食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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とってもご無沙汰していますー。

色々あって更新できない時期が続いていました。ごめんなさいー。

これから少しずつでも再開していきたいと思いますー。

それでは今回は若干閑話休題なお話ですー。



美咲と誤解

「ん、ここは?」

 

時は少し前、ランチに戦いを挑んだミィは5デスに到達し、観戦室に移動していた。

 

「あ、来たね・・・」

 

「ミィ!」

 

そこは5デスしたプレイヤーが最初に移動する場所で、

すでに観戦室に居たマルクス、ミザリー、シンに出迎えられた。

 

「さっきまで映像見てたから、そろそろかなと思って・・・」

 

「こちらに来るまで結構時間がかかりましたね。」

 

「ギルドの最後のメンバーだったからかな・・・?」

 

その話を聞いてミィはふっと笑った。

 

「映像って、ランチと戦った時の。ん、そっか、じゃあここまでかな・・・」

 

「どうしたの?ミィ?」

 

「映像を見たならわかるでしょ?本当の【炎帝】はこんななんだよ」

 

3人を見て少し寂しそうに、でも晴れやかに笑うミィ。

【炎帝の国】はミィのカリスマに支えられてきたところがある。

ランチとの戦いで見せた姿は、そのカリスマを無くすものだと、ミィは考えていた。

 

「ミィ・・・」

 

「えっと・・・」

 

「うん。いいんだ。でも、【炎帝の国】はどうしようかな。

着いてきてくれる人たちだけででも、続けようかな」

 

いまの自分に着いてきてくれる人は居ないかもしれない。

それなら、ギルドは縮小もしくは解散になるだろうとミィは考えていた。

もし解散するなら【楓の木】に入ったりできないかな?とかも考えていた。

 

しかし、それを聞いた3人の反応は微妙なものだった。

 

「あー、えっと・・・」

 

「えーと・・・」

 

正確にはマルクスとミザリーがジト目でシンを見ていて、

シンは落ち着かない感じでそわそわしていた。

 

「だ、大丈夫だ、ミィ!」

 

「えっ?」

 

「ギルメンはみんな今もミィを慕ってる!【炎帝の国】は健在だぞ!」

 

耐えられない感じでシンが発言するが、二人からのジト目な視線は変わらなかった。

 

「ど、どうしたのシン?」

 

「えーと、ミィ、落ち着いて聞いてくださいね・・・?」

 

「うん・・・」

 

そしてミザリーが話し始めたのは、ミィがランチに敗れた直後のことだった。

映像を見ていた【炎帝の国】のメンバーからどよめきが広がる。

 

 

 

「い、いつも凛々しいミィ様が・・・」

 

「あれが本当の・・・?」

 

ランチに抱かれ儚く最期を迎えたミィの姿に、

カリスマ性を疑問視する声は実際に挙がっていた。

 

「ミィ・・・」

 

「ま、まずい気がするよ・・・?」

 

「あちゃー、やばそうか?」

 

ミザリーとマルクスもその姿には相当驚いたが、それでも【炎帝】としてのミィの強さは本物であり、

またいつも一緒に戦ってきたパーティとして、今後もついていくことを決めていた。

 

しかし、ギルドメンバーの中には単純にミィのカリスマ性に憧れて入ってきたものも居た。

そのようなメンバー達にとって先の映像は疑問を抱かせるに十分なものだった。

 

「しゃーない。フォローする!ミザリー、マルクス、合わせてくれ!」

 

「シン・・・?」

 

「う、うん。けど何を・・・?」

 

【炎帝の国】の結束力が揺るぎかねない事態を見て焦ったシンは、一計を案じる。

ミザリーとマルクスが何か言う前にシンは息を吸って一気にしゃべり出す。

 

「あれは【お姫様モード】だ!」

 

「お、お姫様?」

 

「な、なんだと!?」

 

「そうだ!【炎帝】たるミィは王!王族としての気質を持ってるんだ!」

 

「えっ?何を・・・?」

 

目を丸くしてマルクスが止めようとするが、大きくなったざわめきは止まらない。

 

「しかし!王であればこそ、他の王とも交流が必要だ!あれがそのモードなんだ!」

 

「な、なるほど・・・【炎帝】の別の顔と・・・」

 

「し、しかし相手は【楓の木】のランチなのでは・・・?」

 

「ミィを単騎で下したランチもまた王の気質を持つ!あれは王と王の交流だ!」

 

「!!」

 

その言葉を聞いた【炎帝の国】のメンバー達は沸き立った。

 

「強さだけではない、淑やかさも持つ真の【炎帝】を、俺らはようやく見られたってことだ。」

 

「そ、そうか!円滑に事を進めるには力だけ誇示するのではだめだ・・・」

 

「柔よく剛を制す・・・さすがミィ様だ!」

 

「・・・いやあの、ちょっとまって・・・」

 

変な方向に行きそうなことは分かっているが、【炎帝】の一面を垣間見れたと

大盛り上がりのギルドを収めることは、さすがのミザリーにもできなかった。

 

「ああ、これで俺らは真の【炎帝の国】の一員だ!これからもよろしくな!」

 

「おおおお!!!」

 

「ミィ様万歳!」

 

「やるぞ!まずはレベル上げだ!」

 

「スキルも!」

 

「連携を考えるぞ!」

 

「ミザリー、マルクス、お前らからも何かあるだろ?」

 

「え、えっと・・・私は何があってもミィに着いていく、それだけですよ」

 

「えーとうーんと・・・ぼ、僕も頑張るよ。なるべく・・・」

 

「よし、じゃあミィの凱旋だ。まずは俺らが迎えに行くからちょっと待っててくれ」

 

「分かりました!」

 

「お願いします!」

 

こうして観戦室の一角を揺るがす大歓声の中、3人はミィを迎えに来た。

 

 

 

「・・・というわけで、あの時のミィは【お姫様モード】だったことに・・・」

 

ミザリーが説明し終えた後、ミィはとてもプルプル震えていた。

そんなミィに、マルクスが言いづらそうに申し添える。

 

「あ、あのミィ・・・今の話なんだけどさ・・・」

 

「うん、なにかな?マルクス?」

 

「ひっ!え、えっと・・・今の話、観戦室で話してたからギルド外のメンバーもいてさ・・・」

 

「うん、それで?」

 

震えが消え、少しハイライトの消えた目でミィが促す。

代わりにシンが震え出した気もした。

 

「そ、それで、このイベントってとても注目されててトレンドにもなってたりするんだよ・・・」

 

「うんそれで?」

 

「今の話がリアルタイムで実況されてて・・・一瞬ですごいトレンドになってるみたいで・・・」

 

「それで?」

 

「さっきの話はすでに世間に広まってる・・・のと、あと、えっと、その・・・」

 

「で?どうしたマルクス?怯えなくていいんだぞ?」

 

完全にハイライトの消えた目でミィが促す。口調も【炎帝】に戻っていた。

 

「ひぃぃ・・・団員の中で尾鰭が付いてて・・・ミィは本当に強いトッププレイヤーや

ギルドマスターにお願いするときはあのモードになるって・・・ことに」

 

「で?」

 

「あのモードはお姫様によるお願いで・・・【炎帝】としては最後の手段だから・・・

【炎帝の国】はアレを出させないよう頑張るべきだと大盛り上がりで・・・」

 

「なんで?」

 

「だ、団員から質問が来た際・・・シンが・・・」

 

ミィはニッコリとハイライトの消えた目でシンを見ていた。

シンから玉のような汗がどんどん浮かんでくる。

 

「ほ、ほら!俺も【炎帝の国】無くなるのヤだったからさ!とっさにさ!」

 

「で?」

 

「とっさだったからなかなかうまく説明できなくてさ、でも【炎帝の国】は健在だ!」

 

「そうか・・・。とりあえず、メンバーに会っておくか。そのあとはじっくり【お話】しようか、シン。」

 

「ま、まあ待とうぜミィ、話せば分かるってもんだ」

 

「だから【お話】しようっていってるだろう?」

 

「ぶ、武器を出す必要はな・・・」

 

「ああ、あったほうが良いと思ってな。ちなみにここは通常フィールドと同じで【決闘】出来るようだな。関係ないが」

 

「えー、ミザリー、マルクス」

 

「・・・シン、諦めてください」

 

「がんばれ、シン」

 

「よし、なら行くぞ。」

 

そしてミィは【炎帝の国】のギルドマスターとしてメンバーの前に立った。

その堂々とした姿と演説は、残した功績とシンの話も相まって、

【炎帝の国】の維持というかむしろ拡大に大きく貢献したという。

 

 

 

そして時は今に戻る。

観戦席のプレイヤー達はみんなモニタを凝視ししている。

すべてのモニタはイベントマップの一部、大草原を映し出しており、

そこには6つの残存ギルドほぼすべてのプレイヤーが集結した光景が映し出されていた。

 

「凄い光景だなー」

 

「ええ。まさか残ったギルドがさらに戦いを続けるなんて・・・」

 

【炎帝の国】の幹部メンバー達も同じく観戦していた。

そこに別の場所に居たミィが合流する。

 

「ふう。やっと終わった。」

 

「ミィ、お疲れさまでした。」

 

「うん。いっぱいサインしたから大変だったよ。」

 

「人気者は大変だなー」

 

「・・・おかげさまでな」

 

「・・・俺の時だけ口調が変わるのは怖いです」

 

「シンも口調変わってるよ・・・」

 

「まあまあ、そろそろ始まりそうですよ。」

 

そう言われてモニタを見ると、各ギルドのメンバーが集い終わり、

準備を始めているところだった。

 

「しっかし、こんなことになるとは」

 

「そうですね・・・最後の大乱戦の後は静かになると思ってました」

 

「【楓の木】が襲撃してたからね・・・なんで突然攻撃したんだろ?」

 

「そうですねぇ・・・。ミィ、何か知ってたりします?最後の時に何かあったとか?」

 

「うーん?特には。空から見守ってる的なことは言ったかもしれないけど」

 

「・・・もしかしてそれ?」

 

「えっ?」

 

「もっと戦いを見てたい。みたいに捕らえたとか・・・?」

 

「ええっ!?私はそんなつもりじゃ・・・」

 

「あー・・・そういえば、ミィが【楓の木】に行くまでは特に何もなかったんだよな・・・」

 

「襲撃の時さ、ランチが凄い積極的に動いてるんだよね・・・」

 

もしかして、今の大激突は私がきっかけ?

そう考え若干青ざめるミィにミザリーが問いかける。

 

「・・・ちなみに、ランチに角と尻尾生えてたんですが・・・こちらも?」

 

「そ、それは知らないって!」

 

「それが・・・ミィを食べて倒した後、カメラに映った時には生えてたんですよ・・・」

 

「そういえば、直接食べて倒せるんだな」

 

「あー言われてみると見たことなかったかも?」

 

「そういえば・・・。ミィ、あの時に何かあったんですか?」

 

「い、いや、特には。せっかくだから最強のスキルで倒して欲しいとは言ったけど・・・

例の水球かなって思ったら普通に食べられてびっくりしたよ」

 

「それかなぁ・・・」

 

「あー。なんかフラグ立ったか何かか?」

 

「ミィ・・・」

 

「えっ?私?私なのぉ!?」

 

3人から何とも言えない目で見られ、わたわたするミィをよそに、

本当の最後の戦いが始まろうとしていた。

 




うちの炎帝の国のテーマは『誤解』ですー

次回は大乱闘ー
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