ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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グラスワンダーで耳かき(男トレーナー視点)を書きました。

他の方の書いている湿度高めなグラスに比べると非常にマイルドだと思いますが、卒業後のあれこれを既に考え始めているぐらいにはグラスから狙われているトレーナーの明日はどっちだ。


グラスワンダー(地の文あり、男トレーナー視点)

トレセン学園から30分ほどにあるレンタル茶室。俺にとっては無縁の場所だと思っていたが、今日は担当ウマ娘であるグラスに誘われて、ここでグラスの用意してくれた茶を口にしている。

 

「……けっこうなお点前です」

 

 グラスの淹れてくれたお茶を飲み、ホッと息を吐く。お茶は確かに美味しいんだが……どうもマナーを間違えたら何かあるんじゃないかと緊張してしまう。

 

「そう言って貰えると嬉しいです。お茶菓子もどうぞ、召し上がってください」

 

「あ、ああ。そうだな」

 

グラスの態度を見るにマナー違反はしてないようだ……取り敢えず茶菓子を食べて気分を落ちつける……あ、これ旨いな、どこの茶菓子なんだ?

 

「ふふ、こうして穏やかな時間が過ごせるのは良いですねぇ。レースもしばらくはないですし……このまま、穏やかに過ごしていきたいですねぇ」

 

「ん……まぁ、そうだな。たまにはこうしたゆっくりとした時間を過ごすのも悪くないな」

 

 茶菓子に意識が行っていた俺もグラスの言葉に頷く。日の光を浴びながらこうしてゆったりとした時間なんて何時ぶりだろうか。実家を思い出すなぁ……。

 

「では~……お茶はそろそろお開きにしましょうかぁ。道具を片付けますので少々お待ちくださいね」

 

 そう言うとグラスは滑らかに立ち上がり、道具を片付けていく。割と長時間正座してるはずなんだが、よくあんなスムーズに動けるなぁ。俺はそろそろ痺れがきてるんだが……。

 

「トレーナーさん、それでは本日はこのまま耳かきもしていきましょうか。こんな穏やかな時間ですし、きっと気持ちの良い時間を過ごせますよ」

 

「ん? ……えーと、今日は耳かきをするというのは聞いてないんだが」

 

 突然の言葉に俺は首を傾げる。

 

「はい、言っていませんから。でも、たまにはドッキリで驚いてもらうのも悪くないかと思いまして」

 

 悪戯が成功した子供のように朗らかに笑みを浮かべるグラス。そして、自分の膝を軽く叩いて俺を促してきた。

 

「さぁ、トレーナーさん。早くこちらに来てくださいな。時間はまだまだありますから……ゆっくりと、耳かきを楽しんでくださいな」

 

 視線を出入り口に向けるが、そこに行くにはどうしてもグラスの近くを通らなければいけない。そうでなくてもこの密室でG1勝利ウマ娘から逃げられるはずもない。走り出した瞬間、グラスに抱き着かれ、そのまま体勢を崩した俺が強引に膝枕される幻影すら見えた。

 

「あ、ああ。そうしよう……かな」

 

 少し迷ったが逃げられないのであればどうしようもない。俺はおとなしくグラスの膝に頭を置く。と言うかまぁ、以前には俺の方から耳かきを頼んだことがあるんだから、今更逃げるような事もないんだけどな……でも、頭を撫でられるのは流石にちょっと抵抗あるぞグラス。

 

「それでは~……まずはトレーナーさんのお耳の毛を剃っていきましょうかぁ」

 

「ん、痛くないように頼むぞ」

 

「勿論ですよ」

 

 了承の言葉と共に、剃刀の刃が俺の耳たぶに触れる。冷たい金属の触感に少しだけ体に力が入った。

 

 ショリショリ……ショリショリ……

 

 ショリ……ショリ……

 

 耳の毛は髭に比べると薄いと思うが、耳とだけあって音が良く聞こえてくる。特に力を入れられているわけでなく、撫でるような感じで刃が動いているのにだ。

 

 そして、薄く動かされているからこそ、こう……むず痒い。むず痒くて思わず体が震える。

 

「うおぉ……痒い……ムズムズする」

 

「ダメですよぉ、剃ってる最中に動くのは危ないんですから。この辺ですか? 掻いてあげますね」

 

 痒みを訴えると、刃が離れて、代わりにグラスの爪が俺の耳たぶを掻いてくれる。はー……痒かった。

 

「ふぅ……痒かった」

 

「あらあら、次はもうちょっと早めに剃っていきますね。さぁ、剃った毛はウェットティッシュで拭きとって……中の毛も剃っていきますね」

 

 安堵の息を吐いていると、毛を剃られた場所をウェットティッシュで拭われて、次は耳の中に刃が入ってくる。耳の外側から引っ張られ、少しでも穴が広げられる。

 

 ジョリジョリ……ジョリジョリ……

 

 プチプチ……ジョリジョリ……

 

 先程よりも大きい音で耳の毛が剃られていく。耳の中を刃が動いていると考えると流石に怖い……のとやっぱり痒い! 普段は指ぐらいしか入れる事のない部分の毛をこう剃られていくと痒みが増していく!

 

「では、綿棒で剃り落とした毛を先に取っていきますね。トレーナーさん、ちょっと痒そうですし」

 

「あ、ああ。頼む。すぐに指を突っ込みたいぐらいなんだ」

 

 俺の訴えを聞き入れてくれたのか、グラスが綿棒で耳の中の剃った毛を絡めとりながら、掻いてくれるのでようやく痒みが収まっていく。ふー……助かった。

 

「どうですかぁ? もう痒くないです?」

 

「ああ、なんとか痒みも収まったよ」

 

「では、奥の方の掃除をしていきましょうね」

 

カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 耳かきが軟骨の奥……普段は異物が入る事のないような奥にまで入って耳かきを行っている。流石にこれは……異物に当たり慣れてないから滅茶苦茶ゾクゾクくるし、なんなら普通に怖い。

 

「トレーナーさん、どうですかぁ? まだ痒い所はありますか?」

 

「あー……んー……大丈夫……かな」

 

 ゾクゾクしてるのは痒いのとは違うし、取り敢えず痒みはないと答えておく。

 

 カリカリ……ガリガリ……

 

 ガッ……ベリッ……ベリッ……

 

 奥で耳垢が掻かれていくと、音も軟骨の手前側で耳かきをされるよりも大きく聞こえてくる。ふぅ……グラスの事だから大丈夫だと思うけど、何も起きるなよ……。

 

「さぁトレーナーさん。粗方の耳垢も取れましたので、梵天で粉を取っていきましょうか」

 

「あ、今回はちょっと早かったか。そんなに汚れてなかったのか?」

 

「そうですねぇ……耳毛が濃かったぐらいですね。ですのでこちら側の掃除はこの辺りにしておきますね」

 

 グラスはそう言って耳かきを引き抜いた。後は梵天かな……!? ほあ、ほあああああ! この感触……尻尾!? 視界の端にグラスの尻尾が見えるぞ!

 

「ほおおおおおッ……ちょ、奥に尻尾が……」

 

「軟骨部分より先まで入りますものね♡ ほらほら、耳毛を剃って敏感になってる部分や、普段異物が入る事のない奥にまで尻尾の毛が差し込まれるのは気持ち良いでしょう♡」

 

 耳の中をグラスの尻尾が出入りするたびに神経を直接撫でられているかのようなくすぐったくもむず痒くも温かくも……ヤバイヤバイ! 担当ウマ娘にこんな事をされているというだけでも背徳感がやばいのに!

 

「では、この辺りでお終いにしておきますね。では、後はローションを塗って、ケアをしていって……と」

 

 ぬるぬる……ぬりぬり……

 

 ぬちょぬちょ……ぬりぬり……

 

 尻尾が引き抜かれて、次にローションが塗られていく。ああ……危なかった……危うく開いたらいけない扉が開かれるところだったぞ……!

 

「ふぅ……はぁー……ひんやりしてるな」

 

 尻尾梵天の衝撃もようやく収まって、俺は呼吸を整える。はー……気持ち良かったけど……衝撃が強すぎるな。

 

「うふふ、気持ち良さそうですねトレーナーさん。そんなに油断しちゃだめですよ♡」

 

 気を抜いている俺の耳元で不意にグラスの息遣いを感じたと思うと。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「ひょおおおい!?」

 

 いきなり息を吹きかけられて思わず変な声が口から飛び出た。ちょ……おま……これはビビるぞ。

 

「おお……びっくりした」

 

「うふふ、ごめんなさいトレーナーさん。あまりに無防備でしたから。さぁさぁ、今度は反対側を掃除していきますね」

 

 驚きの衝撃から抜け出す前にグラスが俺を軽々と反対側に向ける。いやまぁ、わかってはいたことだけど、ちょっとクる物はあるんだぞ。

 

「まずは、耳たぶ、耳の淵……濃くなっている耳の毛をチョリチョリチョリ……チョリチョリチョリ……」

 

「く、くすぐった……痒……!」

 

 刃が耳毛を剃るたびに痒みに襲われ、搔きたくなる衝動に襲われるがなんとか我慢する。我慢しないと痛い思いをする……でも、痒い!

 

「我慢してくださいねぇ。変に動いたら手元が狂ってしまいますから」

 

 チョリチョリ……ゾリゾリ……

 

 プチプチ……ゾリッ……

 

 耳の中の毛も、ジョリジョリと音を立てて剃られていく。う……やっぱり、外側の毛を剃られてる時よりも怖いな……できれば早く終わってくれ……。

 

「耳の中の毛も剃ったので、先に剃り終わった毛を綿棒で掃除していって……」

 

「おおお……くすぐったい……」

 

 グルグル……ゴゾゴゾ……

 

 ズズズ……ゾゾゾ……

 

 今度はウェットティッシュは使われず、直接綿棒で絡め取られていく。くすぐったいが、耳の中の剃られた毛による不快感を絡め取ってくれているのが良くわかる……でも、二本目まで使われるって、そんなに濃い毛だらけだったのか?

 

「では、次は軟骨の奥の方の耳垢を……耳かきで慎重に掃除していきますよ」

 

「お……ぅ……ちょ、ちょっと怖いな、やっぱり」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 耳の奥、普段は軟骨の出っ張りで異物が入り込むのを防いでいる先に耳かきが差し込まれ、耳垢を掻き出されていく。グラスなら大丈夫だと自分に言い聞かせるも……どうしても体が固くなる。

 

「では~、尻尾で奥の粉もちゃーんと、掃除してあげますね♡」

 

「ううううう……ちょ、背徳感が半端ないぞ……」

 

そんな俺をよそにグラスは尻尾梵天を宣言する。ウマ娘の大切な部分が俺の耳の中に入ってくるってのが……本当に背徳感が凄いんだが。

 

 ズズズ……ススス……

 

 ズズ……コシコシ……

 

 おおおお……ヤバイって……語彙が無くなるぐらいヤバイぞこれ……!

 

「奥の掃除も終わったので、ローションで掃除した後の所に十分な保湿をしていきましょうね、トレーナーさん」

 

「うむむ……毛を剃った後に冷たいのはやっぱりクるな」

 

 ぬるぬる……ぬりぬり……

 

 ぬちゃ……ぬちょ……

 

 身悶えしている間に尻尾が引き抜かれ、次にローションが塗られる。とは言え、正直言えば尻尾梵天よりも刺激が少ないからまだ大丈夫だ。とは言えここで気を抜くと追撃がくるから……。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「おお……奥まで届くな」

 

「うふふ、届くように息を吹きかけてますからね」

 

 軟骨で遮られないように細く、長く吹きかけられたグラスの吐息だが、流石に二回目となると予想がついて体が備える。おかげで変な声を出さずに済んだぞ。

 

「さて……それでは、耳かきも終わりましたし……このままお昼寝しましょうね、トレーナーさん」

 

「ん……確かに眠いけど……ここの時間とか……」

 

「大丈夫ですよ、時間は多めに押さえてますから。トレーナーさんは何も心配せず、お昼寝してくださいね」

 

 流石グラス、用意周到だな……って感心していいのかどうか迷うが……ここはおとなしく寝させてもらおう。ふぁ……なんか、気が抜けたせいか、本当に眠気が……きた……。

 

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