装備

 頭 :食神のシェフハット

 左手:食神のボウル

 右手:食神のウィスク

 体 :食神のコックコート

 装飾:食神のコックタイ

   :海皇のペンダント

   :絆の架け橋

 

スキル

【超大物食らい】【暴食】【双身】

【食材集合】【相対成長】【食材分割】

【食神の霧】【食材観察】【料理生成】

【生命循環】【口腔浄化】【捕食の手】

【MP強化小】【麻痺耐性大】【毒耐性大】

【海皇の魂】【銀翼の魂】【封鎖海域】

【暗視】【比翼連理】

 

 

レベルはNWO全体でも5位以内に位置している。

基本的にLv10の倍数の前後だけMPに振るようにしたランチは、

以前より特にMPの伸びが大きい。

 

そして、本来はレベル上げが容易ではない【比翼連理】も、

ランチの豊富なHP/MPのおかげで既に最大レベルに到達していた。

 

 

秘かに決定打になりうるこのスキルの存在をギルドメンバーが

知ったのはつい最近。目の前に大量のスイカを用意しながら、

ランチがメイプルと話をしていた時だった。

 

「そういえば、おすそ分けできるようになったんだよ」

 

「ん?おすそ分け?料理は今までも分けてもらってるよね?いつもありがと!」

 

「どういたしましてー。料理もできるけど、HPやMPも出来るようになったんだ」

 

「はい…?」

 

楽しそうに話す二人を見てざわめくギルド。

 

「えーとランチ、なんかスキル取った?」

 

「うん。第3回イベントの報酬。【比翼連理】っていうんだよ。なんか綺麗な響きだよねー」

 

ランチから説明を聞いた大人組などは天を仰いだ。

 

「あ、それなら早速頼めるかな?MPの支援を頼みたいんだ」

 

そんなランチにカナデが声をかける。

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「今日は強力なスキルが出たんだけど、MP消費が激しすぎて使えなかったんだよね」

 

「なるほどー。じゃあ早速行こうか」

 

「ありがとう。って、どこ行くの?ここでやるんじゃ?」

 

「ううん。すぐそこのモンスター出る所でやるんだよ」

 

「何でわざわざモンスターが出る所で?」

 

「えーと、それはね」

 

ランチから説明を聞いたメイプル以外の全員が天を仰いだ。

 

「あー。それなら、私も準備にMP結構使うから、便乗させてもらってよいかしら」

 

「もちろん大丈夫ー。じゃあ行きましょー」

 

 

そして今に至る。

 

「そろそろ一回止めます」

 

「ええ、分かったわ」

 

暫くして、ランチが再び兎を食べる。

暫く待ってまた兎を捕まえてくる。

 

「じゃあ…【比翼連理】!」

 

再びMPが供給される。1回で約1000のMPが供給される。

MPが減ってきたら再度敵を食べて戦闘を終わらせる。

すると【超大物食らい】が都度発動しランチのHP/MPが全快する。

 

「(既に私のMPの100倍はアイテム作ったわねぇ…)」

 

「(魔導書庫もレアスキルで一杯になった)」

 

ちなみにイズは最近手に入れたユニーク装備で、

ゴールドを素材に変換できるため、ゴールドがあれば

いくらでもアイテムを作ることができる。

 

そして、ランチは普段ゴールドを使わず、

イベントでもとんでもない数のモンスターを倒しており、

文字通り桁違いのゴールドを保持していた。

 

「それにしても、このゴールドの量…さすがに心が痛むわ」

 

「大丈夫ですよー。使わないですし。お礼は料理でお願いしまーす」

 

「ええ。もちろん良いわ。ありがたく使わせてもらうわね」

 

ランチは稼いだゴールドをイズに渡していた。

報酬はイズが作る美味しい料理とその作り方だった。

 

第3回イベントで大量の肉を手に入れ調理したことをきっかけに、

NWOの中で普通に料理を作ることも始めだしていた。

 

【料理の素】で作る料理も楽しいのだが、

自分で作るのと味の微調整なども出来るのが大きかった。

 

肉はいっぱい余っているので、第4回イベントの後にも、

盛大にパーティをやりたいなと思っているランチだった。

 

 

 

「うん。これで一通りできたと思うわ。ありがとう、ランチちゃん」

 

「僕もスキルがこれ以上なく充実したよ。ありがと、ランチ」

 

「お役に立ててうれしいですー。じゃあギルドに戻っておやつにしましょー!」

 

工房を片付けるイズ。

アイテム欄にはイベントを戦い抜くに十分すぎる量のアイテムが準備されていた。

 

キューブ型の杖を仕舞うカナデ。

周りの魔導書庫は満タンになっていた。

MP消費が非常に大きい強力なスキルも大量に詰め込んであった。

 

最後の兎を食べるランチ。

アイテム欄にはとんでもない量の料理が収まっている。

レアな効果がある料理も大量に用意していた。

 

「いよいよ、イベントね」

 

「うん。出来る限りの準備はできたと思うな」

 

「楽しんでいこうねー」

 

バックグラウンドを担う3人が準備を終えギルドへ戻る。

 

「お、帰ってきたな。そろそろ説明があるぞ」

 

「そのあとは開催を待つだけか」

 

「楽しみだね!」

 

「「精一杯頑張ります!!」」

 

前線のメンバーたちもそろっていた。

この後は運営からイベント説明があり、次の日から開始される。

 

NWO初のギルド対抗戦。第4回イベントが始まろうとしていた。

 

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はい。準備完了です。

ごめんなさいイベント始まりませんでした(謝)。

次回こそ始まりますー。
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