食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいー。

【炎帝の国】にお邪魔中ー。


美咲と増援

「ああもうっ!」

 

思わず声が出てしまうメイプル。

 

「ち、近づけません!」

 

「凄い厄介!!」

 

ユイ、マイも思わずつぶやく。

 

【炎帝の国】へ攻め込みミィ達と一度戦った後、

仕切り直して戦っているメイプル達3人。

 

「ノックバックは受けないんだけど…!」

 

「動けなくなる攻撃ばっかりです!」

 

しかし、ミィ達が繰り出すスキルに前進すらままならず、

攻めあぐねていた。

 

「【ホーリーウィンド】!」

 

「【遠隔設置 泥沼】!」

 

「【炎風】!」

 

ノックバックが効かないことを瞬時に見抜いたミィは、

ミザリー、マルクスと協力し、足止めなどのスキルを連発していた。

 

「何とか近づかせていませんね」

 

「といっても…効いてなさそうだよ」

 

「…」

 

一方、貫通攻撃を含めた3人の攻撃でも、

メイプルを倒すには至らず、お互い攻めあぐねている。

ただし…

 

「このままだと…こちらがMP切れになってしまいます…」

 

「うん…。どうする、ミィ?」

 

攻撃が効かない状態を打開しない限り勝ちはない。

それはミィも感じていたことで、戦いながら打開策を模索していた。

 

「……マルクス、この後ろの罠はどうなっている?」

 

「うん?そうだね、メイプルに効果がありそうなのは…あと1つ」

 

「…なるほどな。それなら、そこに誘い込んだうえでアレを使う。

 メイプルをあの場所に暫く留めてほしい。出来るな?」

 

二人の実力を信頼するミィは、質問ではなく確認を取る。

 

「ええ!」

 

「おっけー…!」

 

即答する二人。

 

「では、攻撃しながらポイントまで下がる。行くぞ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

そして3人は攻撃しながら徐々に後退する。

 

「距離が開いちゃう!行くよ、ユイちゃん、マイちゃん!」

 

「はい!!」

 

「障害物は任せてください!」

 

呼応するように進むメイプル達。

元々ミザリーやマルクスが陣取っていた場所まで歩みを進める。

 

「わあぁ!?」

 

「きゃあ!?」

 

「地面が!」

 

次の瞬間、3人の足元に大きな魔法陣が浮かび、溶岩で満たされた。

3人は膝まで溶岩の海に沈みこんだ。

 

「よし!行くぞ!」

 

罠にかかったことを見たミィは、静かに詠唱を始めた。

 

万物の根源 象徴たる炎

 

その赤き力をもって 全てを捕らえし枷となれ

 

 

「だ、ダメージはないけど…!」

 

「暑いです!」

 

「あ、足を捕られて…!」

 

地を焼き天焦がす豪華よ

 

闇に揺蕩う瞬き焔よ

 

「行きます!【ホーリーウィンド】!」

 

「【遠隔設置 岩壁】!」

 

森羅万象を灰燼と化せ灼熱よ

 

汝に求むるは堅牢

 

「くぅ!ユイちゃん!マイちゃん!【毒竜】!」

 

「【ダブルスタンプ】!」

 

「【投擲】!」

 

燃え盛る燐火と爆ぜ

 

我が仇敵を繋ぎ止めし

 

「【ホーリージャベリン】!」

 

「【遠隔設置 防壁】!」

 

絶対無敵の剄となれ

 

【火炎牢】

 

ミィの詠唱が完成し、メイプル達の周りに紫炎の檻が現れる。

 

「うわわっ!上も!?」

 

「た、体力が減っていってます!?」

 

「け、継続ダメージ!?」

 

中に居る3人のHPが徐々に減ってくる。

【身捧ぐ慈愛】発動中にも関わらず、

ユイとマイのHPまで減っている。

 

しかし、溶岩の海に浸かっている以上、

【身捧ぐ慈愛】の解除も出来なかった。

 

「このぉ!【飛撃】!」

 

「【ダブルスタンプ】!」

 

ユイが檻に、マイが溶岩に、スキルを放つ。

 

あらゆる敵やプレイヤーを一撃で葬り去るはずの攻撃は、

しかしどちらも壊すことはできなかった。

 

「こ、壊れません!」

 

「よ、溶岩も全然です!」

 

「ど、どうしよ…」

 

徐々に減るHPを見ながら焦るメイプル達。

脱出する方法を模索する。

 

対するミィ達も余裕はなかった。

 

「まさか【火炎牢】まで出さざるを得ないとは…」

 

「トラップも効いていないね…。【獄炎】っていう取って置きのだったんだけど…」

 

いずれのスキルも破壊不能、かつ確実に敵を倒す奥の手。

しかしメイプル達に対してはどちらも出さざるを得ないと判断した。

実際、メイプル達は溶岩の海が効いていない。

 

しかしメイプル側も簡単には動けない。

ユイとマイのスキルで破壊できなかった時点で、

攻撃による突破は不可能なことをメイプルは悟っていた。

 

「うーん。アレを使うしかないかなぁ…。できれば見せたくないんだけど」

 

「あ、あの…。それなんですが」

 

「前にサリーさんが言ってたと思うんです」

 

悩んでいるメイプルにユイとマイが話しかける。

 

「…なるほど!それが良いかも!」

 

「はい!早速!」

 

「じゃあまずは…これで!」

 

メイプルは飲み物を取り出してユイとマイへ渡す。

 

【クリームソーダ(メロン)】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:火属性耐性アップ 10分間 10%

 

【レモンティー(アイス)】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:火属性耐性アップ 10分間 10%

 

【オレンジジュース】

  飲み物。飲むと美味しい。

  付与効果:火属性耐性アップ 10分間 10%

 

「これ飲んだ後、アイテムで回復しよう!」

 

「はい!」

 

「じゃ、乾杯ー」

 

「冷たくて美味しいです!」

 

炎の檻の中で溶岩の海に浸かりながら、グラスをぶつけ合う3人。

絶望的な状況で正気を失ったようにも見える光景だが、

実際には効果抜群で、HPの減りが僅かに小さくなった。

 

「またなんか飲んでる…」

 

「…ああ。しかし【火炎牢】を維持しながらだと攻撃は出来ないな…」

 

そして、メイプル達はポーションなどを取り出すと、次々と使い始めた。

減っていたHPが回復していく。

 

対して、ミィは【火炎牢】維持のため、ミザリーから受け渡される

MPポーションを使い続ける。

 

「HPが回復してきている!?」

 

「まずいですね…。消耗戦になるとアイテムの消費が…」

 

ミザリーが危機感を覚える。

 

ミィの【炎帝】を中心とした立ち回りにはMPが大量に必要だ。

MPポーションはいくらあっても足りない。

それはギルドメンバーの誰もが理解しており、

大規模ギルドの人数を活かして大量にそろえている。

 

しかし、【楓の木】には大量のゴールドと素材を稼ぐランチ、

そしてゴールドから素材を生み出せるイズが居た。

 

消耗戦になるとメイプル達に分があった。

 

「何かできること…。シンに来てもらえれば攻撃できるのでは?」

 

「それなら妨害できそうだね」

 

「ああ。シンを呼んでくれるか」

 

「はい。もう呼びました」

 

状況打開のため、もう一人の仲間を呼び寄せるミィ達。

対してメイプル達も状況打開の道を探っていた。

 

「さて、ここからどうしようかな…」

 

「回復していればやられることはなさそうですが…」

 

「サリーさんの言う状況にはなったと思うんですが、出れませんね…」

 

<消耗戦は積極的にしかけよう!>

 

今回のイベントでは回復アイテムがドロップしないため、

普通のギルドはアイテムの補充ができない。

アイテムなどの消耗戦を仕掛けられれば長期的に見て有利になる。

 

メイプルはサリーのアドバイスを思い出していた。

丁度良い状況だが戦況としては膠着していた。

 

「一応、ギルドメンバーにメッセージ送っています」

 

「ありがと!しばらく様子見だね」

 

「はい!」

 

 

 

「お待たせ。凄いことになってるな。」

 

「シン!よく来てくれました!」

 

状況が膠着して数分、ミィたちのもとにシンが到着した。

 

「【火炎牢】に閉じ込めたまでは良かったんだがな」

 

「ずっと回復されて倒せないんだ…」

 

「シン、貴方の攻撃で何とかできませんか?」

 

「あれで死なないんだなぁ…。とりあえず、やってみるか。【崩剣】!」

 

説明を受けたシンは、溶岩と檻の灼熱地獄の中で普通に

生きているメイプル達を見てため息をつきつつ、スキルを発動した。

 

「うわわっ!」

 

「なんか飛んできます!」

 

「アイテム使えない!」

 

20個の短剣が檻の中のメイプル達を襲う。

ダメージはないが大量の攻撃が襲ってくるため、

アイテムを使うこともままならなくなり、再びHPが減少しだす。

 

「【ダブルスタンプ】!」

 

「だ、ダメです!吹き飛ばしても戻ってくる!」

 

「うーん。ここから攻撃も出来ないし…やっぱり使うしかないかなぁ」

 

メイプルが隠しているスキルを使おうか考えていると、

溶岩の海を飛び越える影が映った。

 

「これで何とかなるか…?」

 

「シン、油断せずに!」

 

「任せとけって。…おお!?」

 

その影は【崩剣】を使うシンのもとへ降り立ち一閃を放つ。

とっさに避けるシン、直撃は免れたがスキルを消される。

 

「なんだ!?」

 

「敵の増援!?」

 

「アブねぇ!」

 

 

そしてその姿をメイプル達も見た。

長く整った黒髪。桃を基調とした着物。藍色の袴。

それはメイプルが信頼を寄せる頼もしい仲間の姿。

 

「カスミ!!」

 

「「カスミさん!!」」

 

メイプル達とミィたちの間に降り立ったカスミは、

メイプル達を見ると少しだけ微笑み、すぐに顔をもどす。

 

「あー。ここで来るのかよ」

 

「近くに居たのでな」

 

思わず声に出てしまうシン。答えるカスミ。

 

「マルクス、シンの援護を!」

 

「おっけー。」

 

「カスミさん、【身捧ぐ慈愛】の中に!」

 

「心得た。」

 

更なる増援を受け、戦局が変わろうとしていた。




仲間が駆け付けますー。

マルクスの罠はオリジナルですー。

次回はいよいよ決着ですー。
(3話続くと自分でも思ってなかった人)
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