食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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お時間空きすぎごめんなさいー。
中々まとめられず時間かかってました。

【集う聖剣】との戦いですー。


美咲と大魔法

 

<観戦室>

 

「やべぇな…」

 

リタイヤした人が送られてくる観戦室。

中規模ギルドが壊滅しだしたため、

送られてくるプレイヤーも増えていた。

 

そんなプレイヤー達は、今1つの戦場を見ていた。

あまりの状況に言葉を失っているものも多い。

 

「ペイン達、自分のギルドすら守ってねぇぞ」

 

「メイプルちゃん達も全員出撃だな」

 

「全面対決か…」

 

今回のイベント、大規模な激突は何度も発生している。

中・大規模ギルド同士の戦いも幾度か発生し、

外部のプレイヤーや観戦者を興奮の渦に巻き込んでいた。

 

しかし、今繰り広げられている戦いは状況が異なる。

ペインが率いる【集う聖剣】。

メイプルが率いる【楓の木】。

 

どちらも現在10位以内のギルド、

しかも双方全メンバー同士が集まっている。

 

今まででも類を見ない戦いに皆がくぎ付けになっていた。

 

「【楓の木】が囲まれてるが…何とか押し返しているな」

 

「…何で押し返してるか分からんレベルだが」

 

「小規模だから凄いとかじゃないんだよなぁ」

 

「【集う聖剣】の全力受け止められるギルドは他に無いだろ」

 

 

「ペイン達が動き出したな」

 

「ばらけてるな。四隅から崩していく感じか?」

 

「メイプルちゃんは真ん中で踏ん張る感じか」

 

「メイプルちゃんに向かう集う聖剣のメンバーが増えてる」

 

「そりゃ、ペイン達相手にしながらメンバーの相手は無理だろ」

 

その時、画面が大きく輝く。

 

「なんだ!?」

 

「メイプルちゃんが爆発した!?」

 

メイプルがいる所から色とりどり爆発と閃光が発生する。

周りに居た【集う聖剣】のメンバーが一気に巻き込まれて消えていった。

 

「違うぞ。横の二人が一気にスキルやアイテムを使ったみたいだ」

 

「ああ。相当上位のスキルだぞあれ…」

 

「アイテムも強いな…。無くならないのか?」

 

「後先考えてる状況でもないだろ」

 

「あ、亀」

 

晴れた先に見えたのは、巨大化したシロップと、

その上に乗るイズ、カナデ、そしてメイプルだった。

 

「亀が空に昇っていく…」

 

「上から攻撃するつもりか?」

 

昇っていく亀を見ながら、とある重要な事実に気づく。

 

「…あの光、上に行っても地上に効果あるんか」

 

「結構やばいよな…。空のメイプルちゃんをどうしろと」

 

「ずり落とすとかしかなさそうだなぁ」

 

「【ノックバック】も重要になりそうだな」

 

空に昇った亀の上では、メイプル、イズ、カナデが

それぞれスキルを準備していた。

 

「さてどうする?」

 

「ペイン達も気づいてるようだが目の前の相手に集中しているか?」

 

更なる局面に入ろうとしていた戦いに、

凄まじさから潜んでいた興奮がよみがえってくる。

 

「ヤバい。テンション上がってきた!」

 

「これは二度と視れんかもしれん!」

 

「目ぇ離せないぞ!」

 

観戦室のボルテージが最高潮に達しようとする中、

メイプル達の攻撃が始まろうとしていた。

 

 

 

「くっ!きつい!」

 

「【多重風刃】!」

 

「朧!【狐火】!」

 

(ぴゃあ!)

 

フレデリカ達と対峙するサリーは苦戦していた。

 

(フレデリカさんの攻撃が厳しい!私の避け方知ってる!)

 

メンバーの攻撃はともかく、フレデリカの攻撃は、

サリーと幾度か対峙している経験を生かしたもの。

 

メンバーとの連携も上手く、サリー1人ではどうしても

避けきれない攻撃も飛んできていた。

 

それを避けさせているのは、ひとえに朧のおかげだった。

一部のスキルを朧が相殺することで、避ける場所を見出している。

 

(朧!ありがとう!)

 

「避けるねー。でもこれはどうかな!?」

 

「【多重炎槍】!」

 

本来なら横に飛ばす槍を上から降らすフレデリカ。

防御貫通を持つ大量の炎の槍が、

サリーの周りに突き刺さる。

 

「当たると痛いよー!」

 

「なっ!まさか足止め!?」

 

「これで次の攻撃は避けれないでしょー!」

 

止めようとするサリーだが、

他のメンバーからの攻撃もあり、

フレデリカを阻止するまでは至らない。

 

(まずい!)

 

次の攻撃は先ほど受けた風の刃と見抜いたサリーだが、

周りの炎槍に当たっていけないとなると話が変わる。

 

避けきれない

 

直感でそう判断したサリーは打開策を考える。

 

次の瞬間、光が降り注いだ。

 

「うわっ!?」

 

「ぎゃああ!!」

 

「上から攻撃だ!下がれ!!」

 

上空からのメイプル達の攻撃がフレデリカ達に襲い掛かる。

 

「【多重障壁】!一度下がるよ!」

 

「分かりました!」

 

周りのメンバーに防壁を張りつつ後退するフレデリカ達。

 

「メイプルが上から攻撃したのか…」

 

「よし、私たちも体制を整えよう!」

 

<[サリー]皆!可能なら一度真ん中へ!>

 

メッセージを送ったサリーは周りを見渡す。

メイプルからの砲撃は全方位に及んでいて、

ランチ、カスミ、クロムも戦闘が中断していた。

 

 

 

「やぁっ!」

 

「おっと!【スラッシュ】!」

 

「きゃあ!?」

 

「お姉ちゃん!【ダブルスタンプ】!」

 

「それは見たな。よっと」

 

「きゃっ!」

 

ユイとマイはドレッドと対峙していた。

攻撃やスキルで迎撃するが、ドレッドは

全てを回避して逆に攻撃を加えてくる。

 

一度戦ったユイとマイのスキルは通用しなかった。

 

「ユイ!マイ!下がれ!【炎斬】!」

 

「「はいっ!」」

 

「おっと、それは見たことねぇな」

 

割り込むようにクロムが攻撃を放つ。

ドレッドも下がり、一旦両者の距離が開く。

 

「やっぱ簡単にはいかねえか。あんたも死なねえな。だるい」

 

「おれもしぶといぜ、それなりにな!」

 

「あー。全員一旦下がるぞ。なんか来る」

 

そしてドレッドが上を向いた次の瞬間、

多種多様なスキルが降ってきた。

 

「うわあ!」

 

「マジか!」

 

「一旦立て直すぞ。嬢ちゃん方、またな」

 

スキルを避けるようにドレッドたちが下がる。

 

「何度来ても倒します!」

 

「負けません!」

 

「俺たちも一度集まるぞ!」

 

サリーからのメッセージを受けて、

クロム達も体勢を立て直すべく移動した。

 

 

 

 

「【グランドランス】!」

 

「おっと!はっ!」

 

「当たらねぇ!」

 

お互いのスキルを避け、防ぐ。

カスミとドラグもまた、一進一退の攻防を続けていた。

 

特にカスミは、ドラグの斧を刀で受けるわけにはいかないと

直感的に理解していた。

 

(あの斧を受けると、おそらく刀が持たない…。

 強いな…。ランチはこいつを倒したのか…)

 

対するドラグも、カスミがメンバーを倒すところを見ていて、

攻撃を食らうのは危険と考えていた。

 

(うちの奴らを一撃だし、下手に喰らうとヤバいな。

 攻撃も避けるし…。一筋縄じゃ行かねえな)

 

「強いな、アンタ」

 

「お前もな」

 

「が、そろそろ決着つけるぜ!」

 

「望むところだ!切り捨てる!」

 

二人が動こうとした瞬間、間に攻撃が降り注ぐ。

 

「なんだぁ!?上か!亀かよ!」

 

「メイプルか!」

 

攻撃を避けるように、二人の距離が離れる。

 

「仕方ねぇ。仕切り直しだ。またな」

 

「何度来ても同じだ」

 

カスミもまた仲間のもとへ向かう。

 

 

 

残る一方では、ランチとペインが対峙していた。

 

「ディナー、【食らいつき】!」

 

「食らうわけにはいかないな。【破砕の聖剣】!」

 

突進するディナーを避けて、ペインがスキルを放つ。

 

(わうう!?)

 

スキルを受けたディナーが吹き飛ばされ、

ランチのもとへ転がってくる

 

「ディナー!大丈夫!?」

 

(わうっ)

 

思わずディナーを抱きかかえるが、

【身捧ぐ慈愛】によってダメージは受けていなかった。

 

「さて、剣を掴まれるとダメだったか。中々大変だ」

 

「美味しくいただきますよー」

 

「ははは。せっかくだが、遠慮しておこう。」

 

「遠慮せずにー。いくよディナー!」

 

「こい。と言いたいところだが、少し引かせてもらうよ」

 

「えっ?うわぁ!」

 

ランチ達がいる所へスキルが降り注ぐ。

 

「あれ、なんともない?メイプルかぁ」

 

「さすがにそれは防げないからね。一旦失礼するよ」

 

「はいー」

 

そしてわりとほのぼのしているランチも皆と合流する。

双方が引いたことで、一旦戦局が静かになった。

しかしそれは更なる激突前の静けさだった。

 

 

「みんな無事か?」

 

「何とかねー。」

 

「だるいわ。」

 

「強ぇぞ!」

 

メイプル達の砲撃を避けるように引いた【集う聖剣】の

幹部たちは、ランチが居た場所の正面に集まっている。

 

「あの光がめんどくさいな。何回か斬ったがダメージが入らなかったぜ」

 

「だねー。そうなると【貫通攻撃】になるんだけど」

 

「連中、【貫通攻撃】だけは避けてたぞ」

 

「うん。多分向こうも【貫通攻撃】が有効なのは知ってて、

 警戒してるんだと思うー」

 

「ふむ。何か手があるかな」

 

メンバーからの報告を受け、考えるペイン。

 

「そーだねー。…ちょっとリスクあるけど、こんなのどう?」

 

そんなペインにフレデリカが提案する。

 

「こんなこと出来んのか?さすがだなフレデリカ!」

 

「まーねー。ただ、それやると私が動けなくなるんだよねー。

 あと、この後も暫く戦力にならなくなるんだよ」

 

「あー。反動ある奴か。ま、ペインや俺らが動けば問題なくね?」

 

「…そうだな。フレデリカ、すまないが頼めるかい?」

 

「りょーかい!ちょっち時間かかるよ!準備出来たら知らせる!」

 

 

火よ 水よ 土よ 風よ

 

万象を司る精たちよ

 

汝に捧ぐ わが命を

 

 

フレデリカはそう言うと、魔法陣を展開して詠唱を始める。

ランチの【銀翼の魂】にも匹敵する巨大魔法陣。

 

そして、フレデリカから大量のダメージエフェクトが散る。

 

「フレデリカ!?大丈夫か!」

 

「あー。こりゃヤバそうだな。とりあえず大丈夫そうだが」

 

「初めて見るな。これがフレデリカの奥の手か」

 

 

汝に求む その力を

 

万物の根源たる光となり闇となれ

 

四象は両義となり壱へ還る

 

 

周りの魔法陣から赤・青・茶・緑の光が

螺旋を描いてフレデリカに降り注ぐ。

 

混ざりあったそれは白と黒の光帯となり、

フレデリカの周りをまわる。

 

 

其の力はすべてを還す

 

我が前に立ちはだかりし

 

全ての愚かなるものへ

 

我と汝等が力以て

 

等しく剄を与えん!

 

 

「行くよー!!【多重封魔陣】!!」

 

次の瞬間、フレデリカの周りをまわっていた光帯が、

数千の細い光へ分かれ、【身捧ぐ慈愛】の範囲に降り注ぐ。

 

そして…

 

フレデリカの魔法を警戒していた【楓の木】ですら、

メンバーの誰も予測していない事態が発生する。

 

「【身捧ぐ慈愛】が…!」

 

「消える!?」

 

「スキル無効化!?」

 

「マズい!」

 

「さ、再始動も出来ない!」

 

フレデリカが発した光が当たった場所から

【身捧ぐ慈愛】の光が消えていく。

全ての光が着弾した後、【身捧ぐ慈愛】は消えていた。

 

メイプルが即座に【身捧ぐ慈愛】を発動しようとする。

しかし、スキルが発動しても効果は出なかった。

 

これこそがフレデリカの放った魔法の効果。

 

 

【封魔陣】

  範囲内の敵プレイヤーが発生させた

  フィールド効果を無効化する。

  また、範囲外への敵プレイヤーの移動を無効化する。

 

  効果は使用者もしくはプレイヤーが全滅するまで永続。

 

【消費:HP(99%)/MP(99%)/詠唱】

  使用中、使用者は移動・スキル使用ができない。

  使用後、使用者の全ステータスが6時間30%低下する。

 

 

相手の有利効果と移動を封じるスキル【封魔陣】を、

【多重詠唱】で範囲化したものである。

 

凄まじい効果を発揮する反面、

HP/MPを限界まで使う上に、使用者はスキル中拘束される上。

更に使用後もステータスが一時的に下がる。

 

リスクが非常に大きいスキルだが、

フレデリカは今こそ使い時と判断したのだ。

 

「皆ー。私は動けないから、あとは頼むよー。」

 

「任せとけ!」

 

「あーまあ行くか」

 

「ここまでしてもらったんだ。やるさ!

 フレデリカの護衛を残した全員で行く!」

 

「「「おおおお!!!!」」」

 

ペインを先頭に、【集う聖剣】が突撃する。

対する【楓の木】は【身捧ぐ慈愛】が消えたことによる

混乱からまだ立ち直っていなかった。

 

 

「どうする!?」

 

「一旦固まるしか!」

 

「来るぞ!」

 

その混乱をついて、ペイン、ドレッド、ドラグの3人が

先行して【楓の木】のメンバーへ迫る。

 

「行かせない!!」

 

「おっと!あんたの相手は俺だ!」

 

阻止しようとするサリーをドレッドが阻む。

 

「ディナー!ペインさんに【食らいつき】!今度こそ食べるよー!」

 

「おっとそこの狼は俺が引き受けるぜ!」

 

「ドラグさん!」

 

ペインに食らいつこうとしたディナーはドラグが止める。

 

「ここまでだぜ!」

 

「押しとおる!【跳躍】!」

 

「なっ!?」

 

ペインを阻もうとするのはクロムもまた同じだった。

しかし、ペインは直前で【跳躍】を使い、メイプルがいる空へ駆ける。

 

「飛んできた!?」

 

「迎撃するよ!」

 

「当たらないな!行くぞ!【断罪の聖剣】!!」

 

カナデたちのスキルを剣で受けながら、

シロップへ肉薄したペインがスキルを発動する。

 

(カメェェ…!!)

 

「シロップー!!!」

 

ペインのスキルがシロップを貫き、その姿をエフェクトへ変える。

指輪に戻ったことでメイプル、イズ、カナデが地上へ落下する。

 

「お、落ちるわ!」

 

「【ウィンドカーテン】!」

 

「ありがとうカナデ!」

 

「どういたしまして、でも安心はできないよ!」

 

カナデのスキルで何とか地上へは降りられたが、

全く安堵している間はなかった。

 

【身捧ぐ慈愛】とシロップを失った【楓の木】へ、

【集う聖剣】の第3波が襲い掛かろうとしていた。

 




ということで、フレデリカさん全力ですー。

オリジナル魔法ですー。
詠唱にはどこかで見たよーなフレーズを入れてみたり。

次回は【楓の木】のピンチに、皆が頑張りますー。
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