いよいよ四層に突入ですー。
新しいイベントもー。
炎が渦巻く部屋のなか、巨大なゴーレムの前に【楓の木】のメンバーが集まっていた。
第3層のボスで、最近追加された4層へ行こうとするプレイヤー達を阻む大きな壁だった。
「じゃ、予定通りに。どうぞ。。。」
しかし緊張しているメンバーは一人もおらず、皆なにか生暖かい目でボスを見ている。
そんな中メイプル一人が前に進んだ。
「よーし。行くよー!【暴虐】!」
「「【ファントムワールド】!」」
次の瞬間、メイプルが化け物になり7体に増えた。
そのままゴーレムへ飛びかかっていく。
ゴーレムは大きかったが、近い大きさの化け物7体に襲われ、
7体ともにダメージが通らないのではどうしようもなかった。
「まあそうなるか・・・」
「分かってた」
「さすがメイプルだね」
「味方なら良いわぁ♪」
メンバーがボスに同情するなか、ゴーレムは紫色のエフェクトとなって消えた。
「「メイプルさんかっこいいです!」」
「メイプルおやつだよー」
後に残ったのはキラキラお目目をした双子に、お菓子を配るランチだった。
「うん、先に4層行こうかランチ」
「はーい」
そして【楓の木】は4層へ到達した。
そこは中心に大きな桜の木が建っていた。
他にも桜の木は多く、花弁が常に舞っている。
周りには木造の古風な家屋に提灯が下がり、雰囲気をだしていた。
「おおおおっ!!」
「これは・・・和風なのかな?」
「良い雰囲気だな」
「うん。賑やかで良いね」
「楽しみだね、お姉ちゃん!」
「うん!」
中心の桜の木を囲むように通路があり、そこからは鳥居が複数伸びていた。
鳥居には旧字体の数字が壱から降ってある。
「さて、どうしよっか?拠点行ってみる?」
「先に探索してみないか?どんなところか知りたい」
「うん。じゃあ皆色々見て回ってから集合で!」
「「楽しみです!!」」
「美味しいお店あるかなー」
メンバーは各々行きたいところへ散っていった。
そしてランチはそのまま町の周りを散策していた。
「んー、この辺は食べるお店はなさそうだねー」
飲食店や食材の店を探していたランチは、町の外れの方まで来た。
外れの方には店はなく、扉が開かない家屋が並んでいるだけだ。
「戻ってみるかなー。それとも外出てみるかなー。…ん?」
殆ど人が通らない場所だが、向かいの通りにランチ以外の人がいた。
茶色がかった髪に眼鏡をかけている女性で、向かいにあるお店の周りを
ウロウロしていた。
「あれ?ミィに似てるね。ちょっと行ってみようかな」
ぱっと見は知らない人のように見えるが。
顔や雰囲気が【炎帝】ことミィに似ていた。
ランチは何度もミィと会っているため違和感に気が付いたのだ。
「あのー」
「ひゃ!ひゃい!?ってランチ!?」
「はい。ランチですー。ミィに似てるけど、別の人だったかな?」
「あ、は、はい。【炎帝】さんには似てるって言われます・・・」
女性に声をかけると凄まじく慌てた様子で返事が来た。
聞いている限りでは【炎帝】ではないようだが・・・
「なるほどー。勘違いでした。ごめんなさいー。」
「だ、大丈夫です」
「ところで、ミザリーは元気?」
「あ、うん。いつも通りだよ。…はっ!?」
「…ミィだよね?」
かまをかけてみると見ごとに引っかかる。
「ううう!!」
「まあまあ。…多分ここに入りたいからかな?」
「ううううーーー!!」
顔まで真っ赤になった女性ことミィをなだめるランチ。
その目の前には、「ふわふわふれあいルーム」という店があった。
「良ければ、一緒に入る?」
「い、良いの?」
「うん!可愛いのは私も好きだし!」
「じゃ、じゃあ!」
ぱぁっと顔を明るくするミィと一緒に店へ入った。
そこにはネコのぬいぐるみような不思議で可愛い生き物があふれている。
「わぁぁ!!可愛い!」
「可愛いいいいいーーーー!!」
思わず声をあげるランチと、何かモードが変わるミィが居た。
子犬形態のディナーもそこに交じって戯れる。
「可愛いねー。」
「可愛いよぉぉぉぉ!!可愛いでちゅねぇ~~」
「あ、尻尾になついてくる」
二人は思う存分もふもふした。
ランチの尻尾がとても役に立った空間だった。
「可愛かったねー。」
「うん!また行きたいなぁ。周りの目もあるから中々いけないけど…」
素早く移動する二人。ミィはいつもの姿に戻っていた。
かなり目立つ二人だが、第四回イベントのこともあり、
一緒に居ても気にする人はあまりいない。
「それなら、行きたい時は私を誘ってくれれば一緒に行くよー」
「いいの!?」
「うん。私が誘ったことにすれば行きやすいかなーと」
「うん!うん!ありがと、ランチ!」
「どういたしましてー」
「お礼したいんだけど、何が良いかな?」
「んー。美味しい店とかお菓子とか見つけたら教えて欲しいな」
「お安い御用だよ。ギルドで良い情報見つかったら連絡するね」
「ありがとー」
その後、なぜか料理や食材を探す【炎帝の国】のメンバーが居た。
その様子から四層の重要アイテムは食品関係であるという謎情報が出回ることとなった。
「今日は四層についてだな」
数日後、【楓の木】の拠点には全員が集まっていた。
「全員が伍の鳥居までは行ってるのか?」
「そうだね。イベント報酬で通行証を貰えたし」
「はい。ただ、広すぎて全然回り切れていないです」
「同じです。壱とか弐の鳥居の先とか全然です・・・」
プレイヤー数が凄まじいことになっているNWO、
今までの階層なら数日すればかなりの情報が集まっていたが、
第四層は広いことと鳥居による入場制限があることから
あまり情報は出回っていなかった。
「敵は妖怪みたいなのが多いな。魔法も使ってくる。」
「一部の敵は普通に一人だと危険な奴も居るぞ。」
「さすが最新の層だね。」
「楽しいよね!色々あって!私は着物買って即死効果貰ったよ!」
「…うん。後で聞こうかな」
また変なスキルを得たメイプルも居た。
「私は色々美味しいお店巡ってるー」
「ランチは相変わらずだね。」
「いやー、楽しいよ!美味しいお店ばっかりだし!食材とかも多いんだよ!」
「その辺は気になるわね。また教えてね」
「はい!イズさんとまた料理もしたいなー」
「歓迎よー」
ランチは楽しくお店回りをしている。
ミィからの情報もちょこちょこ届いていて、
すぐには回り切れないほどのお店をチェックしている。
食べた料理はすでに数百に及んでいた。
「じゃあ、各自探索を続けるってことで良いか?」
「賛成ー」
「この後も皆探索かな?」
「そうだね。特に行くところは決めてないけど」
「あ、もし良ければ皆レストラン行かない?」
行動方針も決まったところでランチから提案があった。
「四層の?」
「ううん。一層の。メイプルとサリーと一緒に行ったところだよ」
「あー、もしかしてあそこかな」
「うん!楽しいからみんなで行ってみたいなーと」
「あそこかー。私はオッケーだよ!皆はどうする?」
どこに行きたいか分かったメイプルが皆に話をする。
「マスターがオッケーなら僕はオッケーだよ」
「俺も良いぜ」
「心得た。たまには良いだろう」
「オッケーよ。楽しみだわー」
「じゃあ、行こう―!」
そして【楓の木】の全員で移動する。行く先は第一層の森。
常に薄暗い森を進むと、やがて夜になり巨大な気が現れた。
「この上だよー」
「初めて見るわね…」
「あー。何か聞いたことがあるな。樹の上にレストランがあるって」
「ボクも聞いたことがあるかも。不思議なレストランだって」
「楽しいよー。着いたー」
葉っぱの階段を昇ると、頂上に着く。
そこには木でできたテーブルと椅子があり、食器が2つ分置かれていた。
「おお、雰囲気出てるな」
「悪くない。だが、2人用のようだが」
「とりあえずだれか座ってみてくださいー」
「ならマイちゃん、ユイちゃん、先に座ってみる?」
「いいんですか?」
「じゃあ…。って、わっ!」
二人が座ると、席が一気にスライドする。
テーブルが大きくなり、追加で7人分の席ができる。
「あー。前と同じように席ができるんだね」
「よーし、皆座ろう!」
全員が着席すると、ローソクに灯りがともり周りを星のような光が包む。
そして、グラスとお皿に料理が盛られていった。
グラスには夜空が積もり、お皿にはローソクと夜空から届いた、
輝く色とりどりのボールが乗っていた。
本日のメニュー
【小さな大空】
どうぞお召し上がりください。
「これは…!夜空が料理になるのね!すごいわ!」
「聞いたことはあったが、実際に見るとすごいな…」
「よーし、いただきまーす!」
各々が目の前の料理を食べる。
「いやはや、不思議な味だね」
「ん、何とも言えない味だが悪くないな。」
「「美味しいですー!」」
そして皆が髪とか眼とかが虹色に輝く。
「やっぱりみんな光るんだね!綺麗!」
「そして、やっぱりランチは光らないんだね」
「えっ?うわっ、光ってる!?」
そして今回も皆のもとに小瓶が落ちてくる。
本日は隠し味を入れすぎて失敗しました
お詫びの品です。
「あ、今回も失敗なんだ…」
「失敗!?え、これ戻るんだよな…?」
「大丈夫!しばらくすれば戻ります!」
そしてそして、ランチのもとには手紙が落ちてくる。
新しい力に目覚めたあなたを、
素敵な場所へご招待します。
同時にテーブルがあった場所が一部開き、下へ通じる扉が現れた。
「あ、また下に降りれる。ヘンウェンさんに会えるかな」
「また行くんだね!今度は何かな!」
楽しそうにしているメイプルとランチだが、
他のメンバーはそうではなかった。
「…あんな扉聞いたことないんだが」
「ボクもだね。料理を食べて終わりなはずなんだけど」
「ランチ達は降りたことがあるのか…?」
「まあ味方なら良いわぁ~」
「行ってみよー!」
若干遠い目になっているメンバーとともに扉を開けて階段を降りるランチだった。
そんなわけでいつものレストランイベントですー。
次回はおなじみのキャラが出てきますー。