食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいー。

誤字・脱字の報告ありがとうございましたー。
色々修正させていただきましたー。
(機能そのものをしばらく忘れてました。ごめんなさい)

ご感想ありがとうございますー。
毎回励みにしていますー。

それでは、ディナーのお時間ですー。

(ちょっと修正。ご指摘ありがとうございますー)


美咲とディナー

「ぎゃあああ!!!!」

 

爽やかな朝の悲鳴が、澄み切った森に木霊する。

…ということもなく、森の中は阿鼻叫喚に包まれていた。

 

最初の悲鳴はディナーの【食らいつき】をくらった大盾の男だった。

【レージング】の効果で【食らいつき】時のSTRが2倍、相手のVITが1/4扱いになるため、

大盾の長所であるVITの高さは無視され、あえなくディナーに食べられた。

 

桁違いのVITがあれば耐えることは可能なのだが、

あいにく該当するプレイヤーはディナーというかランチの仲間だった。

 

「大盾がやられた!」

 

「くそおっ!【ダブルスラッシュ】!!」

 

「うわっ!」

 

(わうっ!)

 

タンク役がいなくなったことで一気に体制が崩れる。

反撃に出るべく、前線の短剣使いがスキルを放つ。

それはディナーの頭部に命中し、ダメージエフェクトが散った。

 

しかし…

 

「HPがほとんど減ってないぞ!?」

 

「マジか…。」

 

攻撃を当てた短剣使いが絶望する。

HPは削れていたが微々たるものであり、

このままでは何度攻撃したら良いか分かったものではなかった。

 

なお、ディナーの現在のステータスは以下のとおりである。

 

name:ディナー

Lv :10

HP :2000

MP :50

STR :280

VIT :50

AGI :400

DEX :80

INT :60

 

スキル

【食らいつき】【覚醒】【休眠】【レージング】【ドローミ】

【グレイプニル】【フローズヴィトニル】【ヴァナルガンド】

 

元々が規格外ともいえる性能を持つモンスターだが、

その分レベルはシロップや朧たちよりも上がりにくい。

 

しかし、ランチが大量の敵を集めて食べさせていたことで、

どんどんレベルは上がり、ステータスも劇的に上がっていた。

 

「仕方ねぇ!上の奴を狙え!」

 

「おう!【ダブルスラッシュ】!」

 

「【ファイアボール】!」

 

後ろに居た魔法使いが指示を出す。

短剣使いがランチに向かって攻撃すると同時に魔法使いがスキルを詠唱。

 

前衛の攻撃と後衛の攻撃がほぼ同時にランチのもとへ到達する。

時間差を踏まえた綺麗な連携だった。

 

「うわっと!」

 

「なっ!?素手でつかんだ!?」

 

「こっちも!」

 

「馬鹿な!?」

 

二人が同時に呆然とする。

短剣使いの短剣はランチの右手に、魔法使いの火球はランチの左手に収まっていた。

 

「うん。サリーと練習してたおかげだね

 じゃ、いただきまーす。…やっぱり武器は味が無いんだ」

 

「やめろぉぉ!!俺の武器が!!」

 

「スキルを食うなぁぁぁ!」

 

自分の武器やスキルが食われる絶望的な光景を目にする二人。

【スキル封印】がかかった二人は、その後ディナーに食べられた。

 

「に、逃げるぞ!」

 

「ま、待ってよぉ!」

 

そして、二人が食べられている間に、

控えの槍使いとバックに居たヒーラーは全速力で後退した。

 

「はぁはぁ!!こ、ここまでくれば」

 

「で、でもさっきの霧を出されたら…」

 

「だ、大丈夫だ。俺の【旋風槍】で散らせる!さっきも大丈夫だった!」

 

「分かったわ…」

 

逃げられたこと、霧が出ても対処できることが分かり少し安心する二人。

…それ故に、次に起こったことには二人とも対処できなかった。

 

ザバッという音が2つ。

 

「うわあっ!」

 

「な、何?!」

 

二人が水に落ちた音だった。水は自分たちが来た方向へ向かって流れている。

 

「なんだよこれ!な、流される!」

 

「う、海?いや、川なの…?どうして突然…」

 

「おい、なんかデバフかかってるぞ!」

 

「あ、私も!【AGI-20%】って!これもスキルなの!?」

 

周りを見渡すと、自分たちは突然発生した川の真ん中に居た。

深さは腰のあたり。幅は10m程度で長さは100m程度。

端では、流れる水が不自然に消えていた。

 

そして…

 

「さっきのモンスターがやってくるわ!」

 

「は、速ぇぇ!水の中で流れに逆らってるんじゃないのか!!?」

 

水の中を悠然と走るディナーがいた。

 

水の中も流れも、まるで存在しないかのように動くディナー。

それもそのはず。ディナーのスキル【ヴァナルガンド】によって

生み出された川だからだ。

 

【ヴァナルガンド】

自身の周囲に流れる川を出現させる。効果は10分。

川の中では以下の効果が表れる。

自身およびプレイヤー

 【HP回復 1%/10秒】

 【火属性半減】

敵モンスターおよびプレイヤー

 【AGI -20%】

 

消費

 なし。1日3回。

 

現れた川はディナーが作り出したもので、

ディナー自身は水中などの制約は受けない隠し効果もあった。

 

「逃げないと!!って、うわっ!」

 

「足首を何かに掴まれた!?」

 

近づくディナーを見て逃げようとする二人だったが、

何者かに足を掴まれてしまう。

 

「人魚に足を掴まれてる!?くそっ!動けねぇ!」

 

「こ、この人さっきモンスターに乗ってた人!」

 

それは、人魚姿で川の中を先行したランチだった。

ランチ本人は川の制約を受け、【海皇の魂】が発動したのだ。

 

(川の中だと人魚姿になっちゃうんだよねぇ…)

 

(とりあえず、ディナー、【食らいつき】!)

 

「ああああああ!来るなぁ!!」

 

「いやあああぁぁ!!離してぇ!!」

 

二人のもとへディナーが到達する。

動きが取れない中、ゆっくりと口を開けて迫る大狼。

恐怖以外の何物でもない中、二人も綺麗に食べられた。

 

後には、元に戻った森と静寂が残った。

 

「うん。ありがと、ディナー」

 

(わうわう)

 

なでなでされるディナー。

 

「よし、じゃあ次行こう!」

 

周囲の探索を再開するランチ。

その後は順調に進み、ギルドへと帰還したのだった。

何人か追撃をして食べられたプレイヤーも居たが。

 

 

「あ、ランチ、おかえり!」

 

「「おかえりなさい!」」

 

「ただいまー」

 

ギルドに戻ると、メイプル、マイ、ユイが迎えてくれた。

 

「あら、ランチちゃん。おかえりなさい。大丈夫だった?」

 

「おかえり。どうだった?」

 

声を聴いてイズとカナデも後ろの部屋から出てくる。

 

「うん。サリーの言う通り、結構引っかかってくれたよ。」

 

「これが印付けた結果。」

 

そう言うと、ランチは自分のマップを表示させる。

そして、テーブルにお菓子を置き始める。

 

「おお!!さすがランチ!」

 

「凄いわね…。これで周囲のギルドはほぼ分かったようなものね」

 

「近くでも結構あるね」

 

マップには半径約200m内のギルドの位置が記されていた。

カナデが素早く位置を記憶し、ギルドの掲示板に記していく。

後に、周りのギルドに絶望を与えることとなる地図が完成した。

 

「あ、クロムさんにカスミ!」

 

「ただいま」

 

「戻ったぞ。ああ、ランチも戻ってきているな」

 

「おかえりー。おやつだよー」

 

狩りから戻ってきたクロムとカスミにも、地図を共有する。

 

「これは…。今後の狩りに活用できそうだ」

 

「ちょっと周りが可哀想にもなるな…」

 

「ただいま!」

 

続いてサリーが帰還する。

 

「サリーおかえり!」

 

「うん。早速で悪いんだけど、オーブ2つ掠め取ったから預かって」

 

「私はすぐに次へ行くから」

 

「まーまー、サリー。ちょっとおやつタイムしようよ」

 

オーブを渡すとすぐ出ようとするサリー。

 

「そんな時間は…ってランチ!もう戻ってきてたの?」

 

「うん。周りも見てきたよ。そこも共有したいし、ね?」

 

「分かった。」

 

そしておやつタイムとなる【楓の木】。

 

「大規模ギルドには数で勝てない。スタートダッシュしていく!」

 

サリーが今後の動きを説明していく。

【楓の木】は一騎当千と言えるメンバーが揃うが、やはり小規模ギルド。

オーブを奪うという人が必要な作業は人数がものをいう。

 

「あとは強敵も要注意。【集う聖剣】や【炎帝の国】とは今は戦いたくない」

 

 

 

 

「【炎帝の国】は、ミィとミザリーもいるから、できれば戦いたくないなぁ」

 

ランチがこぼす。

 

「…うん?ランチ、ミィを知ってるの?」

 

「うん。フレンド登録もしてるよ」

 

「えっ?もしかしてリアルで知ってたり…?」

 

「ううん。イベントの時に成り行きで…。凄い炎だったなぁ。

 あ、美味しかったよ。確かグレープフルーツ味だった!」

 

「ああ、うん。そっか」

 

その発言にツッコミが追いつかなくなる面々。

ミィもミザリーも、誰もが知るレベルのトッププレイヤーだ。

 

特にミィは第1回イベント4位、魔法使いおよび炎使いの頂点であり、

現在も最強候補の一角として君臨するプレイヤーだった。

 

「第1回イベント4位と5位の激突か…。見てみたかったな」

 

「前回イベントで演説してた人ですよね。カッコ良かったです」

 

「あはは…」

 

そんなミィのホントの姿を見てしまったことが原因とはいえず、

あいまいに笑うランチだった。

 

「…うん。でも、上位を目指すにあたって【炎帝の国】は避けて通れないかもしれない」

 

「トップギルドでもあるし、なるべく戦いたくはないけど、仕方ない時は来るかもしれない」

 

「うん、分かった。大丈夫だよ(ミィやミザリーの武器も食べてないしなぁ)」

 

サリーが厳しい顔で話す。ランチも納得する。

背後にあるランチの思いには気づかなかったが。

 

「じゃあ、次行こう!」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

おやつタイムを終えた面々は、再度オーブの奪取・防衛につく。

そんな【楓の木】には掠め取られたオーブを奪還するべく、

複数ギルドからの襲撃が迫っていた。

イベントは1日目から激闘の展開を迎えつつあった。

 

 




ということで、ディナーのディナータイムでしたー。

次回は更にイベントが進んでいきますー。
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