新しいスキルも手に入りますー。
書き溜めがあるので、暫くはどんどん更新していきますー。
「さて、今日はどこ行こうかな」
学校から帰った美咲は、早速ゲームにログインした。
昨日は森でいっぱい食べた。
普通に考えると食べられそうにないモンスターも、
このゲームでは食べられることが分かった。
…うん、多分このゲーム考えたのは、なんか変な人なんだと思う。
イモムシ齧ったらジャガイモのお菓子の味がしたからね…。齧る私も私なんだけど…。
ま、美味しかったので良し。
「今日はここかな」
街に入って掲示板を見てみる。
すると、南の方にある洞窟のことが書いてあった。
中の湖には、魚がいっぱいいるらしい。
お魚がどんな味か気になるところ。
焼き魚?お刺身?
それか、魚自体が料理できるようになってりして。
時々出てくるモンスターを食べながら進む。
わりと攻撃されているけど、戦闘のたびにHPが4倍になるおかげか、
HPは満タンのままだ。
(食べる姿を見ていた他のプレイヤーはギョッとしているが、
本人は気づいていない)
「到着ー」
洞窟へ入った私は、湖のほとりで早速魚を捕まえることにした。
「わ、早くて捕まえられない…」
しかし、泳いでいる魚が早すぎて、私のAGIじゃまったく追いつけなかった。
「うーん、どうしよう…。入ってみたら近づいてくるかな」
魚もモンスターのようなので、水に入ったら攻撃してくるかもしれない。
それを捕まえよう。
「おー、水に包まれている感覚がある。服を着ている感じもある。凄い!」
「あ、でもやっぱり息も続かないんだ。時々息継ぎしないと…」
湖の中に潜ると、息継ぎが必要なのが分かった。
「わっ!」
色々感覚を確かめていると、お腹のあたりに衝撃が。
見ると、魚が突進してきていた。ダメージエフェクトがはじけている。
「捕まえたっ!」
HPのおかげか1発では全然大したことないので、そのまま捕まえる。
「よし。じゃあいったん上がろう」
「…あれ、ウロコになっちゃった」
一旦地上に上がって食べようと思ったが、ウロコのようなアイテムに変わってしまった。
もう1回試してみると、どうやら捕まえたうえで水から上げるとアイテムになってしまうようだ。
「じゃあ、水の中で食べるしかないか」
そして再び潜る。すぐに魚が突進してきた。
「ほいっと。じゃあ、いただきまーす」
体にあたる寸前で捕まえて、そのまま水の中で食べてみる。
「んっ?カマボコ?」
味はちょっと塩味が付いたカマボコだった。…なるほど。
味が付いている分、上げるとアイテムになるから魚として調理できない…と。
「何はともあれ美味しい!いっぱいいるから、どんどん食べよー」
その後も突進してくる魚をどんどん捕まえては食べていく。
「味はついてるんだけど…マヨネーズとかほしいな。」
スキル【暴食】を取得しました。
「ん?またスキルが手に入った?」
100匹近く食べたところで、スキルを取得する音と、ポップアップの画面が出てきた。
「なんだろう?」
いったん上がって、詳細を見てみる。
【暴食(ぼうしょく)】
食べられるものに制限がなくなる。
消費
なし
取得条件
HPドレインだけでモンスターを200体倒す。
「おおー。色々食べられるようになったってことか!色々食べてみよっと!」
今まで食べていなかったものも、どんどん食べてみようと考えているランチ。
そんなランチが聞いたスキル取得メッセージを、受け取っている人たちがいた。
<運営ルーム>
「なんだこれ!?」
「うわっ!なんだよ一体?」
可愛いアバターから渋い声が聞こえる。
ここはNWOの開発・運営ルーム。
ゲームの監視・イベント管理・不正行為防止などを
スタッフが日々忙しく行っている、
アバターはスタッフの仮の姿だった。
そのうちの1人、青のアバターを使うスタッフがが叫んだため、
緑のアバターを使うスタッフが怪訝そうに尋ねる。
「青」は信じられないといった様子でつぶやいた。
「【暴食】ってスキルを取った奴がいる…」
「劇物ばっか食べたら取れる奴だっけ。…結構やばいスキルだった気がする。叫ぶのも無理ないか」
「緑」がつぶやく。食べ続けると取れるスキルの1つ、【悪食】の話だ。
【悪食】は劇物を大量に食べる必要があるので、普通のプレイヤーだと死んでしまう。
おそらく取得者はいないだろうと、「緑」は考えていた。
その分、強力なスキルにしてある。
しかし、「青」は首を振る。
「いや、それは【悪食】だろ。そっちは俺も知ってる。」
「今回プレイヤーが取ったのは【暴食】だ。…そんなスキルあったか?」
「…いや、聞いたことない気がする。ちょっと待て」
スキルのリストに暴食はない。過去のリストなどにも載っていなかった。
「なんでリストにないスキルが入ってるんだ?!」
「誰だ追加したやつ!」
二人がざわめいているのを見て、他のスタッフも集まってくる。
そのうち、「黒」のアバターを使うスタッフ、運営ルームの責任者が声をかけた。
「どうした?」
「【暴食】ってスキルが、さっき取得されました!」
「聞いたことないな…。もしかして、「アイツ」の仕業か…」
「黒」がつぶやくと、二人も心当たりがあったのか「あっ」と声を上げた。
「プロジェクト開始時に居たアイツですか!」
「そもそも食べたり味を感じたり…もアイツが作った仕組みです。革新的ではありましたが、その分ブラックボックスも多いです」
アイツと呼ばれているのは、ゲームのプロジェクトが始まった時の初期メンバーの一人。
天才肌で、NWOに「食べられる」仕組みが実装されたのもその男のおかげだった。
プロジェクトの途中で、他にどうしてもやりたいことができたと言って離脱していった。
様々なアイテムやモンスターに味や触感を設定したりして、料理もできるようにし、
今では料理店を開くプレイヤーなどもいる。
食のシステムは難解な仕組みで、現在のスタッフでも内容を理解しきれていない部分も多い。
【暴食】についてもアイツが残した仕組みなのだろう。
…【悪食】の方はちゃんとリストに載せているあたりが明らかに確信犯と見える。
「それで、どんなスキルなんだ?」
「えっと、これです…」
「これは…強いとは思うが…。口で食べることが必要だし、そこまででもない…のか?」
何でも食べられる能力。相手の武器や盾、魔法なども食べられると思われる。
しかし、口で食べないと効果がない。
向かってきた剣を食べるとかは難しいだろうし、使いどころは限られるかもしれない。
「はい。そこまででもない…と思います。…問題は他に何が隠されているかですが」
「スキルツリーや一覧から確認できないのか?」
「ツリー上は次のスキルや派生スキルはないです。…ただ、ワールド内にギミックがちりばめられている可能性が…」
「…可能な範囲で良い。確認してくれ」
「承知しました!」
気になりつつ、調査を続けることとしたスタッフたち。
…しかし、その努力をあざ笑うかのように、様々なスキルやイベントが美咲の前に現れることとなる。
ということで、ランチのその後を決定づけるスキルの登場ですー。
そして、謎フラグをビンビン立ててるスタッフさんたち。
ちなみに、スタッフもモンスターもアニメの方の見た目なイメージですー。