9人の戦士と10人の虹乙女   作:カツ丼DⅩ

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歩夢ちゃんに敵の間の手が迫る・・・・・・・


あ、前回言い忘れてたんですけど、アケディアの変身アイテムはバイスタンプでベルトはさくらちゃんの使うリベラドライバーなんです!

けど、変身時に悪魔は出てこなくて、大二君みたいに人格が変わる形になります!


第33話 狙われた歩夢・・・・・・

 

 

―――侑視点―――

 

 

 

 私達が襲われて今日で1週間。あれから下級怪人や怪人が襲ってきたことはあったけど、結局セブンズリッターの誰1人として現れることはなかった。

 

 そして今日、緊急の全校集会が行われた。その内容は歴史の竹下先生が何か、問題を起こしたとかで懲戒解雇になったっていうのと、その後任の先生の紹介だった。

 

 この後任の先生っていうのが男の人なんだけどまー顔が良くて、スタイルも良くて、登壇した瞬間に周りの生徒全員が黄色い声を上げちょっとした騒動に……(まぁ、私としては陽の方がかっこいいと思うけど……/////)

 

 

 

 

 

???「皆さん初めまして。本日からこの学校でお世話になります………速水公平です。」

 

 

 

 

 そう名乗ると、想像通りの低音イケボだったのかまた黄色い声が木霊してもうひと騒動起こった。

 

 

 

 

それからいつもの学校生活を送って現在放課後、部室に向かって廊下を歩いていると、不意に誰かから声をかけられ、その方向を向くとそこには今日一番の話題の人速水先生がいた。

 

 

 

 

侑「あーちょっと遅くなっちゃった!急がなきゃっ!」

 

速水「廊下を走るのは感心しないな」

 

侑「あっ、えっと、速水先生!ごめんなさい急いでてつい……」

 

速水「素直に自分の過ちを反省出来るのは良いことだ……そんなことより、君は確か……高咲侑君……だったかな?」

 

侑「えっ、私のこと知ってるんですか!?」

 

速水「勿論!君を含め、スクールアイドル同好会のメンバーはこの学校では有名人じゃないか……かく言う私自身、君達のことはこの学校に来る前から知っていたよ」

 

侑「とても有難いですけど……その、私のことも知っていたん…ですか?」

 

速水「当然だ。君はスクールアイドルフェスティバルの発案者兼一番の功労者だとこの学校の生徒どころか教師の方々まで褒めていたよ」

 

侑「そ、そんな…皆がいたからで、私なんて全然……」

 

速水「そう謙遜しなくていい……人の称賛は素直に受け取っておくべきだ。実際、君は素晴らしいことをした」

 

侑「えっと……ありがとう、ございます/////」

 

 

 

 

 な、なんかこの歳になって褒められることってあまり無いからむずがゆいな……/////

 

 

 

 

速水「それでは、私はまだやることがあるから失礼するよ。呼び止めて悪かったね」

 

侑「あ、いえ!」

 

 

 

 

 こうして私は速水先生と別れて同好会の部室へ向かった。

 

 それにしても、速水先生って話しやすくていい先生だなぁ~。

 

 

 

 

速水「高咲侑……上原歩夢の幼馴染で一番の理解者………か。ふっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――陽哉視点―――

 

 

 

 

 今日は夕方から雨が降るらしく空は曇天に覆われていた。そんな空を見上げながらどこか嫌な予感を感じつつ学校が終わって侑と歩夢を迎えに虹ヶ先学園の校門前で待っていると、歩夢だけが出て来た。

 侑がいない理由を聞くと、やり残したことがあるらしく先に帰っててほしいと言われたそうだ。だから今日は久々に歩夢と2人で帰ることになった。

 

 

 

 

歩夢「……ねぇ、覚えてる?前に私達が2人で帰った日のこと」

 

陽哉「あー……確か中一の頃だっけ?侑がインフルかかって学校休んだ時だよな?」

 

歩夢「うん!あの時は毎日侑ちゃんへのお見舞いの品を買う為に寄り道とかいっぱいしたよね」

 

陽哉「侑も凄いキツそうだったしな。回復した後も一週間近くは謝ってたっけ……?」

 

歩夢「私達自身、友達がインフルエンザにかかるなんて初めてだったから凄い戸惑っちゃったよね」

 

陽哉「歩夢なんてわんわん泣いてたもんな!」

 

歩夢「陽君だって涙目でオロオロしてたじゃん!」

 

陽哉「あれは初めてのことでどうしていいかわからなくて……」

 

歩夢「私だって侑ちゃんが死んじゃうんじゃないかって不安になって……」

 

陽哉「まぁでも、こうして3人今まで大きい病気とか無くてよかったよな~!このまま3人仲良く過ごせたらいいな……!」

 

歩夢「うん……そうだね……」

 

 

 

 

 そしてこんな時でも、敵はやってくる。

 

 

 

 

下級インベス×5「「「「「キュキュゥゥゥゥゥ!!!!!」」」」」

 

ダスタード×5「「「「「・・・・・!!!!!」」」」」

 

陽哉「インベス!?」

 

歩夢「もう、なんでこんな時に……!」

 

陽哉「歩夢!囲まれる前に早くここから逃げるんだ!」

 

歩夢「う、うん……」

 

 

 

 

 歩夢が橋の下に逃げて行ったのを確認した俺は聖剣ソードライバーを腰に巻きドラゴニックナイトワンダーライドブックを聖剣ソードライバーに収めて火炎剣烈火を抜刀し変身した。

 

 

 

 

陽哉「早く済ませたいからな!一気に仕留めさせてもらう!」

 

『ドラゴニックナイト!』

 

陽哉「変身!」

 

『烈火抜刀!』

 

『ドラゴニックナイト!』

 

『すなわち、ド強い!』

 

セイバー[ドラゴ]「行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、俺はこの時どうして歩夢を1人で行かせてしまったのかと激しく後悔することになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――歩夢視点―――

 

 

 

 

 陽君と久々に2人っきりで帰っていると、突然現れた怪人達に襲われそうになって囲まれる前に陽君が私を逃がしてくれて、私は少し離れた橋の下に身を隠した。

 

 

 

 

歩夢「陽君……大丈夫かな……」

 

 

 

 

 橋の下から少しだけ顔をのぞかせて戦況を見守っていたら、突然後ろから声をかけられた。

 振り返るとそこには速水先生がいた。

 

 

 

 

速水「君、うちの生徒だな?こんなところで何をしている?」

 

歩夢「へっ!?……あ、えっと、速水先生……」

 

速水「……おや?君は確か……上原歩夢君だったかな?」

 

歩夢「わ、私のこと知ってるんですか!?」

 

速水「まぁね。……それで、君はここで何をしているんだい?」

 

歩夢「あ、それは……」

 

 

 

 

 ど、どうしよう……。陽君が今そこで戦っているからって言えないし……と、とりあえず適当なことを言っておこう!

 

 

 

 

歩夢「あ、えっと……じ、実はすぐそこで刃物を持った悪い人がいて、いなくなるまでここで隠れていたんです!」

 

速水「何?それこそ早く帰りなさい!」

 

歩夢「あ……あぅ……」

 

 

 

 

 咄嗟の言い分も効かず、私があたふたしていると…………

 

 

 

 

 

 突如先生の雰囲気が不気味なものに変わった。

 

 

 

 

速水「……時に、君の言う悪い人……というのは、こういうものを腰に巻いていなかったか?」

 

歩夢「……え?」

 

 

 

 

 雰囲気が変わった速水先生は懐からベルトのバックルの様なものを取り出して自分の腰に装着した。

 

 

 

 

『暴食ドライバー!』

 

歩夢「え、それ……何で先生が……!」

 

速水「何故……か。それは……()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 見覚えのあるべルトを装着した速水先生は片手サイズのスイッチを取り出してそのボタンを押すと、バックルのスロットに装填してそのスイッチを軸に丸形の星座早見盤を1回転させる。

 すると、速水先生の身体を夜空の様な闇が包み、幾つもある星の様な光が星座の様に浮かび上がって形を変えると速水先生は見覚えのある仮面ライダーに変身した。

 

 

 

 

『リブラ!』

 

速水「変身。」

 

歩夢「あ、そ……そんな……!」

 

グラトニー「改めて自己紹介といこうか。私の名は速水公平……又の名を、仮面ライダーグラトニー……暴食を司るセブンズリッターの1人だ。」

 

歩夢「先生が……セブンズリッター……!?」

 

グラトニー「私と共に来てもらおうか、上原歩夢。」

 

歩夢「い……いやっ……!」

 

 

 

 

 迫りくる速水先生ことグラトニーに私は首を横に振りながら後ずさる。

 

 

 

 

歩夢「助けて……助けて、陽く……!」

 

グラトニー「君に拒否権は無い!」

 

 

 

 

 そして私が陽君に助けを求めようと踵を返して走り出そうとしたけど、それよりも速くグラトニーが自身の錫杖を地面に叩く方が速くて、私は・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

歩夢「陽君…………!」

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

―――陽哉視点―――

 

 

 

 

 下級インベスやダスタードを全て倒した俺は、変身を解除して歩夢が隠れているであろう橋の下に向かった・・・・・・・・・けど・・・・・・・

 

 

 

 

陽哉「歩夢ー!もう出てきていいぞー!……って、あれ?歩夢?」

 

 

 

 

 そこには歩夢の姿がなかった。

 

しばらく周辺を探してみたけど、結局見つからず、そうこうしている間に雨が降って来た。

 

 

 

 

陽哉「はぁっ……!はぁっ……!何処行っちゃったんだよ……歩夢ーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

―――Not anyone視点―――

 

 

 

 

 仮面ライダーグラトニーから変身を解除した速水公平によって連れ去られた上原歩夢は、とある会社の本社ビルに連れてこられていた。

 

 

 

 

歩夢「こ、ここは……?」

 

速水「黙って歩け。」

 

 

 

 

 そのままエレベーターに乗り36階に到着すると、そこからしばらく歩いて豪華な造りの扉の前にやって来た。

 そして速水がその扉を数回叩くと、中から声がして速水は扉を開いて歩夢に中に入る様に促した。

 

 

 

 

???「……誰?」

 

速水「暗輝様。速水です。例の娘を連れてきました。」

 

???「入っていいよ!」

 

速水「はい。……さぁ、入りなさい。」

 

歩夢「…………」

 

 

 

 

 速水に促され部屋の中に入るとそこには男性が1人、デスクに座っていた。

 

闇夜の様に真っ暗な黒髪が似合うとても綺麗な顔立ちで年齢は20代前半くらいだろうか、身長も高く脚長でとてもスタイルがいい。

そんな彼がデスクから立ち上がると歩夢に握手を求めて来た。

 

 

 

 

???「……やぁ!君が上原歩夢君だね!初めまして!」

 

歩夢「あ、えっと……」

 

???「おっと失礼、私はこういう者なんだ」

 

歩夢「は、はぁ……」

 

 

 

 

 歩夢が男性から名刺を受け取ると、そこには【暗輝コーポレーション代表取締役社長  暗輝颯馬(くらきそうま)】と書かれていた。

 

 暗輝コーポレーションとは最近出来たばかりの会社であるにもかかわらず、その急成長が目覚ましくたびたびメディアに取り上げられている会社だ。

 

 現在の日本ではホテル事業に力を入れているオハラグループと様々な事業を手掛けマルチに活動する飛瀬グループが実質トップに君臨しているが、最近ではこの2つの会社が食われるのではないかと言われている程、この暗輝コーポレーションのシェア率が急上昇し様々な企業を傘下に置き始めている。

 それを全て一代で成したのが今歩夢の目の前にいる暗輝颯馬だ。

 

 

 

 

歩夢「暗輝コーポレーションって今有名な……!」

 

暗輝「おや?私の会社のことを知ってくれていたんだね!」

 

歩夢「それは……まぁ……でも……」

 

 

 

 

 何故そんな大会社の社長がセブンズリッターの1人である速水公平と知り合いなのか。それは、彼の正体にあった。

 

 

 

 

暗輝「まぁ立ちっぱなしもなんだし、座ってくれ」

 

歩夢「は、はい……」

 

 

 

 

 歩夢を部屋のソファに座らせ、自身はその対面のソファに腰かけると歩夢の疑問を口にした。

 

 

 

 

暗輝「さて、今君はこう思っているんじゃないかな?……何故一会社の社長である私がそこにいる速水公平君と知り合いなのか……と。」

 

歩夢「あの……その……」

 

暗輝「…………ゼウーデス。」

 

歩夢「えっ……!?」

 

暗輝「ふふっ。……君は彼等から聞いたことはないかな?この名前。」

 

歩夢「それは……でも、どうして貴方がその名前を!?」

 

暗輝「それ……()()()()。」

 

 

 

 

 そう、暗輝颯馬。彼こそが仮面ライダー達が倒そうとしている敵の大元・・・・・・ゼウーデス本人だ。

 だが、歩夢が剣緋陽哉達から聞いていた姿は怨念の集合体である為、明確な実体を持たない存在。でも、今目の前にいるのは完全に人間。

 

 

 

 

歩夢「そ、そんな……!」

 

暗輝「実はね……こっちの世界に来る際、私の存在が消えそうになってね。存在が消える寸前に偶然見つけた母体に入って難を逃れたんだ。」

 

 

 

 

 暗輝はそこまで話すと、手を叩いて話を変える。

 

 

 

 

暗輝「さ!私の話はここまでだ!今日君をここに呼んだのは君の力になりたいからなんだ!」

 

歩夢「私の……力に……?どういう意味ですか?」

 

暗輝「単刀直入に言おう……君は仮面ライダーセイバー……剣緋陽哉君に惚れてるよね?」

 

歩夢「ふえっ!?/////」

 

暗輝「あははっ!可愛い反応だね!」

 

歩夢「あの、どうしてそのことを……?/////」

 

暗輝「一応、仮面ライダーは私の敵だからね。彼等を調査している時に偶然君を見つけたんだ。」

 

 

 

 

 そこから暗輝颯馬は興奮気味に語りだす。

 

 

 

 

暗輝「そして私は、君の純粋な心に自身の心を打たれた!この時代……ここまで一途に1人の人間を想うことが出来るのかと!私は世に言う悪の存在だ……けど!そんなことがどうでもよくなるくらい、君のことを見守りたい!応援したい!そして、君の様な純粋な子が報われてほしいと!そう思えるようになった……人の恋心というのがこんなにも素晴らしいものなのだと……君のおかげで知ることが出来た!だからどうか……君に協力させてはくれないか?君の為に……私の持てるすべての力を使いたいんだ!」

 

歩夢「そこまで……私のことを……?」

 

暗輝「うん、それに……このままじゃ、君が報われないと思って……」

 

歩夢「えっ……それってどういうこと……ですか?」

 

暗輝「正直……君に見せるべきかどうか迷ったんだけどね……。けど、君が後々事実を知ってしまうなら……と、そう思って今日速水君に君を連れてきてもらったんだ。」

 

 

 

 

 そう言って暗輝颯馬はソファから立ち上がり一旦自身のデスクに戻ると、引き出しの中にあるある1つの封筒を取り出し、その中身をテーブルに広げ歩夢に見せた。

 封筒の中身は数枚の写真。だがその写真に写っていた光景は・・・・・・・歩夢にとって今一番見たくない最悪のものだった。

 

 

 

 

暗輝「心して見てほしい……」

 

歩夢「……っ!これ……うそっ……!」

 

 

 

 

 そこに写っていたのは、陽哉と高咲侑の2人が仲睦まじく歩いているものだった。中には手をつないでいたり、抱き合ったり・・・・・・・・特に歩夢の心を抉ったのは、2人が抱き合ってキスをしている1枚だった。

 

 

 

 

暗輝「その……とても言いにくいんだけど、剣緋陽哉君と高咲侑君はどうも恋仲にあるようなんだ……。それに、この写真の日付を見てほしい。」

 

歩夢「え……?……っ!?この、日付って……!?」

 

 

 

 

 陽哉と侑がキスしている写真の日付を見て歩夢は驚愕した。何故ならその日は歩夢が陽哉に映画に誘って大事な用があるからと断られ、侑を誘っても同じことを言われて断られた日だったからだ。

 

 つまり陽哉と侑の2人はこの日、歩夢の誘いを断って2人で会ってデートをしていたのだ。

 

この事実が・・・・・・・歩夢の心を深く深く堕としていく。そうして歩夢の心に生まれたのは・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫉妬。

 

 

 

 

歩夢「あ……あぁ……!そんな、そんなぁ!」

 

暗輝「私は悔しい!この2人は歩夢君を除け者にして2人で愛を育んでいた!どうして……どうして歩夢君の様な純粋な子が報われないんだと!」

 

歩夢「嫌……嫌ぁ!!!!!」

 

 

 

 

 暗輝颯馬から事実を知らされた歩夢は自分の髪をぐちゃぐちゃにしながら激しく頭を左右に振る。まるで、突きつけられた事実を受け入れたくないという風に。

 

 そんな彼女へ、暗輝颯馬は邪悪な笑みを浮かべこう提案してきた。

 

 

 

 

暗輝「歩夢君……君も悔しいだろう?当然だ……信じていた2人から同時に裏切られたんだから。…………だからこそ……現状を変える方法が1つだけあると言えば……君は信じてくれるかい?」

 

歩夢「……え?」

 

 

 

 

 歩夢が見上げると、暗輝颯馬の目からは涙が流れていた。それを見た歩夢は思ってしまった・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分の為に涙を流してくれるこの人は・・・・・・・いい人なのではないかと。

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 そして暗輝颯馬は歩夢へ語り続ける。優しく、優しく・・・・・歩夢の心にすっと入っていくかの様に。着実に、確実に、歩夢の真っ白な純粋な心を黒く染め上げて行く。

 

 まるで・・・・・透明な水に真っ黒な絵の具を落とす様に・・・・その心を黒く染める。

 

 

 

 

暗輝「君はこのまま受け入れるのかい?自分の純粋で真っ直ぐな心に気付かず……応えることなく高咲侑君と愛し合う剣緋陽哉君を。その道は苦しいよ?寂しいよ?誰1人として君の心の傷に気付いてくれない……永遠に1人ぼっちな世界。私は……君にそんな世界に行ってほしくはない……。だから、()()()受け取って欲しい。」

 

 

 

 

 そう言って暗輝颯馬が差し出して来たのは1冊のワンダーライドブックと一振りの魔剣だった。

 暗輝颯馬が差し出して来た2つのアイテムを見つめていると、徐々に徐々に、歩夢は自分の意識が遠のいていくのを感じていた。

 

 

 

 

歩夢「これ……は……?」

 

暗輝「この2つのアイテムが君に力を与えてくれる。君の夢は1人ぼっちの寂しい世界に行くことじゃない!剣緋陽哉君と2人だけの幸せな世界に行くことだ!」

 

歩夢「陽君と私だけの……幸せな世界……」

 

暗輝「そうだ!君のその素晴らしい世界を……私は実現させてあげたい!その為なら、どんな協力も惜しまない!どうか私に……君の夢を実現させる手助けをさせてはくれないかな?」

 

歩夢「私は……」

 

暗輝「さぁ!君の心の声を聞かせてくれ!君は……どうしたい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、遂に歩夢の目から光が消えた・・・・・・・。

 

 

 

 

歩夢「行きたい……行きたい。2人だけの、幸せな世界……。」

 

暗輝「さぁ、受け取ってくれ!君の世界(ゆめ)を……実現させる為に。」

 

 

 

 

 目に光を失った歩夢は暗輝颯馬の言葉に従い、ワンダーライドブックと魔剣を手にした。

 

 その瞬間、歩夢の腰にベルトが出現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         “人心掌握”

 

 

 

 

 これこそが、暗輝颯馬の人としての力だ。暗輝コーポレーションが短期間で大きく成長したのは暗輝颯馬のこの力にある。

 彼は人の心の闇を見抜くのが上手い。歩夢の様な者には優しく接してその者の心に寄り添い自分を味方だと思わせる。逆に向上心の高い者にはそのプライドを煽り、提携している会社よりも好条件を提示して自社の傘下へと勧誘する。

 

 これだけ。たったこれだけで、人の心は簡単に掌握出来てしまう。そして一番重要なのは他者に信頼されること。だからこそ暗輝颯馬は自社だけでなく傘下の会社・・・・・・いや、業務提携していない会社や近所の方々に至るまで、全ての人に優しく接して優しいだけじゃなく若くして成功した凄い人と巷で話題になっている。

 

 暗輝颯馬に関わる者は皆、簡単にその心を掴まれてしまう。

 

 

 

 

暗輝「さぁ歩夢!私に見せてくれ!君の勇気ある第一歩を!」

 

歩夢「…………」

 

 

 

 

 そして歩夢は立ち上がり、ワンダーライドブックの表紙を開いた。

 

 

 

 

『狂愛の女神!』

 

『狂愛リード!』

 

歩夢「……変身。」

 

『愛に狂いし女神と嫉炎剣愛邪(しえんけん・あいじゃ)が交わる時、混沌の愛が世界を堕とす!』

 

 

 

 

 歩夢は表紙を閉じたワンダーライドブックを魔剣の速読器に読み込ませると腰のベルトに収め、魔剣の柄でワンダーライドブックのページを開いて、黒に暗いピンクが入った仮面ライダー。

 

嫉妬を司るセブンズリッター・・・・・・仮面ライダーインウィディアへと変身した。

 

 

 

 

インウィディア「…………」

 

暗輝「……くくっ、あっはっはっはっは!!!!やっと……やっと嫉妬を手に入れた!」

 

速水「流石です、暗輝様。」

 

暗輝「君もありがとう、公平君!君のおかげだよ!」

 

速水「いえっ!勿体ないお言葉!………あぁそれと、1つお伝えすることが。」

 

暗輝「何だい?」

 

速水「先程ルクスリアから報告があったのですが、監禁していたイーラがそろそろ限界だと……。いかがいたしましょう?」

 

暗輝「あ~そういえば彼、あのあと監禁したんだっけ?そっか……そろそろ怒りが溜まりきったか……。よしっ!解き放っていいよ!」

 

速水「……はっ!」

 

 

 

 

 速水が去った後、立ち尽くすインウィディアこと歩夢の頬に手を添える。

 

 

 

 

暗輝「さぁ歩夢君、これからよろしくね!」

 

インウィディア「…………」

 




さぁ、歩夢ちゃんはどうなってしまうのか・・・・・・





次回【第34話 憤怒の獅子。】

ちなみに歩夢ちゃんを闇落ちさせようと考えていたのは第2章が始まった辺りなのでもう半年以上前になります!

やっとここまできた........
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