食べるのが大好きなので、全てをいただきます   作:にゃもー

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「・・・フレデリカ、自害しろ」

「なんでさ!?」

「声聞いてたらなんとなく」


(冒頭は特に気にしないでください)
超、時間が空いてごめんなさいー。

第4回イベントも終わり、恒例の打ち上げパーティですー。


美咲と打ち上げ

 

「ごはんでーす」

 

【楓の木】のギルドホーム内に声が響く。

色とりどりの食事が、木のテーブルへ並べられていた。

 

「今回は私も張り切ったわよー」

 

「美味しそうですねー」

 

イズとランチの手で、隙間を埋めるかのように次々と料理が並べられる。

 

「凄い量だな」

 

「うーん、食べきれるのかな」

 

「「が、がんばります!」」

 

圧巻の料理を見たギルドメンバーが集まってきた。

 

「パーティだから、張り切っちゃったわー」

 

「ご飯いっぱいだよー」

 

「うん、限度があるからね・・・」

 

お皿などを準備していたサリーは、すでに置く場所が無くなっていることに気が付いて呆れている。

 

「ところで、メイプルはどこにいったんだ」

 

「さっき出ていったのは見たんだけど」

 

「何してるんだ・・・?」

 

「ただいまー!」

 

そして、そんなメンバーの中に居ないギルドマスターのことを考えていると、

当の本人が戻ってきた。

 

「わああ!すごい料理!飾りつけも!」

 

「頑張ったわよー」

 

「お腹いっぱいだよー。お代わりもあるからねー」

 

「うん!パーティ楽しみだね!」

 

用意されていた料理や飾りつけを見て目を輝かせるギルドマスターことメイプル、

対して他のメンバーはよくわからない顔をしていた。

 

「・・・で、後ろのメンバーはいったい?」

 

それは、メイプルの後ろに控えているメンバー達だった。

 

「俺らが聞きたいがな」

 

「いつものメンバーで狩りに出かけようとしたら、声かけられたの」

 

「まあ良いじゃないか。せっかくのお誘いだ」

 

そこには、【集う聖剣】のペイン、ドレッド、ドラグ、フレデリカの4人。

 

「俺らも同じだな」

 

「外でメイプルにお誘いいただきまして」

 

「まあ、たまにはこういうのも良いだろう」

 

そして、【炎帝の国】のミィ、ミザリー、シン、マルクスの4人が居た。

 

「外で会ったから、パーティにお誘いしたの!」

 

「うん!料理はいっぱいあるよー!」

 

「腕が鳴るわねー」

 

「・・・うん、まあいいや。」

 

そして、3ギルド合同の打ち上げパーティが始まった。

 

 

 

「第4回イベントお疲れ様でしたー!」

 

お疲れ様でしたー

 

メイプルの掛け声でみんなが乾杯し、パーティが始まった。

 

「なかなかいいホームですね。落ち着きます」

 

「よ、よそのギルドだから緊張はするけど・・・」

 

「まあ、いろいろあったからな。」

 

「ゲームが終わればノーサイドだ。フレンド登録もしたしな」

 

「まったく、声かけられたときは何かと思ったぜ」

 

「ま、いいんじゃねぇの?」

 

「ああ。【楓の木】のギルドホームに来られたのは、良い経験だな」

 

「良いとこではあるよねー。・・・まあ色々思うところはあるけどさー」

 

第4回イベントのことを思い出しているフレデリカだった。

歓談が進む中、全員に通知が来る。

 

【がおー!今から第4回イベントのハイライト映像をお届けするよ!】

 

【参加した皆も、観戦した皆も、見てみてねー。がおー!】

 

【最初は、<激闘!楓の木>どら!】

 

映像が始まる。最初は、ランチが【食神の霧】を連続で発動しているシーンだった。

 

「あ、ランチだ。最初に周りをまわってくれたんだよね!」

 

闇雲に発動しているように見えて、効果範囲ギリギリまで移動していることに

他のギルドのメンバー達も気が付いた。

 

「あー。これ、スキルでマーキングしてるのか、もしかして」

 

「そうっぽいな。ほとんどプレイヤーは釣れてないのに繰り返してる」

 

このあたりの考察はさすがトッププレイヤーといったところだった。

次もまたランチの映像。というか、ディナーの映像だった。

【ヴァナルガンド】を使用して相手プレイヤーを川へ引きずり込んで倒す姿が映っていた。

 

「この狼もなぁ。俺普通に負けたからな。」

 

「今後はテイムモンスターも気を付けないとな。」

 

「私も欲しいなー。どっか居ないか探してみよっと」

 

「そうだな。今後も新しい階層が出てくれば、新しいモンスターも出るだろう」

 

ちなみに今のディナーは仮の姿でごはんを食べている。

その姿は大変愛らしく、ミザリー辺りがとてもナデナデしている。

 

「そうですねぇ・・・。こんなかわいいなら私も欲しいです・・・」

 

そうしているうちに、サリーと【集う聖剣】の戦いの場へ移る。

 

「あああ!ここはぁ!私の失態がー・・・」

 

「これもやられたなぁ。まあ、あそこでランチの水球スキルを見れたのは良かったが」

 

「納得は行ってないけどねー!色々と!」

 

フレデリカがランチを見ると、ランチはにこやかに微笑み返した。

 

「また食べさせてくださいねー」

 

「やだよ!?」

 

 

シーンは次の山場、【楓の木】と【炎帝の国】の戦いへと移り、

画面にはメイプル達とミィ達の激突が映っていた。

 

「こりゃ凄えな。メイプルとミィがやり合ってたのか!」

 

「あー。どっちもだるそうだな・・・」

 

「凄まじい戦いだな。どちらも本気度が伝わってくる」

 

【集う聖剣】のメンバーも思わず唸るような激しい戦いだった。

 

「ここか・・・。まさか真正面から攻撃してくるとは思わなかったな。してやられた」

 

「とてもつらい・・・」

 

「よしよし。戦うかも・・・とは思ってましたが、あそこまで本格的に激突するとは思ってませんでした」

 

ミザリーがそこまでいうと、ふと気が付いたようにランチを見る。

 

「ランチ、もし良ければ教えて欲しいのですが」

 

「うん?どしたの、ミザリー?」

 

「なんでうちに攻め込む話になったのでしょう?特に敵対はしていなかったですし

むしろ、ランチが居るから共同とかもあるかなとか正直思っていたのですが」

 

非難しているわけではなく、純粋な疑問としてミザリーが訪ねた。

 

「あれ?そうなの?なんか、【炎帝の国】はやる気だって話が合ったよーな」

 

「え?そんなことは無かったですが・・・。誰から聞いたんですか?」

 

そんなミザリーの言葉に、【楓の木】のメンバー全員が一人のメンバーを見る。

全員に見つめられてちょっと狼狽えながらもそのメンバーが答える。

 

「わ、私か?私はシンと戦っている時に聞いただけなんだが・・・」

 

そしてすべてのギルドのメンバーが一人のメンバーを見る。

 

「へっ?俺?」

 

「あ、ああ。私と戦った時、そんなことを言っていただろう?」

 

「そんなこと言ったかな、俺・・・?」

 

「ああ。確かに聞いたぞ。お前は【炎帝の国】では中心メンバーだと知っていたからな。

 それで私は【炎帝の国】が敵対すると考えてギルドメンバーへ伝えたんだ」

 

「そのカスミの話を聞いて、先に攻めないと厳しいと考えた・・・んだけど」

 

カスミの言葉をサリーが受けて、戸惑い気味に話をする。

それを受けて、ミィ、ミザリー、マルクスがシンを見る。

 

「シン?」

 

「シン・・・何言ったのさ・・・」

 

「シン・・・」

 

「いや、まてって。誤解だって。確かに戦闘で興奮してたのもあったけどさ!」

 

そんな話をしているうちに【炎帝の国】での戦いの映像は終わり、

今度は要所で発生した個人戦の映像が流れていた。

そこで丁度カスミとシンの戦いの場が映される。

 

…必要ならば戦いも辞さない。【炎帝の国】に栄光あれ!ってさ!!!

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「これを聞いて・・・私はそう思ったんだが・・・」

 

そしてすべては明らかになった。

【炎帝の国】としての最大の戦いであり、その後の苦境のきっかけとなった激突。

共闘もできたかもしれない【楓の木】の襲撃の事実を知ったミィが優しくシンに問いかけた。

 

「シン?後でお話しようか?」

 

「まあまて、ミィ。せっかくのパーティだ。楽しい方がいいだろ?な?」

 

「大丈夫、決闘も楽しいぞ。ああ。とてもな。」

 

「分かった!悪かったミィ!戦いで高揚してたんだよ!特に相手は前回負けたカスミだったしさ!」

 

虚ろそうな目で問いかけるミィに全力謝罪するシンが居る中、

舞台はイベント最大の山場の1つ、【楓の木】と【集う聖剣】の戦いへと移った。

楓の木全員を、集う聖剣全員が囲む凄まじい光景が展開されている。

 

「こ、これは・・・」

 

「ひえぇ・・・」

 

「ヤバいな。こんな激突が起きてたのか」

 

「凄まじいな。」

 

【炎帝の国】のメンバーが思わず息をのむ。

戦いは防衛する楓の木を全方位から集う聖剣が襲い掛かる形で進んでいた。

いくら楓の木のメンバーでも防ぐのは難しい攻撃をメイプルが肩代わりしているため、

メイプルから周りを覆うような大量のダメージエフェクトが散る。

 

「メイプルも相当ダメージを食らっていますね・・・」

 

「うん。でも、倒れてないね。」

 

「・・・ランチと一緒に生えている羽か。何らかの方法でHPを強化しているあたりか?」

 

激戦の中だが、ミィはランチとメイプルから緑色の薄い羽が出ているのを見て取った。

そんなことをしている間に、メイプル達はシロップで空に昇る。

 

「お、メイプルが浮いたな。って、地面にもあの光の効果あるのかよ」

 

「わりと重要な気がするんだよね、それ・・・」

 

そんなことを言っている中、フレデリカの大魔法【多重封魔陣】が発動した。

 

「これなぁ。さすがに予測できなかった。」

 

「身捧ぐ慈愛が消えたのはびっくりした。」

 

身捧ぐ慈愛が消えたことで一気に劣勢に立たされる楓の木。

 

「さすがに押されてるな。無理もないか」

 

「詠唱スキルか。使えるのは私以外には居ないと思っていたんだが。」

 

「ふふーん。私の切り札だからねー。」

 

先ほどのスキルを思い出したミィが感心したようにつぶやく。

自分のスキルを誉められたフレデリカは、得意そうに返した。

しかし、そんな中戦局を覆す1つのスキルが発動した。

 

「あ、水球・・・」

 

「分かってても対応できないんだよな、アレ」

 

「まあ、ペインは何とかしてたから、次は何とかなるだろ」

 

ドレッドの言葉通り、メイプルが吹き飛ばされ、HPが1になる。

直後にランチが助け出したものの、快挙ともいえる成果にメンバーからどよめきが走る。

 

「メイプルがやられてる!?」

 

「凄いな。メイプルに一撃を与えたのか」

 

「咄嗟の判断だったがな。事前に教えてくれたフレデリカ達のおかげだ」

 

「うう、次は頑張ります。痛いの嫌なので・・・」

 

その時の感触を思い出して身震いするメイプルをよそに、水球が解除される。

唐突な解除で混乱に陥った【集う聖剣】をメイプル、サリー、ランチが一気に攻撃する。

 

「あー。これもやられたなー」

 

「ネタは分かったからな。次はどーとでもなるだろ」

 

「そうだな。メイプルとランチのスキルもこれで分かった。次はこうはいかないさ」

 

「でも、次はまた変な進化してるかもしれませんよ?」

 

いたずらっぽくサリーが話す。

 

「まあ、メイプルはちょっと目を離すと毛玉やら化け物やらいろんなものに変わるからな・・・」

 

「わ、私は普通にプレイしているだけなんだけどなぁ・・・」

 

ランチを除く全員から総ツッコミを食らったのは言うまでもない。

 

「私も普通に食べてるだけー」

 

ちなみにランチは全員から「食べるな」「違う、そうじゃない」というようなツッコミを受けていた。

 

 

 

場面は3日目深夜の大規模襲撃へと入る。

化け物になったメイプルが分裂し、光と炎が爆ぜる終末の戦い。

 

「ああ、7匹になるんだろ。知ってるぜ」

 

「ネットじゃ【週末の日】とか言われてるようだな。ゲームの光景とは思えんらしい」

 

「こう見てみると無茶苦茶だな」

 

そんな戦いもやがては終わり、静寂が訪れた。

迎えるは、ミィの【楓の木】訪問。そして、ランチとの激突の場となった。

 

「今思うと、これが転機だったな」

 

「そうねぇ。この後にランチちゃんが戦うと言い出したんだし」

 

「皆協力ありがとうー。ご飯だよー」

 

そんなランチは料理のお代わりを出してみんなに配っていた。

今回はランチの料理に加えてイズ謹製の料理も大量に作ってあった。

 

「そういえば、なんで【楓の木】に言ったんです?やっぱりギルドマスターとして?」

 

「ああ。そうだな。まあ、あとは現実的に自分だけあと2日残ってもな」

 

「確かに、何もやることは無いか。」

 

そんなことを言っているうちに、ランチがミィを膝枕している場面へと移る。

少し話をした後、ランチがミィを食べて、ミィは消えた。

 

「あー。これかぁ。思わず食べちゃったんだけど。耳と尻尾生えちゃった」

 

「正直、霧か水球で倒されると思ってた。あと、シンはまた話をしようか」

 

「もう勘弁してくれ!?」

 

ちなみにランチとミィのシーンはとても人気があり、当該シーンを切り取った動画は、

NWOの動画の中でもトップクラスの再生数を誇っていた。

 

それと同時に、ミィのお姫様モードも広く知られることとなった。

なお、【炎帝の国】はイベント後から入団希望者が殺到している。

 

 

 

シーンは生き残りの6ギルドが激突する最後の大乱闘へと進んだ。

 

「これも無茶苦茶だったな」

 

「・・・【thunder storm】と【ラピッドファイア】の二人組が一番印象に残った。要警戒だ」

 

「あれはだるいな。倒せはしたが、立ち回りやスキルからして普通じゃねぇぞ」

 

【集う聖剣】のメンバーが大乱闘で活躍したプレイヤー達のことを話す。

同じく戦った【楓の木】のメンバーにしても無視はできない相手だった。

 

「【ラピッドファイア】の二人は特に警戒が必要だね。ランチの【封鎖海域】を初見でいなしてた」

 

「【thunder stor】は広範囲攻撃がやばい。【炎帝】さながらだ」

 

「ふむ。私と同じようなスキルを使う者も出てきたか。更なる精進が必要だな」

 

そして、動画が終わった。

 

【映像は以上どらー。他のギルドの活躍とかもまたお伝えするから、楽しみにねー。がおー】

 

「終わったか。まあ、楽しかったな。ギルドも3位だし。」

 

「うん!楽しかった!ペインさんやミィさんともフレンドになれたし!

 今度は【thunder storm】と【ラピッドファイア】の人とも話をしてみたいな!」

 

「またイベントとかもあるし、機会もあるんじゃない?」

 

「だよね!楽しみー!」

 

動画が終わって一段落し、メイプルとサリーが話していると、ランチが話しかけてくる。

 

「あ、それなんだけど、ちょーっとやりたいことがあるんだよー」

 

「ランチ?どしたの?」

 

「やりたいことって?」

 

「えーとね。」

 

ランチから話をすると、メイプルは目を輝かせ、サリーは目のハイライトがやや消えた。

 

「あーうん、ランチさ、マジでやる気?」

 

「うん。食べるものはあるよ!」

 

「すっごい!楽しそう!」

 

思わず叫んだメイプルに銘々話をしていた皆が向く。

 

「どうしたんだ、メイプル?」

 

「何かあったか?」

 

「うん!えーとね!」

 

ざわめきがホームに広がっていく。だが、否定的な意見は出なかった。

 

「ふむ。どう連絡を取るか、か?」

 

「ちょっと知り合いに聞いてみるか。」

 

ランチの思いつきがイベントとして形を成しつつあった。

 




そんなわけで打ち上げパーティでした。
そしてランチさんが何かを企画中ですー。
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