食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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明けましておめでとうございますー。
今年も続けていきますので、よろしくお願いいたしますー。

お時間開いてごめんなさいー。

今回もランチさんがスキルを披露しますー。


美咲と魂のスキル

「うん。着いた。ありがとディナー。すぐだったね。」

 

スタッフ達が必死の修正を行っている時、

ランチは先ほど壊滅させたギルドの場所から少し移動し、

別の中規模ギルドが見える所へ来ていた。

 

そのギルドは中々の好条件の場所に陣取っていた。

森の中で一段低くなっている、小さな盆地のような場所。

周囲のうち2方向は切り立った崖であり、

必然的に襲撃は残りの2方向からに限られた。

 

地の利もあり、今まで数度の襲撃を受けたが撃退に成功している。

そのせいもあってか、ギルドの雰囲気は少しゆるくなっていた。

…しかし、低所ゆえに上から丸見えになってしまう。

それが問題であることに気づくのはすぐのことだった。

 

ランチが居るのは森の中の小さな丘の上。

上から中規模ギルドがすべて見渡せる位置だった。

 

距離はかなり離れていて、遠巻きに中央へオーブがあることが分かる。

今の距離で通常届くのは弓の遠距離専用スキルなど一部の攻撃だけだ。

 

「じゃ、アレ使ってみようかな。」

 

しかし、ランチは気にするでもなく、とあるスキルの準備に入った。

 

「【銀翼の魂】!消費HPは…10000!あーん!」

 

スキル名を宣言すると、口を開けるランチ。

口の周りに巨大な魔法陣がいくつも形成され、

青白い光がランチの口に集まり出す。

 

「な、なんだあの光!?」

 

「分からん!何かの攻撃か?」

 

「見てくるわ!」

 

「頼んだ!」

 

その強い光は中規模ギルドを照らすほどで、

守りについているプレイヤーも気が付いて動揺が走った。

 

短剣使いのプレイヤーが偵察のため離れる。

…この選択肢はある意味正解だったといえる。

 

次の瞬間、甲高い音と周りを青白く照らす光とともに、

一筋のレーザーがギルドを襲う。

 

メイプルをして【悪食】を切らせざるを得なかった、

現状最強のモンスターが持つ切り札スキルが、

STR1000・射程100mというステータスをもって降り注いだ。

 

「ああああ!!!??」

 

「ぎゃあああ!!!」

 

それはオーブを中心に舐めるように着弾していく。

着弾地点に居るプレイヤー達は瞬時に消滅した。

 

「くそっ!【カバー】!!がああああ!?」

 

「きゃああ!!!」

 

とっさにタンク役のプレイヤーが【カバー】でフォローする。

しかし、耐えることすらできず、かばわれたプレイヤーごと消滅していく。

それどころか、その下の地形までえぐれていた。

 

「なんだこれ!?なんだこれ!?」

 

「モンスター!?」

 

「あそこから狙われてるぞ!」

 

「分かってる!でもどうすりゃいいんだよ!?ぎゃああ!!」

 

大パニックの中、消滅していくプレイヤー達。

光の出所を見ても光で溢れ、かすかに魔法陣が見えるのみだった。

そもそもそんな場所へ届くスキルなどほとんどない。

 

(たのむ!短剣使い!)

 

唯一の頼みは先ほど様子見に向かった短剣使いのプレイヤー。

彼女へ望みを託しながら逃げ惑うしかなかった。

 

 

 

(んー。顔を動かすと撃つ場所もずれるんだねー)

 

一方のランチは、スキルが放つ光に包まれているが、

【暗視】の効果で着弾地点の様子は見えていた。

 

逃げ回る敵プレイヤーが居るところに向けて顔を動かしていくと、

レーザーの着弾地点がずれ、どんどん敵プレイヤーが消滅していく。

 

「あむっ。なるほど。こんな感じなんだね」

 

10秒後、口からレーザーが出なくなったのを見て口を閉じるランチ。

オーブ周りのプレイヤーは消えていた。

 

 

「さて、HP回復の為にも、おやつが必要だよね!」

 

なんとなく言い訳のようなことをつぶやいて食べ物を用意するランチ。

 

【ビスケット】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:STR上昇 10分間 5%

 

【チョコチップクッキー】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:HP上昇 10分間 5%

 

【マカロン(バニラ)】

  食べ物。食べると美味しい。

  付与効果:状態異常時間短縮 10分間 15%

 

【レモネード】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:状態異常耐性アップ 10分間 10%

 

「うん。美味しいね」

 

(わうわう)

 

「はぁはぁ!み、見つけた!!」

 

「ん?」

 

ディナーとお菓子を堪能していると、

一人のプレイヤーがランチのもとへたどり着いた。

 

それは先ほど壊滅に近い打撃を与えたギルドのプレイヤー。

ギルドがレーザーに焼かれるのを絶望的な気持ちで見ながら、

状況を打破できるのは自分しかいない!と覚悟を決めてやってきた。

 

「よくもうちのギルドを!!覚悟!」

 

「わ、ちょ、ちょっと待って!」

 

「問答無用!!」

 

おやつ中のランチに容赦なく切りかかるプレイヤー。

ダガーによって切りつけられるランチ。

 

「うあっ!あああ!?」

 

「お、お菓子が…!!」

 

ダメージエフェクトとともに、切りつけられたお菓子が消えていく。

消えていくお菓子をみて思わず声をあげるランチ。

 

「くっ!何度斬っても倒れない!!何なの!?」

 

一方、短剣使いのプレイヤーは何度も攻撃しているのに

倒れないランチに焦りを募らせていた。

 

そして、少し動きが止まったランチは顔をあげる。

そこには滅多にない怒りの表情があった。

 

「もう!!ダメなんだよ食べ物を粗末にしちゃ!!」

 

「えっ!?」

 

パシッっという軽い音が2つ。

攻撃していたダガーを両方ともランチが掴んだ音だった。

 

「とりあえずいただきます」

 

「えっ!?やめてぇ私の武器ぃ!!」

 

「うーん。やっぱり味はしないね」

 

ダガーは両方食べられた。

同時にプレイヤーへ【スキル封印】がかかる。

 

「さて…。ディナー!お仕置きの【食らいつき】!!」

 

「え?お、狼が!いやぁぁぁ!!!!離してぇ!!!」

 

指示を受けたディナーが横からにじり寄る。

恐怖で暴れるプレイヤーだったが、

ランチに鎧を掴まれていて動きが取れない。

 

(わうう!!)

 

「いやぁぁ!!?」

 

間近に迫ったディナーが一気に【食らいつき】を発動。

胴に噛みつかれたプレイヤーはそのまま持ち上げられ、

 

「ああああああああああ!!!!」

 

噛みちぎられ、エフェクトと散った。

 

「ふぅ。ありがと、ディナー。まったく、お菓子に攻撃するなんてひどいよね」

 

(わうわう)

 

ことを終えたたランチはディナーをもふもふする。

 

「ここでおやつするとまた襲われるかも…。先にオーブ取っちゃおうかな。

 よし、行くよディナー!」

 

(わうっ!)

 

そのままディナーへまたがり、先ほどレーザーを浴びせたギルドへ向かう。

 

 

 

「て、敵襲!敵は一人!」

 

「くそ、こんな時に!!」

 

「さっき攻撃してきたやつなんじゃないのか?!」

 

ギルドには数人のプレイヤーがいた。

たまたま離れていて、先ほどのレーザーを受けなかったプレイヤー達だ。

 

「あいつが偵察行ってただろ、どうなったんだ?!」

 

「応答なし!やられたんじゃ!」

 

「迎え撃て!」

 

ギルド壊滅の報を受け、慌てて戻ってきた矢先の話だった。

慌てて迎撃態勢をとるプレイヤー達。

 

しかし、プレイヤー達の表情には焦りが浮かんでいる。

というのも、集まったプレイヤー達はそもそも守りが得意ではない。

どちらかというと攻撃寄り。他ギルド攻略のため離れていたのだ。

守りに長けたプレイヤー達は先ほどのレーザーで消されていた。

戻るにしろ時間がかかる。

 

「よーしディナー、ジャンプ!!」

 

(わうう!!)

 

崖の上から一気にジャンプしたディナーは、

防衛ラインを飛び越えオーブの間近に着地した。

 

「なんだと!!?」

 

「くそっ!オーブを守れ!」

 

「取り囲め!!」

 

「今回は直接食べてみよう!ディナー、近づいてくるプレイヤーに【食らいつき】!」

 

ランチのもとへ集まるプレイヤー達。

 

対するランチは戦闘をディナーに任せ、

自らはディナーから降りてオーブへ向かう。

 

「くそっどけぇ!!ぎゃああ!!!」

 

「あああ!!!」

 

プレイヤーとランチの間に立ちはだかるディナー。

その壁は大きく、プレイヤー達は食べられていった。

 

「じゃ、いただきまーす。あむっ!」

 

そしてオーブの所へたどり着いたランチはオーブを一口。

 

「あ…。オーブ取得しちゃった。そっか、食べれないのか…残念」

 

しかし、オーブは先ほど手で触れた時と同じエフェクトを発し、

ランチのアイテム欄へ収まった。

…スタッフによる奇跡的な速度での修正のたまものだった。

 

「オーブがとられたぞ!!」

 

「よーし。じゃ、ディナー、行こうか。」

 

(わうっ!)

 

「逃げたぞ!!追えぇ!!」

 

ちょっと残念そうにするランチは、ディナーにまたがってその場を去る。

オーブの場所を目印にランチを追いかけるプレイヤー達は、

自分が死地へ赴いていることをしばらくして知ることになる。

 

 

 

<スタッフルーム>

 

「修正完了しました!!」

 

「ランチがオーブに噛みつきましたが、ちゃんとオーブ取得になりました!!」

 

一方そのころ、オーブ取得の動作を修正したスタッフは、

ランチが噛みついてもおかしくならないことを確認して安堵していた。

 

「危なかった。ありがとう皆!」

 

「良かったです!」

 

リーダーの【黒】からねぎらいの言葉をかけられた。

 

「他にもあるかもしれない。なにかあったらすぐ声をかけてくれ」

 

「分かりました!」

 

そんなスタッフ達は【銀翼の魂】について考えを巡らせる余裕はなかった。

そのスキルの真価を見るのは遥か先になる。

 

 




そんなわけで今回はランチさんのスキル披露となりましたー。

…あまり展開が進んでいない今日この頃(謝)。

次回もますます展開が進んでいく予定ですー。
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