食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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イベント進んでますー。




美咲と炎帝の国

 

「ここだ!」

 

「ここに俺たちのオーブが…!」

 

森の中の洞窟前に、男女大勢が集まっていた。

向かうべくは洞窟の中。オーブの反応がある場所だ。

 

オーブを取られたことで、オーブの反応めがけて進軍していたギルド達。

途中で同じ目的と知った彼ら彼女らは手を組んだ。

 

「取り戻せぇ!!」

 

「おおお!!!」

 

戦力増強に喜ぶもの、勝った後のことを冷静に考えるもの。

様々な思惑をもつ一同は洞窟に入り奥まで突撃する。

 

「あ、誰か来たよ」

 

「オーブを取り返しに来たんだね。じゃ、手はず通りに」

 

「「はい!」」

 

「はーい」

 

オーブの反応がある場所、洞窟奥の広間に着くと、

そこにはローブを被った者たちが5人見える。

 

殺気だった侵入者と比べて、5人はのんびりしたものだった。

 

「行くぞぉ!我らが栄光の為に!」

 

男の咆哮とともに、数々のスキルが5人を襲う。

なすすべなく炎に包まれた5人。

 

「やった!これで!」

 

「よし!オーブをって、何!?」

 

ニヤリとしてオーブを取りに行こうとした別の男は、

炎が消えても全く先ほどと変わらず佇む5人を見て歩みを止めた。

 

「アイツが守っているんだ!真ん中の奴を狙え!」

 

「おう!うわぎゃ!」

 

真ん中のプレイヤーから生える白い翼と天使の輪。

今の状況を作り出しているのは明らかだった。

 

しかし、動こうとしたプレイヤーは唐突に倒れ伏してエフェクトと散る。

見ると、右の二人が下に落ちている鉄球を拾って投げつけていた。

 

「「【投擲】!【投擲】!」」

 

可愛い声で投げられる鉄球はすさまじい速度でプレイヤー達に迫る。

弾こうとした剣は折れ、受けようとした盾は砕け、プレイヤーは散った。

 

「き、貴様っ!」

 

「きゃっ!」

 

二人の片割れをボウガンで狙い撃つが、かわいらしい声とともに弾かれる。

 

「こ、攻撃が効かないだと!」

 

「こっちもだ!」

 

「ま、まずい!撤収しろ!」

 

「【パラライズレーザー】!」

 

他にも攻撃が効かないことに気が付いた侵入者たちは、

不利を悟り逃げ出そうとしていた。

…そしてそれを予想していた左のローブがスキルで縫い留めた。

 

「か、体が動かな!ぎゃあ!!」

 

「うわあ!!」

 

【麻痺】状態で豪速の鉄球を受けたプレイヤー達はあえなく散る。

残りは2人。

 

「クッソ!!せめて一撃でも!!」

 

「ああっ!?ちっくしょう!!」

 

既に生還は望めないと悟った二人は、全ての元凶たる真ん中のローブと、

何もしておらずもしかしたら倒せるかもしれないと思った左隣のローブに、

突撃をかけていった。

 

カキン!パシッ!という効果音が聞こえた

 

「攻撃が?!馬鹿な!」

 

「受け止めただと!」

 

その衝撃でローブのフード部分が外れた。

 

「め、メイプルかよ…ミスったな」

 

「ら、ランチ…。あああ!食うなぁ!!」

 

自分たちがだれを相手にしていたか分かった二人は、

半ばあきらめたような顔をしていた。

(ランチに突撃をかけたプレイヤーは、

自分の武器が食べられるのを見て絶望していたが)

そして、右の二人が放つ大槌の一撃で、それぞれ散った。

 

命と引き換えに、彼ら彼女らは「襲ってはいけない場所」の情報を持ち帰る。

そして、一部メンバーは、先ほど襲ってきた【霧】との関係性に気づいて、

軽く青ざめていた。

 

 

 

一方そのころ、攻撃組はランチが持ち帰った情報をもとに、

近くの敵プレイヤーを倒すため行動していた。

 

「御免!」

 

「ぎゃああ!!」

 

カスミもその一人で、森の中で単独もしくは少人数の

プレイヤーを見つけては切り捨てていた。

 

「…そこに誰かいるな、出てこい」

 

「あー。さすがだな。見つかっちまった。」

 

幾人かを切り捨てたカスミは、違和感を感じて木へ話しかける。

すると後ろから1人のプレイヤーが出てきた。

その姿を見たカスミは露骨に顔をしかめ、その場を去ろうとする。

 

「…帰るか」

 

「まーそういうなよ。カスミ。」

 

そのプレイヤーはカスミをまるで知っているかのように話しかける。

長身短髪で、整った顔を持つそのプレイヤーの名はシン。

第1回イベント7位、【崩剣】の銘を持つトッププレイヤーだった。

 

「久しぶりだな。第1回イベント以来か。

 お前も【炎帝の国】に誘うつもりだったんだが」

 

「すまんな、メイプルの方が早かった」

 

「まあ仕方ないな。が、出会ってしまったからなぁ」

 

「…」

 

「第1回イベントでは俺負けてるからなぁ…!」

 

剣を抜くシン。

カスミももはや戦闘は避けられないと踏んで、刀を抜いた。

 

「…そういえば、お前は【炎帝の国】に居るんだったな」

 

「ああ。そうだぜ」

 

武器を構え腰を落とすカスミは、少し思い出したように語りかけた。

 

「ギルドマスターの【炎帝】とはどんなプレイヤーなんだ?」

 

「ははは。さすがに教えられないな」

 

「ああいや。スキルなどではない。【炎帝】本人の話だ

 

「うん?なんだ、ミィに興味あるのか?」

 

「少しな。…いや、気にするな…。」

 

朝のランチの話を聞いて少し気になっていたが、

ここは戦場。やるべきことは他にあると、

カスミは頭を切り替えようとする。

 

しかし、意外にもシンは話に乗ってきた。

 

「そうだな…。まずはカッコいい!」

 

「…ん?」

 

「名の通り炎のスキルで戦うんだが、派手でカッコ良くてな。

 あ、本人もすげーぞ。【炎帝の国】の俺らをカリスマでまとめてる。

 戦い方もカッコいいが、本人の在り方もすげーカッコいいな」

 

「ふむ…」

 

「…ああ。そういえば、【楓の木】とは出来れば戦いたくないとか、

 ミザリーが言ってたな。なんか関係あるのか?」

 

「さあな…。ちなみに【炎帝】はなんと?」

 

その言葉とともに、シンの雰囲気が明確に変わる。

鋭い目でカスミを見たシンはこういった。

 

「…必要ならば戦いも辞さない。【炎帝の国】に栄光あれ!ってさ!!!」

 

「(くるッ!)」

 

最後の言葉を引き金に、カスミとシンが激突した。

 

 

 

「また負けかぁ!でもまだ1デスだ!まだまだやれるぜ!」

 

「可能ならもう戦いたくないところだがなっ…!」

 

激闘の結果、奥義と言えるスキルを解放したカスミがシンに勝利した。

 

「【炎帝】はランチとフレンドだと聞いていたが…

それでもうちのギルドを倒す気でいるのか…」

 

シンの言葉を思い出し、カスミは独り言ちた。

カスミはそこに、大規模ギルドを率いる覚悟を見た。

 

「…厳しい戦いになりそうだな」

 

得た情報を持ち帰るため、カスミはギルドへ急ぐ。

その顔は勝利したとは思えないような厳しいものだった。

 

…ちなみに【炎帝】ことミィは心の中では(ランチと戦いたくない!)とか

いろいろ思っているが、その辺りはもちろん周りには伝わっていない。

(ついでに言うと「栄光あれ」とかも言っていなかったりする)

 

【炎帝】として私情を挟まないその厳しい決断はギルド全体を大いに盛り上げ、

おなじくランチとフレンドであるミザリーすら相対の覚悟を決めていた。

 

ミィ自体は何だかんだで【楓の木】と戦うことは無いかも?

と(半ば楽観的に)考えていた。しかし…

 

「…というわけだ。相手の意思は固いぞ」

 

「……」

 

「……」

 

【炎帝】の意思として【楓の木】へと伝わってしまった。

ある意味今後の流れを決定づけてしまう情報が【楓の木】へともたらされていた。

 




言いたいことはちゃんと言った方が良いですねー。

そしてランチちゃん1回も出てこないですすいません。

次回はイベントのお外の話ですー。
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