食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間開いてごめんなさいー。
色々あって中々進まなかったですー。

ペインさん達の本気ですー。


美咲と襲撃

「気にかかるのは、やっぱり【集う聖剣】なんだよね」

 

2日目の夜も更け、一旦拠点に集合した【楓の木】のメンバー達。

情報交換しながら今後の動きを考えている中、

サリーが気になっていたことを皆に告げていた。

 

「短剣使いの…ドレッドさんも「また来る」って言ってました…」

 

サリーの言葉を聞いて、不安そうにユイが話をする。

 

「うん。ドラグさんとフレデリカさんもランチが倒したんだよね?」

 

今までの攻防で、【集う聖剣】は主力3人を【楓の木】に撃破されている。

そのまま何もしてこないとは思えなかった。

 

「お夜食~♪」

 

そしてランチはいつも通り楽しくご飯の準備をしていた。

 

「ら・ん・ち・さ・ん」

 

「あ、いや、うん!倒したよ。…だからほっぺ狙ってにじり寄るのはやめよう、サリー」

 

手をワキワキさせながら近づいてくるサリーをみて、慌てて答えるランチ。

 

改めてその話を聞いて、驚くのはカスミとクロム。

 

「あの二人をまとめて倒したのか…」

 

「どちらもそう簡単に倒せるプレイヤーではないはずなんだが、どうやって…」

 

「【封鎖海域】して武器を食べたんです。フレデリカさんのは美味しかったなー」

 

「あれかぁ…。」

 

状況を察したサリーだった。

 

「【封鎖海域】?ランチのスキルなのか」

 

「はいー。…まああまり使いたくはないんですが」

 

「そんなに危険なスキルなのか?」

 

「あ、危険とかは無いんです。ちょっと姿が変わるので…」

 

「そ、そうか。分かった」

 

何となく周囲から冷たい空気を感じ取ったクロム。

主に事情を知るサリー辺りが特に冷えていた。

 

 

 

「今後のことなんだけど、一度ここを離れた方が良いと思ってる」

 

深夜のお茶会が始まる中、サリーが切り出した。

 

「【集う聖剣】が今夜襲撃にくる可能性は高いと思う。

 だから、オーブをもってここを離れたい。どうかな?」

 

皆に問いかけるサリー。

軽食を食べながら皆が真剣に聞いていた。

 

「うん!良いと思う!」

 

「オーブの点は入らなくなるが、取られるよりはマシだな」

 

「うん。丁度今は取ってきたオーブもポイントになって、守る必要もないし」

 

「「賛成です!!」」

 

「じゃあ決まりで」

 

サリーの言葉に皆がうなずく。

 

「それで、いつ頃離れるんだ?」

 

「そうですね。日が変わって皆のスキルが回復したらすぐ出ましょう。」

 

「なるほど。良いと思う」

 

「分かったわ。それまでに準備しておくわね」

 

拠点離脱に向け、各自が動きだす。

時間は深夜。3日目の開始に迫ろうとしていた。

 

 

 

「アンカーが配置つきました!何かあればお知らせします!」

 

「よし。さすがに早いね。ありがとう」

 

「おっけー。行けるよー」

 

「こっちもだ」

 

一方、【集う聖剣】でも着々と準備が進められていた。

全メンバーで移動するための、アイテムなどの整理、

配置などが考えられまとめられていく。

 

ギルドメンバー全体に向けたペインの演説から約2時間、

全ての準備が終わり、出陣の時を迎えていた。

 

「よし、それじゃ行こうか。」

 

「おっけ。」

 

「おお!派手に行こうぜ!」

 

「あー、じゃあ最後に皆へお願いねー」

 

「ああ」

 

整然と並ぶギルドメンバー達を見据えて、ペインは再び声を張り上げた。

メンバー達は一様にペイン、そして周囲の幹部たちを見ていた。

 

皆!

 

今から出る!

 

目標は【楓の木】だ! 

 

各自!通達された目標に従って全力を尽くしてくれ!

 

おおおお!!!!!

 

割れんばかりの歓声の中、ペインは静かに進み始めた。

ドレッド、フレデリカ、ドラグがそれに続く。

 

そして、数百に及ぶ【集う聖剣】のメンバー全員が、

一丸となって移動を始めた。目指すは【楓の木】一択。

 

最強のギルドの全力がメイプル達に迫っていた。

 

 

 

 

「…っよし!上手く行ったみたい!」

 

「やったねサリー!」

 

そして日が変わるころ、闇夜に乗じて拠点の洞窟から出たサリーたちは、

森の中、少し開けた場所に集まっていた。

 

「うん。でも、まだ油断はできないかな。周囲の警戒は怠らないで」

 

「心得た。今のところ何か違和感はないな」

 

カスミが表情を崩さず返す。

周りを警戒しつつも、少しだけ緊張感が解けるメンバー達。

 

「これからどうする?」

 

「そうですね…。可能な限り、【集う聖剣】から離れる方向で。」

 

「そうだね。ただ、オーブも奪わないと」

 

「うん。だから、できれば、他の中規模・大規模ギルドを襲って、

 可能なら【集う聖剣】を巻き込んでいきたい。

 混乱に乗じてオーブ奪えたらベストかな。」

 

「三つ巴にしていく感じか」

 

「といっても、逃げるのが先決ですね。朝まで逃げるか襲うか考えないと…」

 

ざわっ

 

話をしているサリーたちの周りで、木々がざわめく音が一斉に聞こえた。

 

「っ!?」

 

「居るぞ!木々の方!」

 

「こっちもだ!」

 

「む、向こうにも居ます!!」

 

各方向を向くメンバーたちが次々に動く影を発見する。

そして、影たちは全周囲から飛び出てきた。

 

「なっ!?【集う聖剣】のメンバー達!?」

 

「囲まれてる!!逃げられない!」

 

青と白の装束に身を包んだ、【集う聖剣】のメンバー達だった。

メンバー達は素早く【楓の木】を幾重にも囲む。

 

そのプレイヤー達は整然と並んでいて慌てる風でもない。

1人1人が精鋭であろうことを伺わせる。

 

「マジか…」

 

「着けられていたか…?」

 

「気配とかは何も感じなかったのに…!出し抜かれた…!」

 

悔しそうにサリーがつぶやく。

 

サリーは持ち前の勘とスキルを駆使して周囲の気配を察知していた。

以前メイプル・カスミと落とされたダンジョンでは破壊不能ギミックを

事前察知し危険を回避するなどの業を見せていた。

 

…しかし、今回はサリーすら察知できなかった点が一つだけあった。

 

「…こっちか。よし、知らせてくれ。」

 

「ああ。頼むぞ」

 

「そっちこそな」

 

漆黒の装備に身を包んだ二人のプレイヤー。

【楓の木】拠点の洞窟が見えるよう、草陰に潜んでいた彼らは、

静かに動き出す。一人はその場を離れ、一人は【楓の木】を追う。

 

「今なら丁度、向かってくる本体と合流か…」

 

「いよいよだな。負けるとは思えんが」

 

「ああ。楽しみだ…!」

 

彼らは【集う聖剣】の諜報部隊。

サリーですら察知することができなかった、

隠密系のスキルに特化したプレイヤー達だ。

 

(信じられない…。トップギルドがホントにうちを全力で潰しに来るなんて…)

 

サリーは半ば信じられない気持ちで目の前の光景を見ていた。

 

自分たちも警戒したうえで、この状況。

いくら大規模ギルドといえど、ギルド全体が一丸となって

動かないとこの状況は到底作り出せない。

 

(とにかく作戦を!話している時間もない!)

 

サリーは必死に考えを巡らせ、メンバーに素早くチャットを送る。

 

 

 

「アンカー作戦成功だねー」

 

「ああ。凄いな、うちのメンバーは」

 

「あーアイツらか。敵に回したくはねぇな」

 

「何はともあれ、暴れるぜ!!」

 

そして、囲みを割るように、4人のプレイヤーが現れる。

【集う聖剣】の幹部メンバーにしてトッププレイヤーたる、

ペイン、ドレッド、フレデリカ、ドラグだった。

 

ペインは、【楓の木】襲撃を告げる前から、

具体的な襲撃の内容を練っていた。

 

2日目の夜を考えていたペインは、

【楓の木】が逃げることまで想定し、

見失わないための「アンカー」を楓の木に着けていた。

 

そして、本隊を前進させつつアンカーと連携し、

もたらされた情報から【楓の木】の位置を割り出し、

本隊で取り囲むように部隊を動かした。

 

サリーにすら気づかれない諜報部隊。

前進しつつ細かな位置調整にも対応できる本隊。

【楓の木】の動きすら計算に入れたペイン。

どれ一つ欠けても実現はしなかったであろう完全包囲。

 

【楓の木】のメンバーはことここに至って、

【集う聖剣】の本気を感じ取った。

 

「「ドレッドさん!」」

 

「よう、嬢ちゃん方。第二ラウンドだ。」

 

「フレデリカさん!」

 

「やっほーサリーちゃん。今度は騙されないからねー」

 

「あ、ドラグさん。」

 

「あー。今度は負けないぜ。」

 

各々、因縁のある相手と会話をする中、

ギルドマスター同士が静かに見つめ合っていた。

 

「メイプル。いつか戦ってみたいと思っていたよ」

 

「【集う聖剣】のペインさん…。最強のプレイヤーと聞いていますが、負けません!」

 

「ふっ。行くぞ!!」

 

おおおおお!!!!!

 

二人の言葉がきっかけとなり全員が動き始めた。

最大最強のギルドと【楓の木】全力の激突。

NWOの中でも類を見ない大規模戦闘が開始された。

 

 




ということで原作とはちょっと違った戦いが始まりますー。

次回は全力の激突ですー。
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