せつ菜ちゃん捕まり過ぎじゃね!・・・・・・って。
―――せつ菜視点―――
・・・・はぁ、今日は生徒会の仕事が立て込んでいますね・・・・・。
せつ菜「・・・・やはり今日は部活に顔を出せそうにありませんね・・・。太陽君も今日はこちらに来れないと言っていましたし、久しぶりに帰りは一人ですか・・・・。」
生徒会室の壁に掛けられた時計を見つつそんなことを呟きながら、机の上の山積みの書類に判を押していく。因みに副会長は片付いた書類を職員室へ、右月さんと左月さんは書類の不備があった部活へと行ってもらっている。その為、現在生徒会室は私1人・・・・いつも私が1人で生徒会室にいるタイミングでこっそりと魔方陣を通って太陽君が来てくれるのですが・・・・・・
せつ菜「・・・・まぁ、それを思っても仕方ありませんね。暗くなる前に残りをさっさと片付けてしまいましょう!」
それから集中すること1時間、残っている書類を片付けた私は、戻って来た副会長達を先に帰らせ生徒会室の鍵を職員室に返した後、帰路に就いた。
外は少し薄暗くなり始めていて、秋の夜風が少し不気味さを感じさせる。こんな時は早く帰るに限る、そう思い私は足早に校門を抜ける。・・・・・少し歩いた先の横断歩道で信号待ちをしていると、メガネを掛けた20代後半のサラリーマン風な男性の方が声をかけて来た。そして、私がその声に振り返った瞬間・・・・・・・・・・
せつ菜「・・・・・・・・・」
???「・・・・あの、すみません。少々お聞きしたいことがあるのですが・・・・・」
せつ菜「え―――――」
私の視界が真っ暗になった―――――――――――
―――太陽視点―――
太陽「・・・・・よし!新しい手品が出来た!菜々、喜んでくれるといいな・・・・」
自宅で菜々に見せる新しい手品を完成させた俺が固まった身体を伸ばしていると、俺のスマホの着信音が鳴った。画面を見てみると、そこには〔菜々〕の文字と菜々の笑顔が映し出されていた。俺はナイスタイミングだと思い、内心ウキウキしながらその電話に出る・・・・・が、電話の向こうから聞こえて来たのは菜々の声ではなく、聞きなれない男性の声だった。
太陽「・・・・菜々!ちょうど良かった!実は今、新しい手品が出来・・・・」
???≪・・・・ふふっ。随分テンションが高いですねぇ~?仮面ライダーウィザード。≫
太陽「・・・っ!?誰だ!」
???≪まぁまぁそう警戒せずに。私の名はアルジャヴァルキリーディヴェンジャー。結論から言うならば・・・・・貴方が大切にしている娘・・・・中川菜々さんでしたか?その娘は預かりました。≫
太陽「・・・・なんだってっ!?菜々は・・・・菜々は無事なんだろうな!!!!」
アルジャヴァルキリーディヴェンジャー(以下、アルジャ)≪あっはっはっ!焦ってますねぇ~?勿論今は無事ですよ?い・ま・は・ね。≫
太陽「何が・・・・目的だ。」
アルジャ≪貴方一人で港にある2と書かれた空き倉庫に来なさい。他のライダー達を呼んだらこの娘がどうなるか・・・・貴方ならわかりますね?≫
太陽「・・・・・わかった。菜々は絶対に返してもらう!」
俺は怒りのままに電話を切ると、急いで外へ出て指定された港の空き倉庫までマシンウィンガーを走らせた。ディヴェンジャーに捕らわれた菜々を助ける為に・・・・!
―――せつ菜視点―――
私を捕らえ攫ったディヴェンジャー・・・・アルジャヴァルキリーディヴェンジャーは私から奪った携帯で太陽君に電話を掛け通話し終わると、それを投げ捨てる。因みに今は先ほどまでの20代後半のサラリーマンの姿から異形の怪物の姿へと変わっている。
アルジャ「・・・・さて、彼はああ言ってはいましたが・・・・本当に来ますかね?」
せつ菜「・・・来ます!太陽君は絶対に来てくれます!そして貴方を、必ずや倒してくれます!」
アルジャ「・・・・あっはっは!信頼しているのですね彼を。・・・・ですがあまり希望を持ち続け無い方が良いですよ?大きすぎる希望は絶望した時の喪失感が凄いですからね。・・・・まぁ、私はその方が嬉しいですが」
せつ菜「私は絶対に絶望なんてしません・・・・!」
アルジャ「いい眼だ・・・・。では私は希望に輝くその瞳が暗く絶望に染まった深淵になるのを楽しみにするとしましょう。」
私は自分の中の恐怖心を覚られない様に懸命に目の前にいるアルジャを睨みつけるが、当のアルジャはまったく意に介していないらしく、飄々としている。
それから30分くらい経った時・・・・・・私達がいる倉庫の外側からブロロ・・・!というバイクのエンジン音が聞こえ数秒後、遂に倉庫の扉が開かれた。
私とアルジャは扉が開かれる音に目を向けると、そこに立っていたのは既にウィザードドライバーを腰に巻き右手にウィザーソードガンを持った太陽君だった。
太陽「・・・・菜々を、返してもらいに来た。」
せつ菜「・・・・太陽君!」
アルジャ「やっと来ましたか。・・・・・ですが、それは出来ませんねぇ。貴方はここで私に倒されるのですから!」
太陽「やっぱりそうなるかな・・・・」
太陽君を認識したアルジャは右手に槍を出現させてから私の側を離れ、積み上がっているコンテナから飛び降りて太陽君と対峙する。
太陽君は自前に予測していたらしく、ウィザードドライバーを操作して左手のフレイムウィザードリングをかざし、仮面ライダーウィザードに変身する。
『シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!』
太陽「・・・・・変身!」
『フレイム!プリーズ』
『ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!』
太陽[ウィザード]「・・・・・・行くぞ!」
アルジャ「・・・はあっ!」
太陽[ウィザード]「・・・くっ!・・・はあっ!」
アルジャに走って行く太陽君へ向けてアルジャは自身の槍の「穂」という刀身を前へ放って太陽君の胸を狙う様に突いてきたところをウィザーソードガンの剣身で受けながら前に出る。
ギャリギャリッ・・・という金属同士が擦れ合う音を響かせながら槍の半分くらいの距離まで来た太陽君は右に身体を回転させその勢いのままアルジャに胴斬りをした・・・・・が、アルジャは右腕でウィザーソードガンを弾き飛ばす。
アルジャ「・・・ふんっ!」
太陽[ウィザード]「・・・・・くっ!だったら!」
『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ』
『フレイム!スラッシュストライク!ヒー!ヒー!ヒー!』
ウィザーソードガンを弾かれた太陽君は一度距離を取り、手形型の機械“ハンドオーサー”を起動させ左手のフレイムウィザードリングをかざし、剣身に炎を纏わせ炎の斬撃をアルジャに向けて放った。
アルジャは抵抗する間もなく炎に包まれた。
太陽[ウィザード]「・・・・はあっ!」
アルジャ「くっ・・・・・ぐああぁぁ!!!!!」
せつ菜「・・・や、やりましたか!」
太陽[ウィザード]「菜々!・・・・それフラグ。」
せつ菜「・・・・・・・・え?」
太陽君のその言葉を聞いた次の瞬間、アルジャの全身を包んでいた炎が内側から発生した突風により消失。その突風の中心には無傷のアルジャがいた。
アルジャ「・・・・温い。これは本当に炎なのですか?あまりに温過ぎて火の粉かと思いましたよ。」
せつ菜「む、無傷・・・・」
太陽[ウィザード]「流石に今ので倒せたと思ってなかったけど、無傷か・・・・・」
アルジャ「・・・・さぁ、次はどう来ますか?」
アルジャに挑発された太陽君は、左手のフレイムウィザードリングを外し、ウォーターウィザードリングを嵌めるとウィザードライバーにかざしスタイルチェンジすると、今度は右手のリングを交換し、それをウィザードライバーにかざす。
太陽[ウィザード]「だったらこれでどうだ!」
『ウォーター!プリーズ』
『スイ~スイースイースイ~♪』
太陽[ウィザード:ウォーター]「・・・・次にこれだ!」
『リキッド!プリーズ』
アルジャ「・・・・・・ほう。」
せつ菜「か、身体が・・・・・!?」
リキッドウィザードリングを使い、自身の身体を液状化させた太陽君は、素早くアルジャの背後に移動する。
一方のアルジャはまったく驚いていない様で、突然自身の後ろを振り向くことも無く槍を振う。すると、まるでわたっていたかの様にアルジャの槍が奇襲を仕掛けようと液状化から戻った太陽君を切り裂いた。
アルジャ「ふむ・・・・・そこですね!」
太陽[ウィザード:ウォーター]「・・・なにっ!?ぐあぁぁっ!」
せつ菜「太陽君・・・・!」
太陽[ウィザード:ウォーター]「な、何で・・・・・!」
アルジャ「貴方・・・焦ってますね?早くあの彼女を助け出したいと。それが漏れちゃってるんですよ。攻撃してくださいって言ってる様なものですよ?」
太陽[ウィザード:ウォーター]「・・・・・・くっ。」
どうやら太陽君の焦りが彼の動きを鈍くしていたらしく、そこをアルジャに突かれてしまった・・・・。私が捕まったばかりに・・・・ごめんなさい太陽君・・・・。
すると、太陽君はウォーターウィザードリングをハリケーンウィザードリングに交換し、ハリケーンスタイルにチェンジすると、空気を操り、太陽君の周りに風で出来た螺旋状の槍を無数に作り出し、それをアルジャへと放つ。
『ハリケーン!プリーズ』
『フー!フー!フーフー、フーフー!』
太陽[ウィザード:ハリケーン]「はぁぁ・・・・はあっ!」
せつ菜「・・・凄い!空気が集まって、風の槍になりましたよ!これなら・・・・!」
アルジャ「・・・・・・・」
太陽君の放った無数の螺旋状の風槍は一直線にアルジャに向かっていく。アルジャは特に慌てる様子も無く、自身の槍を回し始める。・・・・すると、無数の風槍がアルジャの槍に吸い込まれていき、お返しと言わんばかりに倍の威力にした竜巻を太陽君に放った。
太陽君は即座にディフェンドウィザードリングをかざし、風で出来た壁を出現させる・・・・・が、アルジャの放った竜巻の威力に耐え切れず、簡単に突破されてしまい、竜巻に飲み込まれ後方の壁に激突させられた。
アルジャ「・・・・・微風。あまりに微風!倍にして返してあげましょう!はあっ!」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「まずい・・・・!」
『ディフェーンド!プリーズ』
太陽[ウィザード:ハリケーン]「くっ・・・!おおおぉぉぉぉぉ・・・・!!!!!」
アルジャ「無駄なことを・・・・・」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「ぐぅ・・・あ、ぐあぁぁぁぁぁ!!!!!」
せつ菜「・・・・太陽君!!!」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「・・・・ぐ、あっ・・・・!」
アルジャ「・・・・どうです?もう諦めては」
太陽[ウィザード:ハリケーン]「諦める訳には・・・いかない!」
壁に叩きつけられ、ヨロヨロと立ち上がった太陽君はハリケーンウィザードリングをランドウィザードリングに換え、ランドウィザードリングをウィザードライバーにかざしランドスタイルにチェンジすると、右手のリングをドリルウィザードリングに換え、それをウィザードライバーにかざし地面に潜った。
『ランド!プリーズ』
『ドッドッ、ド・ド・ド・ドンッドンッ、ドッドッドン!』
『ドリル!プリーズ』
太陽[ウィザード:ランド]「はっ!」
アルジャ「攻撃を覚られない様に地面に潜りましたか・・・・はぁ・・・。そんなことをしても無駄ですよ!」
アルジャは溜息を付くと、槍の穂に風を纏わせ、それを地面に突き刺す。すると、地面のあちこちから風の柱が噴き出し、その中の1つから太陽君が地面の中から弾き出されてしまった。
地面から弾き出され宙に舞った太陽君は、重力に引っ張られ背中から激しく地面に打ちつけ、それがトドメとなったのか、変身が解けてしまった。
太陽[ウィザード:ランド]「・・・・・がはっ!?」
アルジャ「・・・おや、変身が解けましたね?」
太陽「まだ・・・だ!一か八か・・・・これで!」
アルジャがゆっくりと近づいて行く中で、太陽君は指輪の形をした石を左手にはめ、ウィザードライバーにかざす・・・・・・だけど・・・・・・
太陽「・・・・っ!まだ・・・駄目なのか・・・・!」
アルジャ「どうやら、万策尽きた様ですね。・・・・では、敗けた貴方に命令を下します。」
太陽君がはめた石は反応すること無く、何も起きなかった。その結果に太陽君は歯噛みをし、悔しそうな表情を浮かべる。そして、その間に眼前まで近づいたアルジャが、無情にも太陽君の首に槍の穂先を突きつける。次の瞬間、アルジャが放った言葉は・・・・私と太陽君にとって、信じられない・・・・非情なものだった。
太陽「命令・・・・だって?」
アルジャ「当然でしょう?敗者は勝者にもの。・・・・では命令です。貴方以外の残りの仮面ライダーを・・・・・・・|
太陽「・・・なっ!?」
せつ菜「そんなこと、出来る訳ありません!」
アルジャ「別に貴女に聞いてないですよ。・・・・さぁ、ウィザード。どうしますか?別に断ってもいいのですよ?その場合・・・・・そこにいる彼女を殺すだけなので」
太陽「そんなこと、させない・・・・!」
アルジャ「ではどうしますか!今まで共に戦ってきた仲間を殺してあの娘を救うか・・・・それとも、この世界で出会った彼女を犠牲にして仲間を取るか・・・・さあ!貴方が選ぶのは2つに1つですよ!」
太陽「くっ・・・・!」
せつ菜「太陽君!私のことはいいので皆さんと共にディヴェンジャーを倒してください!」
アルジャ「うるさいですよ・・・・!」
私の叫びにイラついたアルジャが、槍を太陽君に向けたまま右手に風を纏わせ、風の斬撃を私目掛けて放って来た。
幸い、アルジャの放った斬撃は私の首元から1m離れていたが、恐怖を植え付けられるのには十分だった。
せつ菜「ひっ!」
アルジャ「少し黙っててもらえますか?・・・・・でないと、次は本気でその首、落としますよ?」
せつ菜「あ、あぁ・・・・!」
太陽「やめろ!」
アルジャ「では選びなさい!私の命令を聞いて仲間を殺すか・・・・それとも、聞かずに彼女を殺すか!」
そして、太陽君は震える声で・・・・悔しそうに呟いた。
太陽「・・・・・わかった・・・・・・お前に従う・・・・・・。」
アルジャ「くくっ・・・・あっはははははは!!!!!」
せつ菜「そんな・・・・・」
この時、絶望という二文字が・・・・・・私の心を支配した。
今回の敵なんですけど、アルマジロイマジンとジャガーロードパンテラス・トリスティスとヴァルキリーファントムが融合してまして、顔と胴体がヴァルキリーで右腕左脚がアルマジロインベスで左腕右脚がジャガーロードパンテラス・トリスティスって感じですね。
ジャガーロード要素ほとんどでなかったけど・・・・。
次回【第23話 裏切りのウィザード・・・・・。】