暗輝颯馬の目的の様なものの片鱗がわかります。
―――Not anyone視点―――
それは、桜坂碧映達がカザリと戦っている最中のこと……。
別の場所では、オハラグループの株が買収され、その買収した相手……暗輝コーポレーション社長である暗輝颯馬と付き人としてメディックがオハラグループを訪れ、オハラグループの幹部数名と現オハラグループ社長である小原鞠莉を交えて株主総会が行われ、今……その結果が決まってしまったところだった。
「では、反対ゼロ賛成多数により……現オハラグループの社長である小原鞠莉様の解任が決定し、暗輝颯馬様を新たなオハラグループ社長として就任することを決定します。」
司会の男性の声がシン…とした会議室に響く。
この会議室はかなり広く、真ん中に0型の大きいテーブルがあり、左右に10名の幹部役員。前方に暗輝颯馬……更に、後方の出入り口を背にして綺麗なブロンドの金髪を腰まで伸ばし左頭部の髪を6の形に結い、頭頂部に三つ編みカチューシャを作っているとてつもない程の美人……現オハラグループ社長、小原鞠莉が暗輝颯馬の対面に座っていた。
そして司会の男性の言葉通り、暗輝颯馬と小原鞠莉を除いたオハラの幹部達が全員手を上げ、暗輝颯馬を新たな社長とすることを賛成していた。
この結果に、暗輝颯馬は涼しい顔をし、逆に小原鞠莉は悔しそうに唇を噛み、目の前に座る暗輝颯馬のことを睨みつけていた。
そして、結果が出たことでこの会議は終了し、司会の男性と幹部役員達は会議室から退出し、この場に残されたのは暗輝颯馬とメディック…そして、小原鞠莉の3人だけである。
鞠莉「貴方は……何の為にオハラグループを買収したの?」
暗輝「何の為…?」
鞠莉「そうよ。だって…貴方の暗輝コーポレーションとウチとでは業種…というか戦略法が違うわ。どちらかと言えば飛瀬グループさんの方が貴方と似てるじゃない。」
暗輝「そうだねぇ……確かに飛瀬グループも狙っていたけどね。まぁ簡単にライバルを取り込んでしまうのも面白味にかけるからね。今は保留かな。(まぁ別の理由もあるけど)……それと、君の会社を買収した理由だけど……必要だったんだよね。オハラグループの力がさ。」
鞠莉「オハラの力…?」
暗輝「そう。オハラは日本のシェアを半分も持ってるだけじゃなく海外にも絶大な勢力を持っている。…例え違う戦略法を使っている会社であろうとも、そんな戦力は欲しいでしょ?経営者としては。」
鞠莉「…これほど多くの企業を傘下に加えて……貴方は、何をしようとしているの?」
鞠莉のその問いかけに、暗輝颯馬はその問いに答える前にメディックに視線を合わせる。
暗輝「その問いに答える前に……メディック、君は先に帰っておいてくれ。」
メディック「へ……え?何故ですか……?」
暗輝「今から彼女に大事な話をするからだよ。」
メディック「それなら私もっ……!」
暗輝颯馬「…………メディック。」
メディック「……ッ……!」
退出してくれという暗輝颯馬の言葉に反対しようとしたメディックだったが、冷たく重たい声と共に覇気を静かに出した暗輝颯馬を前にメディックは萎縮し、素直に従った。
メディック「わかり……ました……」
メディックはそう言うと、酷く怯えた表情で会議室を後にした。
そして、暗輝颯馬は鞠莉の方へ向き直り、穏やかな何処か余裕そうな表情を浮かべて先程の鞠莉の問いに答える。
暗輝「さて、私が何をしようとしているのか……だったね。」
鞠莉「え、えぇ。」
暗輝「私はね……人間を含めたこの世界に生きとし生ける全ての生物を幸せにしたいんだ。」
鞠莉「……え?」
もっと何か良からぬことなのかと考えていた鞠莉は、暗輝颯馬の予想外の言葉に一瞬戸惑った。
鞠莉「全ての生物を幸せにって……どういうこと?」
暗輝「そのままの意味だよ。この世に蔓延る悪意から皆を救いたい。悪意無い幸福の世界を創りたい……ただそれだけ。」
鞠莉「全ての人を救いたい幸せにしたいって……そんなこと出来ると思ってるの?出来るとしたらどうやって?」
暗輝「その方法を教えることは出来ない。……けど、やってみせる。いや、私なら出来る。」
鞠莉「随分と傲慢なことを言うのね……貴方は……神にでもなろうとしてるのかしら?」
暗輝「神?そんな物に興味は無いけど……まぁそうだね、私のやろうとしていることを端的に言うならそうなるかな。」
そして、次の暗輝颯馬の言葉に、鞠莉はこれまで以上の怒りをみせる。
暗輝「まぁ安心してよ。君を社長の座から降ろしたからと言って邪険に扱う気は無い。むしろ良い役職を与えよう。君も必ず幸せの世界へ連れて行こう……勿論、君がこの会社以上に大切に想っているお友達たちも……ね。」
鞠莉「なっ…!貴方……何処まで私のことを調べたのッ!」
暗輝「大体全てだよ。買収相手のことを知るのは当然でしょ?」
鞠莉「あの子達に手を出したら……許さないわよッ!」
暗輝「手を出すなんて人聞きの悪いことを言うね。……まぁいいけど。結局今の君にはもう何も出来ないし。」
鞠莉「……くっ。」
暗輝「それじゃあ……これからよろしくね?小原鞠莉君♪」
そう言うと、暗輝颯馬は会議室を後にした。
一人残された鞠莉はただ……悔しさに打ちひしがれ、この場にいない……幼少期から知っている弟の様に可愛がってきた彼に自身の不甲斐なさを謝ることしか出来なかった。
鞠莉「ごめんなさい……雷羽……。約束を守れなくて……不甲斐ない私を許して……」
という訳で今回はカザリとの戦いの裏で何が起こっていたかを書きました。
鞠莉ちゃんの大人の姿とかもう絶対美人ですよね!
そして、暗輝颯馬がメディックを部屋から追い出したシーンがあるじゃないですか?あれは何故かといいますと、メディックを含めてセブンズ・リッター全員に自身の目的をちゃんと話していません。
彼等には嘘を言っています。