食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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戦いが始まってますー。


美咲と大乱闘

「ぎゃああ!!!」

 

「と、止めろ!囲め!!」

 

昼下がりの草原に怒号が響き渡る。

最前線の防衛を一瞬で突破されたメンバー達が、

慌ててそのプレイヤー2人を取り囲む。

 

「行くっす!【雷撃】!」

 

「ああああ!!!!」

 

「ぎゃああ!!!」

 

しかし、むしろ囲まれることこそ真価を発揮するかの如く、

プレイヤーの周囲が雷で薙ぎ払われる。

 

「止んだぞ!やれ!」

 

「おおお!!」

 

「次を撃たせるな!!」

 

雷が止んだ瞬間を狙い、雷の直撃を免れたプレイヤー達が殺到する。

 

「・・・【コキュートス】」

 

「あっ!?なっ!」

 

「う、動けねぇ!」

 

しかし、雷と入れ替わるかのように周囲の温度が下がり、

近づいたプレイヤー達は氷にからめとられる。

 

「ナイスヒナタ!じゃあ止めっす!」

 

「ぎゃああ!!!!」

 

「あああ!!」

 

そして先ほどは小手調べと言わんばかりの雷撃が

広範囲に着弾し、プレイヤー達を吹き飛ばした。

 

「よし!今度はあっちっす!」

 

「・・・分かりました。【重力制御】・・・」

 

そして、破壊の嵐を振りまいた二人は飛んでいるかのような

挙動で一気に次の戦線へと移動していった。

 

「な、なんだあれ・・・」

 

「たった二人で・・・」

 

「なんだよあの雷・・・【炎帝】にも匹敵するぞ・・・?」

 

「・・・【雷帝】・・・」

 

残された者たちが呆然と見送る。しかし。

 

「来るぞ!今度は・・・なんだあれ!?」

 

「何だって・・・なんだあれ!?」

 

「人形の兵士たち!?」

 

休む間もなく次の脅威が襲撃をかけて来ていた。

 

「ははは!出し惜しみはナシで行かせてもらおうか!」

 

「ええ。せっかくですからね」

 

大量の物言わぬ兵たちと一緒にメイドと執事が襲ってきた。

 

「くそっ!行くぞ!」

 

「やべぇ!あっちが【集う聖剣】と戦ってる!」

 

「どっちも対応するしかねぇ!」

 

同時に、逆側でも大戦闘が発生していた。

ギルド【おさんぽ隊】のメンバーが否応なしに戦いへ巻き込まれていく。

 

「マジかー!」

 

「いや、凄いですね。ネタにはなりますが・・・」

 

「最初からクライマックスすぎる!」

 

他にも【掲示板の民】のメンバー達。

 

「無茶苦茶だよー!」

 

「ちっとは落ち着いてやりたいもんだな。だるい・・・っと!」

 

「はは、まあお祭りと思えばよいだろう。さて、借りを返せればな」

 

「ああ!とりあえず周りの奴らをやるぜ!」

 

【集う聖剣】のメンバー達。

 

「よっし!次行くっす!」

 

「あまり離れるのは・・・」

 

「あはっ!ヒナタが居れば大丈夫っすよ!」

 

「もう・・・」

 

そして、戦場をひっかきまわしている【thunder storm】のベルベットとヒナタ。

 

「やれやれ。さすがに忙しいね!」

 

「一度ギルドメンバーと合流しましょうか?」

 

「そうだな。メンバーと連携して攻めるのも良いか!」

 

同じくひっかきまわしている【ラピッドファイア】のリリィとウィルバート。

 

そこには草原に集まった6つすべてのギルドメンバーが入り乱れている。

戦いは初っ端から大乱闘の様相を呈していた。

 

「もう滅茶苦茶ねぇ。とりあえず爆弾をどーぞ♪」

 

「「【投擲】!【投擲】!【投擲】!」」

 

「【毒竜】!」

 

無論、そこには【楓の木】のメンバー達も居た。

戦場の真っただ中で各々がスキルを連発している。

周りにはとてつもない被害が出ている。

 

「まあ、初手でアレをやられるとねぇ・・・」

 

「大混乱極まりないだろうな・・・。むしろどこも良く対応しているな」

 

「さすがは最後まで生き残ったギルドだ!」

 

そして、【楓の木】こそが今回の戦い、そして大乱闘を引き起こした張本人だった。

先ほどの光景を見て少し遠い目をしながら戦うメンバー達だった。

 

 

「いやー、壮観だねー」

 

「すげえな。まだこんな残ってたのかよ」

 

「あー。全員暇なんだろぉな」

 

少し時間が戻り、メイプル達が招待状を送った翌日の昼。

 

見渡す限りの草原の中、フレデリカ達が話をしていた。

目の前にはほぼ全員が集まったギルドメンバー達。

 

そしてその先には4つの大きな人の集まりと、

1つの小さな人の集まりがあった。

 

現在生存する6つのギルド、

【集う聖剣】

【thunder storm】

【ラピッドファイア】

【掲示板の民】

【おさんぽ隊】

そして【楓の木】のほぼ全メンバーが草原に集まっていた。

 

「こんな集まるなんて思わなかったっす!」

 

「はい・・・。思ったよりすごいことになりそうですね・・・」

 

「でも負けないっす!」

 

「もちろんです」

 

 

「おそらくですがすべてのギルドでほぼ全員が集まっているかと」

 

「やれやれ。皆物好きだな。私たちも人のことは言えないがね。」

 

「大規模な乱戦になりそうですね。」

 

「ははは。望むところじゃないか。楽しんでいこうか」

 

 

「お祭りだ!」

 

「お祭りだな!」

 

「お祭りですねぇ。まさかここまで集まるとは」

 

「クロムに物申す!!」

 

 

「皆物好きだねー」

 

「俺らも人のこと言えねぇだろ」

 

「何にせよ、全力で行かないといけないな」

 

「望むところだぜ!」

 

得るものはないはずのこの戦いだが、ほぼ全ギルドの全メンバーが集結。

1000人を超す大集団が一堂に会していた。

 

その中で異彩を放つ9人のメンバー達。

人数だけなら大集団の中では誤差ともいえる規模だが、

しかしその場に集った誰もがその動きに注目していた。

 

「動いたぞ!」

 

「さて、どう来るか?」

 

そんな【楓の木】のメンバーが、正午を回るとともに一気に動き出した。

全員が警戒する中、5つのギルドの中間、ほぼ真ん中に位置する場所で、

一瞬立ち止まったメンバー達が一気にスキルを発動する。

 

「行くよー。【食神の霧】!消費HPは・・・20000!」

 

「よーし。じゃあ皆、手はず通りに!【暴虐】!」

 

「「【ファントムワールド】!」」

 

・・・そして混沌が始まった。

 

「やっぱこれが来たか!一気に散らすぞ!」

 

「多分これだけじゃない、警戒して!」

 

「分かっ・・・ぎゃああ!?」

 

辺りを覆う霧。各ギルドのメンバーは即応し、霧を晴らしていく。

しかし、いくつもの悲鳴が各地で響いた。

 

「化け物!メイプルだ!」

 

「あっち行ったぞ!追え!!」

 

それは分身した【暴虐】状態のメイプル達。

霧が出た瞬間、バラバラに突っ込ませたのだった。

 

「化け物だ!あと、向こうのギルドからも攻撃が!」

 

「迎撃と反撃だ!」

 

「急げぇ!!」

 

位置は各ギルドとギルドの中間点。

 

「ちぃ!混乱に乗じて攻撃か!?」

 

「こっちもやるぞ!おらぁ!」

 

メイプルの迎撃で放った攻撃がお互いのギルドに降り注ぎ、

各ギルド間が一気に戦闘態勢に入る。

 

 

「これもーわけわかんないよー!!って、味方じゃない!?」

 

「貰った!」

 

「【障壁】!【多重炎弾】!」

 

「ぎゃああ!!」

 

誰の意思もなく突入した大乱闘の中で、フレデリカが独り言ちる。

・・・が、話しかけていたと思った相手は別ギルドの敵で、慌てて迎撃する。

この程度の混沌は至る所で発生していた。

 

「さて、これだと目当ての相手を見つけるのも大変・・・だな!」

 

「分かりやすいとは思うんだがなぁ」

 

「まああそこでいろいろやってるのがそうだろうな!」

 

ペイン達も目の前の相手と戦うことに専念している。

どこも同じ状況だったが、その中でも一際派手にやっている一角があった。

 

「【全武装展開】!【攻撃開始】!シロップ、【精霊砲】!」

 

「よーし、ディナー、【食らいつき】ー」

 

「朧!【狐火】!【ダブルスラッシュ】!」

 

【楓の木】のメンバー達が居るその場所では、四方八方がレーザーや爆発や火で薙ぎ払われ、

その隙間から様々な剣閃がプレイヤー達を葬っていく。

 

「ちょっと行けそうにないかな。まあ、まだ時間はあるか」

 

「まーとりあえず周りが減ってからじゃねぇ?少しずつ減り始めてるしな」

 

「まだまだ行くぜ!」

 

「はいはい、出過ぎないようにねー。【多重障壁】!」

 

そんな【楓の木】へリベンジを果たそうとしているペイン達だが、なかなかそこにはたどり着けない。

そして、混沌とした戦場はお互い思っても居なかった相手同士を近づけていた。

 

「ふっ!って、あれはもしかして!」

 

「【集う聖剣】の方々ですね・・・。それも幹部級の皆さんです」

 

「よおおし!行くっすよ、ヒナタ!」

 

「・・・分かりました。ただ、勝てるかは・・・」

 

「大丈夫っす!頑張るっすよ!」

 

雷と氷を携えた二人が。

 

「おや、大物と当たったようだね」

 

「どうします?離脱も可能です」

 

「ははは。ここまで来たんだ。行こうじゃないか!」

 

主たる従者と、従者たる主の二人が。

 

「なんかまただるそうなやつらが来たな・・・」

 

「強そうだな!良いぜ!相手になってやらぁ!」

 

「うえー、【楓の木】だけでも大変なのにー」

 

「せっかく、強者と戦えるんだ。逃す手はない」

 

「もー。ペインはそう言うと思ったー。

分かった。絡め手来そうだから私もやるよー」

 

「負けないっす!」

 

「行きます・・・」

 

ペインとフレデリカが、ベルベットとヒナタに相対する。

 

「しゃーねぇ。逃げ場もないしな」

 

「行くぜ!」

 

「お手柔らかにお願いするよ」

 

「お相手いたします」

 

そして、ドレッドとドラグが、リリィとウィルバートに相対した。

 

混沌の中でトッププレイヤー達の激突が開始された。

 




ということで、大乱闘でしたー。
誰がどこにいるか分かっている人が居ない状態ですー。

次は思わぬ形で出会った強者達の戦いですー。
そして【楓の木】はマイペースに頑張りますー。
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