今回の話は、Wordで30ページ超えた為、これは長すぎると思って急遽、前編後編に分けました。
―――碧映視点―――
僕が仮面ライダーとしての記憶を取り戻したのは、少し前のこと。当時はSNSで軽く話題になり始めた映像が、ニュース番組で取り上げたのを見た時だった。
碧映「この映像・・・・作り物じゃないんだ・・・・うぐっ!」
その映像には、セイバーがディヴェンジャーと戦っている映像で、僕はそれを見た瞬間・・・・・激しい頭痛と共に、ある映像が頭の中に流れる。そう、それは僕があっちの世界でしていたもう一つの姿、仮面ライダーオーズが戦う映像。
僕は頭に流れる映像が何なのか理解すると、頭痛は晴れて、目を開けた時・・・・僕の手には、オーズドライバーと全てのコアメダルが入ったオーメダルホルダーが握られていた。
碧映「そうだ、僕は仮面ライダー。・・・・仮面ライダーオーズ!」
仮面ライダーであることを思い出したその日から、僕は同じ夢を見る様になった。・・・・それはかつての仲間達が次々と倒れていく夢、そして僕の後ろには、大切な仲間達の屍でいっぱいで、僕の身体は仲間達の血で真っ赤に染まっていた。
碧映「・・・・うわあぁぁぁあぁあぁぁ!?!?!?はぁ、はぁ・・・・また、この夢・・・・」
それから僕は、オーズドライバーやオーズに関連する武装を封印し、その夢から逃げる様にキャンプを始めた。・・・・キャンプをしていると、心が落ち着くから。
―――侑視点―――
とある休日、私を含めた同好会のメンバーと陽を含めた仮面ライダーの皆でしずくちゃんのお家にお勉強会という体で遊びに行くことになり、今はしずくちゃんの部屋で絶賛勉強中。
わからないところは勉強が出来る組に聴きながら、進めていると・・・・不意に太陽君がしずくちゃんに問いかけた。
太陽「・・・・そういえば、今日はお兄さんはいる?」
しずく「えっと・・・・いるにはいるのですが、今日は朝から自室に籠ったままでして・・・・」
太陽「そっか、ごめんね。急にこんなこと聞いて」
しずく「い、いえ・・・・」
天弥「しずくの兄貴って・・・・確か、オーズの可能性がある奴だよな?」
龍兎「可能性っていうか、ほぼ確でオーズかな」
と、私達がこんな話をしている中・・・・・桜坂邸の外では、予想外のことが起きていた。
―――???視点―――
???「さて・・・・それじゃあ、存分に暴れていいよ!お前達!」
「「「「「「「「「「「「「グオォォォォォーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」」」」」
―――陽哉視点―――
しずくちゃんの家で雑談を交わしつつ勉強会をしていた俺達だったが、突如桜坂邸の正門から爆音を響いた。
天弥「うおぉ!?びっくりした!?」
走介「なんだっ!?」
勇真「・・・・あれ!外を見てください!」
ゴーストが指を指す方を見た俺達は、信じられないものを眼にする・・・・それは、桜坂邸の庭に無数の怪人達が侵入し始めているところだった。
雷羽「な、なんだあの数!?」
龍兎「30・・・・いや、50以上はいるかもな」
太陽「とにかく急ごう!」
陽哉「だな!・・・・皆はここにいて!」
歩夢「陽君・・・・気を付けてね」
陽哉「・・・・あぁ!」
そして俺達は、各々のベルトを手に部屋を出る。外に出た俺達の眼前には庭を覆いつくす怪人達で溢れていた。
紘輝「こんな間近に見ると、気持ち悪ぃな」
勇真「えぇ、軽くトラウマになりそうです・・・・」
陽哉「・・・・・・皆、行くぞ!」
「「「「「「「・・・・おう!」」」」」」」
『ブレイブドラゴン!』
『ジャンプ!』
『キリン!扇風機!ベストマッチ!』
『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』
ベルトさん『スタート・ユア・エンジン!』
『オレンジ!』
『シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!』
『3、2,1・・・・』
「「「「「「「「・・・・・変身!!!!」」」」」」」」
そして俺達は扉の前で横一列になり同時に変身する。
『ブレ~イブ、ドラゴ~ン!』
『ライジングホッパー!』
『嵐を呼ぶ巨塔! キリンサイクロン! イエーイ!』
『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発!百中!ズキューン!バキューン!』
ベルトさん『ド、ラーイブ!ターイプ・スピード!!』
『オレンジアームズ!花道・オンステージ!』
『ハリケーン!プリーズ。フー!フー!フーフー、フーフー!』
陽哉[セイバー]「行くぞ!・・・・はあぁぁぁぁ!!!!」
各々が仮面ライダーに変身してそれぞれの武器を手に無数の怪人達へ立ち向かっていく。
陽哉[セイバー]「ふっ、はあっ!」
雷羽[ゼロワン]「お・・・りゃぁっ!」
紘輝[鎧武]「はぁ!」
走介[ドライブ]「よっ、はあ!」
龍兎[ビルド:キリンサイクロンフォーム(以下、キリンサイクロン)]「鬱陶・・・・しい!」
太陽[ウィザード:ハリケーンスタイル(以下、ハリケーン)]「風の力を食らえ!はあぁぁ!」
勇真[ゴースト:ビリー・ザ・キッド(以下、ビリー)]「は、はぁ!はあぁぁ!」
天弥[フォーゼ]「おらおらぁぁぁ!」
途中で3・3・2のチームに分かれながらも、俺達は遂に残り半分まで敵を減らすことが出来た・・・・だが。
???「ふ~ん・・・・なかなかやるね、仮面ライダー。・・・・だけど、まだあいつが出てきていない・・・・どうやら炙り出すしかないようだね!」
どこかから指を鳴らす音が聞こえると、突如俺とゼロワンの前に闇が出現し、それは徐々に形を成していく。
雷羽[ゼロワン]「なんだ!?」
陽哉[セイバー]「・・・・なんだこの闇、何か形を作っていく・・・・」
その闇が晴れると、そこにいたのは・・・・・。
カマキリベローサ「・・・・・・」
雷羽[ゼロワン]「・・・・な!?こいつ、俺がこっちの世界で初めて変身した時に倒したディヴェンジャーじゃねぇか!?」
ゴーレロス「・・・・・・」
陽哉[セイバー]「・・・・こっちは2回目に変身した時に戦ったゴーレロスディヴェンジャー・・・・!?」
俺達が前に戦ったディヴェンジャー達が怪しく目を輝かせながら復活した。
陽哉[セイバー]「・・・・これ、まさか俺達の前だけ現れた・・・・って訳じゃないよな?」
雷羽[ゼロワン]「他の連中の所にも現れてる可能性はあるな・・・・」
―――龍兎視点―――
俺、ドライブ、鎧武の3人で周りの怪人を倒していた最中・・・・何処からか指を鳴らす音が聞こえた瞬間、俺達の前に闇が現れ徐々に形を成していき・・・・それは俺達が前に倒したディヴェンジャーになった。
ビャッコリザード「・・・・・」
アイファント「・・・・・・」
ソルディアン「・・・・・・」
紘輝[鎧武]「おいおい・・・・まじかよ!」
龍兎[ビルド:キリンサイクロン]「・・・・まさか、こいつらが復活するなんて・・・・」
走介[ドライブ]「・・・・・どうする?」
龍兎[ビルド]「どうするって、やるしかないでしょ。・・・・他の奴らのところにも現れてるだろうし」
紘輝[鎧武]「・・・・それじゃ、行くか!」
―――太陽視点―――
デストオリオン「・・・・・・・」
ホース刀「・・・・・・」
ヘルマグマ「・・・・・・」
天弥[フォーゼ]「まじ・・・かよ・・・・!?」
勇真[ゴースト:ビリー]「そんな・・・・どうして・・・・!?」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「こいつら、意思を感じられない・・・・2人共、油断せずに行こう!」
俺達の前に何故か倒したはずのディヴェンジャー達が現れた。
―――陽哉視点―――
陽哉[セイバー]「とにかく、急いでこいつらを倒そう!」
雷羽[ゼロワン]「そうだな!一回倒してるし、楽勝だろ!」
そして俺とゼロワンは復活したディヴェンジャー達に立ち向かっていった・・・・・が。
雷羽[ゼロワン]「はあっ!」
陽哉[セイバー]「・・・・はっ!はあっ!」
ゴーレロス「・・・・・」
カマキリベローサ「・・・・・・」
2体のディヴェンジャーには俺達の攻撃はまったく効いていなかった。
陽哉[セイバー]「効いて・・・・ないのか?」
雷羽[ゼロワン]「・・・・ていうかこいつら、前より硬くなってないか?」
陽哉[セイバー]「まさか、強化されてる・・・・!?」
ディヴェンジャー達が強化されていることに気付いた瞬間、ディヴェンジャー達の眼が赤く光り、俺達に攻撃し始めた。
ゴーレロス「・・・・ゴアア!!!!」
カマキリベローサ「・・・・オオオオ!!!!」
雷羽[ゼロワン]「なにっ!?・・・・ぐおっ!?」
陽哉[セイバー]「ぐっ・・・・あぁっ!?」
雷羽[ゼロワン]「くっそ!コンビネーションで行くぞ、セイバー!」
陽哉[セイバー]「あぁ!」
そして、俺とゼロワンの2人は、コンビネーションでディヴェンジャーに攻撃を加えていく。例えば、俺がカマキリベローサに火炎剣烈火で斬り付けた後、上へ軽く火炎剣烈火を投げ、それを俺の後ろから跳び箱の様に俺の背中に手を着き飛び越えたゼロワンが逆手持ちに受け取り、ゴーレロスに振り下ろした。
陽哉[セイバー]「・・・・はあっ!」
カマキリベローサ「・・・・・・!」
陽哉[セイバー]「ゼロワン、受け取れ!」
雷羽[ゼロワン]「おう!・・・・おりゃあ!」
ゴーレロス「・・・・・・!」
だが、2体のディヴェンジャーは俺達の攻撃に少し後ろに下がるだけで、特にダメージを受けている印象がない。そして、ゴーレロスが右腕に石や土を集め巨大化させると、その右腕で俺達を殴りつけてきた。俺とゼロワンはその攻撃の勢いに負け、後方に吹き飛ばされてしまう。
雷羽[ゼロワン]「・・・・ぐあっ!?」
陽哉[セイバー]「ぐあぁっ!?・・・・・く、こうなったらこれでいくしか・・・・!」
俺が取り出した2冊の本を見て、ゼロワンは俺に問いかけて来る。
雷羽[ゼロワン]「セイバー!お前、大丈夫なのかよ・・・・?」
陽哉[セイバー]「ちょっとくらい無茶をしなきゃ・・・・こいつらには勝てない!」
そして俺は、一度火炎剣烈火をソードライバーに納刀し、次に2冊の赤い本のページを開き、ソードライバーに収める。
『ストームイーグル!』
『西遊ジャーニー!』
『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は・・・』
陽哉[セイバー]「・・・・はっ!」
『烈火抜刀!語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!』
『烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!』
陽哉[セイバー:クリムゾンドラゴン(以下、クリムゾン)]「何とかなれた・・・・さぁ、行くぞ!」
雷羽[ゼロワン]「まじか・・・・じゃあ俺はこれだ!」
クリムゾンドラゴンになった俺を見て、ゼロワンはマゼンタのプログライズキーを取り出し、起動させる。
『ウィング!オーソライズ』
雷羽[ゼロワン]「ほいほいっと!」
そして、マゼンタのプログライズキー・・・・フライングファルコンプログライズキーをゼロワンドライバーにスキャンさせると、ハヤブサのライダモデルがゼロワンの周りを飛び回る様に出現し、ゼロワンに近づいてきた瞬間バラけて、マゼンタ色のアーマーパーツとなってゼロワンの身体に再構築される。
『プログラーイズ!』
『Fly to the sky!フライングファルコン!』
『Spread your wings and prepare for a force.』
雷羽[ゼロワン:フライングファルコン(以下、ファルコン)]「・・・・飛び上がっていくぜぇ!」
互いにフォームチェンジをしてディヴェンジャー達と戦い始めた俺達。だがそこで、先程と同じ様に指を鳴らす音が聞こえた。
???「ふ~ん、そうくるんだ。なら・・・・!」
陽哉[セイバー:クリムゾン]「・・・・また、指を鳴らす音・・・・・!」
雷羽[ゼロワン:ファルコン]「おい、あれ・・・・!」
ディヴェンジャーと戦いながらゼロワンの視線の先を見ると、敵の援軍が空からとそして、地上からも出現し始めた。
陽哉[セイバー:クリムゾン]「まだ、増えるのか・・・・・」
雷羽[ゼロワン:ファルコン]「セイバー!空は俺が行くからこいつら頼めるか?」
陽哉[セイバー:クリムゾン]「・・・・わかった!気を付けろよ!」
雷羽[ゼロワン:ファルコン]「おう!行って来る!」
そう言うと、ゼロワンは空高く飛び上がって行った。別のところからウィザードが飛んでいくのが見えた。
陽哉[セイバー:クリムゾン]「・・・・・さて、こっちも踏ん張らないとな!」
―――侑視点―――
怪人の軍勢に仮面ライダーの皆が迎撃に向かい、最初の方こそ優勢だった仮面ライダーの皆だったけど、復活したディヴェンジャーが現れたことと、空や地上から突如敵の援軍が現れたことで、状況が一変・・・・仮面ライダーの皆は劣勢に立たされ初めていた。
果林「これ、勇真達は大丈夫かしら?」
せつ菜「太陽君達が今までに倒したはずのディヴェンジャーが復活して、一気に状況が変わりましたね・・・・。とはいえ!太陽君達は今まで危機を脱してきました!今回もきっと!」
愛「そ、そうだよね!せっつーの言う通り、てんてん達を信じよ!」
かすみ「・・・・あぁ!?雷羽ぁ!?」
かすみちゃんの声に反応して外を見てみると、空に現れた怪人の迎撃に向かった雷羽君と太陽君の2人が撃ち落されていた。
雷羽[ゼロワン:ファルコン]「ぐ、あぁ・・・・!?」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「くっ・・・・あ゛ぁっ!?」
せつ菜「太陽君っ!?」
歩夢「どうしよう・・・・!このままじゃ、1人で戦ってる陽君が・・・・!」
侑「・・・・・」
私達が不安に駆られる中、私がふとしずくちゃんの方を見ると、何か真剣な表情をして下唇を噛んでいた。そして、すっと立ち上がると扉の方へとずんずん歩き出す。
しずく「・・・・・・!」
侑「ちょ、しずくちゃん!何処行くの!」
しずく「すみません、少し行かなければならない所があるので、皆さんはここにいてください」
エマ「今出たら危ないよ!」
しずく「大丈夫です、家の中から出ることはないので。・・・・・それでは、ちょっと行ってきます!」
かすみ「あ、ちょ、しず子!?」
そう言うと、しずくちゃんは走って行ってしまった。
歩夢「しずくちゃん、大丈夫かな・・・・?」
侑「・・・・今は信じよう、しずくちゃんを」
そして私達はしずくちゃんの無事を祈りつつ、外の戦闘へと目を向ける。
―――しずく視点―――
自分の部屋を出て、私が向かった先・・・・そこは私の兄、桜坂碧映の部屋。今日お兄様が家にいるのはわかっている・・・・そして、今外で行われている戦闘を見ていることも容易に想像できる。だから私は、いつもはドアをノックしてから入るけど、今回ばかりはノックをせず勢いよく開ける。・・・・そこには、ドアの音に驚いてこちらを見るお兄様の姿があった。
碧映「し、ずく・・・・!?どうしたの・・・・?」
しずく「どうしたの?・・・・ではありませんお兄様!貴方はここで何をしているのですか!どうして、仮面ライダーの皆さんと一緒に戦わないのですか!」
碧映「え、えっと・・・・どうしてって・・・・なんのこと?」
しずく「惚けないでください!お兄様が仮面ライダーであることは知ってるんです!」
碧映「えっ・・・・どうしてそのことを・・・・!?」
お兄様の問いに、私はあの日のことを話しだす。
しずく「ごめんなさい・・・・前にお兄様と街で会ったあの日に、お兄様の机の引き出しが開いてて・・・・それで・・・・」
碧映「そっか、ちゃんと閉めたと思ったんだけど、開いてたんだね・・・・」
しずく「あの、それで・・・・」
碧映「・・・・ごめん、それでも僕は戦えない」
しずく「・・・・どうして、ですか?戦える力があるのに、どうして何もしないのですか!このままでは、皆さんが・・・・!」
私がそこまで言うと、お兄様は手を握り締め、声を荒げて私に怒りをぶつける。
碧映「・・・・しずくにはわからないよ!戦う力の無い君に!今まで隣で戦ってた仲間を失う怖さが!」
しずく「・・・・っ!」
碧映「ねぇ、わかる?自分の腕の中で仲間の身体が冷え、その命が消える感覚・・・・。仲間を守れなかった自分の無力さを思い知らされる感覚が・・・・しずくにはわかるの!!!」
しずく「そ、れは・・・・・」
お兄様の言葉に、私は言葉を詰まらせることしか出来ないでいた。そしてお兄様は、今までため込んでいた気持ちを吐き出していく。
碧映「・・・・僕は、怖いんだ・・・・仮面ライダーとして戦うことが。記憶を取り戻した時、皆と一緒に戦おうとも思った・・・・けど、あの時のことを考えると、手が震えて、脚が動かなくなって・・・・・また仲間が死ぬ所を近くで見るくらいなら、もう一度仲間を失うくらいなら、最初から戦わない方がいい・・・・・そう思って僕はベルトを封印したんだ。」
しずく「・・・・・・」
私はお兄様の言葉を聞き、静かに歩み寄り今度は自分の想いを口にする。
しずく「・・・・確かに、私は戦えないのでお兄様の気持ちはわかりません。・・・・だけど!その気持ちを聞いて、思いやることは出来ます!確かにお兄様は昔、辛いことがあったのかもしれません・・・・それでも、貴方はこのまま何もしないで受け入れるのですか?」
碧映「・・・・・え?」
しずく「貴方はこのまま、何もしないで仲間の皆さんが倒れていくのをただただ見ているだけでいいのですか!私からしたらそちらの方が苦しいですよ。・・・・・もし、このまま戦って皆さんが負けるのだとしても、そんな運命を辿るのだとしても・・・・最後まで抗いなさい!何もしないで運命を受け入れるより・・・・その運命をぶち壊すほど抗って抗って運命と戦い続けなさい!」
そして私は、お兄様の机の方へ行き、例のベルトが仕舞ってある引き出しを開けて中のベルトと3枚のメダルを手に取りお兄様に突き出す。
しずく「お兄様にはそう出来るだけの力がある!ならば仮面ライダーとして戦いなさい、桜坂碧映!」
碧映「っ!・・・・それでも、僕は・・・・・」
しずく「・・・・それでも怖さや不安で押し潰されそうになった時は私がお兄様の心を支えます!涙を拭い続け、笑顔にさせ続ける・・・・貴方の心の拠り所になります!」
私の言葉を聞いたお兄様は、驚いた顔をした後すぐに、柔らかな笑顔を浮かべ、私を力強く抱きしめた。
しずく「・・・・ひゃっ!お、お兄様!急に何を・・・・!」
碧映「・・・・ありがとう、しずく。君のおかげでようやく目が覚めたよ。」
そう言うとお兄様は、私が持っていたベルトと3枚のメダルを手に取り、部屋の扉の方へ行くと、真剣な顔で私の方を振り返る。
碧映「しずく、行って来るよ!君の言う通り、例え負ける運命だとしても、僕は抗う!抗って抗って・・・・・しずくや、仲間達とその運命をぶち壊してやる!」
そしてお兄様は走って行った。そんなお兄様の背中に向けて、私は静かにつぶやく。
しずく「・・・・・行ってらっしゃい、お兄様。」
―――陽哉視点―――
空へと飛び立ったゼロワンが撃ち落されてしまった後も、俺は劣勢に立たされていた。因みにカマキリベローサは、ゼロワンを追って行った。
陽哉[セイバー:クリムゾン]「くっ・・・・はぁ、はぁ・・・・まずい、体力が・・・・!」
ゴーレロス「・・・・・・」
陽哉[セイバー:クリムゾン]「これだけやって、まだやれるのか・・・・」
片膝をつき肩で息をしていると、突然俺の後ろにある桜坂邸の扉が開いた。そして、中か
ら出て来たのは・・・・・・
碧映「・・・・・・」
陽哉[セイバー:クリムゾン]「碧映・・・・さん?・・・・っ、それ!」
桜坂邸から出て来たのは、腰にオーズドライバーを巻いた桜坂碧映さんだった。
陽哉[セイバー:クリムゾン]「オーズドライバー・・・・って、ことは!」
碧映「やっと決心がついたよ。・・・・大事な妹の為にも、大切な仲間達の為にも、僕は戦う!兄として・・・・仮面ライダーとして!・・・・変身っ!」
という訳でクリムゾンドラゴンを出してみました!
後編からは仮面ライダーが皆フォームチェンジしますよ!
それでは最後の仮面ライダーである桜坂碧映君の紹介です!
【キャラクター】
桜坂 碧映(おうさか あおば)
仮面ライダーオーズに変身する20歳の男の子。小さい頃は何があっても前向きな性格だったが、最近になって何かから逃げる様にキャンプをすることが多くなった。しずくの励ましでもう一度仮面ライダーとして戦うことを決意する。妹の桜坂しずくからは「お兄様」と呼ばれている。
それでは、読んでいただきありがとうございました!感想等お待ちしております!お気に入り登録もしていただけると嬉しいです!
【次回 第13話 桜坂邸の攻防。碧映の決意としずくの叱咤 後編】